ハクビシンはどんな動物?
「ハクビシン」という動物をご存知でしょうか。ハクビシンは本来は森林に住む動物ですが、近年森林開発によって住処を追われ、都市近郊や住宅街などにも姿を表すようになり、目撃情報は増加傾向にあります。住宅街に住み着いたハクビシンによる被害も増えており、一般的にハクビシンは「害獣」扱いされるケースが多いです。
しかし、ハクビシンはタヌキやアライグマに似た可愛らしい外見をしているので、ペットとして飼いたい、という話も多く聞かれますが、ハクビシンはペットとして飼うことができるのでしょうか。今回は、ハクビシンはペットとして飼うことができるのか、ペットとして販売されているのか、詳しく説明します。
しかし、ハクビシンはタヌキやアライグマに似た可愛らしい外見をしているので、ペットとして飼いたい、という話も多く聞かれますが、ハクビシンはペットとして飼うことができるのでしょうか。今回は、ハクビシンはペットとして飼うことができるのか、ペットとして販売されているのか、詳しく説明します。
ハクビシンとはどんな動物なのか?
まず、ハクビシンはどのような動物なのか、生態や特徴など、詳しくご紹介します。
特徴
ハクビシンは日本に唯一生息するジャコウネコ科の動物です。ハクビシンは「白鼻芯」と表記されるように、額から鼻にかけて白い線が入っているのが特徴です。体長51〜76センチ、尾長40〜60センチ、体重3.6〜6キロ、ネコのような体つきをしており、オスの方がメスより一回りほど体が大きい傾向があります。
ハクビシンには、他のジャコウネコ科に多くみられる体の斑点ははなく、褐色、灰褐色や黒褐色の毛色をしており、背中の毛色は濃く、腹部は淡い色をしています。四肢には5本の指があり、足の裏には毛が生えていないため、木登りを得意としています。
ハクビシンには、他のジャコウネコ科に多くみられる体の斑点ははなく、褐色、灰褐色や黒褐色の毛色をしており、背中の毛色は濃く、腹部は淡い色をしています。四肢には5本の指があり、足の裏には毛が生えていないため、木登りを得意としています。
分布地域
ハクビシンは、パキスタンからインド、ネパール、チベット、中国南部や台湾、ミャンマーやタイなどインドシナ半島に幅広く分布しています。昭和20年代には福島や静岡、山梨、四国などの一部の地域に生息していましたが、徐々に分布地域が拡大し、現在はほぼ全国に生息し、東京などの都市近郊でも生息が確認されています。
ハクビシンは主に低山や森林地帯に生息していますが、雑食で環境適応能力が高いため、東南アジアのハクビシンは標高2500メートルの高山地でも生息することができます。
ハクビシンは主に低山や森林地帯に生息していますが、雑食で環境適応能力が高いため、東南アジアのハクビシンは標高2500メートルの高山地でも生息することができます。
生態
ハクビシンは基本的に夜行性で、夕暮れとともに行動をし始めます。昼間は巣穴で眠っていることが多いですが、近年昼間に活動しているところを目撃された例も少なくなりません。普段は単独行動ですが、メスと子供が小さな群れを作って行動することもあります。
ハクビシンはイチジクやマンゴー、バナナ、ミカン、カキなどの果実類のほか、鳥や鳥の卵、昆虫、カエルなどの小動物も食べます。
繁殖期は春と晩秋で、地域によっては2度繁殖することもあります。妊娠期間は約2ヶ月で、一度に2〜3匹ほど出産します。
ハクビシンの寿命は、平均10年程度と言われていますが、飼育環境下で25年ほど生きたという記録も残されています。
ハクビシンはイチジクやマンゴー、バナナ、ミカン、カキなどの果実類のほか、鳥や鳥の卵、昆虫、カエルなどの小動物も食べます。
繁殖期は春と晩秋で、地域によっては2度繁殖することもあります。妊娠期間は約2ヶ月で、一度に2〜3匹ほど出産します。
ハクビシンの寿命は、平均10年程度と言われていますが、飼育環境下で25年ほど生きたという記録も残されています。
ハクビシンは外来動物なのか?
日本に生息するハクビシンは、日本在来種なのか、毛皮の採取目的で持ち込まれたものが野生化した外来種なのかいまだにはっきりとわかっていません。日本に生息するハクビシンは、顔面の斑点が他の地域で生息するハクビシンと異なっていることから、日本独自の亜種であると考えられています。
しかし、ジャコウネコ科の化石が見つかっておらず、江戸時代や明治時代にハクビシンの明確な生息記録が残っていないことから、他の地域から持ち込まれた外来動物であるという見解が強くなっています。近年行われたDNA解析の結果、台湾に分布するハクビシンと同列のものということが判明しました。
しかし、ジャコウネコ科の化石が見つかっておらず、江戸時代や明治時代にハクビシンの明確な生息記録が残っていないことから、他の地域から持ち込まれた外来動物であるという見解が強くなっています。近年行われたDNA解析の結果、台湾に分布するハクビシンと同列のものということが判明しました。
ハクビシンは害獣?
近年、森林開発や環境の変化により、住処を追われたハクビシンが都市近郊や住宅街などにも行動範囲を広げ、生息しているというケースが多く聞かれます。そのため、農作物を荒らしたり、ゴミを荒らしたり、住居に侵入し住処にしたり、民家の庭に糞尿をするという被害が出ています。そのため、近年ハクビシンは害獣としての認識が強くなっています。
しかし、ハクビシンは「鳥獣保護法」によって保護された野生動物なので、個人が許可なく捕獲することはできません。そのため、ハクビシンの駆除するには、県や市から許可をもらった業者に依頼する方法が一般的となっています。
しかし、ハクビシンは「鳥獣保護法」によって保護された野生動物なので、個人が許可なく捕獲することはできません。そのため、ハクビシンの駆除するには、県や市から許可をもらった業者に依頼する方法が一般的となっています。
ハクビシンはペットとして販売されているのか
ハクビシンは害獣としての認識が強まっている一方、見た目が可愛らしいため、ペットとして飼いたいという人も多いです。ハクビシンは「鳥獣保護法」で保護されている動物なので、仮にペットとして飼育する場合は、県や市などの自治体の「生涯飼育許可」が必要となります。
しかし、東京都などのハクビシンが駆除対象地域に指定されている地域の場合は、研究目的での飼育や、病気や怪我をしている個体を保護した場合など、特別な理由がない場合は飼育することはできません。
そのため、現在は申請をしても、生涯飼育許可が下りるケースは少ないため、ハクビシンをペットとして飼うことは難しいです。このような現状から、ペット用としてハクビシンをペットショップで販売したり、ブリーダーが繁殖することはほぼ不可能と言えます。
しかし、東京都などのハクビシンが駆除対象地域に指定されている地域の場合は、研究目的での飼育や、病気や怪我をしている個体を保護した場合など、特別な理由がない場合は飼育することはできません。
そのため、現在は申請をしても、生涯飼育許可が下りるケースは少ないため、ハクビシンをペットとして飼うことは難しいです。このような現状から、ペット用としてハクビシンをペットショップで販売したり、ブリーダーが繁殖することはほぼ不可能と言えます。
ペットのハクビシンの値段・価格
ハクビシンは現状、ペット用として販売することはほぼ不可能な状態です。そのため、ペット用にハクビシンを購入するとなった場合の販売価格ははっきりとしていません。似たような動物で、アライグマがブームとなっていた時の販売価格は15〜20万円、キツネは輸入のものが50万円〜ほどの値段で販売されているということを踏まえると、ハクビシンがペット用として販売される場合、相応の価格がつくことが予想されます。
どうしてもハクビシンをペットにしたい場合
どうしてもハクビシンをペットとして飼いたい場合は、自分で捕獲するという方法もあります。ハクビシンは、鳥獣保護法によって「狩猟鳥獣」に指定されているため、狩猟免許があれば猟期期間内に捕獲することが許可されています。狩猟というと猟銃を使用するイメージがありますが、ハクビシンは「箱罠」という檻を設置する方法で殺傷することなく捕獲することができます。
ハクビシンのペットとしての飼い方
ハクビシンをペットとして飼う場合、基本的にケージ飼いとなります。寝床となるベッドや動き回れるくらいの大きさのケージ、首輪を用意しましょう。
雑食性なので、食べられるものはなんでも食べてしまいますが、主食はキャットフードを主食に、バナナ、ミカン、リンゴ、カキなどの果実類に加え、卵や鳥肉などのタンパク質をバランスよく与えるようにすると良いでしょう。
雑食性なので、食べられるものはなんでも食べてしまいますが、主食はキャットフードを主食に、バナナ、ミカン、リンゴ、カキなどの果実類に加え、卵や鳥肉などのタンパク質をバランスよく与えるようにすると良いでしょう。
ハクビシンをペットにする際に注意すること
夜行性
ハクビシンは昼間は巣穴で眠り、夕方ごろから活動を始める夜行性の動物です。そのため、夜中に動き回って大きな物音を立てる場合があります。本来夜行性の動物も、人間と一緒に生活するうちに人間の生活リズムに適応して昼間に活動するようになった、というケースもありますが、ペットのハクビシンが適応できるか不明です。基本的にハクビシンは、夜に行動する動物だということを覚えておきましょう。
しつけ
ハクビシンは基本的にしつけができない動物だと認識しておいた方が良いでしょう。特にトイレは、ハクビシンは高いところに登る性質があるので、タンスや棚など背の高い家具に登り、気に入った場所で排泄をしてしまうことがあります。
いたずらをしたときも、叱っても効果がなく、むしろ興奮して暴れまわるといったケースもあるので、根気よく向き合うことが必要となってきます。
いたずらをしたときも、叱っても効果がなく、むしろ興奮して暴れまわるといったケースもあるので、根気よく向き合うことが必要となってきます。
病気
ペットとしてハクビシンを飼った場合、病気になったときに診察してもらえるクリニックを探しておく必要があります。一般的なクリニックはイヌやネコを対象としているので、ハクビシンの診察に対応していない可能性があります。
「エキゾチックアニマル(珍しい動物のことを指す)」の診察を行なっているクリニックか、野生動物の診察ができる獣医がいるクリニックであれば対応可能な場合があるので、ペットとして飼う前に調べておきましょう。
「エキゾチックアニマル(珍しい動物のことを指す)」の診察を行なっているクリニックか、野生動物の診察ができる獣医がいるクリニックであれば対応可能な場合があるので、ペットとして飼う前に調べておきましょう。
菌
2003年、新型肝炎「SARS」の発生源としてハクビシンが疑われていました。その後の調査により、SARSの発生源はキクガシラコウモリであったことが判明しましたが、ハクビシンも雑菌やウイルス、ノミやダニなどを媒介する動物の一つです。
ハクビシンは免疫力が強いため、ハクビシン自身が健康そうに見えても、人間やその他の動物にとって危険な感染症の元となる菌やウイルスをばらまいている可能性もあります。野生のハクビシンをペットとして飼う場合には十分な注意が必要です。
ハクビシンは免疫力が強いため、ハクビシン自身が健康そうに見えても、人間やその他の動物にとって危険な感染症の元となる菌やウイルスをばらまいている可能性もあります。野生のハクビシンをペットとして飼う場合には十分な注意が必要です。
ペットのハクビシンの被害
ハクビシンは、子供の頃から育てれば人間に懐く可能性が高いと言われていますが、野生のハクビシンを捕獲してペットにする場合、人間に懐く可能性は非常に低いです。
森林などでハクビシンに遭遇した場合、人間に対して警戒をしているため、自分から攻撃してくることはありません。しかし、野生のハクビシンを捕獲してペットにする場合は、恐怖心から攻撃してくることもあり、噛み付かれたり引っかかれて怪我をすることがあります。
また、野生のハクビシンをペットとして飼う場合は、ノミやダニ、感染症の原因となる菌やウイルスを持っている場合もあるので、ノミとり用の首輪を付けたり、薬を飲ませて周りに被害が出ないようにしましょう。
森林などでハクビシンに遭遇した場合、人間に対して警戒をしているため、自分から攻撃してくることはありません。しかし、野生のハクビシンを捕獲してペットにする場合は、恐怖心から攻撃してくることもあり、噛み付かれたり引っかかれて怪我をすることがあります。
また、野生のハクビシンをペットとして飼う場合は、ノミやダニ、感染症の原因となる菌やウイルスを持っている場合もあるので、ノミとり用の首輪を付けたり、薬を飲ませて周りに被害が出ないようにしましょう。
ペットとしてはハードルの高い動物
今回は、ハクビシンはペットとして飼うことができるのか、ペットとして販売されているのか、詳しくご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
ハクビシンは、可愛らしい外見をしていますが、生態や法律、入手方法の難しさから、ペットとして飼うにはハードルの高い動物です。仮にこれらの問題をクリアでき、ハクビシンをペットとして飼うことになったら、責任を持ってしっかりと面倒を見ましょう。
ハクビシンは、可愛らしい外見をしていますが、生態や法律、入手方法の難しさから、ペットとして飼うにはハードルの高い動物です。仮にこれらの問題をクリアでき、ハクビシンをペットとして飼うことになったら、責任を持ってしっかりと面倒を見ましょう。