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ウォンバットはペットとして飼えない?生態とその理由とは?

ウォンバットとは?

世界名作劇場では珍しい動物がペットとして出てきます。

「不思議な島のフローネ」ではブチクスクスのメルクル、「わたしのアンネット」ではオコジョのクラウス、「母をたずねて三千里」で出てきた白い猿の名前はアメディオでした。

そして「南の虹のルーシー」では、主人公のルーシーメイがウォンバットをペットにする場面があります。

ウォンバットは近年になってきている動物で、かわいらしい外見や大人しい性格が魅力です。

可愛いペットを飼いたいと思うとき、どんな動物にするかは一番の迷いどころです。そこでウォンバットはペットとして飼えるか、ペットとして買うときの注意点などについてまとめます。

ウォンバットの生態

ウォンバットはオーストラリアに広く分布する有袋類(ゆうたいるい)です。カンガルーやワラビー、コアラと同じようにお腹に袋を持ち、ウォンバットの赤ちゃんはお母さんの袋の中で大きくなります。

体型はずんぐりむっくりとして足は短く、小さめの目と耳が特徴的です。名前のウォンバットの意味がアボリジニの「平たい鼻」という言葉からきているとおり、ぺったりとつぶれた鼻をしています。

一般的にウォンバットというとヒメウォンバット(コモンウォンバット)を指します。他にはキタケバナウォンバット、ミナミケバナウォンバットの全部で3種類がいます。
科目双前歯目ウォンバット科
体長70~115cm
体重20~40kg
主な生息地草原、低木林、山岳地帯

寒さに弱い

ウォンバットは寒さに弱い動物です。ウォンバットは地面に穴を掘って巣にしますが、これは外敵から身を守るためのほかに、外気に左右されないすみかを求めているからです。

ペットの猫はよく日向ぼっこしていますが、ウォンバットも日光浴をすることがあります。

寒い季節になると、普段の活動時間外でも巣穴の外に出て身体を暖めている様子が観察されています。

巣穴を掘る

ウォンバットは前足のスコップのような爪で巣穴を掘ります。巣穴はいくつもの出入り口と多くの小部屋を持つ複雑な構造で、一番奥に寝床を作ります。

活動時間外のウォンバットは巣穴にこもっていることが多いです。

ヒメウォンバットは単独で生活し、3~10mの巣を1頭で作ります。反対に他のウォンバット種は群れで生活し、もっと大きな規模の巣穴を作りあげます。

足が速い

ウォンバットは足が短く、歩くときもヨタヨタとしてゆっくりです。見た目からしてとても俊敏そうには見えないウォンバットですが、意外にもかなりの猛スピードを隠し持っています。

実は短い足にはしっかりと筋肉があり、ディンゴやタスマニアデビルなどの肉食動物から逃げるために使われます。

短距離を走るのが得意で、時速40kmもの速さを出すことがあります。また、短距離でなら泳ぎも得意です。

人懐っこい性格

ウォンバットはとても大人しく、非常に人懐っこい動物です。

野生のウォンバットでさえ人間を見つけると積極的に近づいて、なかなか離れようとしません。動物園で飼育されているウォンバットは飼育員さんに遊んでほしくてじゃれ付いたりもします。

襲われた、危害を加えられたと感じたときには人を襲うこともあります。しかしそれ以外では本当に大人しくて愛くるしい姿を見せてくれます。

草食動物

ウォンバットは草食動物で、主食は木や草の根です。

お腹に長い消化器官を持っていて、食べたものをゆっくりと消化して水分と栄養をたっぷりと限界まで吸収します。その結果、ウォンバットのうんこは四角く硬くなります。

ペットとして重宝される草食動物のウサギなどは丸くやわらかいうんこをしますが、四角く硬いウォンバットのうんこは非常に特徴的です。

ウォンバットはペットとして飼えない?その理由3つ

見た目もかわいらしく、大人しい性格がペット向きに思えるウォンバットですが、実は日本ではペットとして飼うことができない動物になります。理由は大きく分けて全部で3つあります。

なぜ飼うことができないのか、順番に見ていきましょう。

ウォンバットがペットとして飼えない理由1:害獣とみなされていた

ウォンバットは害獣とみなされていた時期があります。ウォンバットはたくさんの穴を持った巣穴を掘りますが、穴に家畜やトラクターが落ちて事故に遭い、住民に被害が出る例が多発しました。

またウォンバットの巣穴は、畑の作物を食べてしまうことで同じく害獣とされているアナウサギが住み着くことがあります。

2重に被害が心配されるので、ウォンバットが害獣とされる理由の一つにもなっています。

ウォンバットがペットとして飼えない理由2:絶滅する恐れがある

ウォンバットは現在、絶滅の危機がある動物とされています。特にキタケバナウォンバットは絶滅危惧種に指定されていて、本格的な保護が行われています。

ヒメウォンバットも害獣として駆除されていた時期がありましたが、駆除のやりすぎなどが原因で数が減ってしまい保護動物に指定されています。

ヒメウォンバットの生息地では現在でも不法に駆除されてしまうことがあり、絶滅が懸念されています。

ウォンバットがペットとして飼えない理由3:販売目的で輸入することが禁止されている

ウォンバットはオーストラリア政府によって個人や販売目的での輸入が禁止されている動物です。

そのため日本のペットショップで買うことも、ペット用として送ってもらうこともできないことになります。

日本で飼う動物としては向かないウォンバットですが、動物園などでは飼育されているため、日本国内でもウォンバットを身近に感じることができます。

日本以外では許可しているところもある

ウォンバットは日本ではペットショップで買うことも、ペット用として送ってもらうこともできませんが、オーストラリア国内であればペットにできる例もあります。

実際にオーストラリアでペットとして飼っている人もいます。

ウォンバットが見られる動物園3選

日本で個人がウォンバットを飼うことはできませんが、ペットにできなくても動物園に行けばウォンバットに会うことができます。

動物園などでの繁殖目的でなら、オーストラリアから持ち込んで飼育することは可能だからです。

2019年に日本で飼育されているウォンバットは全部で7頭、ウォンバットが見られる動物園は全部で2箇所です。
営業時間入園料休園日
茶臼山動物園9時30分~16時30分      ※冬季間(12/1~2月末)は10時~16時大人600円   小中学生100円冬期間の毎週月曜日(祝日・振り替え休日の場合は次の平日)、12月29日~12月31日
東山動植物園9時~16時50分大人500円   ※中学生以下は無料毎週月曜日(祝日・振り替え休日の場合は次の平日)、12月29日~1月1日
五月山動物園9時15分~16時45分無料 ※駐車場有料毎週火曜日(祝日の場合は次の平日)

ウォンバットが見られる動物園1:茶臼山動物園(長野県長野市)

現在茶臼山動物園には高齢のメスのウォンバットが1頭、東山動植物園からブリーディングローン(繁殖のための貸し出し)で転入してきた、こちらも高齢のオスのウォンバットが1頭の全部で2頭が飼育されています。

茶臼山動物園には3頭のウォンバットが飼育されていましたが、2頭は既に高齢により亡くなっています。

動物園では、今後は2頭を老後のパートナー同士として静かに見守ってほしいと紹介しています。
茶臼山動物園の情報
  • 営業時間:9時30分~16時30分 ※冬期間(12月1日~2月末)は10時~16時
  • 入場料:大人600円 小中学生100円
  • 休園日:冬期間は毎週月曜日(祝日・振り替え休日の場合は次の平日)、12月29日~12月31日

ウォンバットが見られる動物園2:東山動植物園(愛知県名古屋市)

東山動植物園にはオスのウォンバットが1頭飼育されていましたが、2018年に茶臼山動物園へ転出しています。それに伴い、ウォンバットの展示は一旦終了となっています。

なので現在、東山動植物園でウォンバットを見ることはできません。

東山動植物園へウォンバットを見に来ていた人には残念なことですが、二度と見られなくなったわけではありません。茶臼山動物園に行けばパートナーと仲良く暮らしている様子を見ることができます。
東山動植物園の情報
  • 営業時間:9時~16時50分
  • 入園料:大人500円 ※中学生以下は無料
  • 休園日:毎週月曜日(祝日・振り替え休日の場合は次の平日)、12月29日~1月1日

ウォンバットが見られる動物園3:五月山動物園(大阪府池田市)

五月山動物園では日本で飼育されているウォンバットのうち、国内最多の5頭が飼育されています。また世界で二例目、日本では初めてウォンバットの繁殖に成功した動物園でもあります。

五月山動物園のホームページでは、ウォンバット舎の様子をリアルタイムで配信する「ウォンバットてれび」というサービスが行われています。

動物園に見に行けない人も、家にいながらウォンバットを身近に感じることができます。

ウォンバットは飼えないため動物園に行こう

日本でペットとして飼う動物にウォンバットは向かないことが分かりましたが、動物園に行けばウォンバットを間近で見ることができます。ペットには別の動物を選びましょう。

ペット向きの動物としては、「小公女セーラ」のアフガンハウンド、「アルプスの少女ハイジ」のヨーゼフの犬種セントバーナードなどが挙げられます。

特にかたつむりが好物というヨーゼフは、おっとりした性格がウォンバットにも少し似ています。

原作のフランダースの犬の犬種はブービエ・デ・フランダースですが、アニメのパトラッシュはセントバーナードに似ています。

セントバーナードは「あらいぐまラスカル」など、世界名作劇場の作品に多く登場する大人しく賢い大型犬で、ペットにもです。
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