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タヌキとアライグマの違いは何?見た目や習性・性格・食べ物の違いを解説

「この前見かけたけど、タヌキかアライグマどっちだったんだろう」
「タヌキとアライグマの違いって?」
このように、タヌキとアライグマの違いがわからない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、野生生物で見かけることも多いタヌキとアライグマの違いについて解説します。タヌキとアライグマの違いについて、生物学的分類から外見の特徴、習性と被害防止策を見ていきます。

動物にはそれぞれの習性があり、害獣対策をする際はその習性に合わせた対策法が必要です。記事を読むことで、タヌキとアライグマの違いを正確に知り、適切に対応できるようになるでしょう。

タヌキとアライグマの違いが気になっている方や、害獣被害の対策や捕獲方法を知りたい方は是非チェックしてみてください。

タヌキとアライグマの違い【生物学的分類】



タヌキは哺乳綱食肉目(ネコ目)イヌ科に属します。英語名はRccoon Dogといいます。体長はおよそ40~60cmで体重はおよそ3~5kgです。

アライグマは哺乳綱食肉目(ネコ目)アライグマ科に属します。英語名はCommon Raccoonといいます。体長はおよそ40~60cm、体重は4~10kgです。個体によってはまれに20kgまで成長します。

タヌキとアライグマが同じく属する食肉目は、肉を食べる生き物のことを指し、獲物を捕らえるのに必要な身体機能がよく発達しています。

現在はどちらも日本全域で確認されている野生生物です。

出典:侵入生物データベース|確率研究開発法人 国立環境研究所
参照:https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10310.html

出典:侵入生物データベース|確率研究開発法人 国立環境研究所
参照:https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10150.html

タヌキとアライグマの違い【原産地】

見た目が似ているタヌキとアライグマですが、じつは原産地も異なります。タヌキとアライグマの違いは、原産地の違いによる法律的扱いにも関わってくるため、覚えておきましょう。

タヌキは日本在来種

タヌキは日本の在来種で、日本列島とその周辺離島まで日本全域に分布しています。北海道にはエゾタヌキが、本州などではホンドタヌキが生息しています。

日本以外で分布しているのはベトナム北部、中国東部~東北部、モンゴル東部、ロシア南東部、サハリンです。

アライグマは外来種

アライグマはアメリカやカナダ、メキシコなど北米~中米が原産地です。日本にとっては海を渡ってきた外来種で、主に北米から移入してきています。昭和37年に愛知県で確認されており、その後北海道、本州各地での分布が認められています。

出典:PDFアライグマの生態(参考資料)|茨城県
参照:https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/kansei/chojyuhogo/documents/araiguma_seitai.pdf

タヌキとアライグマの違い【見た目】



では、タヌキとアライグマの外見的な違いを見ていきましょう。ここからはイラストと写真を使いながらわかりやすく違いを紹介していきます。

タヌキとアライグマはぱっと見ると類似しているように見えますが、細かな特徴はまったく違います。見た目の違いを知って、簡単に見分けるコツを確認しましょう。

タヌキとアライグマはそれぞれ、目の周りの黒い帯の形が違います。タヌキもアライグマも目の周りに黒い帯がありますが、タヌキは顔の真ん中にスジがないのに対し、アライグマは顔の真ん中に黒いスジがあります。

また、アライグマの耳はふちが白色ですが、タヌキは耳のふちが黒色です。ヒゲの色もタヌキは黒色で、アライグマには白くて長いヒゲが生えています。

似ているようで、タヌキとアライグマの顔の特徴はたくさんあります。特徴をつかめば顔を見ると違いがわかるでしょう。

尻尾

じつは尻尾の特徴も違います。タヌキは先端が黒く短い尻尾を持ちます。それに対してアライグマは太くて長い尻尾を持ち、5~10本のしま模様があります。

イラストやぬいぐるみ、アニメのキャラクターでタヌキとアライグマの尻尾の特徴が混同して描かれることもあるほど混同しやすいものです。どちらがどの特徴の尻尾を持つのか、覚えておきましょう。

出典:アライグマとタヌキの見分け方|加西市
参照:https://www.city.kasai.hyogo.jp/soshiki/21/1921.html

タヌキの指は4本で、足跡は犬のものに似ています。

アライグマの指は5本で指は長く、5本がはっきり分かれます。人間やサルの手に近いような形をしているのです。そのため手先がとても器用で、柵なども容易に登れます。

タヌキとアライグマは指に違いがあるため、足跡で見分けることもできます。

出典:【画像あり】アライグマ・タヌキ・ハクビシンの違いと簡単な見分け方|害獣駆除110番by:生活110番
参照:https://www.sharing-tech.co.jp/gaiju/news/20200221-2.php/

タヌキとアライグマの違い【習性・性格・食べ物】



タヌキとアライグマの違いは、習性や性格、食べ物にも見られます。見た目は似ていますが、習性や性格には違いがあります。それぞれ違いを見ていきましょう。

習性

タヌキは夜行性です。親子または家族で近い距離に集まって生活や活動します。また、排泄物を特定の場所にするタメ糞という習性を持っており、これは集団あるいは個体間のなわばり識別の役割があると考えられるためです。

アライグマも基本的に夜行性ですが、日中に活動することもあります。木登りや泳ぎも得意です。普段は単独行動でなわばりは持ちませんが、繁殖期のみペアを作ります。

見た目の違いもありますが、習性もそれぞれ異なるものを持っています。

性格

タヌキの名前が入ることわざで「狸寝入り」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。「眠ったふりをすること」という意味ですが、このことわざはタヌキの性格や行動に由来しています。

じつは、タヌキはとても繊細な動物で、大きな音に驚いて気絶してしまうほどです。この気絶するという行動が死んだふりと勘違いされてこのことわざが生まれました。

タヌキとはまったく違い、アライグマは凶暴な性格で攻撃性が強く、まれに人間を襲うほどです。タヌキと間違えて迂闊に近づくと襲われる危険もあるため、注意が必要です。

食べ物

タヌキもアライグマも雑食性です。どちらも、野菜やくだもの、昆虫、小型動物、鳥類さらには残飯までなんでも食べます。

アライグマはそれに加えて、地上にある食べ物だけでなく、魚類や両生類、爬虫類など、水中の生き物や木の上にいる生き物も食べます。

タヌキやアライグマの捕獲はできるの?

もしタヌキやアライグマが自宅の近辺で目撃されたら、害獣被害に遭う前に対処したいものです。タヌキやアライグマは捕獲できるのか、そして捕獲する際や捕獲後の注意点を紹介していきます。

対応の仕方によっては法律に触れることもあるため、事前に方法を確かめてから捕獲を実行しましょう。

鳥獣保護管理法による許可が必要

鳥獣保護管理法という法律があります。鳥獣の保護および管理の適正化を図り、生物の多様性の確保、生活環境の保全などを通じて、自然環境の恩恵を享受できる国民生活の確保を目的としています。

タヌキを捕獲する場合は、この鳥獣保護管理法による許可が必要です。捕獲許可を受けるためには、それぞれの自治体や市町村へ問い合わせしましょう。

アライグマは外来種のため、農作物や自然環境に被害を及ぼす外来生物法の特定外来生物に指定されます。ただ、鳥獣保護法も適用されるため、アライグマを捕獲する場合も自治体に連絡して捕獲許可を取りましょう。

自治体によっては捕獲許可の取り方が違ったり、講習会への参加が必要となったりするので、まずは役所へ問い合わせて手続き方法を確認しましょう。

タヌキとアライグマ、捕獲しようとする場合にはどちらも捕獲許可が必要になります。

出典:野生鳥獣の保護及び管理|環境省
参照:https://www.env.go.jp/nature/choju/law/law1-1.html

捕獲方法と注意点

捕獲には主に箱わなを使用します。箱の中に餌を入れておき、動物が入ってきて仕掛けを踏んだら侵入口が閉じる単純な作りの罠で、動物の捕獲によく使用されるポピュラーな罠です。市町村によっては貸出もしています。

既に害獣被害があるなら、被害が多発している付近に罠を設置しましょう。設置後は、1日1回以上の見回りが必要です。捕獲許可を得ていない生物が誤って罠に入ってしまっていた場合、速やかに放さなければ鳥獣保護管理法違反となってしまうため、注意が必要です。

捕獲する際は、近づいたり触ったりしてはいけません。とくにアライグマは凶暴な性格のため、攻撃される恐れもあります。それによって感染症や寄生虫の被害にあう可能性があるので注意しましょう。

また、捕獲した後に運搬する行為は法律上禁止されています。外来種による人や環境への被害を防ぐための法律ですので、守るようにしましょう。

もし少しでも怖いと感じたり、許可を取るのに大変さを感じたりするのであれば、害獣トラブル専門の業者に相談するのもおすすめです。

出典:アライグマの捕獲に係る箱わな設置に関するアドバイス|茨城県
参照:https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/kansei/chojyuhogo/documents/sannkourei.pdf

タヌキとアライグマによる被害防止対策



野生鳥獣による害獣被害は、令和2年度には161億円となり、問題視されています。農作物が実る時期になると、テレビでも害獣被害のニュースが放送されたり、ツイッターで被害報告が投稿されていたりします。

さらに、タヌキは都内など街中での目撃情報も多く寄せられており、昔よりも目撃情報が増えてきているでしょう。街中や自宅付近で遭遇しても被害が及ばないよう、対策法をみていきましょう。

出典:鳥獣被害対策コーナー|農林水産省
参照:https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/

隠れ場所となる住処を作らせない

草刈りのされていない藪や雑草の茂みに身を潜めていることもあるため、刈り取りをして見通しをよくしておきましょう。庭に木があれば、窓の近くの木の枝も短くしておくとより効果的です。これ以上繁殖するのを防ぐため、巣を作らせないように対策することが大切です。

柵・防御ネットで守る

タヌキやアライグマは、小さな隙間などがあればそこから家屋に侵入します。そのため、被害にあわないためには侵入経路をふさいでしまうことが有効です。とくにアライグマは手先が器用なため、小さな割れなどでも無視せず、対策は確実に行いましょう。

普通のネットでは侵入できてしまう恐れがあるため、金属製のものやよじ登れないような目の細かいネットを使用すると安心です。通気口や換気口などの隙間も金網でふさぎましょう。

音・光で威嚇する

野生動物は大きな音や強い光を嫌います。害獣除け用に音や光を出す装置も販売されているので、被害でお困りの方は試してみてください。

タヌキやアライグマがいそうな場所を、鍋などで大きな音を出して威嚇するのも効果的です。しかし、音や光による効果は一時的で、何度か追い払うと効果がなくなってしまいます。

強い臭いの忌避剤で追い払う

動物は強い臭いを嫌います。忌避剤は害獣が嫌う臭いや成分で、対象の生物を追い払ったり近寄らないようにしたりするために使います。

木酢液やミントのスプレーを使用するのも効果的です。ただし、音と同じく効果は一時的であるため、何度か追い払うと効果がなくなります。

タヌキとアライグマの違いを知って適切に対応しよう!



タヌキとアライグマの違いを、さまざまな視点から見てきました。違いをまとめてみると、似ているようで違う特徴がたくさんありました。

これで、もし遭遇したり見かけたりしたら区別がつきます。タヌキとアライグマでは性格や習性が違うため、それぞれにあった方法で対処しましょう。

習性や対処法を知っていても、野生生物との関りには注意が必要です。タヌキやアライグマが病気にかかっていたり、寄生虫を持っていたりする危険もあるので、冷静に判断して対応しましょう。

自力での処置が難しい場合は、速やかに自治体や害獣トラブル専門の業者に問い合わせましょう。
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