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フクロモモンガの死の原因となるストレスとは?解消につながる適切な環境を解説

「フクロモモンガの死につながってしまうストレスってどんなものがあるの?」
「フクロモモンガのストレスを解消するために必要な環境について知りたい」
フクロモモンガを飼育している、これから飼育することを考えている人の中には、このような疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、フクロモモンガに関する基礎的な知識を紹介するとともに、フクロモモンガにストレスを与えて死の原因となってしまうものやストレス解消のために必要な環境について解説しています。

この記事を読むことで、フクロモモンガの生態や死につながる要因を把握することが可能です。その知識をもとに、フクロモモンガの飼育に必要な環境や注意点を踏まえて正しく飼育することができるでしょう。

フクロモモンガの飼育について興味がある人は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。

フクロモモンガとは?

フクロモモンガは有袋類であるカンガルーの仲間であり、大きい目と小さいサイズという可愛らしい見た目が人気を集めている動物です。また飛膜と呼ばれるものを持っており、それを使って空を滑空できるところが特徴として挙げられています。

元々警戒心が強い動物ではあるものの、離乳前後の小さい時期から人が世話をすることで人に対する警戒心がなくなるため、日本でもペットとして人気が高いです。

ここからは、そんなフクロモモンガについて特徴や大きさ、寿命に関する情報を解説していきます。

フクロモモンガの特徴

フクロモモンガはオスとメスで見た目の特徴に大きな違いがあり、雌雄判別がつけやすいです。ただしこれは大人になってからの話なので、幼体の時は成体の時と比べて判別が難しくなっています。

例えばフクロモモンガにはおでこや胸周辺の臭腺が発達しているのですが、オスの方が匂いが強いという特徴があります。これはマーキングするために気になるものやメスにおでこなどをこすりつける習性があるためで、その影響でおでこの毛がなくなっていることが多いです。

メスの場合はこすりつける習性はないので毛がなくなっている部分はなく、袋に赤ちゃんを育てるための育児嚢と呼ばれる袋を持っています。

フクロモモンガの大きさ

フクロモモンガの大きさは、体長がおよそ16~21cm程度、体重は90~150g程度とかなり小柄な小動物です。実際の大きさの具体例としては、成人女性の手の中に納まる程度とされています。

フクロモモンガの寿命

フクロモモンガの寿命は一般的に5年から7年程度と、小動物らしい短命です。ただ飼育下であればおよそ12年から15年ほど生きることができるという記録もあり、飼育環境によっては犬や猫と同じくらい長生きすることもできます。

フクロモモンガにストレスを与える死の原因となるもの

フクロモモンガは警戒心が強く神経質な性格をしているため、ストレスに弱い傾向が見受けられます。そのためストレスがかかる状態が続いてしまうと、何らかの病気にかかってしまう可能性や最悪死んでしまう可能性も出てくるのです。

そのため、まずはフクロモモンガのストレスや死の原因になってしまうものを把握しておかなければいけません。ここからは、フクロモモンガにストレスを与える死の原因となるものについて解説します。

飼育環境

フクロモモンガのストレスや死因につながる可能性のある原因としてまず挙げられるのが、飼育環境です。

フクロモモンガは自分の臭いでマーキングする、糞尿の躾ができずどこでもトイレをしてしまう傾向があります。このため放置しているとケージ内が不衛生な環境に陥りやすく、雑菌が繁殖して病気になってしまう可能性が高いです。

また温度変化に敏感な動物なので、暑すぎると熱中症、寒すぎると低体温症に陥ってしまいます。このように適切な飼育環境を維持できなくなると、ストレスで病気になるだけではなく死んでしまうこともあるようです。

ほかにも元々群れで生活する習性を持つフクロモモンガにとって、仲間がいない環境は大きなストレスにつながります。このため1匹のみでの飼育をする場合、多頭飼育している場合よりもストレスがかかっていると考えられています。

雑食性のフクロモモンガですが、食べてはいけないものもいくつかあります。例えば人工甘味料、着色料といった人工物が入ったものは体調不良の原因となりやすいため、避けた方がいいです。具体例としては、チョコレートやキャンディーが挙げられます。

またフクロモモンガはカルシウム不足から病気になってしまう可能性があるので、シュウ酸塩が多い野菜であるホウレンソウやレタス、ブロッコリーも食べさせない方がいいです。

ほかにも有害物質が含まれているものもNGなので、ジャガイモやネギ・玉ねぎ・にんにく類、生の大豆、アボカド、さくらんぼ、うめ、ピーナッツやアーモンドも食べさせないように注意しましょう。

出典:フクロモモンガの代謝性骨疾患(骨異栄養症)|神領ビーイング動物病院
参照:https://www.jinryo-being.com/case/post_18/

飲み水

フクロモモンガは小動物であり、そこまで多くの水分を必要としていません。ただあまり食べ物や飲み水から水分をきちんと接種できなくなると、水分不足に陥ってショック状態になってしまう可能性があるのです。

ショック状態になると血圧が急激に低下して、12時間以内に亡くなってしまうとされています。

特に給水ボトルを使う場合、飲み方がわからない・水が入っていることを理解できない場合があるため、水分不足に陥ってしまうフクロモモンガも少なくないです。

病気や怪我

ここまでに解説したように、フクロモモンガは熱中症や低体温症、カルシウム不足などから骨折や代謝性骨疾患などの病気やケガを負ってしまうリスクを抱えています。ほかにも栄養不足やストレスから下痢になりやすい傾向もあります。

これらは一見大したことがないように思われがちですが、小さな体にとってこれらの病気やケガはダメージが大きく、ストレスで弱ってしまう危険性につながっているので注意が必要です。

先天性のもの

フクロモモンガはストレスや栄養不足など何らかの理由で後天的に病気になる可能性があるだけではなく、元々遺伝子的に弱い傾向があるため、先天的に何らかの病気を抱えている個体もいます。

このため飼育に気を付けていたとしても、先天性のものを抱えている場合はそれだけでストレスや死の原因を抱えているのです。

フクロモモンガにストレスを与えないためにできること

フクロモモンガを長生きさせるためには、飼育環境を整える、餌に気を付けるなどストレスを与えないような生活を心掛けることが大切です。ただ、ストレスの原因となるものは把握できても、実際にどのように気を付ければいいのかわからないという人もいます。

ここからは、フクロモモンガにストレスを与えないためにできることを解説していきます。

健康観察を毎日行う

病気やケガなどの体調不良を起こさないように、または起きたとしてもすぐに把握できるように、健康観察を毎日行うことが大切です。

健康観察の具体的な内容としては、爪や体重のチェック、掃除する際の糞尿の状態や量・回数のチェックなどが挙げられます。これらの管理や観察を行うことで、フクロモモンガの健康状態を簡単にチェックすることが可能です。

適切な飼育環境を整える

飼育環境を適切な状態に整えることは、神経質な性格であるフクロモモンガのストレスを与えないために不可欠な要素です。不衛生な状態にならないように清潔に整える、適温に保つことで病気を予防することはもちろん、飼育頭数や明るさにも注意を払う必要があります。

清潔に保つ

フクロモモンガは、ケージ内のいたるところに糞尿をしてしまいがちです。適宜掃除をして清潔な状態を保っておかないと雑菌が繁殖し、病気の原因となります。最低でも月に1回程度の掃除を行い、日光消毒または煮沸消毒をすることが望ましいです。

掃除する際には、安全に使える次亜塩素酸水が推奨されています。ほかにも床材は簡単に取り換えられるようなものを使うことで、こまめに清潔な状態を保つことが可能です。

適温に保つ

温度の変化はフクロモモンガにとって大きなストレスになるほか、熱中症や低体温症のリスクとなります。基本的に23度から26度程度を維持できるようにすることが望ましいため、温度計を設置するとともに夏はエアコン、冬はヒーターを活用して管理しましょう。

ヒーターを使う場合はサーモスタットを併用して、温度が上がり過ぎないように注意することも必要です。

飼育頭数に気を付ける

フクロモモンガは群れの中で生活する社会性の高い動物なので、単独飼育によるストレスは大きいと言われています。このため多頭飼育の方がストレスは少ないと言われていますが、飼い主との信頼関係が築ければ単独飼育でもストレスは少ないです。

また多頭飼育の場合、1匹のメスに対して複数のオスという組み合わせにしてしまうとお互いに大きなストレスとなるため、対比は雌雄平等もしくはオス1匹に対して複数のメスという比率にしておきましょう。

適度な明るさ

フクロモモンガは夜行性ですが、1日1回は日光を浴びる機会を作っておかないとビタミンD3が体内で作られず、カルシウムが分解できずにクル病発症のリスクがあります。このため、適宜窓を開けて日光(紫外線)を浴びさせるようにしましょう。

ただ直射日光は逆効果なので、直射日光は避けます。また室内はずっと真っ暗にしておく必要はないので、人間が生活する上で利用している照明は必要です。

餌の与え方に注意する

雑食であるフクロモモンガには与えてはいけないものがあることは前述しましたが、それ以外にも偏食しやすい傾向があり、栄養バランスが偏ってしまうリスクがあります。また水の与え方も、水入れによっては水分不足になってしまいがちです。

このため餌の与え方だけではなく水の与え方にも注意することで、病気にかかりにくくなってストレス軽減につながります。

栄養バランスがとれた餌を与える

基本的にフクロモモンガは雑食なので様々なものを餌とすることができますが、栄養バランスの面を考慮するなら専用のドライフードを主食として与えることがおすすめです。

ただそれだけでは十分な栄養を摂取できないと言われているほか、偏食でドライフードを食べない個体もいます。このため状況によってサプリメントで栄養を補助する、果物や野菜、昆虫など様々なものを与えるようにしましょう。

与えていいものと悪いものを確認しておく

フクロモモンガには、餌として与えていいものと悪いものがあります。与えていいものであっても量によってはフクロモモンガに悪影響を与える場合があるので、与えていいものと悪いものを確認するのはもちろん、量についても把握しておくことが大切です。

水の与え方に注意する

フクロモモンガは個体によっては給水ボトルでの飲み方がわからない場合があるため、水入れがきちんと使えているか確認し、使えていない場合は飲みやすいタイプのものに変更する必要があります。

また水道水をそのまま与える際に注意したいのが、塩素濃度です。塩素濃度が濃い場合はフクロモモンガの小さい体に負担となっている可能性があるため、注意しなければいけません。

運動不足にさせない

フクロモモンガは適度に運動させなければ肥満になりやすく、様々な病気やケガを引き起こす要因につながります。このため十分動き回れる程度のケージの広さを準備してあげることはもちろん、3日に1回程度は部屋の中を散歩するなど運動を促してあげましょう。

部屋の中の散歩は運動不足の解消だけではなく、ストレス解消にもつながる効果が高いです。ケージから出す際には、飼い主の匂いを覚えさせた上で匂いのついた布などをケージ内に入れておけば、スムーズにケージに戻すことができます。

診てくれる病院をあらかじめ見つけておく

どんなに気を付けていても病気やケガをしてしまう可能性はあるほか、定期的に健康状態を獣医にチェックしてもらうことが大切です。

ただフクロモモンガのようなエキゾチックアニマルを診察してくれる動物病院は多くないため、体調を崩してから病院を探そうとしても見つからない場合があります。このため、飼育する前に診てくれる病院をあらかじめ見つけておくことが必要です。

事故を防ぐ

ほかにもストレスを与えないために必要なのが、事故を防ぐことです。ケージの中でも部屋の中でも、動き回っている際にどこかにぶつかってケガをしてしまう、落ちて骨を折ってしまうなどのリスクはあります。

またほかの動物を飼育している場合、その動物がフクロモモンガを攻撃してしまうことでケガをする可能性も少なくないです。これらは状況をしっかり確認して対策していかなければ難しいですが、日々の健康管理とともにチェックしておくことが必要です。

フクロモモンガが死の前に見せる症状



フクロモモンガは突然死が多いと言われていますが、実際には野生に近い動物であることから、外敵に見つからないように体調不良を表に出さないためだと考えられています。

ただそれでも死の直前には何らかの症状がみられる場合があり、代表的なものとしては餌を食べない・水を飲まない・動かないまたは動いても弱々しい・聞いたことのない鳴き声をするなどが挙げられます。

中でも餌を食べない・水を飲まない・動かないはショック状態になっている可能性があるので、これらの症状が見られたらすぐにかかりつけの動物病院に連れていきましょう。

フクロモモンガを死なせないためにストレスとなる原因を知ろう



フクロモモンガは可愛らしい見た目から人気が高く飼育しやすい反面、神経質でストレスに弱い動物です。このため飼育する際には、その生態を理解した上でストレスを与えないように適切な環境を提供する必要があります。

ストレスの原因をきちんと把握して、フクロモモンガと1日でも長く一緒に生活できるように飼育していきましょう。
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