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シマヘビを飼育する方法とは?環境レイアウトのポイントや注意点を解説

「爬虫類ブームだけど、シマヘビってどうなの?」
「ヘビの飼育って難易度高そう。餌は何をあげたらいいの?」
「シマヘビの具体的な飼育の仕方を知りたい」
爬虫類の飼育に挑戦してみたいけれどどのように育てたら良いのか分からないという方も多いでしょう。

シマヘビは適度な大きさとそのかわいい見た目から、ペットとして注目されています。

この記事では、シマヘビの生態や特徴に加え、飼育の方法や飼育時に気をつけた方が良いポイントを分かりやすく説明しています。

この記事を読めば、飼育時に起こりうるトラブルなどをあらかじめ学んでおくことができます。そのため、万が一の場合も慌てることなく安心してヘビの飼育が始められます。

ヘビの飼育に必要なものも併せて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

シマヘビとは?

最近のペットブームで、爬虫類や両生類を自宅で飼育する人が増えてきました。犬や猫と違って、家の中を動き回ったり鳴くこともないため、マンションやアパートでも気兼ねなく飼育できると人気です。

中でもシマヘビは美しい見た目と飼育しやすさ、人になつくことから注目されています。

以下ではシマヘビの生態や見た目、他のヘビとの違いを説明していきます。

シマヘビの特徴や性格

シマヘビの特徴は、背面に伸びた4本の黒いラインと黄褐色の背面、黄色みおびた腹部です。目尻の黒いラインと赤い光彩と黒い眼孔も特徴的です。

大きさは約80㎝~150㎝程で、大きいと200㎝まで成長します。メスはオスよりも体が太く、肛門から尻尾にかけては徐々に細くなっています。

自分より体が大きい生物に対しても威嚇して噛みつく攻撃的な性格です。

シマヘビの生態や主な生息域

シマヘビは地面を素早く這いまわることが多く、泳ぎも得意です。木に登ることはめったにありません。昼行性で夜間は岩の間に入って寝ており、日光が出てくると活動を始めます。

生息地は北海道から本州、沖縄まで日本全国で、農村や森林、草原などで活動しています。小動物や鳥類の他、両生類(特にカエル)を好むため、河川敷、水田、沼地でも見かけます。

シマヘビの平均寿命

シマヘビの平均寿命は約10~20年と言われています。野生下では、飼育下と違って外敵に襲われる可能性が高く、飼育下と状況が異なるため、実際にはどのくらいの期間生きられるのかは分かりません。

出典:A.シマヘビ|札幌市円山動物園
参照:https://www.city.sapporo.jp/zoo/076-j.html

シマヘビの繁殖時期

シマヘビは卵生で、繁殖時期は4~6月です。繁殖期には、雄同士で絡み合って争うというコンバットダンスという行動が見られます。7、8月に約4~16卵生み、1か月半ほどで孵化、2年にも満たないうちに成熟します。

出典:生活史|Hondaキャンプ
参照:https://www.honda.co.jp/outdoor/knowledge/adventure/picture-book/shimahebi/

シマヘビの天敵

シマヘビの天敵は、カラスやワシなどの鳥の他、タヌキやイタチのような雑食動物が挙げられます。またシマヘビに限らず、ヘビは共食いするため、幼いヘビは大人のヘビの餌食になることも多いのです。

他のヘビとの違い

他のヘビとの大きな違いは赤い瞳を持っている点です。シマヘビは目の上のうろこが出っぱっており、頭を上げて遠くを見るしぐさをします。

幼ヘビ時はシマヘビ特有の4本の縞模様がないため、アオダイショウやヤマカガシ、ニホンマムシと間違えられることもあります。

またシマヘビは無毒ですが、歯から細菌が検出された事例もあるため、注意が必要です。

シマヘビの種類



シマヘビは、腹部がアイボリー帯びたものや黄色いものまであり多少見た目の違いはあるものの、スッと長く伸びた縦長のラインでシマヘビだとすぐ分かります。しかし、全く違う見た目のシマヘビが存在することをご存じですか。

特有の縞模様がないものや全く違う見た目をしているシマヘビも存在し、これらはペットとしても人気の高い種類になります。

カラスヘビ

カラスヘビと呼ばれる全身が真っ黒のシマヘビも存在します。全身が黒いだけでなく虹彩も黒く、シマヘビの特徴の4本の縞模様も赤い瞳も持ち合わせていません。

また、カラスヘビとは真逆の、突然変異で色素の抜けたアルビノ種という白っぽいヘビも存在します。

シマヘビの飼育に必要なもの



シマヘビを飼育するには最低限必要なものがあります。心地よい環境を提供することでシマヘビにもストレスを与えず、長生きさせることも可能になります。

いわゆる普通のヘビと飼育方法は同じで特別なことは必要ありません。またヘビというと怖いイメージがありますが飼育許可も特別必要ありません。

以下では、シマヘビの飼育に必要となるものをまとめました。
  • ケージ
  • シェルター
  • 水容器
  • 床材
  • バスキングライト

ケージ

ヘビの飼育には住み家として、飼育ケージが必要です。大きさは、約90㎝水槽サイズが良いとされていますが、ヘビがとぐろを巻いた時の約3倍のものが良いでしょう。

上面と側面が金網になっている通気性の良いケージを利用しましょう。風通しの良さはヘビの飼育には欠かせません。

また、ヘビは横から近づくと警戒されにくいため、扉が前開きのものを選びます。ただし、ヘビはほんのわずかな隙間からも逃げるため注意が必要です。

シェルター

シマヘビは神経質な性格もあり、すっぽりと全身を隠せるようなシェルターを好みます。シマヘビにとって、飼育し始めの頃の新しい環境は、大きなストレスとなるからです。

ヘビの体に密着するくらいの広すぎず、狭すぎない大きさのシェルターを用意します。

水容器

ヘビは水を飲むためだけでなく、皮膚の水分補給にも水を必要とします。ヘビの全身を水に浸す必要があるため、体が丸ごと入るくらいの大きさの水容器が必要です。選び方としては、とぐろを巻いた時の大きさより少し大きめのものを選びましょう。

また、出入りの際、水容器をひっくり返すことがないよう安定性のあるものを選ぶようにすると安心です。

床材

ゲージ内の床材選びには湿気を取り除いてくれる素材のものと、取り替えやすさを重視したものがおすすめです。

ヘビは排泄量が多く、水浴びの際にケージ内を水浸しにしがちなので湿気を取り除くウッドシェイブや簡単に取り替えられる新聞紙、ペットシーツがおすすめです。

バスキングライト

ヘビは昼行性なので、昼間はしっかりと日光浴させましょう。光に当たることで体内を活性化させ、食欲を促進する働きがあるからです。

人によってはケージ内の温度が一定に保たれていれば不要だという声もありますが、ヘビは元々日光浴を好むため、ライトがあった方がよりストレスのない環境を提供できるでしょう。

シマヘビの飼育方法

シマヘビの飼育に必要なものを揃えたら次は飼育方法を説明していきます。

以下では、シマヘビの入手ルートから必要な飼育環境、飼育にする際にやるべきことを紹介しています。

シマヘビを飼育した時のイメージをあらかじめ持っておくと安心です。人間と同様に生物の生命は環境に大きく影響を受けるため、以下を参考に勉強しておく必要があります。

シマヘビを入手する

シマヘビは水場を好むため、池や水田近くがおすすめです。捕獲に夢中になって、足を踏み外したり転んだりしないようスニーカーや長靴を履きましょう。

シマヘビは動きが速いですが、朝の日光浴している時間帯は動きも緩やかなので早朝がおすすめです。

シマヘビは骨格が弱いため、棒で強く叩くことや強く踏みつけることはNGです。

ちなみにペットショップでは3,000円程の値段で購入できます。

餌としてネズミやカエルを用意する

シマヘビは基本的にはネズミやトカゲ、カエルなど様々なものを食べますが、野生のシマヘビは元々その場所で主食にしていた食べ物を好む傾向があります。

そのため、ペットショップで購入した冷凍マウスやカエルは好まないことがあります。

カエルなどの生き餌を販売しているところもあるため、購入してしばらく様子を見ましょう。

冬場はパネルヒーター・夏場は冷房を入れる

ペットにとっては安定した温度管理も必要です。シマヘビは、冬場は飼育された状態での冬眠は難しいとされているため、パネルヒーターなどで床の温度を約16~22度に保つようにします。

シマヘビは、夏場は暑くなりすぎないよう冷房を入れ、湿気まみれにならないように扇風機で風通しをよくしたりとシマヘビが快適に過ごせるようにします。

直射日光があたらないよう窓にすだれをつけるなど工夫が必要です。

給水を適時行えるようにしておく

シマヘビはよく水を飲みます。特に餌を飲んだ後は、飲む水の量がより一層増えますので、給水は適時行えるよう準備しておきましょう。

また水分補給の他にも水容器の中に体を浸す習性があるため、シマヘビが水容器から出た時に水がこぼれて大幅に水が減ってしまいます。

水は蒸発によっても減っていくため、ヘビが水を必要とする時に容器の中に水がないということは避けたいものです。

水容器の水や床材の交換を行う

水容器の水は体を浸すだけでなく、シマヘビの飲み水となっているため毎日新鮮な水に交換しましょう。

また床材はこぼれた水や排泄物で汚れ、ケージ内の臭いや結露の原因になります。放置しておくとカビの原因にもなり、蛇の飼育環境としてはよくありません。こまめな排泄物の除去と床材の交換で、清潔な状態を保つよう心がけましょう。

シェルターは素材と大きさに注意する

シェルターは脱皮の際の手助けにもなるため、材質はざらざらしたものを選びます。体をざらざらした部分にこすりつけることで脱皮がうまくいきます。

植木鉢を代用する場合、底にある穴から潜り抜けようとして動けなくなるシマヘビもいるようなので穴は塞いでおきます。

大きさはヘビの体へ密着する面積が多いくらいだと安心できるため、大きすぎないものを選びましょう。

飼育するうえでの注意点

生物を飼育していると思い通りにいかないことや想定外の事態が発生します。

突然のことにパニックにならないよう、シマヘビを飼育するうえで知っておきたい3つの注意点を紹介します。

脱皮不全の場合は湿度環境を見直す

脱皮の際、通常はシェルターなどのざらざらした部分に体をこすらせることで脱皮を成功させます。

しかし、湿度環境が整っていないと脱皮不全になります。湿度環境に問題がある場合は、体をぬるま湯で湿らせ、ピンセットで補助的に剥いてあげる必要があります。焦らずゆっくりと時間をかけて皮を剝いていきましょう。

脱皮不全は病気の場合も起こりますが、まずは脱皮を手助けする物の有無と湿度環境を確認しましょう。

野外採集直後の飼育は暗い場所で落ち着かせる

神経質なシマヘビにとって新しい環境に慣れるまでにはストレスがかかります。

野外採集直後はすぐに餌を与えるとストレスを感じることがあるため、2~3日は餌を与えず、暗い場所で一旦落ち着かせる必要があります。

しばらくシェルターの中でそっと見守っていましょう。

卵を孵化させる際は向きや温度・湿度管理に気を付ける

シマヘビの卵を孵化させる時には注意が必要です。

シマヘビが水容器の中で産卵すると幼ヘビが溺れるため、水容器を撤去するか向きを変えるなど工夫が必要です。

産卵床といって、水で湿らせたミズゴケやバキュームライトを敷いたタッパーを用意しておくと安心です。

卵の孵化のためには約25~30度が適温とされ、湿度は約65~90%を維持しましょう。

高温多湿な環境では卵にカビがついて腐ることがあるため、通気性も大切です。

シマヘビを飼育するためのポイントや注意点を押さえよう



シマヘビの飼育は準備の段階から入念にする必要がありますが、どれも簡単にできるものばかりです。

定期的なお手入れをして飼育環境を整えることで神経質なシマヘビもストレスなく快適に暮らせるようになります。

毎日の手入れの他に、脱皮や卵の孵化に立ち会うことでより一層シマヘビへの愛も深まり、飼育も楽しくなることでしょう。飼育ブログなど成長記をつけるのもおすすめです。

ぜひこの機会にシマヘビを飼育してみませんか。
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