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スッポンの飼育方法とは?食べる餌や必要な物についても詳しく紹介

「スッポンを飼ってみたいけど、飼育方法がわからない」
「スッポンの上手な飼育方法が知りたい」
「事前にどんなものを揃える必要があるの?」
初めてスッポンの飼育を考えている方には、沢山の疑問や不安があるのではないでしょうか。

本記事では、スッポンの生態や種類に加え、飼育方法、餌をはじめとした飼育に必要なものを紹介しています。

この記事を読むことで、スッポンについての知識や飼育方法についての知識を得ることができます。その情報をもとにしてスッポンの飼育に取り組むことができるため、より適切な飼育方法を実践することができるでしょう。

スッポンについて知りたい方やスッポンの飼育を検討している方は、ぜひこの記事をチェックしてください。

スッポンとは?

スッポンは、爬虫綱カメ目スッポン科に属しています。カメの仲間ですが甲羅は平たく、柔らかい皮膚に覆われていることが特徴です。

これから、スッポンについて詳しく紹介していきます。

スッポンの生態

スッポンは河川や池、湖池などに生息する、ほぼ完全に水生の生物です。産卵時以外は水辺から離れることはありませんが、日光浴を好みます。

基本的には肉食性で、貝類や魚類、昆虫類など様々な動物を捕食します。飼育下では雑食性になり、植物食も摂食が可能です。

スッポンの大きさや性格

甲長は20~25cmほどで、35cmほどまで大きくなることもあります。オスの方がやや大きいです。

かなり臆病な性格で、普段は水底や川岸のくぼみに隠れて生活しています。音に敏感で、物音に反応してすぐに逃げ出すほどです。

スッポンの寿命

スッポンの寿命は明確には分かっていません。平均して30年ほどですが、長寿のスッポンになると100年ほど生きる個体もいます。寿命には個体差がありますが、基本的に長寿な生き物です。

スッポンは混泳できる?

スッポンは混泳には向いていません。基本的に肉食性で噛みつき癖があるため、混泳をさせると問題が起きてしまう可能性があります。スッポンを飼育する際には、単独飼育を前提に考えるのが良いでしょう。

スッポンを飼うのに許可は必要?

スッポンは噛みつく危険性のある生物ですが、飼育するために特に許可は必要ありません。

特定動物に指定されている動物については、愛玩目的で飼育することは禁止され、飼育するためには許可が必要になります。カメの仲間で特定動物に指定されているのは、カミツキガメ科に属しているカメのみです。

出典:環境省_特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について [動物の愛護と適切な管理]|環境省
参照:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/danger.html

出典:環境省_特定動物リスト [動物の愛護と適切な管理]|環境省
参照:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/sp-list.html

スッポンの種類

一口にスッポンと言っても、種類は細かく分類することが可能です。海外からやってきた外来種もいれば、日本に昔からいる在来種も確認されています。

ここでは、スッポンの種類をいくつか紹介していきます。

シナスッポン

シナスッポンは、キョクトウスッポン、二ホンスッポンとも呼ばれる種類です。日本に昔からいる在来種で、同じ種類が中国にも生息しています。しかし、近年は外来種の増加などが原因で、野生のシナスッポンの姿が見られる機会は減少傾向です。

スッポンといえば食用としても有名ですが、シナスッポンは食用にされることも多い種類です。養殖場でも沢山育てられています。

アルビノスッポン

アルビノスッポンは、色素欠乏のために白に近い色になったスッポンのことを指します。アルビノは先天性のため、アルビノスッポンは生まれつき白っぽい体をしていることが特徴です。

フロリダスッポン

フロリダスッポンはアメリカに生息するスッポンです。幼体時には斑紋があるのが特徴で、成長すると灰褐色から黄褐色に変化します。メスの方が大型になりやすいです。

特にメスの場合、シナスッポンよりも大きくなる傾向にあります。そのため、飼育する際には規模の大きい飼育設備を整えることが求められるでしょう。フロリダスッポンの飼育を検討する際には注意してください。

似ているが異なるスッポンモドキとの違い

スッポンモドキはスッポンと似ていますが、スッポンモドキ科に属している異なる生き物です。主な違いを2つ紹介します。

1つ目は甲羅の硬さです。スッポンは柔らかい甲羅をしていますが、スッポンモドキは硬い甲羅をもっています。

2つ目は手足の形です。スッポンには指のようなものと水かきがありますがスッポンモドキにはそれがなく、ヒレのような形をした手足になっています。そのため、スッポンモドキはスッポンのように陸地に上がることはありません。ほぼ完全に水棲の生き物です。

スッポンの飼育に必要なもの

スッポンを飼育するときは、事前に飼育用品を準備しておきましょう。スッポンの大きさや生態に適した飼育環境をつくれるものを揃えることが大切です。

ここでは、スッポンの飼育に必要とされる用品を紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
  • 水槽
  • 水槽の蓋
  • ろ過フィルター
  • 底砂
  • バスキングライト・紫外線ライト
  • 陸場
  • ヒーター

水槽

スッポンは水棲の生き物のため、飼育のためには水槽が必須です。スッポンは甲羅が柔らかく傷つきやすいため、大きさに余裕のある水槽を用意しましょう。

幼体から育てる場合は、最初は40cmほどの水槽で十分です。大きくなってきたら90cmほどの水槽に変えてください。

スッポンは野生では水深のある場所で生活しているため、多少深めに水を入れておいても大丈夫ですが、あまり入れすぎないようにしましょう。最低でも甲羅が全て浸かるくらいの水があれば大丈夫です。

水槽の蓋

水槽には蓋をつけることをおすすめします。スッポンは立ち上がることができるので、水槽に蓋がないと脱走してしまう可能性があります。

屋外で飼育する場合にも、蓋を用意しましょう。外には鳥や猫などのスッポンの天敵となる動物も多く、スッポンが襲われてしまうこともあります。スッポンを守るためにも、水槽に蓋はつけるようにしてください。

ろ過フィルター

スッポンは水質の変化に弱い生き物です。さらにフンをよくするため水を汚しやすく、すぐに水が悪くなってしまいます。水質の悪化を軽減させるためにも、ろ過フィルターは設置しておきましょう。

飼育に大量の水が必要なわけではないため、少ない水量のろ過が可能なフィルターを選ぶと良いでしょう。フィルターの種類によっては砂でつまってしまうこともあるため、どのフィルターを使うかは慎重に選んでください。

ろ過フィルターは水質を良く保つ効果がありますが、気休め程度です。本当に良い環境でスッポンが暮らせるようにするために、定期的に水替えを行うようにしてください。また、フィルターも定期的に掃除をするようにしましょう。

底砂

水槽には底砂を敷いてあげましょう。スッポンは砂の中に潜る生き物です。身を隠す場所があることで安心して生活ができるようになります。

スッポンの柔らかい体を傷つけることがないように、底砂は目の細かいものを選びましょう。スッポンの全身が隠れるほどの厚さを敷いてあげてください。

バスキングライト・紫外線ライト

スッポンは水棲ですが、定期的に日光浴をします。屋内で飼育する場合は、バスキングライトと紫外線ライトを設置してあげましょう。

バスキングライトは、スッポンの体温を上げる効果があります。食事の後や起床したときなど、スッポンが体温を上げるタイミングで使うためとても大切です。

紫外線はスッポンが健康に生きていくためには欠かせないものです。特に成長期に紫外線を十分に浴びることができないと、甲羅が変形してしまうこともあります。そのため、紫外線を浴びることができない屋内で飼育する場合は、紫外線ライトを設置してあげることが大切です。

陸場

スッポンは日光浴をするために陸に上がります。そのため、水槽には陸場を用意してあげると良いでしょう。

陸場はスッポンが乗ることができれば良いですが、角があるものやザラザラしたものは避けてください。スッポンの皮膚を傷つけてしまう可能性があります。カメ専用に販売されている陸場や、木製のすのこを使用するのがおすすめです。

ヒーター

スッポンは低温に弱い生き物です。野生では冬眠をして冬を越しますが、飼育下ではヒーターを設置して水温を保ってあげるのが良いでしょう。

ヒーターは観賞魚用のものでかまいません。ヒーターに触れてやけどしてしまう場合もあるため、カバーがついているものを選びましょう。

スッポンの飼育方法

スッポンの飼育はそこまで難しくありません。しかし、他のカメとは異なるスッポン独自の特徴に関わることもあるため、飼育方法はしっかりと確認しておきましょう。

ここでは、スッポンの飼育方法について詳しく紹介していきます。

スッポンの入手方法

スッポンは日本では野生で普通に生息している生物ですが、野生のスッポンを捕獲することはかなり難しいでしょう。場所によっては野生のスッポンを捕まえることも可能ですが、販売されている個体を入手する方が無難といえます。

スッポンが入手しやすいのは、水棲生物を取り扱っている観賞魚店などです。爬虫類専門店での取り扱いは少なめですが、アルビノなどの珍しい個体と出会えることもあります。

スッポンが食べる餌

一般的に販売されているカメ用の配合飼料を与えてかまいません。スッポンは太りやすいため、餌の与えすぎには注意しましょう。パッケージに記載されている与える量や回数を守って与えてください。

スッポンがなかなか配合飼料を食べない場合には、生き餌を与えてみましょう。販売されているミルワームやミミズでも良いですし、河川で採集したエビや小魚でも大丈夫です。

スッポンに適した水温

水温はヒーターを利用して常に適温を保つようにしましょう。スッポンに適した水温は、25度~28度です。20度を下回らないように気をつけてください。

冬眠をさせないのであれば、冬の間も水温を高く保つように注意を払いましょう。水中の温度だけ気にしていれば問題はありません。

水槽のレイアウトや掃除の頻度

水槽には、スッポンの全身が隠れるくらいの砂を敷いて水を入れます。スッポンが砂に身を隠した状態で首を伸ばし、水面に鼻先が届くくらいの水深がちょうど良いです。

また、日光浴ができるように陸場を設置します。この陸場は登りやすいような置き方をしてあげると良いでしょう。足場を置いてあげるのも効果的です。

スッポンの水槽は汚れやすいです。週に1回を目安に水替えと掃除をしてあげましょう。掃除をする際にレイアウトが複雑すぎるとやりづらいため、掃除のしやすいレイアウトを意識して飼育用品を設置するのがおすすめです。

冬眠させるときの砂の量

スッポンを冬眠させるつもりであるならば、砂の量には気をつけましょう。入れる量の目安としては、スッポンの2~3倍の量です。スッポンが十分に潜ることができる量を入れておくのが良いでしょう。

甲羅の掃除や日光浴の方法

スッポンの甲羅は定期的に掃除してあげましょう。普通に生活していても、スッポンの甲羅にはコケなどの汚れがついてしまいます。汚れを放置しているとこびりついて落ちにくくなってしまいかねません。月に1回ほど、柔らかいスポンジなどで掃除してあげると良いでしょう。

甲羅の健康のためには、日光浴も必要です。甲羅を強くしたり、病気を防いだりする効果があります。水槽には陸場を用意して、週に1回は日光浴をさせましょう。

個体によっては、自分から日光浴をしないスッポンもいます。そういう場合は外に出して体を乾かしてあげましょう。脱水に気をつけて、短時間でも体を乾燥させてあげるようにしてください。

スッポンがかかりやすい病気と治療方法

スッポンは、皮膚病や水カビ病にかかりやすいです。これらの病気は、悪い水質での生活や日光浴不足が原因で発症します。

病気を防ぐために、水替えは定期的に行うようにしましょう。また、日光浴をさせて予防することも大切です。

もし病気になってしまったら、水替えの頻度を高めて様子を見ましょう。スッポンは自己治癒能力が高いため、自然に治る可能性があります。治らないようであれば、動物用の薬で薬浴をさせると良いでしょう。

スッポンを飼育するときの注意点

スッポンは普通のカメとは異なる種類です。そのため、飼育する際に気をつけておきたいことや、注意することがあります。

ここでは、スッポンを飼育するときの注意点をいくつか紹介します。これらの注意点を意識して、適切な飼育方法でスッポンを育てましょう。

他のペットが触れないようにする

スッポン以外にも、犬や猫などの動物を飼っているという方もいるでしょう。その場合、他のペットがスッポンに触れることがないように注意してください。

スッポンは体全体が柔らかく、傷つきやすいです。他のペットと触れ合うことでスッポンが怪我をしてしまう可能性もあります。傷口から病気に感染してしまう事態にもなりかねません。

スッポンの安全のためにも、他のペットがスッポンに触れるような環境はつくらないようにしましょう。水槽には蓋をする、部屋を分けて飼育するなどの対策がおすすめです。

スッポンが大きくなったら石を置かない

スッポンが大きくなってきたら、水槽のレイアウトに気をつけましょう。スッポンは成長すると力が強くなり、幼体では動かせなかった石でも動かせるようになります。

大きな石を動かすことで、水槽が割れてしまったりスッポンが怪我をしてしまったりすることがあります。そうした危険を避けるためにも、スッポンが大きくなってきたら石を撤去するのが望ましいでしょう。

スッポンの持ち方や噛まれたときの対処法

スッポンは噛みつき癖のある生き物です。持ち方によっては噛みつかれてしまい、手に大怪我をしてしまう可能性もあります。

スッポンは肌がなめらかで、持つのが難しいです。さらに首が長いため、持つ位置によっては首が届いて噛まれてしまいます。安全に持つためには背甲の後縁を持つようにしますが、上手に持てるようになるには慣れが必要でしょう。

水の中からスッポンを出すときは、網を利用して出すようにしましょう。むやみに手を出さない方が無難です。

もし噛まれてしまった場合は、焦らずに水の中に入れましょう。多くの場合はすぐに口を離します。

しっかり準備してスッポンを飼育してみよう

スッポンは他のカメとは一風変わった種類で、独特の不思議な魅力が沢山あります。ゆったりとした動きや愛嬌のある顔つきから、見ていて癒されることも多いでしょう。

一方で、水質の変化や低温に弱く、臆病で噛みつきやすいという特徴もあります。こうした性質を理解したうえで、飼育をすることが大切です。

スッポンのことを理解して、飼育用品や環境をしっかり整えてから飼育に臨みましょう。適切な飼育環境や方法で飼育することで、元気で立派なスッポンを育てることができます。ぜひスッポンを飼育して、スッポンの良さを沢山知っていってください。
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