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スッポンの餌|カメの餌で大丈夫?おすすめの餌や食べない場合の対処法をご紹介!

「スッポンを飼ってみたいけど、何を食べるのかな?」
「スッポンの寿命ってどれくらいなんだろう?」
ペットとしてひそかに人気を集めているスッポンですが、その生態はあまり知られていません。

スッポンは水底の砂や泥の中に住み、タニシやエビ、小魚を捕まえて食べるカメの一種です。「噛みつくと離さない」といわれ怖いイメージもありますが、しっかり面倒を見てあげるとなついてくれるかわいいペットです。

この記事では、スッポンにどんな餌をあげたらいいか、おすすめの餌をいくつか紹介しています。

餌をあまり食べてくれなくて心配なときの対処方法についても解説しています。最近スッポンを飼い始めた人、これからスッポンを飼おうと思っている人はぜひ参考にしてください。

スッポンの食性とは?

スッポンの食性は肉食性の強い雑食です。特にエビやザリガニなどの甲殻類、タニシやシジミなどの貝類を好んで食べます。あごが強く、甲殻類や貝を硬い殻ごとバリバリと食べてしまう姿はなかなかワイルドです。

ほかにはメダカなどの小魚やカエル、昆虫など、さまざまな動物を食べますが、個体によって好みがあるようです。まれに水草を食べる個体もいます。

スッポンの寿命について

スッポンの寿命は種類によっても違いますが、一般的にペットとして飼育されているニホンスッポンの寿命は30年ほどです。環境省の公表しているペット動物販売業者用説明マニュアルには、ナイルスッポンというスッポンが37年2ヶ月飼育されたと記載されています。

ニホンスッポンは小型のスッポン、ナイルスッポンは大型のスッポンで、身体の大きな種類ほど寿命が長くなるとされます。海外に生息する大型のスッポンでは寿命が100年を超えるものもいるといわれますが、正確なデータはありません。

出典:ペット動物販売業者用説明マニュアル(哺乳類・鳥類・爬虫類)|環境省
参照:http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/manu_dealer/full.pdf

スッポンの生息地について

スッポンは東または南アジア、アフリカ、北アメリカに分布しています。日本では本州、四国、九州、沖縄が生息地です。沖縄にはもともとスッポンはいませんでしたが、食用に持ちこまれたものが逃げて野生化したといわれています。

平地の湖や沼、流れの緩やかな河川や水路に住み、餌をとるときや日光浴のとき以外は水底の泥や砂にもぐって生活しています。

スッポンの寿命の長さについて

スッポンの寿命は30年程度と長いですが、これはあくまでスッポンに適した環境で飼育した場合の平均です。正しい飼い方ができておらず病気になってしまえば、長生きはできません。

スッポンを長生きさせるには、スッポンに適した水質を保ち、日光浴を心がけるなどの病気対策をおこないましょう。

また、長生きさせるには栄養状態も重要になってきます。肥満を避け、また栄養失調にならないように、スッポンに適した餌を与えましょう。

スッポンの餌の種類について

野生のスッポンがよく食べるものは泳いでいる小魚やエビ、水底にいるタニシやカニで、まれに水草や水中に落ちてきた木の実なども食べます。

雑食ですが肉食性が強く、ペットとして飼うときは植物性の餌は特に必要ありません。一般的に販売されているスッポンの餌には人工飼料、生きた虫や魚、生餌を乾燥させた乾燥餌などがあります。

生餌

野生のスッポンは基本的に生きた餌を捕まえているため、動くものに強い興味を示します。また、スッポンは嗅覚が非常に鋭く、生物が出す臭いで餌を探すことができます。

生餌は動きや臭いがスッポンの本能を刺激するため、多くのスッポンが好んで食べます。

しかし生餌はスッポンがよく食べてくれる反面、入手や管理に手間がかかるという難しさもあります。

人工飼料

スッポンの餌で便利なのが、カメ向けの人工飼料です。ペットショップや通販などで簡単に手に入り、生餌のように管理に手間がかかることはありません。

栄養バランスがよく、製品によってスッポンの臭いを抑えるもの、ビタミン配合のものなどさまざまな特徴があります。

スッポンにはふやけにくく水を汚さない水棲カメ用の餌がおすすめです。

スッポンにおすすめの餌

スッポンにおすすめの餌9選をご紹介します。人工飼料、生餌を加工した天然飼料、生餌どちらもご紹介しています。

それぞれに特徴があるので、スッポンの好みや成長度合い、飼い主さんの管理のしやすさなどに合わせて選びましょう。
  • テトラ「レプトミン ニオイブロック」
  • キョーリン「カメのエサ」
  • コメット「カメのごはん」
  • 乾燥エビ
  • 赤虫
  • ミルワーム
  • 金魚
  • タニシ
  • スジエビ

テトラ「レプトミン ニオイブロック」

レプトミンニオイブロックは、フィッシュミールをベースに植物性タンパクや甲殻類をバランスよく配合した水棲亀用の人工飼料です。

アンモニアや硫化水素の発生を抑制するユッカというハーブを配合し、排泄物の臭いを抑えられるのが大きな特徴です。ほかにも酵母が配合され、水をきれいに保つ効果もあります。

小粒~超大粒のサイズがあるので、スッポンの成長に合わせたサイズを選ぶとよいでしょう。

キョーリン「カメのエサ」

キョーリンのカメのエサは、カメ類の健康に必要なビタミンを強化配合した人工飼料です。

人工飼育下にあるスッポンやカメは、ビタミン不足による不調が起こりやすくなります。病気を防ぐためには水質調整剤などでビタミンを補給しなくてはなりません。

キョーリンのカメのエサにはスッポンの皮膚や粘膜を健康に保つビタミンA、骨代謝に必要なビタミンD3などが配合されています。餌だけでビタミン補給ができ、便利な飼料です。

コメット「カメのごはん」

コメットの「カメのごはん」は、納豆菌、乳酸菌、酵母菌の3つの善玉菌が配合された人工飼料です。善玉菌がスッポンの腸内細菌のバランスを整え、消化吸収を促進してスッポンの健康をサポートします。

また、善玉菌の働きで排泄物の分解が早まるため水が汚れにくくなり、いやな臭いも軽減されます。

善玉菌のほかにもカルシウムや各種ビタミンなど、スッポンの成長に必要なさまざまな栄養素が含まれたバランスのよいフードです。

乾燥エビ

カメの餌用に加工された乾燥エビが販売されています。エビはスッポンの嗜好性が強いため、人工飼料をあまり食べてくれないスッポンにおすすめです。また、スッポンが食べ残してしまってもあまりふやけず、水が汚れにくいというメリットがあります。

カルシウムが豊富で、スッポンの甲羅や骨の健康にとてもよい餌です。人間用の乾燥エビをあげることもできますが、その場合は塩分が添加されていないものを選びましょう。

赤虫

赤虫はユスリカという昆虫の幼虫です。幼虫の間は淡水の泥の中などに住んでおり、野生の小魚や淡水エビなどに食べられています。スッポンなどの水棲動物の餌として、生餌、ドライ製品とキューブ状の冷凍品が販売されています。

食いつきがよい反面、水が汚れやすいというデメリットがあります。餌をあまり食べない個体や、人工飼料に慣れていない幼体の餌に向いています。

スッポンは低温に弱いため、冷凍品を与える場合は解凍してから水槽に入れましょう。

ミルワーム

ミルワームはペットの餌用に飼育、販売されている甲虫の幼虫です。ホームセンターなどでもよく見かけられ、手に入れやすい餌です。

ミルワームには生きているもの、生の状態で缶詰にしたもの、乾燥させたものなどがあり、スッポンの好みや飼い主さんの使い勝手で選べます。生餌は新鮮で栄養価が高く、動くためスッポンの本能を刺激し食いつきがよくなります。いっぽう、乾燥のものは保存性がよく管理がしやすいというメリットがあります。

金魚

鑑賞用ではなく、生餌用に飼育された金魚がペットショップや通販などで手に入れられます。

もともと、野生のスッポンは自分で小魚や貝類などを捕まえて食べているため、動くものによく反応します。水槽の中に金魚を混泳させておき、自然の中で生活しているように狩りをさせてあげるのもよいでしょう。

ただし、身体が小さいうちはうまく捕まえられません。ある程度大きく育ったスッポン向けです。

タニシ

タニシもペットショップや通販で生餌用のものが手に入ります。生餌用だけでなく、水槽の掃除向けのタニシでも大丈夫です。

スッポンはタニシを好んで食べるので、水田のタニシ駆除にスッポンを放流することもあるほどです。餌の食いつきが悪いときにはまずタニシを試してみるとよいでしょう。

スッポンはあごが硬く、そのまま食べてしまうので殻付きで問題ありません。

スジエビ

スジエビは淡水に棲む体長3~5cmの小型のエビです。スッポンは小エビも好んで食べます。ペットショップや通販で簡単に手に入りますし、水路やため池を覗いたら見つけられる可能性もあります。

手に入れやすい小エビとしてほかにヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどがいますが、ヤマトヌマエビは汽水でないと生きられない場合があるので注意しましょう。

スッポンに与えてはいけない餌

スッポンの餌で注意しなければならないのは、カロリーと塩分過多です。

野生のスッポンは生きた餌を追いかけて動き回りますが、水槽では動くスペースが限られ運動量が多くありません。そのため、カロリーの高い餌はすぐに肥満につながります。

煮干しや魚肉ソーセージなども与えればよく食べますが、人間用のものは塩分が含まれているのでスッポンの体にはよくありません。煮干しは塩分無添加のものを与える、ソーセージなどは極力与えないといった配慮をしましょう。

生餌を与えすぎてはいけない

スッポンは動く生餌が好きでよく食べます。泳いで小魚やエビを捕まえる野性的なスッポンの姿が見られるため、生餌を与えたいと思う方も多いでしょう。

しかし、生餌はカロリーが高いため与えすぎると肥満になり、寿命を縮めてしまう可能性があります。スッポンの健康のためには、生餌の与えすぎは禁物です。

カメ類は甲羅に手足をひっこめたときに、甲羅に入りきらなかったら肥満といわれます。スッポンの状態をチェックし、肥満に気を付けながら生餌を与えてください。

人工飼料をメインに与える

スッポンを健康に長生きさせたいなら、カロリーや栄養素のバランスが調整された人工飼料をメインに与えましょう。

生餌メインの食事だとカロリー過多が懸念されます。生餌はあくまでおやつや楽しみに与える程度にして、基本は人工飼料を与えるとよいでしょう。

ただ、飼育環境に慣れず人工飼料を食べてくれない個体や、成長途上(甲長約15cm未満)の個体には生餌を多めに与えるなどの工夫をしてください。

スッポンに与える餌の量

一般的に、カメ類に与える餌の量は「2~3分で食べきれる量」といわれます。体の大きさや月齢などの基準ではないので少し難しいですが、食事のようすを観察して量を判断しましょう。

餌をあげすぎると残った餌で水が汚れてしまいます。皮膚病にかかりやすいスッポンにとって水質はとても重要です。病気を避けるためにも適切な量の餌を与えるようにしましょう。

量が少ないとストレスに?

スッポンに餌を与えすぎると肥満になってしまうと述べましたが、逆に与えなさすぎるのもよくありません。動物にとって空腹は命にかかわる事態です。空腹の状態で餌がもらえないことは強いストレスになります。

爬虫類は空腹を感じることができるため、人慣れしたスッポンはおなかが空くと水槽の中でじたばたと暴れて餌を要求します。餌が足りない状態が続くと、ストレスで自分のしっぽや前足を噛んでしまったという例もあります。

餌の頻度

餌の頻度は、スッポンの成長度合いによって変わります。餌を与える頻度は成長期のスッポンで1日1回、成体になってからは2日に1回です。

ニホンスッポンは甲羅の長さが15cmほどになると成体とされ、それ未満の大きさのスッポンは成長期です。成長期のスッポンには丈夫で大きな体を作るためにしっかり餌をあげましょう。

与えすぎには注意

生餌はもちろん、人工飼料もあげすぎには注意しましょう。バランスの取れた餌でも、摂り過ぎれば肥満につながてしまいます。

また、残った餌は水槽の水を汚し、スッポンの病気やいやな臭いの原因になります。餌は適正な量、回数で与えるようにし、食べ残しはこまめに片付けるようにしましょう。

スッポンが餌を食べないときの対策法

スッポンが餌を食べない理由には、環境に慣れず落ち着かない、水温が低い、餌が好みでないなどが考えられます。

スッポンはとても臆病なので、飼い始めなどは空腹でも餌を食べないことがよくあります。特に人間の気配があると警戒するので、夜に餌をあげる、餌を入れたあとは近づかないといった対策をしましょう。

また、スッポンは低温に弱く水温が20℃を下回ると活動が鈍り餌を食べなくなります。冬季はヒーターを使うなどして温度に注意しましょう。

生餌を与えてみる

スッポンの餌は基本的には人工飼料がおすすめですが、あまり食べてくれず栄養状態が心配なときはまず生餌を与えてみましょう。

特にもともと野生にいたスッポンや赤ちゃんのスッポンは人工飼料を餌と認識しにくいようです。スッポンは本能的に動く餌に反応しやすいので、生餌なら食べてくれる可能性が高まります。

ただ、ずっと生餌のままだと栄養過多の心配もあるので、生餌をしっかり食べるようになったら徐々に人工飼料に移行していきましょう。

スッポンの餌について知ろう

寿命は約30年とペットとしては非常に長生きなスッポンですが、長生きのためには健康管理が重要です。スッポンも人間同様、食生活が健康に大きな影響を与えます。

かわいいスッポンに健康に長生きしてもらうためにも、スッポンに合った餌選びをしてあげてください。
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