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グリーンパイソンの飼育方法|特徴や人気の種類などをくわしく解説

「グリーンパイソンってどんな特徴の生き物なの?」
「入手方法や飼育方法、人気のある種類について教えてほしい」
グリーンパイソンの飼育に興味があるけど、このような疑問を抱えていてなかなか行動に移せないという人もいるのではないでしょうか。

本記事では、グリーンパイソンについての基礎的な知識とともに、人気が高い種類や入手方法、飼育方法や不調になった場合の原因や対策について解説しています。

この記事を読むことで、グリーンパイソンの生態や飼育方法を把握することが可能です。その知識をもとに、自分が飼育する際に必要な準備や知識を身につけることができるため、適切な飼育や飼育するかどうかの判断ができるようになるでしょう。

グリーンパイソンを飼育したいと考えている人は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。

グリーンパイソンってどんな生き物?

グリーンパイソンはニシキヘビの一種で、見た目の美しさやモルフ(カラーバリエーション)の豊富さから世界中に愛好家がいます。このため日本でもペットとして人気を集めている爬虫類ではありますが、飼育するうえで生態に関する基礎的な知識は不可欠です。

ここからは、グリーンパイソンがどのような生き物なのか7つの項目で解説します。

生物学的分類

グリーンパイソンの和名はミドリニシキヘビと名付けられていることから、ニシキヘビに分類されているヘビの仲間です。

正確な生物学的分類としては「ニシキヘビ科オマキニシキヘビ属」で、同じ分類の仲間にはアメジストニシキヘビやベーレンパイソン、カーペットパイソンなどがいます。この分類のヘビは、比較的大きめのサイズであることが多いです。

生息地

グリーンパイソンは赤道に近い暖かな地域に生息しており、湿気の多い熱帯雨林の樹上で生活しています。

ほぼ樹上での生活となっているので、地表に降りてくることはほとんどありません。また夜行性で、基本的には樹の上でじっとしています。このような特徴から、飼育する際も湿気の多い森林地帯に近い環境を維持することが大切です。

見た目と大きさ

グリーンパイソンの体色は鮮やかな緑が有名ですが、それ以外にも黄緑や茶色がかった色合いもいます。これは生息地によって体色が異なっているためであり、個体によっては幼体の色合いである赤や黄色が残る場合もあるようです。

色合い以外の見た目に関しては、顔つきがワイルドであるところが特徴として挙げられており、鼻に膨らみがある点や目が少し飛び出したような印象がある点から、ワニのような見た目になっています。

体長はおよそ150~200cmほどですが、最大2mの個体もいるため中型から大型のヘビに分類されています。

食性

グリーンパイソンの食性は肉食性で、ヤモリなどの爬虫類や鳥類、ネズミなどの小型哺乳類などが主な獲物です。特に樹上での生活がメインであるため、鳥類を好んで食べる傾向があります。

幼体の場合は主にトカゲやカエルなどを捕食していて、自分から捕食するだけではなく尻尾を使って獲物をおびき寄せる行動も見受けられます。

特徴

グリーンパイソンはとぐろの巻き方が特徴的で、木の枝につかまって巻き付くような形でとぐろを巻いています。そうすることで頭部を素早く動かすことができるため、目の前を通った獲物を素早く捕食することが可能です。

ほかにもグリーンパイソンの特徴として、歯の鋭さが挙げられています。グリーンパイソンには毒はないものの、獲物を確実に仕留めることができるように長く鋭い形状になっているところがポイントです。

性格

飼育するうえで注意しておきたいのが、グリーンパイソンの性格です。個体によって多少違いはあるものの、基本的には気性が荒く攻撃性が高くなっています。

人に対して襲い掛かってくることも珍しくないので、コミュニケーションやスキンシップをとることは難しいでしょう。

寿命

寿命に関してはおよそ15~20年生きる場合もありますが、平均的な寿命は10年前後とされています。ただ寿命は飼育環境によって大きく左右されやすい傾向があり、場合によっては10年に満たないこともあります。

グリーンパイソンを長生きさせるためには、温度や湿度といった飼育環境をきちんと管理することが重要です。

グリーンパイソンの入手方法

グリーンパイソンの飼育をするためには、まずどこで販売されているのかを把握する必要があります。またグリーンパイソンは複数の産地があり、産地によって値段が異なっているという点も理解しておくことが必要です。

ここからは、グリーンパイソンの販売場所や値段など入手方法に関する内容を解説します。

販売場所

グリーンパイソンを販売しているのは、爬虫類を専門に取り扱っている販売店です。爬虫類は対面販売が義務付けられているので、ネット販売はされていません。

ただ気をつけなければいけないのが、どこの爬虫類専門店でも購入できるわけではないという点です。グリーンパイソン自体は珍しい種類というわけではないのですが、飼育が難しい点から販売量は多くない傾向があります。

販売されている店が限定されやすいので、入荷されやすい4月ごろから様々な爬虫類専門店で探してみましょう。

主な産地と値段

グリーンパイソンは生息地が幅広いことから、販売される際に産地名が表記されることが多いです。これは産地によって柄が異なっているためです。愛好家の中には産地や柄にこだわりを持っている人もいます。

グリーンパイソンの代表的な産地は、アルー産やビアク産、ソロン産、カルバガ産、マノクワリ産などです。

値段は産地によって異なり、基本種の平均的な金額としてはおよそ2万円から3万円とされています。珍しい産地やモルフになると15万円前後になる場合もあり、100万円を超える個体もいるようです。

人気があるグリーンパイソンの種類

グリーンパイソンは元々あまり移動しないタイプのヘビであることから、ほかのヘビや爬虫類のように別々の産地での交雑が少ないです。そのため産地や地域によって個体差がはっきりしていて、特徴的なモルフや柄がみられます。

その中でも人気がある種類として挙げられているのが、ビアク産やアルー産、ブルーコンドロです。ビアク産は黄色の体色に茶色い斑点模様、アルー産は緑の体色で背骨のラインに白い斑点模様、ブルーコンドロは青色に突然変異した種類となっています。

グリーンパイソンの飼育に必要なものと選び方

グリーンパイソンはほとんど樹上で生活しているので、ケージや床材、水入れやライトなどの一般的なアイテムのほか、生活の基盤となる止まり木を準備してあげることが大切です。

それぞれのアイテムの選び方にもいくつかポイントがあるので、ここからはグリーンパイソンの飼育に必要なアイテムとその選び方について解説します。
  • ケージ
  • 床材
  • 止まり木
  • 水入れ
  • ライト

ケージ

グリーンパイソンの飼育ケージを準備する場合、樹上での生活になるので横幅よりも高さのあるケージを準備する必要があります。高さはとぐろを巻いた状態の3倍以上、横幅はとぐろを巻いた状態の2倍程度とされており、具体的な高さとしては60cm以上が望ましいです。

爬虫類専用の飼育ケージでも大型のものを用意し、掃除する際にはグリーンパイソンに襲われないように、底が引き出し型になっているものを選ぶと良いでしょう。

床材

グリーンパイソンは樹上での生活なので、床に降りてくることは少ないとされています。ただし湿気の多い環境を好むため、床材もできる限り湿気を保ちやすいものを選ぶことがポイントです。

ヤシガラマットやウッドチップなどを使うと見た目も自然環境に近いですが、見栄えを気にしないという場合はペットシートや新聞紙などを使うと、掃除や取り換えがしやすくなります。

止まり木

グリーンパイソンは樹上で生活するため、止まり木の存在が欠かせません。最低でも2本ほど用意してあげることで、一番高い枝にたどり着くための中継地点として使ってくれます。設置方法は、地面と平行になるように段違いで設置しましょう。

止まり木の選び方としては、グリーンパイソンの胴体と同じ程度の太さのものかどうかがポイントです。頑丈さを重視するのであれば、アクリル製のしっかりした棒を使う方法もあります。

水入れ

水入れ容器に関しては、直接水を飲む・水浴びをするなどの用途で使われることはほとんどありません。水入れ容器は、あくまでもケージ内の湿度を維持するために用いられています。

水入れ容器は浅くて大きめのものを選んであげれば、脱皮の時に体を濡らしやすくなるでしょう。このため大きさに関しては、グリーンパイソンが体を浸せる程度のサイズが望ましいです。

ライト

夜行性のグリーンパイソンは、基本的にライトの光は必要としておらず、紫外線ライトもあまり強いものは好まれません。そのためライトをつける必要はないという意見もありますが、ホットスポットを作る意味で設置されている場合もあります。

どうしてもライトをつけたい場合は、日陰を作り、熱帯や亜熱帯に生息する爬虫類向けの弱い紫外線ライトで対応しましょう。ちなみに電球タイプは巻き付いて火傷してしまうリスクがあるので、ケージ外から照らす方法がおすすめです。

グリーンパイソンの飼育方法

飼育するうえで必要なアイテムを揃えたところで知っておきたいのが、グリーンパイソンの飼育方法です。特に湿度や温度の管理や与える餌の種類、水の与え方など意識した方がいいポイントはいくつかあります。

ここからは、そんなグリーンパイソンの飼育方法で注意しておきたいポイントを解説します。

餌の種類と与え方

グリーンパイソンに与える餌は、入手が手軽なピンクマウスをメインとして、ウズラやひよこなどの鳥類が挙げられています。餌は週1回程度で2~3匹与えましょう。

餌を与える際には口の中を傷つけないように、木製で先端が丸くなっているピンセットを使います。また餌は頭部から飲み込めるようにして、大きすぎる場合はカットしてから与えましょう。

ちなみにピンセットでの餌付けに慣れていない個体は、びっくりしてあまり食べようとしない場合もあるので、ピンセットに慣らしてあげることも大切です。

水の与え方

グリーンパイソンは普段、葉っぱにたまった水を飲み水として利用しています。このため水入れに水を入れてケージの床に置いておくほか、毎朝1回ほど霧吹きでケージ内を湿らせておけば、後は自由に葉っぱやケージの壁についた水滴を飲んでくれるでしょう。

最適な温度と湿度

グリーンパイソンを飼育するうえで重要なのが、最適な温度と湿度の管理です。温度は27~32度程度、湿度は60~80%程度を好むと言われており、ヒーターや霧吹きを使って調整していきます。

冬は温度が下がりやすいのでヒーターでしっかり温め、ケージ内が蒸れ過ぎないように風通しの良い環境を整えましょう。ちなみに、ヒーターはケージ内に設置すると火傷する可能性がるので、ケージ外に設置するのがおすすめです。

レイアウト

ケージ内のレイアウトでまず考えなければいけないのが、止まり木の存在です。止まり木はグリーンパイソンの生活に欠かせないものなので、しっかりとした太さのあるものを1~3本程度入れておきます。

この時しっかり止まり木を固定していないと、落下してグリーンパイソンがケガをしてしまう可能性があるので、注意が必要です。

またライトを設置する場合、ずっと日差しを浴びているとストレスを感じてしまうので、日陰を設置してあげましょう。

グリーンパイソンのハンドリング

ヘビとのスキンシップとして、手で触る・持ち上げるなどのハンドリングがあります。ヘビの種類によってはハンドリングできるものとできないものがいますが、グリーンパイソンの場合は極力避けた方がいいです。

グリーンパイソンは気性が荒く、人に襲い掛かることもあるほか、歯が鋭いため襲われた時にケガを負ってしまう可能性があります。

中には安全対策をしてハンドリングをする飼い主もいますが、基本的には安易に触らず、ハンドリングを避けて鑑賞する程度にとどめておくことが無難です。

グリーンパイソンがなりやすい不調の原因と対策

グリーンパイソンがなりやすい不調や病気として挙げられるのが、マウスロットと呼ばれるものです。

グリーンパイソンがマウスロットを起こす原因としては、餌を食べた際に口の中を傷つけてしまうことが考えられます。グリーンパイソンは歯が鋭く長いため、餌を食べる際に口の中を傷つけてしまう恐れがあるためです。

対策としては、大きすぎる餌は小さく切って与える、鋭いトゲやツメなどを持っている餌であればそれらを除去することが挙げられます。

グリーンパイソンの飼育方法を知ろう

ヘビの中でも気性の荒さや樹上棲という特殊性から、グリーンパイソンの飼育難易度は高いとされています。しかし、色鮮やかなモルフや柄から世界中に愛好家がいて、人気が高い種類として飼育を検討する人も少なくないです。

飼育する場合はグリーンパイソンの生態についてはもちろん、必要なものや飼育方法をきちんと理解した上で検討することが大切です。
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