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ヒナタヨロイトカゲの飼育方法|ケージの大きさや餌の与え方をくわしく解説

「ヒナタヨロイトカゲってどんな生き物?」
「ヒナタヨロイトカゲの飼育方法が分からない」
「ペットとしてヒナタヨロイトカゲは飼えるの?」
このように、ヒナタヨロイトカゲの飼育を検討している人には疑問点が多いのではないでしょうか。

ヒナタヨロイトカゲは、トゲトゲの鱗を持つヨロイトカゲの1種です。小さな恐竜のような出で立ちに、心惹かれる人も多いでしょう。最近では、ペットしての人気が高まっており、ヨロイトカゲの中でもポピュラーな種類になってきています。

今回は、そんなヒナタヨロイトカゲの生態や飼育方法について徹底解説していきます。

飼育を検討している人は、ぜひこの記事を参考にして、悩みや疑問点の解消に役立ててください。

ヒナタヨロイトカゲってどんな生き物?



ヒナタヨロイトカゲは、爬虫類好きの中ではペットして人気の高い種類です。聞き覚えがあるという人も多いのではないでしょうか。

ヒナタヨロイトカゲとはどのような生き物なのか、まずはその生態についてくわしく見ていきましょう。

生物学的分類

ヒナタヨロイトカゲは、有鱗目ヨロイトカゲ科ヨロイトカゲ属に分類されるヨロイトカゲの1種です。

ヒナタヨロイトカゲの中にもさらに種類がいると考えられていますが、ヨロイトカゲ自体の分類が明確ではなく、いまだハッキリしていない部分が多いです。

そのため、ネッタイヨロイトカゲ、トロピクスヨロイトカゲ、トロピカルヨロイトカゲなど複数の呼び方があります。

生息地と活動時間帯

アフリカ南部に分布しており、主にサバンナなどの乾燥した草原地帯で、低木林や倒木、岩の下などに隠れて生活しています。

昼行性の生き物で、暗くなると砂穴や岩の間で休むため、夜に活動することはほとんどありません。体温調節できない変温動物であり、活動時間中は岩に登って直射日光を浴び、日光浴をしています。

見た目と大きさ

ヨロイトカゲの特徴といえばトゲトゲとした鱗ですが、ヒナタヨロイトカゲの場合は若干棘(トゲ)が控えめです。しかし、尾には棘状の鱗を持っており、ヨロイトカゲの特徴はしっかりと残っています。

体色は黄褐色~灰褐色をしており、お腹は黄褐色です。個体によって体に暗い色の帯状の模様がまばらに入っている場合があります。また、国内ではお腹の赤みが強い個体も流通しています。

体色の違いは個体差なのか別の種類や亜種であるのかなど、くわしい理由は判明していません。

全長は6~8cmほどで、両手に収まる程度の小型サイズです。

最長でも8.8cm程度とされており、飼育スペースが比較的狭く済むため複数で飼育する人も多いです。

食性

動物食性で、昆虫や節足動物などを主食にしています。

野生下では小さなトカゲやクモなど様々なものを食べていますが、中でも羽のついたシロアリが好物とされています。

性格

ヒナタヨロイトカゲは、その強そうな見た目とは反対にとても臆病な性格をしています。

一方で、5~30匹の集団で生活するという社交的な一面も持っています。警戒心も強いですが、攻撃性が低い個体が多いため、ペットとして飼いやすい種類です。

寿命

ヒナタヨロイトカゲの平均寿命は10年程度です。

知識と飼育環境さえ整っていれば、飼育の難易度はそこまで高くありません。中には15年生きる個体もおり、飼育がしっかりとできていれば平均よりも長く生きてくれることもあるでしょう。

ヒナタヨロイトカゲの入手方法

ヒナタヨロイトカゲの特徴や寿命について解説してきました。それぞれの個体によって体色が異なるため、よりペットとしての愛着が湧くでしょう。飼育したいという思いが強くなってきた人も多いのではないでしょうか。

ここからは、気になる販売場所や値段などについて紹介していきます。

販売場所と値段

ヒナタヨロイトカゲは、8,000~10,000円程度と比較的安価で購入できます。

爬虫類は対面販売が義務つけられているため、主にペットショップまたは展示会での購入になります。

国内での流通はヨロイトカゲの中では多いため、希少な種類ではありません。

ただし、ヒナタヨロイトカゲはワシントン条約で絶滅の恐れがある種類に分類されています。ワシントン条約とは、絶滅を防ぐためにⅠ~Ⅲに分類を分けて、輸入や輸出の制限をかけて保護することを目的とします。Ⅰが最も絶滅の恐れが高い段階です。

現在、ヒナタヨロイトカゲはⅡに分類されており、すぐに規制がかかる可能性は低いですが、今後輸入がなくなる可能性はゼロではないことを理解しておきましょう。

出典:ワシントン条約(CITES)|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/index.html

CBとWCの違い

爬虫類ショップなどで、「CB」や「WC」という言葉を目にしたことはないでしょうか。

これは、どのような経緯で販売されている個体であるかを示す用語です。

「CB(Captive Bred)」はキャプティブブレッドの略で、ブリーダーなどが人口的に飼育あるいは繫殖した個体のことです。もともと人口飼育であるためペットとしての飼育環境に馴染みやすく、寄生虫などのリスクもほとんどありません。

「WC(Wild Caught)」はワイルドコートの略で、野生下で採取された個体のことです。野生であるため、体色やサイズなどが「CB」よりも本来の姿に近い個体が多いです。しかし、寄生虫がいる場合や気性が荒くなりやすい点などから、上級者向きと言えます。

そのため、「CB」の個体の方が初心者向きとされています。

ヒナタヨロイトカゲの飼育に必要なものと選び方



日本に生息しないヒナタヨロイトカゲは、特に飼育環境に気を付けなければいけません。元気に育ってくれるように、必要なものを準備しておきましょう。

ここからは、ヒナタヨロイトカゲの飼育に必要なものを8つ紹介していきます。

選び方のポイントについても解説しているため、各項目を確認しておきましょう。
  • ケージと蓋
  • 床材
  • シェルター
  • 水入れ
  • バスキングライト
  • 紫外線ライト
  • ヒーター
  • サーモスタット

ケージと蓋

ヒナタヨロイトカゲは地上で生活しているため、なるべく床面積が広いケージが理想です。最低でも幅60cm以上のものを選びましょう。

生体に比べると大きいサイズに感じるかもしれませんが、温度調節するためにはゆとりのあるケージが必要となります。多頭飼いする場合は、幅90cm以上を目安にしてください。

蓋は、通気性のよいものや金網でできたものがおすすめです。

爬虫類は上から来る手が苦手です。慣れやすくするためにも、なるべくサイドに窓があるタイプのケージでお世話する方が良いでしょう。

床材

床材の選択肢は広く、一般的なペットシーツやキッチンペーパーなどでも代用ができます。

見栄えを良くしたい、野生下と同じような環境にしたいと考えている人には、「砂系」の床材がおすすめです。

排泄物があれば都度清掃しておきましょう。床材は定期的に補充し、2~3か月に1度を目安にケージ内全体の床材を交換してください。

シェルター

臆病な性格のヒナタヨロイトカゲには、寝床や隠れ家となるシェルターが必要になります。シェルターは、乾燥したドライタイプと保湿性のあるウェットシェルターの2種類を置いてあげるのがベストです。

落ち着ける空間がないとストレスが溜まってしまうため、個体にあったサイズのシェルターを選びましょう。

多頭飼いする場合は、複数のシェルターを準備してください。

水入れ

乾燥地帯に生息していますが、水分が全く必要ないわけではありません。水分補給がいつでもできるように、ケージ内に水入れを置いてあげましょう。

全身が浸かる程度の、サイズに合った水入れを選んでください。

バスキングライト

変温動物を飼育する場合の多くは、ケージ内の局所にバスキングスポットと呼ばれる日光浴をする場所を必要とします。ヒナタヨロイトカゲが暮らす砂漠の日光レベルの高温を保つためには、バスキングライトを設置しておかなければいけません。

40~50℃のバスキングスポットを作ってあげましょう。

昼夜で調節する必要があるため、操作しやすいモデルがおすすめです。

紫外線ライト

紫外線ライトは様々な種類があり、中には強い紫外線を発生させるメタハラという種類があります。10,000円近いものが多く、高価ではありますがハイスペックな紫外線ライトを探している人にはおすすめです。

バスキングライトと紫外線ライトが一緒になっているモデルもあり、こちらは初心者でも使いやすいでしょう。

ヒーター

冬や夜寒くなる時期には、ケージを温めるためのパネルヒーターが必要です。暖房で温度管理する人は不要な場合もありますが、何かあったときに便利です。

底面に敷くタイプ、またはケージの側面に貼りつけるタイプがあります。ケージの形状や大きさに合わせて選びましょう。

サーモスタット

サーモスタットは温度調節する器具と接続すると、電源管理を自動で行ってくれる機器のことです。ケージ内の保ちたい温度を設定しておくと、それに合わせてスイッチを入切してくれます。

ヒナタヨロイトカゲが暮らす砂漠は、昼は暑く、夜はとても冷え込みます。生息地と同じような環境を作るためには、昼夜でケージ内の温度を変えてあげなければいけません。

手動で温度調節もできますが、スイッチの切り忘れなどを防ぐためにもサーモスタットを活用しましょう。

サーモスタットは小動物や鳥用など様々な種類がありますが、使用する際は必ず「爬虫類用」のものを選んでください。

ヒナタヨロイトカゲの飼育方法



ヒナタヨロイトカゲはそこまで飼育難易度が高くないと言われていますが、生き物である以上、飼育する上では注意点があります。

ここからは、ヒナタヨロイトカゲの餌のあげ方や日光浴などの飼育方法について、くわしく紹介していきます。

餌の種類と与え方

様々な昆虫を食べるヒナタヨロイトカゲですが、飼育下においては生きた「コオロギ」「デュビア」などが主食となります。

また、餌はカルシウム剤をまぶしてから与えましょう。カルシウム剤にはカルシウム単体のものとビタミンD3入りのものがあり、どちらも必要になります。

ヒナタヨロイトカゲはカルシウムが不足すると、病気になるリスクが高まります。

普段はカルシウム単体のものを与え、たまにビタミンD3入りのもの与えてください。ただし、カルシウムを過剰摂取するのも良くないため、適切な量のカルシウムを与えて健康を維持してあげましょう。

水の与え方

基本的には、水入れに入れておくだけで必要な水分を補給します。

水浴びもする場合があるため、水は毎日入れ替えましょう。

また、適切な湿度を保つために、一日に一度霧吹きでの保湿が必要です。このとき注意しておきたいのが、壁についた霧吹きの水滴です。もし、ヒナタヨロイトカゲが壁の水滴をよく舐めていたら水分不足の可能性が高いため、行動もよくチェックしておきましょう。

最適な温度環境

最適な温度は、バスキングスポットが40~50℃程度、その他のスペースは昼が25~28℃程度、夜は18℃程度とされています。

前述しましたが、砂漠は昼と夜で気温が20℃も変わるほど特殊な気候の地帯です。そのため、飼育下では温度調節が必要となります。

バスキングライトやヒーターで最適な温度を保ちましょう。バスキングスポットには、レンガや石を置くことで温めやすくなります。

バスキングスポットはとても高温になるため、火事や火傷に注意してください。

日光浴

アフリカの強い日差しを浴びているヒナタヨロイトカゲは、多量の紫外線を必要とします。

自然に紫外線を取り入れられるように、天気がいい日は直射日光で日光浴をさせてあげてください。

レイアウト

ヒナタヨロイトカゲは小型であるため、ケージ内のレイアウトがしやすいです。

シェルターやバスキングスポットにも活用できる流木やブロックを上手く組み合わせて、見栄えのよいケージを作るのも良いでしょう。

ヒナタヨロイトカゲのハンドリング



臆病な性格のヒナタヨロイトカゲですが、人慣れしてくるとハンドリングが可能です。ゴツゴツとした体のため、素手で触ると怪我をする場合があります。安全にハンドリングするために手袋を使用しましょう。

ハンドリングは、ヒナタヨロイトカゲにとってはストレスを感じている可能性が高いです。なるべくストレスを軽減させるために、長時間のハンドリングは避け、活発に活動している朝や昼に行いましょう。

また、ヒナタヨロイトカゲはサルモネラを保菌しています。ハンドリングした手についた菌で、目や口に入るとサルモネラ症を引き起こす場合があります。

最悪の場合は命に危険が及ぶこともあるため、ハンドリングした後は必ず手をよく洗いましょう。

出典:ペットから人に感染する病気を知っていますか|佐賀県
参照:https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00314843/index.html

ヒナタヨロイトカゲの飼育方法を知ろう



この記事では、ヒナタヨロイトカゲの生態や飼育方法について紹介してきました。生息している環境や生態をよく知ると理解が深まり、飼育方法にも活きてきます。

特に、カルシウムを補うことと日光浴が重要であることを覚えておきましょう。

恐竜のような見た目の小型のトカゲを探している人は、ぜひヒナタヨロイトカゲの飼育を検討してみてはいかがでしょうか。
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