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ケヅメリクガメの寿命はどれくらいある?食べる餌や体重についても解説

「ケヅメリクガメの寿命って実際どのくらいなの?」
「食べる餌の量と種類は?」
「一般家庭でも飼育できるの?」
他にも、ケヅメリクガメについての正確な情報が分からず、飼ってみたくても勇気が出ない方がいるのではないでしょうか。

この記事では、ケヅメリクガメの生態や寿命などの基礎知識だけでなく、入手方法、飼育のコツや注意点、必要な道具や餌など全体の費用について、解説していきます。

この記事を読めば、ケヅメリクガメに関するさまざまな疑問も解決することでしょう。ケヅメリクガメの知識をきちんと得ることで、安心して飼育できるようになります。

現在ケヅメリクガメの飼育を検討中の方や、既に飼育中で困っていることがある方もぜひ参考にしてください。

ケヅメリクガメってどんな生き物?

ケヅメリクガメは世界で3番目に大きくなるリクガメと言われており、大きい爪のような前足の鱗と甲羅の淵が反り返っているのが特徴的です。動物園などで、その姿を見た人もいるのではないでしょうか。それでははじめに、ケヅメリクガメの生息地や寿命などを紹介していきます。

生物学的分類

ケヅメリクガメは爬虫綱カメ目リクガメ科に分類される動物です。ワニやトカゲ、鳥類を含む恐竜などと同じ爬虫類で、ガラパゴスゾウガメとアルダブラゾウガメの次に大きいリクガメだと言われています。

ケヅメリクガメの学名は「Centrochelys sulcata」で、英名は「African Spurred Tortoise」です。英語のSpurred(拍車のある・蹴爪のある)は名前の由来にもなっています。

生後5年~8年ほどで性成熟し、繁殖時期は基本的に真夏から秋の間です。繁殖期を迎えるとオスは互いに甲羅をぶつけたり、噛みついたりして、メスを取り合うために争います。

生息地

野生のケヅメリクガメはエチオピア、スーダン、マリ共和国をはじめとしたアフリカのサハラ砂漠やサバンナなどの、空気が乾燥した場所に生息しています。サハラ砂漠は昼間が高温、夜間は0度以下になる厳しい環境です。

気温の高い昼間は主に巣穴で休んでおり、比較的気温の低い朝方や夕方に活動しています。また、1年中気温が高い場所に生息しているため、ケヅメリクガメは冬眠しません。

見た目と大きさ

ケヅメリクガメは最長で長甲80cmにもなる大きなリクガメで、1年ごとに10cmほどのペースで成長すると言われています。

体重は50kgを超えることもあり、成人男性であっても持ち上げるのは大変なのではないでしょうか。しかし、メスは無精卵でも産卵する個体もいることから、ある程度大きくなると、成長が止まる傾向にあるため、80cmには到達しません。

オスメスの見分け方は、ひっくり返して尾の長さや総排泄孔の位置を見れば一目瞭然です。一般的に亀の尾はオスが太くて長く、メスは短いと言われています。

見分け方が分かっても、大きくなったケヅメリクガメをひっくり返すのはほぼ不可能だと言えるでしょう。その上、幼体の頃に調べようと思っても、残念ながら見分けることはできません。

お尻の近くに、鳥の足の裏側にある蹴爪と呼ばれる突起物に似た大きな鱗があり、それが名前の由来にもなっています。生息地によって見た目が違う場合もあり、背甲が白色でコブが出にくいのがモロッコタイプ、黒色でコブが出やすいのがガーナタイプです。

甲板にある成長輪からは年齢を推測できると言われています。

食性

草食性動物であるケヅメリクガメは、体が大きいということもあり、食欲旺盛です。

野生ではサボテンのような多肉植物、イネ科の植物や野草など、水分の多い植物を食べています。家庭で飼育する際は、バナナやリンゴといった果物や、小松菜を中心とした葉野菜、野草などが与えるといいでしょう。

性格

ケヅメリクガメは穏やかでマイペースな性格です。何度も餌を与えれば、手から直接食べてくれるほど人によくなつきます。しかし、少し気が荒い面もあり、見慣れない人が近づくと口を開け、威嚇する場合もあるので注意しましょう。

寿命

ケヅメリクガメの寿命は飼育下だと30年~50年ほどです。それゆえ、長い年月をケヅメリクガメと共に過ごすことになります。また、野生下では100年以上生きる可能性もあると言われており、寿命の長い動物だと言えるでしょう。

飼育許可について

これだけ大きな生き物だと、家庭で飼う場合は飼育許可が必要だと思われたのではないでしょうか。

ケヅメリクガメは現在、国際自然保護連合によって絶滅危惧種として指定されているものの、今のところ特別な許可は必要ありません。しっかり飼育環境を整えさえすれば、誰でも飼うことが可能です。

ケヅメリクガメを飼育する際の注意点

許可が必要ないとはいえ、ケヅメリクガメを飼育する際にはいくつか注意点があります。

それらはケヅメリクガメを飼育するにあたって、無視はできない問題です。寿命が長いこと、飼育場所や食費がかかるといった注意すべき点を、これから順番に説明していきます。

寿命が長い

繰り返しになりますが、ケヅメリクガメの寿命は30年~50年ほどです。

10年、20年、それ以上と長い目で見て「ずっと飼い続けることはできるだろうか」「自分に何かあった時に引き取り手はいるか」なども考える必要があります。どの動物であっても同じことですが、最期まで責任を持って飼育できるかが重要になってくるのではないでしょうか。

飼育場所を確保する必要がある

大きなケヅメリクガメを飼育するには、広いスペースも必要になります。狭い場所に閉じ込めておくとストレスを感じてしまうので、最低でもケヅメリクガメの体長の約5倍の広さはほしいところです。

部屋を丸ごと飼育場所にするのも1つの手ではあるものの、よく運動する上に、力の強いケヅメリクガメが物を破壊したり、壁にぶつかって騒音問題に繋がったりする可能性もあります。そのため、広い庭がある場合は、そこで飼育するのが無難なのではないでしょうか。

また、犬や猫などのペットを飼っても大丈夫な場所であったとしても、マンションでの飼育はあまりおすすめしません。

食費がかかる

成体となったケヅメリクガメはその大きな見た目通り、食べる餌の量は尋常ではありません。何年も経過し、成長すればするほど食べる量も増え、食費の推移も増えていきます。

個体差はあるものの、1日に1,200g食べると仮定して小松菜やキャベツなど野菜の平均価格、リクガメフードの値段から1ヵ月分の食費を計算して、それを目安にするといいのではないでしょうか。計算した上で、何十年もケヅメリクガメの餌を準備できるのかも考えてみてください。

ケヅメリクガメの入手方法

ケヅメリクガメの入手方法は、ペットショップなどで購入するか、里親を募集している人から引き取るかの二択です。ここからは購入する場合の値段も含め、それぞれ詳しく解説していきます。

販売場所と値段

ケヅメリクガメはペットショップや爬虫類専門店で販売されています。また、全国で開催されているペット即売会でも購入は可能です。なお、爬虫類は対面購入を義務づけられているため、通販での購入はできません。

1匹の価格は10cm以下の幼体だと2万~3万円程度です。しかし、30cm以上の成体となると、10万円以上必要になります。

里親への応募

何かしらの事情があり、飼えなくなったケヅメリクガメの里親を募集していることもあります。インターネットで里親募集の掲示板やサイトを探して、そこで紹介されているケヅメリクガメを引き取るのも1つの手ではないでしょうか。

ケヅメリクガメの飼育に必要なものと選び方

ケヅメリクガメの飼育にはゲージやヒーター、紫外線ライトなど全部で9つの道具が必要です。それぞれの選び方も重要になってくるので、1つずつ理由を添えて解説していきます。
  • ケージ
  • シェルター
  • 床材
  • 温湿度計
  • ヒーター
  • 餌入れ
  • 水入れ
  • バスキングライト
  • 紫外線ライト

ケージ

体が小さい幼体の間は屋外で飼育していると、カラスや猫などの天敵に狙われるため、室内で飼うためのゲージが必要になります。ケヅメリクガメは成長が早いので、90cmの爬虫類用ゲージを準備しておくといいでしょう。

シェルター

野生のケヅメリクガメは天敵から身を守る場合や、日差しが強い昼間は地面を掘って作った巣穴に隠れています。飼育下においても、ケヅメリクガメが身を隠せる場所がないと、常に危険を感じストレス状態に陥る個体もいるので、巣穴の代わりになるシェルターが必要です。

サイズはケヅメリクガメが全身を隠せる大きさのものを用意してください。なお、ほどよい重さでズレづらく、本物の岩のような見た目のロックシェルターがおすすめです。

床材

ケヅメリクガメはツルツルしたフローリングの廊下や滑りやすい地面の上を歩いていると、足腰が悪くなってしまうためヤシガラマットや赤玉土などの床材を敷く必要があります。

また、部屋で飼育する際は、人工芝のジョイントマットもおすすめです。特に餌入れと水入れ付近に置いておけば、餌などに床材が混ざってしまう心配もありません。

床材はケヅメリクガメが滑らない程度の厚みで敷いてあげてください。なお、滑る心配のない庭などの屋外やコンクリート床には敷かなくても問題ありません。

温湿度計

動物を飼育するのであれば、温度と湿度の管理も大切です。特にケヅメリクガメをはじめとした爬虫類はしっかり体調を管理するために、温度と湿度のチェックは欠かさずしましょう。温度は昼間が22~30度、夜間は18~22度、湿度は30~60%程度になるよう調節してください。

ヒーター

ケヅメリクガメは寒さに弱く、気温に合わせて体温が変化する変温動物です。比較的寒さに強いと言われている成体でも自力では体温調整できないので、冬期や寒い地域などでは自由に体を温められるよう必ずヒーターや保温球を設置してあげてください。

餌入れ

あちこちで餌を食べ散らかさないように餌入れも用意しておくといいでしょう。その方が衛生的にも良いのではないでしょうか。餌の量を考えると、浅めでどっしりした、できるだけ大きいサイズのものを購入してください。

水入れ

水浴びをすることもあるので、全身が入る大きさの水入れが必要です。冷水ではなく、25~40度程度の間で水温を調節してあげましょう。

溺れたり、出られなくなったりしないよう、浅くて丈夫なものを用意してください。また、基本的にケヅメリクガメは餌である野菜などから水分補給しますが、まれに水を飲む場合もあります。そのため、水は毎日交換して、常に綺麗な状態にしておきましょう。

バスキングライト

こちらも寒さに弱いケヅメリクガメの体温を上げるための道具です。また、食後の消化促進の効果もあります。

ケヅメリクガメは日光浴もするので、バスキングライトを使用して35~40度程度のホットスポットを作ってあげてください。ホットスポットの温度を保つために石を置くなどの工夫をし、ライトとケヅメリクガメの距離が短くなるように設置することを心掛けましょう。

紫外線ライト

健康的に育つためにもケヅメリクガメには、カルシウムの吸収に必要なビタミンDを作りだす強めの紫外線が必要です。

もし紫外線不足に陥ると、甲羅が変形して元に戻らなくなってしまいます。とはいえ、毎日のように日光浴させるのは大変だと思うので、20W以上の紫外線ライトを設置しましょう。

ケヅメリクガメの飼育方法

これまでケヅメリクガメの生態や寿命、飼育環境について解説してきましたが、ここからは餌の種類と与え方や、散歩のさせ方などの飼育方法について順番に説明していきます。

ケヅメリクガメの飼育は大変ですが、難しいことはありません。飼育前にポイントをしっかりおさえておきましょう。

餌の種類と与え方

ケヅメリクガメの餌には成長に必要なカルシウムが豊富に含まれている小松菜をはじめとしたキャベツ、レタス、きゅうり、モロヘイヤ、白菜などの野菜を主食にするのがおすすめです。

他にはイネ科の植物、果物だとリンゴやオレンジ、リンゴなども食べてくれます。ただし、植物は農薬や排気ガスに汚染されていないものを、果物は糖分が多いので与えすぎないようにしてください。

市販のリクガメ用フードは主食にせず、補助的に与えるようにしましょう。また、ショウ酸が多く含まれているほうれん草や、球根を持つ玉ねぎなどは、ケヅメリクガメの体によくないため、与えない方がいいとされています。

餌を与える頻度は1日1回、量は食べ残しを参考に調整し、餌入れに適量を置いてあげてください。同じものばかりを与えずに、バランスのよい食事を心掛けてあげましょう。

最適な温度

ケヅメリクガメの適温は22~30度程度です。生息地にあわせて夜間は20~23度程度まで下げてください。

変温動物であるケヅメリクガメにとって、日本の冬は厳しい寒さになります。暖房をつけ、保温器具を設置して35度~40度程度のホットスポット作りも忘れずに行いましょう。また、健康維持のため、最低でも週2回は日光浴させてあげてください。

散歩のさせ方

ケヅメリクガメはよく動き回るので、日光浴も兼ねて外で散歩させてください。運動不足になったり、ストレスが溜まったりしないようになるべく広い庭などに出してあげましょう。

カラスや猫などの天敵から身を守る対策として、柵を設置しておく必要があります。特に体の小さな幼体の時は絶対に目を離さないでください。

あちこちに糞と尿をするため、掃除が大変になります。なので体の大きさにあったおむつを履かせて、散歩させるのもおすすめです。

ケヅメリクガメの寿命の長さや大きさを知って飼育できるかよく考えよう

ここまでケヅメリクガメについて説明してきましたが、いかがでしたか。寿命の長さや成長速度を踏まえると、かなり先のことまで考えてから購入しなければなりません。

飼育の大変さからある程度大きくなると、飼育放棄する人もいると言われています。里親を募集したり、動物園へお願いしたりするなどして引き取り手を探す人もいますが、受け入れ先が見つからず、適当な場所に捨てる人が後を絶ちません。

ケヅメリクガメに限らず、ペットを捨てるのは悪いことです。飼育する際は、寿命の長さから生涯を共にするくらいの覚悟を持って、ケヅメリクガメが安心して暮らせる環境を整えてから飼うようにしてください。
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