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ニジイロトカゲってどんな生き物なの?生態やニホンカナヘビとの違いも!

「植木で尻尾が青色の虹色みたいなトカゲを見かけたけど、あれってどんな種類のトカゲなんだろう?」
「尻尾が青色のトカゲを捕まえたけど、どうやって飼育したらいいの?」
あまり日常でニジイロトカゲに遭遇する機会は少ないかもしれませんが、もし虹色トカゲに出会った時、このように考える方もいるでしょう。

本記事では、ニジイロトカゲの生態や飼育の仕方、またニホンカナヘビと呼ばれるトカゲのような種類の生き物との違いについて紹介していきます。

この記事を読むことで、ニジイロトカゲについて今まで知ることのなかった生態や、飼育する際の注意点などを知ることができます。

少しでもニジイロトカゲについて興味を持った方は、是非この記事を参考にしてみてください。

ニジイロトカゲってどんな生き物?



子どもの頃、暖かくなると花壇や植木の近くで日向ぼっこのように姿を表すトカゲを捕まえたことがある方もいるでしょう。この日常で見かける小さなトカゲは、かなり身近な爬虫類の種類の1つではないでしょうか。

今回はそのトカゲの中でも、青色の尻尾を持っているトカゲについて紹介していきます。

生態

ニジイロトカゲの正体は、ニホントカゲの幼体です。ニジイロトカゲは鮮やかな青色の尻尾を持っており、その文字通り虹色のように見えるのでこう呼ばれることもあるようです。

体つきはやや扁平で、全体がぬるっとしているような滑らかな鱗で覆われ、縦線模様が入っています。天敵に襲われた際はこの目立つ青色の尻尾を切って逃げていくので、見つけた際は尻尾を切られないように気をつけましょう。

大きさ

トカゲの中でも中程度サイズの大きさで、頭から胴回りまでだと孵化時で約3cm、成長すると約6〜8cmになります。尻尾まで合わせると平均約15cmで、大きいものだと約25cmぐらいまでのものもいるようです。

メスの方が体は一回り大きいですが、縄張り意識はオスのトカゲの方が強いです。

生息地

日本全国どこでも見かけることができます。ただ、近年DNAのデータからニホントカゲとヒガシニホントカゲという分類にわけられ、ニホントカゲは近畿から西日本やその島あたりに分布し、ヒガシニホントカゲはその名のとおり東日本に分布される個体となっています。

外見的にはほとんど違いがなく、ニジイロトカゲと呼ばれる幼体の時期も同じような外見ですので、ニジイロトカゲの生息地となると日本全国といえるでしょう。

森林地帯や川の周り、私たちが暮らす市街地までどこでも見かけることができます。

寿命

寿命は平均で約5年ですが、長く生きる個体だと約10年生きるものもいるようです。ただ、人間の飼育下では大きなケージを用意できなかったり、トカゲに負担をかけてしまったりして、なかなか長生きさせることは難しいかもしれません。

飼育する際は餌や飼育設備に注意し、トカゲにとってストレスのかからない飼育環境になるよう心がけましょう。

ニホンカナヘビとの見分け方

ニホンカナヘビとの違いは、尻尾の長さや体の光沢具合、体つきの違いによって見分けることができます。

まず、尻尾はニホントカゲの尻尾の長さが体長の約1/2に対して、ニホンカナヘビは体長の約2/3もあります。また、体つきはニホントカゲの方ががっしりとしていて、腕はニホンカナヘビよりも前方についています。

わかりやすいのが体の光沢具合で、ニホンカナヘビは鱗に光沢がなくざらざらとした感じですが、ニホントカゲは滑らかで光沢感があります。

ちなみに幼体のニジイロトカゲは鮮やかな青色の尾を持っていますので、すぐに見分けることができるでしょう。

ニジイロトカゲには魅力がいっぱい



実際に、ニジイロトカゲを詳しく知れば知るほど、その魅力がたくさんあることに気づきます。滑らかで光沢のある美しい体つきのニジイロトカゲを、自宅で飼育できるのはとても贅沢なことです。その魅力について、2点にわけて紹介していきます。

飼育がしやすい

かなり丈夫な生き物なので、爬虫類を飼うための基本的な飼育設備が整っていれば飼育しやすい種類になります。ただ、虹色トカゲと呼ばれる幼体の頃は、飼育する難易度があがってきます。

このニジイロトカゲの時期に飼育するのが難しい理由は、後述する床材の影響がかなりあるようです。床材の素材には気をつけないと、ニジイロトカゲの気道や食道に詰まってしまいますので、注意して選びましょう。

人馴れしやすい

野生のトカゲは近づいたらすぐに姿を隠し逃げてしまうイメージがあるので、人馴れしないと思う方もいるでしょうが、実は飼育してみると意外に人馴れする個体もいます。懐くというよりは、人間の存在に慣れることができるという表現が正しいかもしれません。

ピンセットで給餌できるほど慣れてくる個体もいるようです。ただ、基本的に爬虫類は後ろからいきなり掴んだり強く拘束するのを嫌がるので、なるべくストレスを与えない範囲でスキンシップをとるようにしましょう。

ニジイロトカゲの販売場所と価格相場



ニホントカゲを取り扱っている専門店は少ないです。特に、ニホントカゲの幼体であるニジイロトカゲに関してはかなり数が限られるでしょう。まれに販売されているところだと、その値段は約1,000円〜2,000円のところが多いようです。

また、2013年から動物愛護法で無資格の個人に対して、爬虫類販売時は対面販売が義務化になったので、通販を行っているお店は少ないです。入手したい場合は、自然環境にいる個体を捕まえるのが早いようです。

出典:動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました|環境省
参照:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2508a/full.pdf

ニジイロトカゲの捕まえ方



とにかく動きが素早いので捕まえるのは大変ですが、捕まえる際はなるべくトカゲの視界に入らないように後ろから回り込みましょう。この時に尻尾を掴んでしまうと尻尾を切り離して逃げてしまうので、前足を掴むようにします。

特に、ニジイロトカゲはカナヘビよりもその鮮やかな青色の尻尾を切り離して逃げやすいので、より注意深く捕獲することが大事です。捕まえた後も手の中で握りしめたままにしておくとニジイロトカゲにとってかなり熱い環境になってしまうので、優しく前足を保定してください。

くれぐれも尻尾を掴まないように気をつけてください。尻尾は離れてしまっても再生しますが、本来の鮮やかな青色よりは色が落ちてしまうことがあるようです。

ニジイロトカゲの飼育方法



ニジイロトカゲを購入または、捕獲した際に気になるのはその飼育方法です。屋外で飼育するのか、屋内で飼育するのか、また、飼育時にはどんなアイテムが必要になってくるのかなど、詳しく紹介していきます。

2つの飼育スタイル

飼育する際は、屋外で飼う場合と屋内で飼う場合があると思いますが、それぞれで飼育する場合にわけて注意点を説明していきます。

どちらもメリットデメリットありますので、きちんと飼育できるスタイルを選びましょう。

屋内での飼育

屋内で飼育する際は紫外線を浴びる必要があるので、照明器具が必要です。ホットスポットを作れるようなアイテムを用意しておきましょう。

爬虫類を飼ったことがある方はご存知かもしれませんが、飼育したことがない方にとっては爬虫類に必要なアイテムが意外に多いと思うかもしれません。

また、屋外飼育でも屋内飼育でもいえることですが、大きな飼育容器が必要になることも覚えておきましょう。

屋外での飼育

屋外で飼育する際は屋根があるような場所で飼育し、直射日光が当たらないように注意しましょう。紫外線を当ててあげることは大事ですが、直射日光だと日中はかなり温度があがってしまい、トカゲがばててしまいます。

飼育容器の中に床材を厚めに敷いてあげると、万が一直射日光で照りつけられても避難することができるのでおすすめです。

また、雨が直接入るような場所だと飼育容器の中に水が入りこんでしまい、溺死してしまいます。雨の日は特に注意が必要です。

飼育するために必要なもの

体つきは小柄ですが、爬虫類を飼育しようと思うと意外に必要なアイテムはたくさんあります。面倒くさがったり適当にしてしまったりすると、トカゲにとってストレスを与える環境を作ってしまいます。必要なアイテムごとに紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
  • ケージ
  • フタ
  • 紫外線ライト
  • 流木や石
  • バスキングライト
  • 床材
  • 水入れ

ケージ

野生環境下では地表で生活しているため、体長に比べてかなり大きめのケージが必要になります。約60cm以上のケージを用意するといいでしょう。小さなケージはトカゲにとって運動不足になり、食欲不振などにもなりかねません。

また、通気性のいい場所を好むので、上部などケージのどこかの面は網のように空気が通る環境を作ってあげることをおすすめします。

フタ

通気性のいい場所を好むので、フタは網になっているような空気が通り抜けやすいものがいいでしょう。浅いケージで飼う場合は、フタを外す際に飛び出して逃げ出さないように注意します。

屋外で飼う場合は、特に猫やカラスに襲われないように必ずフタをしておくことをおすすめします。蓋がセットになっているケージも多いのでおすすめです。

紫外線ライト

爬虫類は紫外線を浴びることによって、骨の形成に必要なビタミンを作り出すことができます。また、脱皮を促したり食欲や運動を促してくれる大事な存在です。

屋内で飼育する際は紫外線不足となるので、人工的に紫外線ライトで紫外線を生体に当ててあげましょう。

ただ、ニホントカゲは砂漠や乾燥地帯に生息する爬虫類ほどは紫外線を必要としないので、そこまで強力なものではなくても大丈夫です。

流木や石

床材に潜むことが多いので、流木や石などはニホントカゲにとって必ずしも必要ではないですが、置いてあげれば隠れ家となって安心して生活できるでしょう。

バスキングスポットに石などをレイアウトしてあげると、日光浴に丁度よくおすすめです。また、高さのあるシェルターなどは流木の代わりにもなるでしょう。

バスキングライト

バスキングライトは、野生環境下での暖かい場所を再現してあげるアイテムとなります。爬虫類は体温を上げることによって活発になり、食べ物の消化もよくなる効果があります。

屋外で飼育する場合はいいですが、屋内で飼育する場合はこの暖かい場所(バスキングスポット)を作り出すためにバスキングライトが必要です。ニホントカゲは約30〜35度でバスキングスポットを作る必要があり、容量は50W程のものがあればいいでしょう。

床材

床材はヤシガラマットがおすすめです。しっかりと吸水し、滑りにくいです。ただ、幼体の頃はヤシガラの繊維が食道や気管に詰まってしまうおそれがあるので、黒土の上に腐葉土を敷いてあげるといいでしょう。

野生のトカゲは穴を掘って生活しているので、これらの床材はかなり厚めに敷いてあげることをおすすめします。不衛生にならないように床材は定期的に交換しましょう。

水入れ

水入れは、全身がつかる程度の大きさのものを用意するといいでしょう。水分補給以外にも水浴びをして乾燥を防ぎ、脱皮しづらくなるのを防ぎます。

また、カルキは爬虫類にとって害があるので、水入れに入れる水道水はしっかりとカルキを抜いたものを入れます。水替えの頻度は2日に1日程行いましょう。

ニジイロトカゲの餌と与え方

基本的に生き餌を食べます。爬虫類ショップではコオロギやミルワームなどを取り扱っているので、それらを与えるといいでしょう。1匹あたり約10円で購入できますが、慣れてくれば自宅で繁殖させ節約もできます。

もちろん、自分で屋外に出て昆虫を採取して餌を与えても構いません。蜘蛛や小さいバッタなどがおすすめです。

カルシウム不足にならないように、餌を与える際は爬虫類用のカルシウム剤をまぶしてあげるといいでしょう。

適している温度と湿度

飼育に適している温度は約20度〜27度です。野生環境下では、約15度を下回るような11月〜3月にかけては冬眠を行いますが、人間の飼育下では冬眠が難しいため、約20度を下回らないようにヒーターなどを使い暖めてあげます。

また、湿度は約40〜60%に保つのが理想で、これを下回るようであれば霧吹きなどで対処しましょう。1日1回程の頻度が目安です。

ニジイロトカゲを飼育する際の注意点



比較的飼いやすいタイプのトカゲですが、飼育する際はいくつかの注意点があります。どの注意点も守るのはそんなに難しいことではないので、ポイントだけ押さえて覚えておくことをおすすめします。

ストレスを与えない環境作りをすることが飼い主の努めなので、是非参考にしてください。

多頭飼いは避ける

多頭飼いはおすすめしません。特にオスは縄張り意識がすごく、同じケージに入れて飼育すると攻撃してしまいます。

ニジイロトカゲと呼ばれる幼体の頃は同じケージで何匹か飼うこともできますが、成長したらケージを別々にわけることをおすすめします。また、多頭飼いでなくても広いスペースが必要なので、ケージは広いものを用意してあげましょう。

オスメスの区別が難しい

ニホントカゲの幼体であるニジイロトカゲは、ほとんど外見的な違いがなく区別が難しいです。

ニジイロトカゲと呼ばれる時期はオス・メス両方とも綺麗な青色の尻尾を持っていますが、成長するとメスのトカゲは青色が薄くなっていきます。一方、オスの方は黒色に近いような地味な色に変わっていきます。

また、成長したオスの頭は角ばっており喉元が赤くなりますが、メスでは違います。ただ、この違いは個体によってかなり差があり、これだけではなかなか見分けづらいです。生態としてはオスの方が縄張り意識が高いので、それも違いの1つでしょう。

爬虫類では珍しく、メスは卵を巣穴に産卵した後は孵化するまで守ることが知られています。

脱走に注意する

臆病な性格もあり、かなり俊敏に動くので1回脱走してしまうと捕まえるのが大変になります。前開きのケージなどを利用されている方は、扉の開閉時に脱走しないように注意しましょう。

また、流木などを利用している場合も流木をつたって脱走してしまう可能性があるので、その際はフタの開閉にも気をつけます。

大きな飼育容器が必要になる

小柄な体つきですが、大きな飼育容器が必要です。高さはそこまでいりませんが、横幅は60cm以上のものにするといいでしょう。小さな虫かごでも体が収まるからといって長期間そこで飼育すると、トカゲにとってかなりストレスになり弱らせてしまいます。

また、ニジイロトカゲと呼ばれる幼体の頃は1つのケージで何匹か飼うことも可能ですが、大きくなるとメス同士でもいっぺんに飼うのは2匹ぐらいまでにしましょう。オスだと縄張り争いが始まってしまいます。

大きな飼育容器が無いのに捕まえてしまった場合はなるべく早急に用意するか、一旦逃してしまうことがトカゲにとっても優しい選択です。

床材の下に潜りがちということを理解しておく

かなり臆病な性格で、野生化でも体が隠せる場所に身を潜めていることが多いです。朝は日光浴をするために日当たりのいい場所に出てきますが、それでも何かあった時のためにすぐに身を潜められる場所の近くにいることが多いです。

常にその存在を見ていたいという方にはおすすめできません。

慣れてくると少しずつ隠れ家を減らしていく方法もありますが、トカゲに負担がかからないように様子を見ながら行い、完全に身を潜める場所を無くすようなことにはならないようにしましょう。

ニジイロトカゲを飼ってみよう

ニジイロトカゲは美しい尻尾を持っていますが、尻尾が切れてしまうとその美しさが損なわれてしまったり大きくなると色が変わってしまったりするので、1番綺麗な状態で見かけることは少ないでしょう。

しかし、そんなニジイロトカゲを運よく見かけることができ、また万が一捕獲や入手できた場合は、長く飼育できるように是非この記事を参考にしてみてください。
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