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ヒバカリの飼育方法とは?生態についてや必要なものも詳しく紹介

「ヒバカリって聞いたことあるけど、どんなヘビなんだろう?」
「ヒバカリは毒がありそう」
「ヒバカリ保護したけど飼えるのかな?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?日本産の小型のヘビ飼育に挑戦したいと思っている方もいらっしゃるでしょう。

ヒバカリは小さくてかわいいヘビです。飼育が難しい種としても知られています。毒があるとの伝承もありますがどうなのでしょうか。この記事では、ヒバカリの生態や生息地、飼育方法について詳しく説明します。

この記事を読んでいただければ、ヒバカリの飼育方法がよく理解できるようになるでしょう。入手の方法もお伝えします。

SNSでは、ちょっとしたヒバカリブームも起きているようです。あなたもかわいいヒバカリを飼ってみませんか?

ヒバカリとは?

ヒバカリ(Hebius vibakari vibakari )は日本産の小さなヘビです。英語ではJapanese keelbackといいます。

小さいので、飼育場所が狭くても飼えますし、餌は哺乳類を与える必要がなく、性質も大人しくある面ではとりつきやすいヘビです。

一方で、ヒバカリは環境の悪化に敏感で、飼育下で長生きさせるのは容易ではありません。それでも飼うことは不可能ではないでしょう。

また、ヒバカリの名は、噛まれたらその日ばかり(で死んでしまう)という俗信から名づけられました。それは本当なのでしょうか。

ここからはヒバカリの一般的な情報を解説いたします。

ヒバカリの生態

ヒバカリは水辺の草地に棲み、早朝や夕方に活動します。他のヘビと同様に完全な肉食性です。陸地ではカエルやミミズを、水中に潜ってオタマジャクシや小型の魚類を捕食します。

オスとメスは5月~6月に交尾して、7月~8月に産卵します。

ヒバカリの生息地

ヒバカリは、ナミヘビ科ヒバカリ属のヘビで、日本列島の北海道と沖縄を除く広い地域に分布するヘビです。亜種として、男女群島の狭い地域にはダンジョヒバカリ(Hebius vibakari danjoense)がいます。

ヒバカリが行動するのは、低山地の水辺です。時に、里山の池の周りなどに出没して、驚かされることもあります。

ヒバカリの特徴

ヒバカリの体長は40~60cmで、頭から肛門までの頭胴長は30~45cmです。体重は10~25g程度ですからかなり小さいヘビと言えます。

ヒバカリの背中は褐色で、口の端から首にかけて白い帯状の模様が入り、ここがチャームポイントでしょう。お腹側は白っぽく、両側に点線状の斑点があります。赤や青といった派手な色彩はなくまだら模様などもありません。

ヒバカリの寿命

ヒバカリの野生での寿命は10年程度とみられていますが、飼育下では環境をしっかり整えることで、15~20年生きることもできるようです。適切な飼育方法でかなり長生きさせることができそうです。

ヒバカリ以外のヘビとの違い

ヒバカリはマムシ、アオダイショウなどラットスネークに分類されるヘビとは、かなり違うヘビと言っていいでしょう。食べるものが違う上、体が小さいことに由来する飼いづらさがあります。

食べ物に関しては、ラットスネークたちは冷凍マウスで飼うことができるのに対し、ヒバカリは小さな両生類や魚類の生餌でしか飼育できません。そのため、飼育のハードルが上がります。

また、体が小さいので温度や湿度の変化の影響を受けやすいことが、もう一段階、飼育のハードルをあげてしまいます。ラットスネークなどと比べ、かなりデリケートなヘビと言えるでしょう。

ヒバカリに毒はある?

ヒバカリの名前は、噛まれるとその日ばかりの命で死んでしまう、ということからつけられたものです。しかし、ヒバカリに毒はありません。名づけられた頃、誤解されたのでしょう。

また、臆病なので人間を嚙むこともまずありません。

ヒバカリはなついてくれる?

ヒバカリは小さいヘビで、大人の手のひらにすっぽり収まるサイズです。また、気性が大人しいのでハンドリングも容易と言えます。手のひらで気持ちよく過ごしてくれますから、爬虫類としてはなつくと言ってよいでしょう。

ヒバカリの飼育に必要なもの


ヒバカリの飼育には以下に挙げるような道具が必要になります。ヘビ飼育に一般的な脱走されない環境や脱皮の際引っかかりになるようなものも当然必要です。長く飼い続けたいと思われるなら、初期費用は3万円くらい見ておきましょう。
  • ケージ
  • ライト
  • 床材
  • 水容器
  • シェルター
  • 保温設備

ケージ

ヒバカリは、樹上性はなく地面を動き回るので、ケージに高さは必要ありません。ケージの大きさは、60cm(横幅)×40cm(奥行き)×30cm(高さ)くらいが適当です。熱帯魚用の60cm水槽や、爬虫類用の適当な大きさの飼育ケースを利用します。

ライト

ヒバカリは、薄暗く湿った環境を好み、日光浴をすることもありません。ケージには観賞用の照明を入れるだけで充分です。その照明も、ケージ内が暑くならないものを選びます。

床材

ヒバカリは多湿な環境を好みます。床材には爬虫類用マットや自然の土が良いでしょう。自然の土は天日干しなど必ず殺菌を行ってから使用してください。

多湿な環境を安定させるため、水苔をよく濡らして一番下に敷き、その上に上記の床材を敷きます。そうすることで、生息地の環境に近づけることができるでしょう。

水容器

ヒバカリは水浴びが大好きです。また水容器があることでケージ内の湿度も保つことができ、ある種の生餌は水中に泳がすこともあります。水容器はヒバカリが全身浸かれるサイズのものを必ず用意しましょう。ケージの底面積の半分くらい水場であっても良いくらいです。

シェルター

ヒバカリは臆病なヘビなのでシェルターを用意します。できれば乾いたシェルターと湿ったシェルター、2種類あるといいでしょう。乾いたシェルターは植木鉢なのでよいのですが、湿ったシェルターは専用のものを購入してください。

保温設備

ヒバカリは涼しい湿った環境を好むので夏は保温する必要はありません。むしろ、熱くなり過ぎないように配慮します。

ヒバカリは野生では冬は冬眠しますが、飼育下でその条件を安全に設定することは難しいので、冬眠させずに飼いましょう。冬眠させないためには、保温が必要になります。ケージの床をパネルヒーターで外側から温めてください。

ヒバカリの飼育方法


道具が揃ったところで、実際のヒバカリの飼育について見ていきましょう。ヒバカリはデリケートなヘビです。しっかり知識を身につけてから飼育を始めてください。

ヒバカリを入手する方法

ヒバカリの入手については、捕獲とショップでの購入のふたつの方法があります。

まず、捕獲ですがヒバカリは繁殖行動期である夏に、日の当たらない水辺で行動します。7月の涼しい日の早朝か夕方に、森林や里山の水辺で探すと遭遇できるかもしれません。

お住まいの地域で、ヒバカリの捕獲が禁止されていないか調べた上で、捕獲に挑戦してみてはいかがでしょう。

ショップでの購入ですが、こちらも自然繁殖の個体を販売しているので夏季に出回ります。値段は3000~5000円程度です

ヒバカリの餌と与え方

ヒバカリの餌としてはオタマジャクシ、カエル、小魚、ミミズなどが挙げられます。野生でも同様のものを食べているようです。爬虫類の餌としてメジャーな冷凍ピンクマウスは食べません。

個体によって好き嫌いがあるので、いろいろ試してみると良いでしょう。オタマジャクシやメダカを水場に放す、カエルであれば陸地に放す、管理が楽なミルワームを与えてみるなど好物を見つけてやります。

アロワナの餌として販売されているアフリカツメガエルを好むと飼育は楽です。冷凍のアフリカツメガエルであれば寄生虫の心配もありません。

餌は、幼体には毎日、成体には2~3日に1回与えます。

飼育に適した温度と湿度

ヒバカリの飼育に適した温湿度については、温度は20~27℃、湿度は60~70%です。温度はエアコン、扇風機、冷却ファンなどを利用したり、冬場は前述したパネルヒーターを利用したりします。湿度に関しては、水場をしっかり管理して1日に2回霧吹きを使いましょう。

ケージ内のレイアウト

レイアウトは、ヒバカリが好むようなアクアテラリウムを作ることが目標となります。ヘビが充分に浸かれる広い水場、湿度を保てる床材は基本です。

その上で、植物の鉢を置いたり(湿度の安定にもつながります)、ヘビが登れるような流木や平に石を置いたりします。こういった一見不必要に見えるものも、脱皮の際引っかかりになってくれる場合もあるので導入をおすすめします。

ヒバカリの飼育方法を理解しよう


いかがでしたか?日本産の小さくてかわいいヘビ、ヒバカリ。ヒバカリはポイントを押さえれば、飼育が難易ではありません。是非、飼育方法を理解してください。

アオダイショウやマムシなどに比べればセンシティブな種ではありますが、ハンドリングができたり、狭いケージで飼えたりと魅力がたくさんあります。哺乳類を餌に与えなくても良いというのも気分的に楽かもしれません。小さな爬虫類、家族に迎えたくなりますよね。
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