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クレステッドゲッコーとは?特徴や性格・飼育の注意点についても紹介

「はじめて爬虫類を飼うけどどんな種類がおすすめ?」
「ハンドリングしてみたい!」
「カラーや模様がたくさんある種類がいいな」
みなさんはクレステッドゲッコーをご存じですか?

頭の上に王冠のような突起があり、性格が穏やかで初心者向きといわれているヤモリです。初心者向けとはいえ、はじめて飼うときは寿命や性格、飼育方法など色々な疑問がありますよね。

この記事では、クレステッドゲッコーの基本的な生態の知識から、実際に飼うにあたって準備するものや注意する点など、これから飼育するのに役に立つ情報をまとめています。

この記事を読むことで、クレステッドゲッコーの生態に詳しくなり、適切な飼育環境を整えることができるようになります。

ヤモリをペットにしたい方、クレステッドゲッコーに興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

クレステッドゲッコーとは

クレステッドゲッコーは、ヤモリ科イシヤモリ亜科Correlophus属に分類されるヤモリの一種です。

愛好家たちの間では「クレス」という愛称で親しまれています。人気のある種類のため流通量も多く、ヤモリのなかでは比較的お求めやすい値段で購入することができます。

特徴

クレステッドゲッコーは「オウカンミカドヤモリ」という和名があり、頭に王冠のようなトゲトゲした鱗があることに由来します。

クレステッドゲッコーもこの突起状の鱗を王冠(Crest)に見立てたことから名づけられたため、彼らの特徴といえばやはりこの頭の上にある鱗ということになります。

ヤモリの一種のため彼らも指先に趾下薄板と呼ばれるヒダを持っていて、そのヒダを利用して樹や家の壁などにペタペタと張り付くことができます。

性格

クレステッドゲッコーはペットヤモリの中でも特に穏やかな性格をしており、飼い主に噛みつくなどの攻撃的な反応をしてくることが少ない種類です。

人に対する警戒心も薄いので、ハンドリングがしやすいことも人気の理由の1つです。ハンドリングとは、ヘビやトカゲなどの爬虫類を手に載せてスキンシップをとるときに使われる用語です。

温和な性格でハンドリングもしやすいクレステッドゲッコーですが、無理に触ったりしつこくしたりするとストレスを感じて噛みついてくることがありますので、触れ合うときは相手のことをよく観察しましょう。

原産国・生息地

クレステッドゲッコーは、オーストラリアの東に位置するニューカレドニアの固有種です。

ニューカレドニアは本島のグランドテール島と周辺の島々から構成されているフランスの領土で、美しい海と砂浜が人気で観光客が多く訪れる場所です。

クレステッドゲッコーはニューカレドニアの森林に住んでおり、木の上で生活する樹上性ヤモリになります。

寿命

クレステッドゲッコーの寿命は7~10年ほどになります。

長い場合は18年ほど生きる、比較的寿命の長い生き物です。

高齢になると壁に張り付く能力が弱まってくるので、流木や登れるインテリアを多めに入れて休む場所を作ってあげる必要があります。

長生きさせる秘訣は適切な住環境を整え、ストレスを与えないことですので、末永くお付き合いするためにしっかりお世話してあげましょう。

他のヤモリとの違いとは?

他のヤモリと異なる点は2つあり、1つ目は食性、2つ目は尻尾の自切です。

まずは食性の違いについて解説していきます。

ほとんどのヤモリはコオロギやミルワームなど生きた昆虫を食べます。しかし、クレステッドゲッコーは雑食のため、専用の人工飼料で飼育することが可能です。昆虫食がネックで爬虫類を飼うのをためらっていた方には嬉しい食性です。

2つ目の違いである尻尾の自切について紹介します。

ヤモリはトカゲのように、危険を感じると尻尾を自ら切って逃げていきます。他のヤモリは自切したあと元の長さまで尻尾が戻りますが、クレステッドゲッコーは短いまま元に戻らないのです。ハンドリングの際は注意しましょう。

クレステッドゲッコーのモルフ

クレステッドゲッコーのモルフは非常に多く存在し、カラーや模様によって細分化されています。

モルフとは、爬虫類の品種の呼び方で、カラーリングや模様の表現が確立されているものに名前をつけて分類しています。

クレステッドゲッコーのモルフを全て紹介するのは難しいので、中でも人気なものやモルフ数が多いものをいくつか紹介します。カラーも模様もさまざまなので、ぜひお気に入りの一匹を選んでください。

バイカラー

バイカラーは体に模様がなく、体色が2色になっているモルフのことです。

色合いが同じでも、明るさが少し違う場合にもバイカラーが適用されます。

数あるモルフの中でも比較的お安めな種類で、ノーマルモルフや次に紹介するパターンレスよりは少し値段が上がる程度です。

パターンレス

パターンレスはソリッド(単色)とも呼ばれるカラーです。

体に模様がほとんどなく、背中とお腹が同じ色をしています。

カラーリングはオレンジ、レッド、クリーム、オリーブ、チョコレート、グレー、ホワイトなどさまざまです。

スーパーダルメシアン

体に黒い斑点がある個体をダルメシアンと呼びます。分類はブリーダーによりますが、2~3個程度の斑点ではダルメシアンにならず、10個以上斑点があるとこの品種に該当するようになります。

ダルメシアンよりもさらに黒い斑点が多いもの、もしくは大きな斑点が存在するものをスーパーダルメシアンと呼びます。

斑点が体に100個以上あるものを指していますが、1個1個斑点を数えるわけでなく、ざっと見て判断するようなので人によって判断が違うこともあるようです。

ピンストライプ

背中にある突起に沿って、頭から尻尾の付け根までホワイトやクリーム色の線が2本入っている個体をピンストライプと称します。

クレステッドゲッコーの特徴的な突起が目立つ模様のため、人気のモルフになっています。

ほとんどの場合、次に説明するハーレクインやタイガーと一緒に現れます。

タイガー

タイガーとは、名前の通り虎の模様のような縞が特徴的なモルフになります。

体の半分以下に虎模様が入っているものをタイガーといい、虎模様がそれ以上の面積を占めるものはブリンドルといいます。

ベースカラーは明るい色のオレンジやレッドなどが多く見られます。

ハーレクイン

ハーレクインは、ファイアと呼ばれるモルフをさらに品種改良することで生まれました。

ファイアは名前の通り、体に炎のような模様が背中に見られる個体を指します。手足は無地で、側面に炎の模様が1/4程度あるものがファイアと呼ばれます。

ハーレクインはファイアよりさらに炎の模様が多い個体で、手足にも模様が見られるモルフを指します。

側面の炎の模様が8割~9割ある場合にはエクストリームハーレクインと呼称します。

クレステッドゲッコーの値段は?

クレステッドゲッコーの値段はモルフによって異なりますが、ノーマルやパターンレスなどは1万円~1万5千円ほどになります。

ハーレクインやダルメシアンなど、発色や模様が美しい人気の個体は2万円~3万円まで値段が上がります。

カラーと模様が様々に組み合わさり、選ぶ楽しみがあるのもクレステッドゲッコーの人気の理由です。ぜひ自分のお気に入りの子を探してみてください。

エサは何を食べるの?



クレステッドゲッコーが爬虫類初心者にも飼育しやすいと言われる理由の1つとして、昆虫食ではなく専用の人工飼料で育てられることが挙げられます。

飼う人が多いため、クレステッドゲッコーの人工飼料は複数のメーカーから販売されています。ペーストタイプと粉末タイプがありますので、購入したペットショップでどちらを与えていたか聞いてから選ぶと安心です。

昆虫に抵抗がない人、もしくはすでに別のヤモリを飼っていて同じエサを与えたい場合はコオロギやデュビュアを食べさせましょう。

クレステッドゲッコーを飼育するときの注意点

クレステッドゲッコーは初心者向けのペットとはいえ、飼育するにあたりいくつか注意点があります。

亜熱帯に生息し、樹上生活を営んでいる生き物のため、野生に近い環境を整えてあげることが重要です。

ここでは、クレステッドゲッコーを飼育するにあたり、適切なケージの選び方やエサの与え方、温湿度管理などについて解説していきます。

エサの与え方

ベビーは毎日1回、アダルトは2~3日に1回、夕方にエサを与えましょう。

エサを食べさせるときは食いつきで体調を把握するために、スプーンで食べさせると良いでしょう。置き餌でも良いのですが、手ずからあげると食事の量も正確にわかるので、この給餌方法がおススメです。

置き餌の場合、次の朝までエサが残っているようなら片付けましょう。

人工飼料の食いつきが悪い場合は、コオロギやデュビュアなどの昆虫、マンゴーやバナナを与えると食べることがあります。アダルトは果物も食べますが、糖分を与えすぎるのは良くないのでたまに与える程度にしましょう。

ゲージは高さがあるものを選ぶ

クレステッドゲッコーは木の上で暮らすヤモリなので、高さのあるケージを準備して上げる必要があります。

立体移動のために流木などを入れても余裕がある高さの爬虫類用のケージを購入するとよいでしょう。

クレステッドゲッコーの体長が20cmほどなので、その2倍以上の高さがあるものを準備します。30×30×45cmの大きさで、前開きに扉が開くタイプのケージだと掃除も給餌もしやすくて便利です。

野生の環境に近づけてあげる

できるだけ野生の環境に近づけるためケージの中には、止まり木となる流木、隠れ家、植物などを設置してあげましょう。

登れる場所が少なかったり、ケージのレイアウトが気に入らなかったりすると、壁面にずっと張り付いていることがあります。このような現象は、尻尾が曲がってしまうフロッピーテールの原因になります。

クレステッドゲッコーの住む亜熱帯の森林のように植物や隠れ家で明るい場所と暗い場所を作り、立体的に動けるようなレイアウトにしてあげましょう。

温度・湿度の管理について

クレステッドゲッコーの適温は約25~27℃、湿度は約50~70%をキープしましょう。

自分で体温調節ができるように、ケージの壁面にパネルヒーターなどを置いて暖かい場所と涼しい場所を作ります。変温動物のため、人間のように汗をかいて体温調節をすることができないので、温湿度計などを置いて定期的に温度をチェックしてあげましょう。

高い湿度をキープするために、1日1回霧吹きでケージを湿らせます。水滴を飲むので、壁やレイアウトの植物にかかるようにしてください。

床材は保湿力の高いヤシガラマットを使用すると、湿度を維持しやすくなります。

トイレについて

クレステッドゲッコーはヒョウモントカゲモドキと違い、排泄する場所が決まっていません。個体差があるので、決まった場所にトイレをしてくれる子もいますが、大体は好きなタイミングであちこちに排泄してしまうようです。

クレステッドゲッコーの糞はかなり臭うので、排泄したらこまめに除去しましょう。

湿度保持の関係から、床材にはヤシガラマットをおススメしましたが、掃除の観点からみるとキッチンペーパーやペットシーツを敷くのも選択肢の一つです。

温浴について

クレステッドゲッコーは、犬や猫と違い基本的にお風呂に入れる必要のない生き物です。

しかし、脱皮不全で皮が残ってしまった場合には、36℃程度のお湯で皮をふやかして取り除く温浴をする必要があります。

脱皮不全は、放置するとその箇所が壊死し、下手をすると命を落とすかもしれない危険な状態です。無理やり引っ張ったり、自然に剥がれるまで放っておいたりするのではなく、適切に対処しましょう。

個体差はありますが、ベビーなら2週間に1回、アダルトなら1~2か月に1回脱皮をします。

クレステッドゲッコーの特徴を知り適切な環境で飼育しよう

この記事ではクレステッドゲッコーの特徴や性格など生態の基礎知識から、飼育にまつわる情報まで幅広く解説してきました。

クレステッドゲッコーは、他のヤモリと違って生餌ではなく専用の人工飼料で育てられることから、爬虫類飼育初心者の方にも人気の品種です。王冠のような棘と、多彩なモルフも魅力の1つです。

比較的飼育しやすい生き物ですが、立体移動ができる高さのあるケージが必要となったり、亜熱帯の原生林に近い環境を整えてあげるために費用や手間がかかります。排泄の処理も逐一しないと不衛生かつ飼い主の部屋にも臭いがついてしまいます。

クレステッドゲッコーの寿命が尽きるまで、しっかりお世話できるかどうか検討して購入を決めましょう。

クレステッドゲッコーに対する正確な知識を持ち、適切な環境で飼育すれば10年以上寄り添えるペットです。

ぜひあなただけの一匹を探してみてはいかがでしょうか。
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