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インドシナウォータードラゴンの飼育方法は?必要な道具も紹介

「インドシナウォータードラゴンはどんな生き物?」
「インドシナウォータードラゴンは飼育できる?」
「インドシナウォータードラゴンを飼うために必要なものは?」
爬虫類を飼ってみたいと思っている方、インドシナウォータードラゴンに興味がある方には、このような疑問や悩みがあるのではないでしょうか。

この記事では、インドシナウォータードラゴンの基本的な生態や購入方法、飼育環境をつくるために必要な道具について紹介しています。

本記事を読むことで、インドシナウォータードラゴンの特徴から飼育方法、飼育環境のつくり方などの基本的な情報を得ることができます。

爬虫類の飼育が初心者の方や、飼うかどうか悩んでいるという方もぜひ読んでみてください。

ウォータードラゴンの種類

ウォータードラゴンは、アガマ科ウォータードラゴン属に分類される中型のトカゲです。高温多湿の熱帯雨林に生息しています。主に木の上で生活しますが、陸上でも走り回ることがある活発な生き物です。

ウォータードラゴンには3種類ありますが、ペットとして普及しているのはこのうちの2種類です。生息地域によって体の色がはっきり違うので見分けがつきます。

インドシナウォータードラゴン

インドシナウォータードラゴンはタイ、中国南部、ベトナムに分布します。ウォータードラゴンといえばインドシナウォータードラゴンを指すことが多いです。

全体が緑色で水色のラインがあり、顎も青く、尻尾がシマシマです。ブルー発色の強い個体はブルーサファイアと呼ばれています。こちらは値段が高くなります。

オスは大人になるとクレストと言う、大きなトサカ状のトゲが発達します。

ヒガシウォータードラゴン

ヒガシウォータードラゴンはオーストラリアに生息し、別名オーストラリアウォータードラゴンとしても販売されています。

褐色で薄黄色の細いシマシマ模様、黒色の斑点が全身に入っており、かっこよさのある外見です。成熟したオスの胸はオレンジ色になります。

値段は3万円から8万円前後なので、低価格でポピュラーなインドシナウォータードラゴンと比較すると高価です。

インドシナウォータードラゴンの生態

インドシナウォータードラゴンは熱帯雨林の木の上で生活します。驚いた時に水中に飛び込んだり、後ろ脚で立ち上がり走って逃げたりする活発なトカゲです。

雑食ですが肉食の傾向が強いです。自然界のインドシナウォータードラゴンは、昆虫類、小型爬虫類、大型鳥類、小型哺乳類、果実などを食べます。

体の大きさ

トカゲの中では中型で、大人になると90cm程度まで成長します。体長のうち尻尾が体の半分以上を占めるため、数字ほど大きく感じません。

イグアナは200cm程度まで成長しますが、この大きさだと飼育環境を確保するのが難しい人も多いでしょう。インドシナウォータードラゴンは、大きくなりすぎる爬虫類を飼えない人にもおすすめと言えます。

寿命について

寿命は8から10年程度と言われています。中には15年以上生きる個体もいるようですが、飼育下での平均は10年程度です。長生きなぶん、成長スピードが遅いという特徴があります。

長生きさせてあげるためには、広いスペースの確保やストレスを与えないことが大切です。

インドシナウォータードラゴンの購入方法

インドシナウォータードラゴンは爬虫類専門店で購入できます。

動物愛護法により、爬虫類は「現物確認」と「対面説明」の義務があります。したがって通信販売のみで購入することはできません。

イベントやペットショップで事前に生体を直接見て、店員から飼育方法などの説明を受けた後に配送してもらうことはできます。

出典:動物愛護管理法|環境省自然環境局
参照:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/trader.html

インドシナウォータードラゴンの飼育に必要なもの

インドシナウォータードラゴンは樹上棲なので大きめのケージが必要になります。健康を維持するためには適切な環境をつくることが不可欠です。

快適さや見た目の良さに加えて、インドシナウォータードラゴンにとって安全かどうか、脱走しづらいかどうかも、飼育環境をつくる上でのポイントになります。
  • 床材
  • ケージ
  • エサ入れ
  • 水槽台
  • 紫外線ランプ
  • バスキングランプ
  • 水入れ
  • 流木
  • ソケット
  • ピンセット

飼育に必要なもの①床材

インドシナウォータードラゴンは熱帯に生息しているため保湿効果のある床材が必要です。ヤシガラやウッドチップ、ソイルなどがあります。

ヤシガラは保湿効果が高くコスパが良いですが、見た目の良さを求めるならソイルがおすすめです。インドシナウォータードラゴンには舌で舐めて環境を確認する習性があるので、誤飲しても危険がない細いタイプのものにしましょう。

飼育に必要なもの②ケージ

樹上棲の環境を再現するために高さと通気性のある、大きめのケージがおすすめです。

成長速度が遅いため、初めは60cmサイズのケージでも飼育できますが、大人になってからは90cmから120cmサイズのケージを使いましょう。

初めから大きめのケージで飼育するのもおすすめです。

飼育に必要なもの③エサ入れ

自然素材の床材を使っていて置き餌をする場合は、床材の誤飲を避けるためにエサ入れを使いましょう。

コオロギなどの生き餌を与える場合、脱走しにくい構造になっているエサ入れが最適です。入れすぎると重なりから脱走するので少な目に入れて、食べ終わったら追加しましょう。

爬虫類用のエサ入れとして、専門店やインターネット通販で購入できます。

飼育に必要なもの④水槽台

ケージを人の目線より下に置くと、驚いて走り回り怪我したり、ストレスの原因となったりします。レイアウトで高さを出したら、ケージも高い位置に設置した方が安心です。

アクアリウム水槽用の台も販売されているので活用できます。水槽用の台は重さがあり設置が少し大変ですが、丈夫で収納スペースもあります。

飼育に必要なもの⑤紫外線ランプ

紫外線ランプはインドシナウォータードラゴンの健康維持に欠かせません。

森林に生息するインドシナウォータードラゴンの場合は、それほど強い紫外線は必要ではなくUVB2.0で十分です。選ぶときに迷ったら、草原や森林に生息している爬虫類用の紫外線ランプを探してください。

紫外線の照射量が減ってくるので、紫外線ランプは半年ほどで交換します。

飼育に必要なもの⑥バスキングランプ

爬虫類は体温を上げるためにバスキングランプが必須です。食事の後などに体温が低いと消化不良を起こすことがあります。

バスキングランプでケージ内にホットスポットをつくり、涼しい場所との差をつけましょう。インドシナウォータードラゴン自ら移動することで体温調節ができます。

体の大きさとライトの照射範囲が合っていなかったり、ケージ内にランプを入れると火傷の原因になるので注意しましょう。

飼育に必要なもの⑦水入れ

名前からもわかるようにウォータードラゴンは水に潜るのが大好きです。脱皮の時だけでなく水浴びのために、体が入って動けるくらいの大きめのサイズを設置してあげましょう。

水の中で糞をするので水を毎日交換して清潔にしてください。水替えの手間が平気なら、アクアテラリウム(水陸混在のレイアウト)にするという方法もあります。

飼育に必要なもの⑧流木

インドシナウォータードラゴンは一日の大半を木の上で過ごすので、流木を使って快適な環境をつくります。いくつかの流木を組み合わせて立体的に移動できるようにしましょう。

天然の流木を使うことで自然な環境を作れますが、全て天然流木にすると費用がかかります。人工物でも問題はありません。

飼育に必要なもの⑨ソケット

紫外線ライトとバスキングライトを点灯させるために、二つのソケットが必要です。

クリップスタンドタイプのソケットは、ケージのサイドに挟んで使います。簡単に高さを調節できますが、重力でずれやすいというデメリットがあります。

ライトドームタイプは上から吊るして照射します。この場合は吊るすスタンドが別に必要です。ドームタイプは安定性がありますが、照射範囲が広いため、小さいケージでは全体が熱くなってしまうというデメリットがあります。

飼育に必要なもの⑩ピンセット

ピンセットはひとつ持っておくと便利です。餌やりの時に手からあげると噛まれることがあります。大人のインドシナウォータードラゴンに噛まれるとかなり痛いので、ピンセットを使うと安全です。

ステンレス製や、竹製、樹脂製のものがあり、餌用ピンセットは先端が丸まっています。餌をあげる用と糞を片付ける用というように、別のピンセットを使う方が衛生的です。

インドシナウォータードラゴンの飼育方法

爬虫類は飼育環境の管理が大切ですが、温度や湿度、餌について具体的にみていきましょう。

元気がないなど、いつもと違うようすが見られた場合は、温度・湿度やライトが正しく設定されているかどうか確認しましょう。

餌について

インドシナウォータードラゴンの餌はコオロギやデュビアなどの虫と人工餌に分けられます。

インドシナウォータードラゴンは人工餌を比較的よく食べると言われています。しかし人工餌のみでは飽きることが多く、食べるかどうかは個体差もあるため、虫と併用する場合がほとんどでしょう。

昆虫だけではカルシウムが不足するため、カルシウム剤を添加してから与えます。

飼育に適している温度と湿度

インドシナウォータードラゴンが生息する熱帯雨林は、高温多湿の環境です。

ケージ内の温度は23から28度の間で安定させます。基本温度は26から28度、ホットスポットが35度前後、夜間は23から25度程度が最適です。

湿度は65から75%を維持しましょう。霧吹きがあると便利です。ほかにも寒い時期は保温器具を併用します。特に幼体の頃は、環境の変化に敏感なので安定させるようにしてください。

病気について

くる病はカルシウム不足から起こる、インドシナウォータードラゴンに多い病気です。症状には背骨や尻尾、手足の変形、顎の軟化などが見られます。進行すると四肢の麻痺、骨折が起こり、骨の増殖によって下顎が腫れることもあります。

脱皮不全は、湿度の不足によって脱皮がスムーズにいかないことが原因です。残った皮膚が血行障害を起こすことがあり、それが虚血性壊死を招くと、まぶたや指先、しっぽが脱落してしまうことがあります。

脱皮について

爬虫類には乾燥を防ぐため、衝撃から身を守るための鱗があります。脱皮とはこの鱗が新しく生まれ変わることです。脱皮の頻度は気温や湿度、健康状態などによって変わりますが、夏の暑い時期に多くなります。

インドシナウォータードラゴンは、ヘビとは違い体節で脱皮するので、全身がポロポロと剥がれていきます。

飼育していると目にすることができる行動

インドシナウォータードラゴンは昼間活動します。基本的には木の上で生活しますが、活発なトカゲなので観察していると多様な姿を見せてくれます。

床材を掘る姿

インドシナウォータードラゴンは床材を掘る姿がよく目撃されます。正確な理由はわかっていないのですが、脱走しようとしていると言われています。

ケージの戸締りや、万が一脱走して危険がないかどうか周囲を確認しましょう。

木に登っている姿

自然界のウォータードラゴンは日中ほとんど木の上で過ごします。飼育下でも1日の大半を流木の上で過ごしています。

木登りが得意なので、若い頃は素早く駆け上がったり、流木の間を飛び移る姿が見られるでしょう。

水を浴びている姿

飼育下のインドシナウォータードラゴンは、一日のうち何度も水浴びしている姿が目撃されます。水中で排泄することが多いようなので、糞が見えたら水を変えてあげると衛生的です。

名前からもわかるように泳ぎが得意で、危険を感じると木の上から水中に落ち、30分以上潜水しています。

インドシナウォータードラゴンへの接し方で注意すべきこと

インドシナウォータードラゴンは、驚くと走り出しガラスに激突して怪我することがあります。臆病で警戒心が強いためです。

地上の外敵から身を守るために木の上で生活しているので、上から近づくものに対して過剰に反応します。掃除や水替え時に、インドシナウォータードラゴンの頭上に手や腕がいかないように注意してください。

ハンドリングについて

ハンドリングとは直接爬虫類の体に手で触れることですが、犬や猫とは違い、爬虫類は人に触られて喜ぶ生き物ではありません。触りすぎるとストレスになるということを覚えておきましょう。

暴れる、威嚇するなど嫌がる素振りを見せた時はすぐにやめてください。頻繁に触る、長時間触るのも避けましょう。

インドシナウォータードラゴンは、時間をかけてお世話すると自ら手に乗ってくれることもあります。無理強いせずに、少しずつ時間をかけて慣らしていってください。

インドシナウォータードラゴンを飼育してみよう

ここまで、インドシナウォータードラゴンの飼育に必要な道具や、飼育方法で注意すべき点などをみてきました。

犬や猫などとは違って、なつくわけではありませんが、丁寧なお世話の結果少しでも慣れてくれたら、その時はとても嬉しいでしょう。

ケージの中であってもさまざまな行動を見せてくれる、元気なインドシナウォータードラゴンは、観察しがいがありそうですね。