蛇の脱皮の時期・回数・兆候について解説！適した温度や注意点も解説

「どうして蛇は脱皮するの？」
「脱皮はどの時期に行われるの？」
「脱皮の兆候を知りたい」
蛇が脱皮をすることは知っていても、蛇が脱皮する時期など詳しいことは知らず、不安や疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、蛇が脱皮する理由、時期や頻度、兆候など蛇の脱皮について、フォーカスを当てて幅広く紹介しています。さらに蛇が脱皮をしている際の注意点にも触れているので、蛇を飼っている方はもちろん、飼育を検討している方にもおすすめです。

この記事を読むことで、今まで曖昧だった脱皮について詳しく知ることができ、安心して蛇の脱皮を見守ることができます。

蛇を飼っている方、脱皮について詳しく知りたい方は是非チェックしてみてください。

世間一般では、蛇が脱皮するのは体が皮膚よりも大きくなって窮屈になったからだと考えられています。しかしながら、成長したから脱皮をするという考えは100点満点の解答とはいえません。

まずは、蛇がどうして脱皮をするのか、そのメカニズムについて紹介します。

蛇の脱皮は皮膚（うろこ）の外側にある角質層が剥がれる現象です。この角質層はケラチンと呼ばれる物質で出来ており、角質層の下にある皮膚を乾燥や刺激から守っています。ちなみに、ケラチンは人間の爪や髪の毛に含まれるものと同じです。

そして、蛇は脱皮することで古い角質層を剥がして新しい角質層にします。言うなれば蛇の脱皮は人間が垢を落とすようなものなのです。蛇が脱皮をする理由の一つは清潔を保つ為です。

出典：ケラチン｜日本化粧品技術者会
参照：https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/518

成長するから脱皮をするという理由も間違いではありません。先程述べたように、古い角質層から新しい角質層へと変わる為に脱皮は行われました。

新しい角質層は古い角質層の下から細胞分裂を繰り返しながら成長して現れてくるので、成長も脱皮する理由の1つなのです。

体が皮膚よりも大きくなったから脱皮するのではなく、新しい角質層が成長してきたので、古い角質層を剥がして清潔を保持する為というのが蛇の脱皮をする理由になります。

一概に決まった時期というのはありません。なぜなら、蛇が脱皮をする時期は蛇の種類や年齢、食べた餌など様々な要因で変わる為です。

ただ、蛇が活動的になる夏の時期に脱皮をすることが多く、冬眠を行うなど活動しなくなる冬の時期はあまり脱皮をしなくなります。

脱皮の回数や頻度について、だいたい2、3カ月に一度脱皮をするとされていますが、時期同様に一概に決まっているわけではありません。パイソンなど大型の大人の蛇は1年に1回だけ脱皮をすることもある一方で、子供の小さな蛇は2週間に1回の頻度で脱皮をします。

人間が皆同じように成長しないのと一緒です。脱皮の回数や頻度は蛇の種類や年齢、生活環境によって様々です。

蛇は脱皮前の時期になると、目が白く濁るという兆候が見られます。

蛇には瞼がない代わりに、皮膚が目を覆っています。驚くべきことに、この目を覆う皮膚も脱皮するのです。脱皮前には古い皮膚と新しい皮膚の間に分泌液が満たされます。この分泌液が目にも満たされる為、目が白濁して見えるのです。

もし飼っている蛇の目が白く濁ってきたら、そっと見守ってあげましょう。

蛇の種類にもよりますが、コーンスネークであれば23℃～28℃、ポールパイソンであれば26℃～32℃に保つと良いでしょう。

脱皮の際、温度よりも気をつけたいポイントは湿度です。湿度不足になってしまうと、脱皮不全を起こして皮膚に抜け殻が付着したままとなってしまいます。最悪の場合、皮膚が壊死してしまう恐れもあるのです。

目が白く濁って脱皮の時期になったら、霧吹きなどでゲージ内を湿らせましょう。湿度は60％～70％ぐらいが理想です。

蛇の脱皮の時期から温度・湿度まで紹介していきました。蛇が無事に脱皮を始めたとしても、これで終わりではありません。蛇が脱皮不全を起こしてしまう可能性もありますし、脱皮した皮を放置しておくと飼育環境が悪化する恐れもあるからです。

ここでは、蛇が脱皮をする時、飼い主である私たちが守る注意点を紹介していきます。

両生類やヤモリは脱皮後の皮を食べる習性がありますが、蛇にはその習性がありません。先述したように、蛇の皮膚は私たちの髪や爪と同じケラチンというタンパク質でできています。

タンパク質はカビやダニが好むので、皮を放置しておくと、たちまちカビやダニの温床となってしまう恐れがあるのです。湿気が強い夏の時期などはカビが発生しやすくなります。脱皮した際はなるべく早く、皮をゲージから取り除くようにしましょう。

脱皮中の蛇は非常にナイーブになっています。その為、うかつに触ったりしない方が良いでしょう。この時期の蛇にとって触られることはストレスなのです。

皮が一度ですべて剥がれ落ちずに脱皮不全になってしまう可能性や、蛇に噛まれてしまう恐れもあり危険です。

脱皮中の蛇には触れてはいけないと述べましたが、脱皮不全を起こしているときは例外です。脱皮不全のまま放置しておくと皮膚が壊死してしまう恐れがあります。

ピンセットや毛抜きで剥がれていない皮を慎重に剥きます。目の部分で脱皮不全を起こしている場合や皮を剥ぐ自信の無い場合は動物病院へ連れて行きましょう。

いかがでしたか。蛇の脱皮の時期は夏が多いこと、年齢が若いと脱皮の頻度が多いことがわかりました。時期や頻度は種類や環境によって異なるので、観察日記をつけて時期など記録してみても良いでしょう。

蛇の脱皮は蛇が生きていくうえで重要な現象です。脱皮の兆候が見られるときは、そっと見守ってあげましょう。