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ヘルマンリクガメの寿命や特徴とは?種類や飼育に必要なものも紹介

「リクガメを飼ってみたいけど、ヘルマンリクガメってどうなのかな?」
「ヘルマンリクガメって、寿命はどれくらいなのかな?」
「ヘルマンリクガメは何を食べるのだろう」
爬虫類飼育初心者の方も含めて、ヘルマンリクガメに関する疑問があるのではないでしょうか。

ヘルマンリクガメはメジャーなリクガメですが、知られていないこともいろいろあるのです。

この記事では、ヘルマンリクガメの寿命や特徴、その種、亜種について詳しく解説しています。また、飼育に関して必要なもの、餌の種類、餌やりの注意点も紹介します。

記事を読んでいただければ、あなたもヘルマンリクガメをよく理解し、飼い始めることができるようになるでしょう。

ヘルマンリクガメは寿命の長いカメです。あなたの家族にぜひ迎えてください。

ヘルマンリクガメの特徴

日本にはリクガメはいないので、カメというと水棲のカメを思い浮かべる方が多いでしょう。日本産のイシガメやクサガメ、安価で売られているミドリガメ(多くがミシシッピアカミミガメ)は水棲のカメです。

ヘルマンリクガメを含むリクガメの仲間は、泳ぐことができず、陸を歩き回って生活しています。また、水棲のカメの多くが肉食であるのに対し、ヘルマンリクガメは菜食です。

リクガメは大きい種が多く、寿命が長い傾向があります。

ヘルマンリクガメ(学名Testudo hermanni)は、ギリシャリクガメの近縁種で、ヨーロッパの比較的乾燥した低木林や森林が生息地です。亜種によって住む地域が違い、冬眠の有無も違います。

体の大きさ

リクガメの仲間には、体長1mを越し、体重200kg近くなるゾウガメも含まれます。寿命が100年以上ということもあり、ゾウガメをペットとして飼う人は多くはありません。ゾウガメは動物園に見に行きましょう。

ペットとして比較的ポピュラーな、ケヅメリクガメやヒョウモンリクガメも体長70cm、体重30kg程度になります。

ヘルマンリクガメはこれらの大型のリクガメに比べると小型で、最大で体長35cm程度です。上記の大型のリクガメは自宅の一室をカメの部屋としてキープする必要がでてきますが、ヘルマンリクガメならケージで飼えます。

寿命

ヘルマンリクガメの寿命は30~50年程度と言われています。より大型のリクガメよりは寿命は短いとは言え、自身が歳をとってから飼い始める場合、飼育の後継者が必要になるでしょう。寿命を考えて、計画的に飼育を始めるようにしてください。

ヘルマンリクガメは日本の屋外の環境では、繁殖できないと言われているものの、外来生物を捨てるなどあってはなりません。

値段相場

ヘルマンリクガメは、亜種によって値段が違いますが、1~3万円程度で購入することができます。リクガメとしては安価なカメです。

ワシントン条約附属書IIに掲載されているため、野生のカメは輸入できません。すべて国外、国内のブリーダーが生産した個体が販売されています。一般的には野生個体が輸入できなくなると価格が高騰しますが、ヘルマンリクガメはそうでもありません。

安価とはいえ、設備や餌にお金はかかりますし、寿命を考えても長く飼育することになります。覚悟を持って迎え入れましょう。

爬虫類を扱っているペットショップやカメ専門店などで入手できます。

出典:ワシントン条約について(条約全文、附属書、締約国など)|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/cites_about.html

ヘルマンリクガメの種類


ヘルマンリクガメは、「ニシヘルマンリクガメ」、「ヒガシヘルマンリクガメ」、「ダルマティアヘルマンリクガメ」の3亜種が知られています。それぞれ特徴があり、飼育を始める際には注意が必要でしょう。寿命は亜種によって差はありません。

ニシヘルマンリクガメ

ニシヘルマンリクガメは、ヒガシヘルマンリクガメの次に流通の多い亜種です。ニシヘルマンリクガメはイタリア、南フランスに生息していて、ヒガシヘルマンリクガメよりも小さく、最大甲長19cmほどになります。

甲羅の黒い部分が多く、寒さに弱い亜種です。冬眠はしません。

ヒガシヘルマンリクガメ

ヒガシヘルマンリクガメは、日本でとても流通しているヘルマンリクガメです。ニシヘルマンリクガメよりも大きく、最大甲長35cm程度になります。ヒガシヘルマンリクガメは、バルカン半島、小アジアなどに棲み、寒さに比較的強く、寒くなると冬眠します。

背甲は全体的に褐色を帯び、暗色部と明色部の差異が一部、不明瞭です。

ダルマティアヘルマンリクガメ

ダルマティアヘルマンリクガメはヘルマンリクガメの中で最も小さい亜種です。ヒガシヘルマンリクガメから分離した亜種であるため、ダルマティアヘルマンリクガメは最大およそ18cmと小さいことを除けば、見た目はヒガシヘルマンリクガメとよく似ています。

ダルマティアヘルマンリクガメはアドリア海東岸に分布しますが、日本ではほとんど見ることはありません。

ヘルマンリクガメを飼育する際に必要なもの


ヘルマンリクガメは、日本でよく見られる水棲のカメとは飼育方法が違います。水の中を泳ぐことはなく、よく歩き回る種です。寿命も長いので、しっかりした飼育設備を整えましょう。
  • ケージ
  • ライト
  • パネルヒーター
  • 床材
  • 水入れ

ケージ

ヘルマンリクガメは、よく歩き回るカメです。個体のサイズに比べて大きめのケージを用意しましょう。

幼体のうちは、60cm水槽でも飼育できますが、寿命が長くやがて広いケージが必要になってくるので90cm幅のものの導入をおすすめします。120cmでもよいくらいです。

後述しますが、ケージ内にはホットスポットや、大きめの水入れを設置することになります。そのためにも、大きいケージの方がよいでしょう。

また、カメに限らず、動物は上から世話をされるのを嫌います。横から世話のできるケージを選びましょう。

寿命の長いヘルマンリクガメです。飼育にあたってはしっかりしたケージを用意してください。

ライト

ライトは照明として必要というわけではありません。昼行性の爬虫類は日光浴で体を温めないと活動ができないので、日光浴の代わりになるバスキングライトがまず必要になります。

また、昼行性の爬虫類は日光浴で紫外線を浴びることで、骨や甲羅を作るために必須のビタミンDを体内で合成します。紫外線を浴びるためには、上記のバスキングライトでは不十分なので、別途紫外線ライトを用意してください。

ヘルマンリクガメを寿命まで、しっかり飼育するためには、バスキングライトと紫外線ライトが必要です。

バスキングライト

バスキングライトは、ケージ内にホットスポットを作るために設置します。ライトがあたる場所に平たい石などを置くと効果的です。ホットスポットは35℃程度になるよう、バスキングライトの位置や角度を設定してください。

ヘルマンリクガメはケージ内をよく歩き回ります。体を温めたいときには、自分でホットスポットに移動して体温を調節するでしょう。

体が冷えると、爬虫類は寿命が縮みます。必ず、バスキングライトを設置してください。

紫外線ライト

昼行性の爬虫類にとって、紫外線を浴びることはとても大切です。ヘルマンリクガメは特に日光浴を好む種なので、地面から35cmくらいの位置に強力な紫外線ライトを設置してください。

紫外線ライトは人間の眼にはよくありません。気を付けて扱いましょう。

また、時間がたつと紫外線ライトは一見点灯しているように見えて、紫外線が出ていない状態になってしまいます。紫外線ライトには寿命があるのです。半年に一回くらい電球を交換しましょう。

紫外線が足りないと、骨や甲羅に異常がでて寿命を縮めることになりかねません。紫外線ライトとは別に、気温が高い季節には太陽による日光浴もさせましょう。

パネルヒーター

ヘルマンリクガメを飼育する際には、パネルヒーターも必要になってきます。温かい季節は必要ありませんが、冬にはケージを下から温めます。パネルヒーターはケージの床全体を温める必要はなく、ケージの1/3くらいの下に敷きましょう。

ヘルマンリクガメはお腹を冷やすと、寿命を縮めることもあるので、部屋全体を高温に保てないのであれば、パネルヒーターは必須です。

なお、冬眠する亜種であっても、飼育下での冬眠は危険なのでさせないようにしましょう。

床材

ヘルマンリクガメは爪があるため、つるつるした面を上手に歩けません。必ず、床材を敷きましょう。特に、幼体のうちは滑る床のために骨が変形してしまうこともあります。ヘルマンリクガメの寿命を伸ばすためにも床材は必要です。

床材には少し湿らせたヤシガラマットを使うことが一般的です。ヘルマンリクガメは、床材を掘って身を隠すこともあるので、深めに敷きましょう。

水入れ

ヘルマンリクガメは、水入れから水を飲むだけでなく、水浴びも好みます。水入れは、個体が入れる大きめのサイズのものを用意しましょう。ヘルマンリクガメが入ってもぐらつかない、安定の良いものを選んでください。泳ぐことはないので、深さはそれほど必要ではありません。

ヘルマンリクガメは、水浴びの際に糞をすることが多いので、毎日水替えを行います。

ヘルマンリクガメは、主に野菜、野草を与えます。チンゲン菜、小松菜、ニンジンなどが好物です。果物も好みますが、栄養バランスがよくないので、おやつ程度に与えましょう。

これらを与える際には、爬虫類用カルシウム剤をまぶして栄養を強化します。爬虫類は、紫外線とカルシウムが欠乏すると病気になりやすいからです。

市販のリクガメフードもあります。これであれば、ビタミン、カルシウムなども含んでいるため、他の餌は必要ありません。

カメの口に入るものが、その個体の寿命を決めます。野菜、野草を与える際にはよく洗って、農薬などを取り除きましょう。

なお餌は、床材の腐敗を防ぐために、浅い餌皿に入れて与えましょう。

ヘルマンリクガメの寿命や特徴を知ろう


ヘルマンリクガメの寿命、特徴、飼育方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

ヘルマンリクガメは寿命が長く、爬虫類の中でも人になつく種です。餌を見ると、自分から飼い主のところに寄ってきます。生涯の友となってくれるかわいいカメです。日本と似た環境を生育地としているため、飼育方法も比較的簡単と言えるでしょう。

大き過ぎないリクガメ、ヘルマンリクガメを、あなたのペットにしてみませんか。
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