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ヒルヤモリの特徴と種類は?自宅での飼育方法や必要なものを紹介

「ヒルヤモリってどんな生き物?」
「他のヤモリとの違いは何?」
「ヒルヤモリの飼育に必要なものが知りたい」
爬虫類飼育で人気のヤモリですが、よく見かけるヤモリとヒルヤモリの違いは何なのでしょうか。ヒルヤモリという名前に、あまり馴染みのない方も多いでしょう。

本記事では、ヒルヤモリを飼育したいと考えている方が、まず知っておくべき生息地や生態、性格について掲載しています。ヒルヤモリの販売価格や飼育に必要なグッズも紹介しているので、飼う前に知っておきたい予算や心構えがわかります。

またこれを読めば、具体的な品名や数種類の餌もわかるので、現在飼育に不安を感じている方は、お役立てください。ケージが合っているかわからない、餌の好みに不安を感じているなどのお悩みの解決方法も見つかるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

ヒルヤモリの特徴は?

まずはヒルヤモリの詳しい生態についてお教えします。

私たちに馴染みのあるヤモリとは、どう違うのでしょうか。生き物を飼う前に、野生の時の生息場所や性格を知っておくと、飼育に必要な環境の整え方がわかります。

世話をする時に細かい部分にも気付けるので、ヒルヤモリをここでしっかり理解しておきましょう。

分布・生息環境

私たちが知っている多くのヤモリは夜行性がほとんどですが、ヒルヤモリは名前の通り、昼行性で日中活動しています。

ほとんどはマダガスカル島にいて、アフリカ大陸東部、インド、セーシェル、コモロ、レユニオン、モーリシャスにも分布しています。

棲家は森林や果樹園、岩場などで、光が届く場所に住んでいる個体は日光浴が必要です。森林などの光の届きにくい場所に生息している個体は、強い光を嫌うものもいます。

大きさ

主なヒルヤモリの大きさは、全長10cm〜15cmくらいです。飼育しやすい、可愛らしい大きさですね。

中には30cmにもなる大きなものもいます。こちらはガッチリしていて迫力があるので、格好いい爬虫類が好きな方に好まれています。

寿命

寿命は5年〜10年くらいといわれていますが、個体によって違います。大切に育てれば、平均寿命より長く生きることもあります。長いものは15年ほど生きるものもいるようです。

長期的な飼育になる場合を考慮し、最後までしっかり面倒を見てあげてください。

性格

ヒルヤモリは、警戒心の強い生き物です。飼い始めは環境に慣れていないこともあり、ケージの中で物陰に隠れてしまうことが多いと思います。

徐々に人に慣れてくることもありますが、動きが素早いので、ハンドリングには向いていません。ケージの開閉時には逃げ出さないように注意しましょう。

ヒルヤモリの種類は?

ヒルヤモリの大方の生態が分かったところで、ここからは種類別に詳しく説明していきます。

マダガスカル島に生息しているヒルヤモリのほとんどが、固有種です。大きさや柄が違い、どれも可愛くてとても魅力的です。

ここでは、5種類のヒルヤモリを紹介しますので、好みをぜひ探してみてください。

オオヒルヤモリ

オオヒルヤモリは、マダガスカル島に生息しており、グランディスヒルヤモリや、マダガスカルヒルヤモリなどと呼ばれることもあります。野生のものは体長35cm程の大きさで、ヒルヤモリの中では最大級です。

美しい緑色に、赤色のマダラ模様が特徴で、赤色部分の多いグランディスヒルヤモリ・フレイムという名前の種類が非常に人気です。

ヨツメヒルヤモリ

ヨツメヒルヤモリの生息地はマダガスカル島で、野生の個体は体長15cm程あります。

エメラルドグリーンをベースに、薄い赤の模様がありますが、両前足と後ろ足の付け根部分にある4つの黒い斑点が目に見えることから、ヨツメといわれるようになりました。

サビヒルヤモリ

サビヒルヤモリも生息地はマダガスカル島です。体長は13cm程と小さく、青と緑ベースに赤い褐色模様が錆(サビ)に見えることから、サビヒルヤモリと呼ばれるようになりました。

非常に鮮やかで美しい体色は、個体差があって個性的なので、コレクション性が高く貴重です。

ヘリスジヒルヤモリ

ヘリスジヒルヤモリの生息地はマダガスカル島で、体長は13cm程です。腹部が少しコロンとしていて、可愛らしい体型をしています。

腹部の横に、黒色の縁取りのようなラインが入っているのが特徴です。

ヒロオヒルヤモリ

マダガスカル島に生息するヒロオヒルヤモリは、体長13cm程で、鮮やかな緑ベースに赤色の柄が入ります。

最大の特徴は、頭部に金粉をふりかけたような柄があることです。個体によっては、頭部だけでなく、全身に金粉をまとったような柄があるものもいます。

ヒルヤモリは飼育できる?

5種類のヒルヤモリを紹介した際にもお伝えしましたが、鮮やかで美しいヒルヤモリはペットとして非常に人気です。流通量もあるので、入手は難しくありません。

一般的に知られている日本のヤモリと違って昼行性なので、日中隠れて出てこないということがありません。生態をしっかり観察できるので、飼育する上でも楽しめるポイントになります。

販売価格

ヒルヤモリの種類にもよりますが、だいたい5000円〜15000円で購入することができます。オオヒルヤモリは20000円以上する場合もあるようです。

爬虫類の中でも比較的手に入れやすい価格となっています。

販売場所

ヒルヤモリは、大型ペットショップ、爬虫類専門店などで入手することができます。お店で直接購入する場合は、お迎えしたいヒルヤモリの種類がいるかを事前に確認して行くようにしてください。

またブリーダーさんから直接購入することも可能です。この場合の多くは、爬虫類イベントなどで出店している方から購入するという形がほとんどです。全国各地で開催される爬虫類販売イベントをチェックしておくと、お目当ての種類がいる可能性もあるでしょう。

ショップやブリーダーさんのSNSをフォローしておくと、購入後のアフターフォローをしてくれる場合があるので、こちらもチェックしておくといいでしょう。

飼育に必要な環境



飼育には、適正な環境づくりが必要です。

ここからは温度や湿度を中心に、ヒルヤモリに適した飼育環境をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

温度

ヒルヤモリは暖かい場所に生息しています。適正温度は25℃〜28℃くらいです。

適正温度をキープできるように、冬場はヒーターが必須です。後ほど具体的な器具をご紹介しますが、ヒーターや暖突などを使用して保温してあげましょう。

湿度

ヒルヤモリは、60%〜80%くらいの湿度を好みます。これより低いと体調悪化や脱皮不全の原因になります。

乾燥する冬場は1日に2回、夏場は1日1回、ケージ内を霧吹きなどで湿らせてあげましょう。

飼育に必要なもの

ここからは、具体的にヒルヤモリを飼育する上で、準備しておきたいグッズを紹介します。

1から準備するものを載せていますので、これを読めば爬虫類飼育を経験したことがない方でも、安心してヒルヤモリをお迎えすることができます。

具体的なおすすめ器具がわかるので、ぜひ参考にしてください。
  • ケージ
  • 水入れ
  • 保温器具
  • 紫外線ライト
  • 床材
  • 登り木

ケージ

ヒルヤモリは、ケージのガラス面に張り付いて登ったり、ケージ内をたくさん動き回ります。ヤモリの体長の2倍くらいの高さがあるケージを選んであげましょう。

15cmくらいの小型のヤモリを飼育する場合は、高さが30cmのもの、オオヒルヤモリのような体長が30cmを超えるものは、ケージの高さも60cmくらいがおすすめです。

水入れ

水滴のように、動いている水にしか反応しない個体もいます。霧吹きで水を与えてほしいのですが、手間がかかったり毎日あげられないという方は、ドリップ式の水入れなどを置いてあげるのも良い方法です。

個体の好みがありますが、必要な場合は用意しましょう。

保温器具

ヒルヤモリの適温は25℃〜28℃くらいなので、この温度をキープするためにパネルヒーターを用意します。ケージが大きめの場合は暖突なども用意すると万全です。

ヤモリを飼育する際に気をつけたいのは、ケージ内全体を同じ温度に暖めないことです。ヤモリは涼しいところで、自分の温度を上がりすぎないように調整します。涼しい場所と、ホットスポットと呼ばれる、体を暖める場所の2カ所を作ってあげることが大切です。

パネルヒーターをケージの側面に設置してホットスポットとし、暖突でケージ内の温度管理をするのがおすすめです。

紫外線ライト

ヒルヤモリの飼育で気をつけたいのは、紫外線です。野生のヤモリも、紫外線を浴びることで健康維持に必要なビタミンDを作ります。紫外線を浴びることができないと、くる病という病気にかかってしまうことがあります。

紫外線ライトを用意して、ヤモリが日光浴できるように環境を整えてあげてください。

床材

ヒルヤモリは湿度が高い場所を好むので、適度に湿気を維持することができる、ヤシガラマットを使用すると良いでしょう。

マットは厚くする必要はありません。3cm程度敷いて、こまめに取り替えてあげることが大事です。糞や餌の残りかすが出た時は、そのつど取り除いてあげましょう。

登り木

ヒルヤモリは、木登りも大好きです。縦の移動がたくさんできるように、流木などで登り木を作ってあげましょう。複数の木を組んであげると、移動場所がたくさんできるので、運動にもなっておすすめです。

観葉植物を入れてあげると、隠れ場所になったり、水滴もつきやすいので、水飲み場にもなります。

ヒルヤモリにおすすめの餌



ヒルヤモリの餌は、昆虫、果物、ゲッコー用の人工餌が中心です。栄養の偏りを防ぐために、いろいろなものを与えると良いでしょう。昆虫にカルシウムパウダーをまぶしてから与えると、栄養を補えるのでおすすめです。

個体によって、好みが違います。いくつか餌を紹介しますので、これを参考に選んでみてください。いろいろ試して、好きなものを探してみましょう。

コオロギ

コオロギはヤモリの餌として特に選ばれています。爬虫類用として、ペットショップなどで販売されています。ヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの2種類が主流で、大きさはほとんど同じです。

餌となる虫は、ヒルヤモリの顔の半分くらいの大きさがちょうどいいといわれています。小さいサイズのコオロギは、保存しているうちに大きく成長してしまいます。購入は少量にするか、風通しの良い涼しい場所でコオロギを飼育して、繁殖したコオロギを与えるのもいいでしょう。

果物

海外に生息するヒルヤモリは、果物なども食べることがあります。バナナやイチゴを好んで食べるようです。

ただし果物だけを与えるのはやめましょう。栄養が偏ってしまうと、体調を崩す原因になります。

人工飼料

昆虫用のゼリーを好んで食べることもあるようです。またゲッコー用の人工餌を食べる場合もあります。

人工餌を食べてくれると保存がらくなので、昆虫と併用してあげられると、餌の管理がしやすくなります。

デュビア

デュビアはゴキブリの一種ですが、見た目はそれほど気持ち悪くありません。嫌悪感を持たれる方もいるかもしれませんが、良い点も多いです。

コオロギは鳴いたり、共食いをしたりしますが、デュビアはしません。また成長が遅いので、小さな虫を餌にしたい場合は、コオロギより長めに保存できるので便利です。

ニオイも少ないので、おすすめです。

レッドローチ

レッドローチもゴキブリの一種です。

こちらはすぐに成長するので、大きめのヒルヤモリを飼育している方に向いています。繁殖スピードも早いので、餌として飼育したいと考えている場合はおすすめです。

レッドローチは少しニオイますが、コオロギと違って鳴かないところも選ばれる理由になっています。

ヒルヤモリの飼育方法を知って適切に育てよう

ヒルヤモリは、昼間活発に動くので、観察しやすく育てやすい生き物です。日本のヤモリと違って餌の種類が豊富なので、餌付けもらくにできます。

見た目も鮮やかで柄もたくさんあるので、お気に入りのヒルヤモリを見つけることができるでしょう。

寿命も長いので、ヒルヤモリとの時間を存分に楽しんでくださいね。
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