cms-import-animaroll-wp

パンサーカメレオンとは?生態やモルフ・飼育方法についても紹介

「カメレオンに興味があるけど、飼育するのって難しそう」
「初めてカメレオンを飼う場合、どういうことに気をつけておけばいいの?」
「せっかくカメレオンを飼うなら派手な色の個体が欲しいけど、肝心の探し方が分からない」
カメレオンをペットとして迎え入れようとした場合、このような悩みに直面したことはありませんか?

カメレオンは爬虫類の中でもペットとしての人気が高い種類ですが、初心者が飼育するには未知数に感じてしまう点が多く、購入に踏み切れないケースがあります。

そこで本記事では、カメレオンの中でも飼育しやすいといわれているパンサーカメレオンの生態やモルフ、飼育方法について紹介します。ポイントさえ押さえてしまえば、初心者でも飼育出来るのが魅力の種類のため、必ずお気に入りの個体を見つけられるでしょう。

本記事を通して、早速パンサーカメレオンについて知ってみましょう。

パンサーカメレオンの生態をご紹介

パンサーカメレオンを飼育するためには、まずは本来の生態を知っておく必要があります。パンサーカメレオンの生態を知っておけば、飼育する際に気をつけておきたいポイントも自ずと見えてくるでしょう。

そこで、まずはパンサーカメレオンはどのような生態なのか詳しく紹介します。これらを通して、飼育する上で必要になる基礎知識を身につけましょう。

爬虫類であるパンサーカメレオン

パンサーカメレオンは、爬虫綱有鱗目カメレオン科フサエカメレオン属に分類されているトカゲの種類です。端的にいえば、パンサーカメレオンは爬虫類に該当します。

爬虫類は主に、「4本脚で歩く」、「殻におおわれた卵を産む」、「体がうろこでおおわれている」のような特徴があり、パンサーカメレオンにも当てはまっています。

また、体の色がネコ科の動物でもあるヒョウの柄にも似ていることから、パンサーカメレオンと呼ばれるようになったといわれています。

パンサーカメレオンの分布

パンサーカメレオンは、もともとマダガスカル島の北東部に生息していたトカゲです。ここから人間の介入もあり、近隣の島に移入されました。そのため、現在ではレユニオン島やモーリシャス島でも野生の姿が目撃されています。

野生下では、高温多湿の環境を好んでいて、低地の森林に住んでいるのが特徴です。主に昼間のうちに狩りをしていて、夜は木の枝にしっぽを巻きつけた上で天敵に見つからないように、木陰や歯の裏などの目立たない場所で休んでいることがほとんどです。

パンサーカメレオンの鳴き声

パンサーカメレオンは人間や哺乳類の動物のようなちゃんとした声帯を持っていないため、基本的に鳴くことはありません。そのため、飼育する際には騒音で悩まされる心配はほとんどないでしょう。

ただ、「クワッ」や「ゲッ」という音を出すことがあります。これは正確にいうと鳴き声とは少し異なるもので、空気を大きく吸い込んだり、吐き出したりする際に発せられることがあります。

また、威嚇する際には「シャー」という音を発することも目撃されています。

パンサーカメレオンの大きさ

パンサーカメレオンは小型のカメレオンのため、成体になっても極端に大きくなることがありません。

成長したとしてもオスで50〜60cm程度、メスで30cm程度にしかなりません。成体になったとき、オスとメスを比べた際に2倍近くの差が生まれるのがパンサーカメレオンの特徴です。

また、多少の個体差はありますが、体重も250〜300g程度にしかなりません。そのため、小さいスペースでも飼育できるのがパンサーカメレオンの魅力の1つです。

肉食性のパンサーカメレオン

パンサーカメレオンは、昆虫や節足動物を主な主食としている肉食性のカメレオンです。時には、カエルやげっ歯類のように、食べられるサイズであれば両生類や哺乳類も食べてしまうのが特徴です。

飼育する上では、主に生きた昆虫をメインに与えていれば問題はないでしょう。ただ、それだけだとカルシウム不足になる可能性が考えられます。そのため、定期的に爬虫類専用のカルシウムパウダーを餌にまぶした上で与えるのがおすすめです。

パンサーカメレオンの特徴

カメレオンは体の色を変化させて周囲に擬態できる特徴があります。

パンサーカメレオンも同様の特徴を持っているため、周囲にあわせて体の色を変化させられます。その変化させたときの色合いが、まるで宝石のような色とりどりの美しさを持っているのがパンサーカメレオンの魅力です。

野生下で周囲となじみやすい黒や茶以外にも、赤や黄色、青や緑、中にはオレンジなどの派手な色にも変化できるのが特徴です。

同じ個体でも色が変わるだけで印象も大きく異なるため、パンサーカメレオンの飼育を楽しめるポイントといえるでしょう。

パンサーカメレオンの繁殖

パンサーカメレオンは、生後半年から1年ほどで性成熟を迎えるため、早い段階で繁殖することが可能です。

メスの場合、体の色が妊娠色とも呼ばれる薄いピンク色に変化することによって交尾できる段階に突入したことがわかります。この時点でオスとメスを同じケージに入れた上で様子を見てみましょう。

もし、異変を感じた場合は直ぐに別々のケージに移動させるようにして、お互いがストレスを感じにないようにしましょう。

ペアリングが成功するとメスは土に穴を掘り、1回の産卵で10〜50個ほどの卵を産むようになります。

パンサーカメレオンの寿命

パンサーカメレオンの寿命は、多少の個体差はありますがおよそ8年程度です。

野生下では自然特有の高温多湿の環境に住んでいたこともあり、飼育下ではその環境を完璧に再現するのは難しい点があります。そのため、飼育下になると2〜5年程度になることがほとんどです。

そのため、飼育下で1日でも長く長生きをさせるには、できる限り野生本来の環境に近づけなければなりません。それだけでなく、常に適切な環境を維持する必要もあります。実際に飼育する際はこれらのことは怠らないようにしましょう。

パンサーカメレオンのモルフは?



モルフは、産地や特徴が異なるもの同士を掛け合わせていくことによって生まれた新しい品種のことを指します。

パンサーカメレオンも同じように、品種改良を繰り返したことによって誕生したモルフが多数存在します。モルフによって特徴が大きく異なるため、パンサーカメレオンの飼育を始める際には、それぞれの特徴を知っておくのも重要となるポイントの1つです。

それでは、パンサーカメレオンのモルフはどのような種類がいるのか、詳しく見ていきましょう。

アンバンジャ

アンバンジャは、モルフの中でも安定した人気を誇る種類の1つです。

体は全体的にエメラルドグリーンのような美しい発色をしている個体が多く、縞模様の中に濃い赤やオレンジなど色が入っているのが特徴です。

また、個体によっては発色も異なるため、中には体の色の青みが強く出ている個体や、縞模様の色味が多少異なるなど多種多様です。このことから、アンバンジャはお気に入りの色味を探す楽しさを味わえるのが魅力ともいえるでしょう。

アンビローブ

アンビローブは、モルフの中でも特に派手な色をしているのが特徴です。

多少の個体差はありますが、主に体は緑や褐色系の色に、濃色の縞模様が入っています。また、身体の中央には白色の縦条が見受けられます。

また、アンビローブは主にレッドバーとブルーバーの2種類に区分することができます。いずれの種類も、まるでペンキを身体中に塗りたくったかのような派手な色をしているため、見た瞬間に他の個体では感じられないような強烈な印象が心に残るでしょう。

ノシベ

ノシべは、体色がエメラルドグリーンやターコイズブルーのような鮮やかな体色をしているのが特徴です。

このノシべという名は、本来はマダガスカルの北部に浮かぶ島の名称で、リゾート地として多くの観光客が訪れる場所の1つです。この地域にもパンサーカメレオンが生息していて、ノシべの美しい海に準えて、ノシべと呼ばれるようになりました。

まるで宝石のように美しい色合いをしているため、この鮮やかな色合いをノシべブルーと呼ぶほどに人気の高い種類でもあります。

パンサーカメレオンは飼育可能?



パンサーカメレオンを飼育したくても、実際に飼育するのは問題にならないかと心配になる人もいるでしょう。結論からいえば、パンサーカメレオンは実際に飼育することは可能で、身近な場所で購入することが可能です。

それでは、パンサーカメレオンはどこで購入すれば良いのか詳しく見ていきましょう。個体を購入する際の価格帯もあわせて紹介しているので、参考にした上でお気に入りの個体を探してみてください。

パンサーカメレオンの購入方法

パンサーカメレオンは、爬虫類を取り扱うペットショップやイベントで購入が可能です。実際にパンサーカメレオンを購入する場合は、適切なアドバイスを受けた上で、信頼できるペットショップやブリーダーから購入するのが良いでしょう。

また、爬虫類は動物愛護管理法によって対面販売が義務付けられているため、通販での購入は出来ません。禁止されているといっても、人気が高く流通量も多いことから、ネットショップを頼る必要はもともとないでしょう。

積極的に店舗やイベントに足を運び、お気に入りの色をしている個体を探してみてください。

出典:第一種動物取扱業者の規制|環境省
参照:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/trader.html

パンサーカメレオンの価格

パンサーカメレオンは人気が高い種類でもあるため、安い個体でも3万円程度はします。人気があるカラーや在庫の状況によって価格が変動するため、個体によっては6〜10万円ほどになることもあるでしょう。

ただ、パンサーカメレオンはカラーバリエーションが豊富で、視覚的にも楽しめる一面もあることから、大金を出してでも入手したいと考えている愛好家が多数存在しています。

もしお気に入りの個体を見つけた場合、金額に関わらずしっかりと購入を検討するのが良いでしょう。

パンサーカメレオンを飼う時に必要なもの



パンサーカメレオンは、カメレオンの中でも飼育難易度は低い種類とはいわれているものの、最低限の管理は必要です。そのため、実際に飼育する際、もともと生息していた環境に近いものを用意しなければなりません。

いずれもペットショップや通販などで簡単に入手できるものばかりなので、入手自体は容易でしょう。それにくわえて、注意しておきたいポイントなどもあわせて紹介しています。

いずれも飼育する上で必要な知識となるので、しっかりと覚えておきましょう。
  • 飼育ゲージ
  • 止まり木
  • ヒーター
  • 温度計・湿度計
  • 霧吹き・ドリッパー
  • エサ

飼育ゲージ

パンサーカメレオンは樹上で生活していることから、飼育ケージはある程度の高さがあるものだと良いでしょう。そのため、幅60cm、高さ60cmくらいの大きさはある爬虫類専用ケースを用意しましょう。

スペースに余裕がある場合は、もう少し大きめのものをチョイスしても問題ありません。

また、パンサーカメレオンは上から見下ろされる行為はストレスを感じてしまいます。そのため、飼育ケージを設置する場所は人の目線よりも高い場所に設置してあげるのが良いでしょう。

止まり木

パンサーカメレオンは、野生下だと木の上で生活しています。そのため、ケージ内にも止まり木をいくつか設置して、自由に動ける状況にしてあげると良いでしょう。

設置するものは一般的に流通している爬虫類専用の止まり木で問題はありません。設置する際は、止まり木が動いてしまわないようしっかり固定する必要があります。使用するケージの大きさに合わせて、適切なサイズのものをチョイスするようにしましょう。

ヒーター

パンサーカメレオンは気温の変化に弱い生き物のため、適切な温度管理が必要になります。

特に冬場の厳しい冷え込みに耐えられない可能性が非常に高いため、冬場でもケージ内の温度は26~29℃くらいを保つ必要があります。そのため、爬虫類専用のヒーターを設置したり、ケージ内に保温球を設置して、体を温められる環境を用意しましょう。

夜間は、多少温度を下げても問題はないため、最低でも20~25℃程度の温度は保つようにしましょう。

温度計・湿度計

パンサーカメレオンの健康状態を維持するためには、温度計や湿度計も必要になります。可能であればケージ内に複数個設置して、適切な温度と湿度を保てるように善処しましょう。

複数個設置すれば、ケージ内の細かい温度や湿度管理が可能になります。これらの細かい情報は、パンサーカメレオンの健康状態を維持するために必要な情報です。これらを参考に、極端に温度や湿度変化が著しい場合は直ぐに対策するようにしましょう。

霧吹き・ドリッパー

野生下のパンサーカメレオンは、植物の葉や樹皮から落ちてくる水を舐めて生活しています。そのため、飼育する際も似たような環境で水分補給ができる環境を用意する必要があります。

ケージ内に爬虫類専用のドリッパーを設置して、葉っぱや枝に水滴を落とすようにしましょう。こうすることで、パンサーカメレオンは安心して水分補給するようになります。

また、霧吹きを使用して葉っぱやケージの壁を濡らすことも有効なので、あわせて覚えておきましょう。

エサは?

パンサーカメレオンを飼育する際、エサは主にコオロギやバッタ、ミルワームなどの昆虫を与えるようにしましょう。ただし、動いていないものはエサと認識することがないため、生きたまま与える必要があります。

幼体の場合は1日1回、生後1年程度経過したら2日に1回を目安に与えるようにしましょう。

また、特定のエサだけを与え続けていると、栄養が偏る可能性もあります。この場合は、エサに爬虫類用のサプリメントをまぶした上で与える工夫も必要です。

パンサーカメレオンを飼育する際に注意すること



実際にパンサーカメレオンを飼育していると、愛着が湧いてくるでしょう。そのため、パンサーカメレオンには少しでも長生きして欲しいという考えに至ることがほとんでしょう。

そこで、ここからはパンサーカメレオンを飼育する際に注意しておきたいポイントについて紹介します。これらは誰にでも出来る簡単なことばかりなので、しっかりと覚えておけばパンサーカメレオンがストレスを感じる機会が減り、健康的な状態を保てるようになるでしょう。

上から掴まない

野生下のパンサーカメレオンの場合、天敵でもある猛禽類に襲われる可能性があります。そのため、パンサーカメレオンにとって上から掴まれる行為は、猛禽類に捕まった時の感覚に近いものになるでしょう。

それが強いストレスを感じる原因になってしまいまうため、健康を害する可能性が出てきてしまいます。

そのため、個体を移動させる必要があるときは絶対に上から直接掴もうとする行為は避ける必要があります。下から直接見えるよう手を差し出し、手に乗るよう誘導するようにしましょう。

日光浴をさせる

パンサーカメレオンの健康状態を維持するためには、適度な紫外線を浴びることができる場所が必要になります。そのため、毎日日光浴ができる環境を用意してあげると良いでしょう。

日光浴といっても、直接日光に当てる必要はありません。日陰があり風通しの良い場所に30分から1時間程度、飼育ケージを置いておくだけで大丈夫です。

また、日光浴させてあげる環境の用意が難しい場合は、紫外線を照射できる爬虫類ライトを用意するようにしましょう。

パンサーカメレオンについて理解し飼育しよう



正しい知識を持っていれば、パンサーカメレオンの飼育に難しいことはありません。だからこそ、実際に飼育するにはこれまで紹介してきた知識を覚えてく必要があります。これらを覚えておけば、初心者でも飼育が楽しめる種類ともいえるでしょう。

見た目も色とりどりで視覚的にも末長く楽しめるのがパンサーカメレオンの魅力ともいえます。また、パンサーカメレオンをペットとして迎える以上、少しでも長生きできるようにするのが飼い主の責務です。しっかりと愛着を持った上で大切に飼育してあげましょう。
モバイルバージョンを終了