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カナヘビの飼い方は?必要なものや飼育方法・注意点を詳しく解説

「カナヘビを飼育することはできる?」
「カナヘビとニホントカゲって何が違うの?」
「カナヘビを飼育するにはどのようなものが必要か知りたい」
身近な生物であるカナヘビを飼育してみたいと思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

本記事ではカナヘビの特徴や種類、飼育するのに必要なものについて詳しく解説しています。記事を読むことでカナヘビとニホントカゲの違いや、カナヘビにはどんな種類があるのか、カナヘビを飼育する際には何を揃えれば良いのかを知ることができるでしょう。

また、カナヘビの飼育方法や飼育する際の注意点についても併せて解説しています。カナヘビに興味がある人や、カナヘビを飼育したいと思っている人は是非参考にしてみてください。

カナヘビの特徴

身近で目にすることも多いカナヘビですが、その特徴について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。

ここでは知っているようで知らないカナヘビの特徴について解説します。

カナヘビの生態

カナヘビは日本を含むアジアだけでなく、ヨーロッパやアフリカにも分布しており、さまざまな種類がいます。

低地や低山地の草地に生息しており、昼行性で午前中は日光浴をしていることが多いです。午後になると活発に動き回り、コオロギやバッタ、クモなどを捕まえて食べます。基本的には昆虫を食べますが、果実を食べることもあるようです。

日が沈むと草陰など身を隠せる安全な場所で眠ります。カナヘビは気温がおよそ15度を下回ると冬眠の準備を始め、湿度があり安全な場所で春まで眠ります。

カナヘビの寿命

カナヘビの寿命は一般的におよそ4年から7年くらいだと言われています。

しかし、安定した飼育環境で丁寧に飼育された場合には、9年から10年ほど生きることもあるようです。

カナヘビの性格

カナヘビは警戒心が強く、神経質な性格をしていることが多いです。そのため、カナヘビを飼育する際には、カナヘビにストレスを与えないよう気をつけなければなりません。

飼育者のにおいに慣れれば、カナヘビの警戒心を減らすことができます。

ニホントカゲとの違い

カナヘビとよく似た生き物にニホントカゲがいます。見た目がよく似ていますが、手触りで区別することができます。

二ホントカゲがツルツルとした手触りで光沢があるのに対し、カナヘビはザラザラとした手触りで光沢がないのが特徴です。

また、ニホントカゲの尻尾が体の半分ほどであるのに対し、カナヘビは尻尾が長く、体のおよそ3分の2は尻尾です。

そのほかにもニホントカゲの舌先は割れていないけれど、カナヘビの舌先は割れているなどの違いがあります。

カナヘビの種類

カナヘビと一口に言ってもその種類は豊富で、世界中にさまざまな種類のカナヘビが生息しています。私たちがよく見かけるカナヘビは茶色い体色をしていますが、海外には鮮やかな青色の体色をしたカナヘビも存在します。

ここではカナヘビの種類について見ていきましょう。

ニホンカナヘビ

ニホンカナヘビは日本固有の種類で、私たちが身近によく見かけるのもニホンカナヘビであることが多いです。

全長およそ16cmから27cmほどの大きさをしています。光沢のない茶色の体色に目から尾に濃い茶色のラインが入っており、その下に肌色のラインが入っているのが特徴です。民家の庭や公園など、さまざまな場所で見ることができます。

アオカナヘビ

アオカナヘビは鮮やかな緑色の体色をしています。ニホンカナヘビと比較すると口先が少し長く面長な印象です。

全長およそ20cmから28cmほどの大きさで、沖縄諸島や奄美群島などに生息しており、絶滅のおそれのある地域個体群に指定されています。

出典:【哺乳類】環境省レッドリスト2020|環境省
参照:https://www.env.go.jp/content/900515981.pdf

アムールカナヘビ

アムールカナヘビは日本では長崎県対馬にだけ生息しており、準絶滅危惧種に指定されているカナヘビです。全長22cmから26cmほどの大きさで、とても臆病な性格をしています。

出典:【哺乳類】環境省レッドリスト2020|環境省
参照:https://www.env.go.jp/content/900515981.pdf

コモチカナヘビ

日本でよく見かけるのはニホンカナヘビですが、世界で分布が多いのがこちらのコモチカナヘビです。日本でも北海道の一部で見ることができます。

全長14cmから18cmほどの大きさをしており、その名の通り体内で卵を孵化させて子供を産みます。

ミヤコカナヘビ

ミヤコカナヘビはその名の通り、宮古諸島に分布している細身のカナヘビです。全長16cmから22cm程の大きさをしており、鮮やかな緑色の体色をしています。

絶滅の恐れがあるとして、飼育下での繁殖が行われています。

サキシマカナヘビ

サキシマカナヘビは、石垣島や小浜島などに分布している鮮やかな黄緑色の体色が特徴のカナヘビです。こちらも絶滅の恐れがあります。

全長26cmから30cmほどの大きさで、日本に分布しているカナヘビの中では最も大きい種類です。樹木性ですが地面に降りることもあります。

出典:【哺乳類】環境省レッドリスト2020|環境省
参照:https://www.env.go.jp/content/900515981.pdf

カナヘビはどうやって手に入れる?

カナヘビは身近に生息していることが多いため、自分で捕まえることも可能ですが、ペットショップで購入することもできます。

ここではカナヘビの入手方法について見ていきましょう。

野生のカナヘビを捕まえる

カナヘビは午前中、日光浴をするために日の当たる場所にいることが多いです。カナヘビを捕まえるなら午前中が捕まえやすいでしょう。

カナヘビは警戒心が強く、近づくとすぐに逃げてしまいますが、離れたところで止まるため、その隙を狙うのがおすすめです。

捕まえる際は手でカナヘビを地面に押しつけないよう、そっと包み込むように捕まえてください。

ペットショップなどで購入する

野生のカナヘビを捕まえるのが難しい場合には、ペットショップなどで購入することもできます。1匹500円から1,000円くらいの価格で販売されており、比較的入手しやすいです。

カナヘビの飼育用品

カナヘビを飼育したいという人の中には、飼育にどのようなものが必要なのかわからないという人もいるでしょう。

ここではカナヘビの飼育用品について解説するため、カナヘビを飼育する際の参考にしてみてください。
  • 飼育容器(ケージ)
  • 床材
  • 水入れ
  • シェルター
  • 温湿度計
  • バスキングライト
  • 紫外線ライト
  • カルシウムパウダー

飼育容器(ケージ)

カナヘビは活発に動き回るため、カナヘビが運動しやすい大きめのケージがおすすめです。大型の虫かごや爬虫類用のケージでも良いでしょう。

カナヘビは脱走が得意です。脱走ができないようにフタ付きのケージを選ぶようにしてください。

床材

床材には保湿性のあるヤシガラマットや赤玉土、爬虫類用の床材がおすすめです。床材は数cmほどの厚みになるように敷き詰めましょう。

床材を敷かなければツルツルとすべってカナヘビの足腰が悪くなる原因となるため、必ず床材は敷くようにしてください。

カナヘビの餌には生きたコオロギやミルワームなどを与えます。生餌は繁殖させて与えることもできますが、ペットショップなどでも購入可能です。

成虫は大きすぎて食べられないため、SサイズやMサイズのものを与えてください。

水入れ

カナヘビには大きくて浅めの水入れを用意しましょう。水入れは水を飲むためだけでなく、水浴びをするためにも使います。また、深いと生餌が溺れる可能性もあります。

水入れの中の水は、毎日交換して清潔に保ちましょう。

シェルター

カナヘビは臆病な性格をしているため、身を隠せる場所がなければストレスを感じて体調を崩す可能性もあります。シェルターは必ず設置してあげてください。

爬虫類専用のシェルターのほかに、大きめの石や枝などを置いてあげるのもおすすめです。いろいろレイアウトすればカナヘビの運動にもなるでしょう。

温湿度計

カナヘビは寒くなりすぎると冬眠してしまいます。冬眠させないようにするにはケージ内の温度を一定に保つ必要があります。

また、湿度が下がりすぎると脱皮が上手くできない場合があるため、ケージ内の湿度を50%から60%程度に保つことも大切です。

温湿度計を設置して、ケージ内の温度と湿度をしっかりと管理しましょう。

バスキングライト

野生のカナヘビは毎日日光浴をします。飼育下ではなかなか日光浴をさせられないため、バスキングライトを設置しましょう。

石の上に設置すればケージ内にホットスポットを作ることができ、カナヘビが日光浴をしやすくなります。

紫外線ライト

カナヘビは紫外線を浴びないと正常に骨を作れなくなってしまい骨が変形したり、歩行障害になったりします。

そのため、ケージに紫外線ライトを設置して、紫外線を浴びられるようにしましょう。

カルシウムパウダー

飼育下のカナヘビはカルシウム不足になりがちです。そのため、カルシウムパウダーと呼ばれるパウダー状のサプリメントをコオロギなどの餌にふりかけてから与えるようにしましょう。

カナヘビの飼育方法

カナヘビは比較的飼育が簡単な生物だと言われています。しかし、カナヘビをはじめて飼育する場合には、わからないことも多いでしょう。

ここではカナヘビの飼育方法について詳しく解説します。

水の取り替えについて

カナヘビは水を飲むだけでなく水浴びもするため、水入れの水は汚れやすいです。水入れに入れる水はカルキ抜きをしていない水道水でも構いません。毎日取り替えるようにしましょう。

もし、水入れの水を飲まないようであれば、霧吹きを使ってケージ内に水を吹きかけておいてください。そうすれば、ケージや木の枝についた水滴を舐めるでしょう。

餌の与え方

飼育下のカナヘビはカルシウム不足になりがちなため、餌にカルシウムパウダーをふりかけて与えるようにします。

頻度は週に2回から3回ほど、多めに与えても空腹でなければ食べることはないでしょう。しかし、餌のサイズが大きすぎると食べないこともあるため、餌はなるべく小さいサイズのものを与えるようにしてください。

餌を与える際にはピンセットで与えるか、カナヘビの視界に落としても良いでしょう。

適した温度・湿度

カナヘビの飼育に適した温度はおよそ25℃前後です。バスキングライトはおよそ35℃に設定してケージ内にホットスポットを作ってあげましょう。

また、カナヘビの飼育に適した湿度は50%から60%くらいであるため、霧吹きなどを使って適切な湿度を保つようにしてください。

掃除の方法

カナヘビは黒い粒のようなフンを頻繁に排泄するため、排泄物を見つけたら取り除くようにしてケージ内を衛生的に保つようにしましょう。

床材を土にして植物を植えればフンを分解することもできます。この方法であればケージ内の汚れや臭いは気にならなくなりますが、月に1度くらいは掃除をするようにしましょう。

越冬方法

野生のカナヘビは冬になると冬眠する習性があるため、飼育下のカナヘビも冬に保温をしなければ冬眠する可能性が高いです。しかし、冬眠は温度管理などが難しく、飼育下で冬眠させると死んでしまうリスクもあります。

飼育下で冬眠させる場合には、秋のうちに餌をたくさん食べさせ、ケージを温度変化の少ない場所に追いて毛布などを掛け、暗さを保つようにしてください。また、ケージ内を乾燥させないことも大切です。

冬眠させない場合には、ヒーターなどをつけてケージ内を保温する必要があります。飼育下で冬眠させるのは難しいため、ヒーターで保温して冬眠させない方が簡単です。

日光浴について

ほかの爬虫類と同様にカナヘビも日光浴が必要です。飼育下のカナヘビは日光浴が足りなくなってしまうことも多く、日光浴が足りないと体調不良や消化不良などを起こしてしまいます。

ケージで飼育していても毎日十分な日光浴ができるなら問題ありませんが、そうではない場合には紫外線ライトとバスキングライトを設置してあげるようにしましょう。

カナヘビを飼育する時の注意点

カナヘビを飼育する際には気をつけるべき注意点がいくつかあります。ここではカナヘビを飼育する時の注意点について解説します。これらの点に気をつけてカナヘビを飼育するようにしてください。

脱走に気を付ける

カナヘビはイモリのように表面がツルッとしたプラスチックやガラスをのぼることはできませんが、木を入口のそばに置いておくとよじ登って逃げることがあります。

また、カナヘビは10cmくらいならジャンプすることができるため、ケージ内にあるシェルターや木の上からジャンプして脱走することもあるでしょう。

脱走を防ぐためにも、カナヘビを飼育する際には必ずケージにフタをするようにしてください。

ダニの発生

カナヘビを飼育するケージ内に自然の土や木などを入れると、そこにダニが付着している可能性があります。ダニには血を吸うものもいて、カナヘビに大きなダメージを与えることもあるようです。

もし、ケージ内にダニが発生した場合には、カナヘビをぬるま湯などでやさしく洗ってあげましょう。また、ケージの中もしっかり清掃し、床材も取り替えるようにしましょう。

カナヘビに嚙まれることはある?

カナヘビは基本的に憶病でおとなしい性格をしており、自分から攻撃を仕掛けることはありませんが、餌と間違えたり、脅威を感じ、攻撃的になったりして噛まれることもあるようです。

もし、カナヘビに噛まれたとしても歯は短く、力も弱いため、痛みをあまり感じないでしょう。毒もないため、特に心配しなくても大丈夫ですが、気になる場合は病院に行くようにしましょう。

カナヘビがかかりやすい病気

カナヘビを飼育する上で気になるのがかかりやすい病気です。ここでは、カナヘビがかかりやすい3つの病気について解説します。

どのような病気にかかりやすいのか、病気にならないように何に気をつければ良いのか参考にしてください。

くる病

くる病は紫外線不足や、栄養の偏りが原因で発症する病気です。くる病になると背骨や尻尾、手足が変形したり、あごの軟化が見られたりするようになり、進行すると骨折や四肢の麻痺、けいれんなどが起こります。

くる病を予防するためにも適度な日光浴と餌の栄養バランスに気をつけるようにしましょう。

出典:爬虫類・両生類の健康管理|動物病院奈良
参照:https://nara-animal.jp/management/reptile_and_amphibious/

日射病

カナヘビには日光浴が必要ですが、夏の炎天下に長時間日光浴をさせると日射病を発症することがあります。

突然発症し、口を開けて呼吸をしたり、口や鼻から泡を出したりする様子が多く見られます。もし、日射病を発症したら速やかに体温を下げる必要があるため、水で濡らしたタオルで包んだり、冷たい水をかけたりしてください。

また、日射病を予防するために日光浴は午前中の涼しい時間に行うこと、風通しの良い場所で日陰を作って行うことを心がけましょう。

出典:とかげの飼い方|けい動物医療センター
参照:https://kei-animal.com/about/lizard.html

脱皮不全

脱皮不全は湿度不足などにより脱皮が上手くいかない場合に発症します。脱皮不全を起こすと上手く脱皮できなかった皮が原因で、その部分が壊死してしまい、衰弱する場合もあります。

脱皮が上手くいかない場合には、温浴させて皮をふやかし、やさしくこすり落としてあげると良いでしょう。それでも解決しない場合には動物病院を受診するようにしてください。

また、脱皮不全を防ぐためにもケージ内の湿度を適切に保つなど、しっかり飼育環境を整えることが大切です。

出典:爬虫類・両生類の健康管理|動物病院奈良
参照:https://nara-animal.jp/management/reptile_and_amphibious/

カナヘビのことを知って正しく飼育しよう

カナヘビの特徴や種類、飼育に必要なものや飼育方法などについて解説しました。カナヘビは比較的飼育が簡単な生物だと言われていますが、飼育するためにはそれなりの環境を整えてあげる必要があります。また、適切な飼育方法で飼育することが大切です。

ご紹介した内容を参考にカナヘビについて知り、正しく飼育しましょう。
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