ニホントカゲは何を食べる？餌の与え方や頻度などポイントを解説

「ニホントカゲって何を食べるの？」
「餌は市販のものでいいの？」
「餌を食べてくれなかったらどうしたらいいの？」
ニホントカゲの飼育を検討している方で、このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか。

この記事ではニホントカゲがどんな食性で、ペットとして飼育する場合どのような餌を与えればいいのかについてまとめています。
おすすめの商品も紹介しているので、餌選びに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

ニホントカゲを1度は見たことがあると思いますが、餌を食べているところを見たことがある方は少ないのではないでしょうか。

この記事を読むことでニホントカゲを捕まえた場合にどんな餌を与えて育てればいいのかを知ることができます。また拒食になった場合の対処法にも触れているので、すでにニホントカゲを飼育されている方もぜひご覧ください。

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アナグマに掘られた入口の穴埋めようと思ったら中から大きなミミズ捕まえたニホントカゲが出てきた。どんなサイズまで餌として認識しているのか。そういえばカナヘビ襲ってる時もあったな。 pic.twitter.com/9gC5ZYJ9vS

— ざざむし。の人 (@nekton27) July 25, 2022

ニホントカゲはその名の通り日本の主に西日本に生息する昼行性のトカゲの一種です。
体の横には白いラインが入っており、尻尾は鮮やかな青色をしています。

ご存じの方は多いかもしれませんが、ニホントカゲは敵から逃げるために尻尾を切り捨てる「自切」を行います。飼育下でもなるべく驚かせないようにしてあげましょう。

食性は肉食で、野生では昆虫やクモ、ミミズなどを捕まえて食べています。

ニホントカゲには主に餌用の昆虫を与えます。
生きた餌は動くのでニホントカゲが餌としてすぐに認識してくれるでしょう。
また肉食のトカゲ用の人工飼餌を与えることもできます。

しかし野生にいたニホントカゲがそれを餌として認識するには時間がかかる場合があります。
時間をかけて慣らす必要がありますが、慣れてくれれば餌やりが楽になります。
ここではニホントカゲに与えることができる餌をいくつか紹介します。

ゴキブリの一種で目が赤いことからこの名前がつけられたそうです。
日本のゴキブリは黒々として大きいですが、レッドローチは小さく3㎝ほどしかありません。

ゴキブリと聞くとかなり抵抗感がある方も多いでしょう。
レッドローチは餌として栄養価が高く、餌や水切れに強いので管理しやすいのがメリットです。
ニホントカゲにちょうどいいサイズなので手に入ればぜひ与えてみてください。

爬虫類の餌として、とても多く使用されている昆虫です。
ペットショップやホームセンターなどでも販売されているので手に入れやすいです。
栄養価が高く安価なので、主食に向いています。

レッドローチに比べると長持ちしにくいです。
初心者の方は一度に大量購入せず、面倒ですが必要な分を少しずつ買うのがいいでしょう。

かなり小さなサイズから羽の生えた大きなサイズまで幅広く販売されているので、ニホントカゲに合ったサイズのものを購入することができます。

ミルワームはゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫です。
値段も安く冷蔵保存できるので餌としてとても便利です。

小さいのでニホントカゲが食べやすいのですが、ミルワームは脂肪分が多くカルシウムが少ないので主食には向いていません。

もしも捕まえたニホントカゲが痩せているようであれば、脂肪分が多いミルワームをあげるのが効果的です。健康なニホントカゲの場合はおやつ程度であげるのがいいでしょう。

ニホントカゲ専用の人工餌は販売されていないので、ヒョウモントカゲモドキ用の餌を与えます。
人工餌には乾燥したペレットタイプとゲルタイプの2種類があります。

ペレットタイプは水でふやかして柔らかくしてから与えます。
手間がかかりますが、 保存できる期間が長いので便利です。

ゲルタイプはパックから必要な分を絞り出して使います。ふやかす手間が省けるので大変便利ですが、冷蔵庫で保管しなければならないので与えるときに常温に戻す必要があります。
また1度開封すると消費期限が短いことがデメリットです。

ここからはニホントカゲに適したおすすめの餌をいくつか紹介します。

野生にはコオロギやミミズなどニホントカゲが食べることのできる虫がいるので、わざわざ買わなくてもいいのではないかと感じてしまいますよね。

しかし野生の昆虫はどんなものを食べているかわからず、寄生虫を持っている可能性もあるので餌として与えるには心配な点が多すぎます。
ニホントカゲが必要とする量の虫を捕まえることは大変なので、市販の餌を買いましょう。

こちらはヨーロッパイエコオロギが30匹セットで販売されている商品です。
ヨーロッパイエコオロギはフタホシコオロギに比べて丈夫で長生きしやすく、30匹なので初心者の方でも扱いやすい量だと思います。

コオロギを購入したら、すぐに大きめの虫かごに移動させてください。
狭い空間に入れたままだと共食いをして死んでしまいます。

こちらの商品は、約30年前から餌用コオロギを生産し動物園や研究室へもコオロギを供給している月夜野ファームというメーカーが発売している乾燥コオロギです。

ぬるま湯などでふやかして与え、慣れてくればそのまま食べさせることもできます。
乾燥状態でも生きたコオロギに劣らない栄養価です。
コオロギの脚を取ってあるのでニホントカゲが食べやすいのもおすすめするポイントです。

1カップあたりに約100匹入っています。
こちらはMサイズですが、ニホントカゲの大きさに合わせてサイズを選んでください。
レッドローチは壁面を上らないので、虫かごに入れて管理するのが楽です。

また自宅で簡単に繁殖させることができます。
ゴキブリなので繁殖力は強く、自宅でニホントカゲの餌を増やすことができます。

ヒョウモントカゲモドキ用として販売されていますが、肉食のトカゲに必要な栄養が詰まった総合栄養食です。1粒でMサイズのコオロギ2.5匹分のカロリーを摂取することができます。

使用する際には霧吹きをかけて約3分ふやかすと、ちょうどいい柔らかさになります。
ふやかしすぎるとピンセットで持った時にすぐ崩れてしまうので注意してください。

半練りタイプのゲル状の餌です。
フタを開けてすぐに絞り出すことができるので餌やりがとても楽です。

与える量の調節がしやすくふやかす手間も必要ありません。
開封したあとは約1か月で使い切らないといけないので、ニホントカゲ1匹だと少し大変かもしれません。
多頭飼いや他に昆虫食の生き物がいる場合には便利です。

こちらはアメリカミズアブという昆虫の幼虫を乾燥させたものです。
アメリカミズアブはたんぱく質が豊富に含まれておりカルシウムも豊富なので、爬虫類の餌として理想的な昆虫です。

サクサクしているのでニホントカゲにも食べやすい食感です。
またコオロギの餌にもなるので、栄養豊富な生き餌を作ることもできます。

ニホントカゲの餌がわかったところで次は餌の与え方について説明します。
野生で捕まえてきたニホントカゲがどのくらい餌を食べるのか、想像つきませんよね。

まずはその個体が食べる量を把握するために、満腹になるまで餌を与えてみましょう。
なんとなく満腹になる量がわかればそれをもとに毎日の餌やりの量を考えます。

特に幼体の場合は、成長のためにたくさん餌を食べる必要があります。
成長段階によって変わる餌の量や頻度をここで学んでおきましょう。

まだ小さな幼体には1日数回に分けて少しずつ食べさせます。
1度に全て与えると、まだ未熟な胃では消化しきれない可能性があるからです。
例えばコオロギ2匹を1日3回に分けて、というやり方です。

また餌のサイズには注意しましょう。
食べにくそうであれば触覚や脚をカットしてあげてください。

成長した個体には週におよそ2～3回の頻度で食べきれる量を与えましょう。
幼体の時と変わらず毎日たくさん餌やりを続けていたら、ニホントカゲが肥満になってしまい短命に終わってしまう可能性があります。

同じ餌ばかり与えていたら飽きてしまうので、餌は何種類か与えてあげましょう。
また体型を観察しながら餌の量は調節してください。

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ニホントカゲも手の上でピンセットから餌を食べます pic.twitter.com/wDX54zu8O1

— ガワ (@gw08amphi) November 8, 2018

さまざまな餌があることをお伝えしましたが、それらをニホントカゲに与えるときに気をつけてほしいポイントがいくつかあります。

それはサプリメントの添加、餌の大きさ、人工餌の与え方です。
それぞれ詳しく紹介していきます。

栄養価の偏りを防ぐために、ビタミンやカルシウムなどをサプリメントで補いましょう。
サプリメントは餌にまぶして与えてください。
幼体の場合は毎日添加しましょう。

ビタミンとカルシウムはニホントカゲの成長に必須の成分です。ニホントカゲは紫外線を浴びて体内でビタミンD3を生成します。そのビタミンD3が丈夫な体を作るためのカルシウムの吸収を手助けするので、どちらも不足してはいけないのです。

生き餌、人工餌に限らずどの餌も大きさには注意してください。
幼体の場合は特に気を付けてあげる必要があります。

餌はニホントカゲの顔の半分程度の大きさのものを与えてください。
大きすぎる餌の場合、うまく飲み込めなかったりそれが原因で拒食になってしまうこともあります。

もし購入したコオロギが大きすぎたという場合には、コオロギにはかわいそうですが頭や脚をカットして与えるのがおすすめです。ドライフードは小さく割ってあげましょう。

人工餌を食べてもらいたくてもはじめのうちはなかなか食いついてくれないと思います。
野生では食べる機会のない餌なので当然です。

ニホントカゲは動くものに食いつく習性があるので、食べない場合は顔の前で人工餌を揺らしてみましょう。誤って噛まれるかもしれないので、指ではなくピンセットで与えてください。

それでも難しい場合はコオロギなどの生き餌にふやかした人工餌を塗って与えてみてください。段々と人工餌の味を覚えてもらいましょう。

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今日も仲良しレオ＆ドロシー
でも、レオくん拒食ぎみ?
コオロギにはすっかり飽きちゃったみたいで… ワラジムシなら食べる。
レッドローチでも注文してみようかなぁ#ニホントカゲ pic.twitter.com/GrLOa8MlUw

— ブニャ (@bunya58) July 16, 2020

ニホントカゲを飼育していて突然餌を食べなくなったという経験をされた方は多いようです。
もしもの時のために対処法を学んでおきましょう。

よく太った成体の場合はしばらく食べなくてもあまり問題はありませんが、痩せている個体や幼体の場合は危険です。いくつかの対処法を紹介します。

ニホントカゲが急に餌を食べなくなった場合、まずはケージ内の温度を確認してみましょう。
健康に飼育するためにはケージ内を年間を通して約25～28℃に保つ必要があります。

もし適温を下回っているのであれば、寒くて食欲が落ちているのかもしれません。
ホットスポットやパネルヒーターなどを設置して温めてあげましょう。
またケージ内には常に温度が確認できるよう温度計を設置しておいてください。

特に飼い始めて間もない時期は拒食になりやすいです。
ニホントカゲを触ったり手に乗せたりしていませんか。

可愛いニホントカゲとたくさん触れ合いたいという気持ちはわかりますが、過度のスキンシップはストレスとなってしまいます。飼い始めのうちはなるべくそっとしてあげてください。

またケージが常に人の目に晒される場所にある場合は、静かな場所に移動させるのもいいでしょう。
環境に慣れれば徐々に餌を食べ始めます。

特に飼い始めてから時間が経っている個体の場合は、いつもあげている餌に飽きてしまう場合があります。
餌を他のものに変えてみましょう。

単純に餌が好みの味でなかったり飽きてしまった場合には、餌を変えることですぐに食べてくれることが多いです。

紹介したこれらの方法を試しても餌を食べてくれない場合は、迷わず病院を受診してください。
またその時には体調に変化がないかも確認してください。

例えばフンの状態です。下痢をしていないか観察してください。他にも体が変形している、お腹が膨れているなどの状態が見られたらすぐに病院へ行きましょう。

犬猫とは違って、爬虫類を診てくれる病院は残念ながら少ないです。
ニホントカゲを飼い始めたら近くに病院があるか早めにチェックしておいてください。

ニホントカゲを飼育するためには、野生で捕まえる必要があります。
本当はケージの中ではなく野生で過ごすのがニホントカゲにとっては一番でしょう。

しかしそれでもニホントカゲをペットとして迎えたいという強い気持ちがあるのであれば、暖かい環境と適切な餌を用意し最後まで愛情を持ってお世話してあげましょう。