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ヤモリの寿命はどれくらい?長生きさせるポイントや冬眠を防ぐ方法を解説

「ヤモリに興味はあるけれどペットとして飼うのは難しそう。」
「ヤモリってそもそも懐くの?」
こういったイメージを持っておられる方は多いのではないでしょうか。

この記事ではヤモリの特徴や性格などの他、飼育に必要な準備物や飼育方法などを詳しく紹介しています。おすすめのアイテムや、特にかかりやすい病気に関する情報もあるので、知識が全くない方でも飼育に関する具体的なノウハウを知ることが出来るようになっています。

記事を最後まで読み終える頃にはヤモリに対するイメージが変わり、意外な魅力に興味が更に高まる事でしょう。

ヤモリを飼ってみたいけれど敷居が高いと感じている方、犬や猫以外のペットを検討している方は是非一読してみてください。

ヤモリの種類ごとの特徴と寿命

あまり知られていませんが、ヤモリはとても種類が豊富な生き物です。種類によって体の大きさや特徴が異なるのは勿論、同種でも様々な色合いの個体が存在するのも人気の理由の1つと言えます。ここではそんな魅力に富んだヤモリの種類や特徴を紹介していきます。

ニホンヤモリ

私達が想像するヤモリのほとんどがこのニホンヤモリなのではないでしょうか。自然豊かな地域では実際に目にした事のある方も多いでしょう。ニホンヤモリは民家の近くに生息している事が多いので私達にとっては一番身近なヤモリと言えます。

名前こそニホンヤモリですが、実は外国から日本に来て定住したとされています。体長は10〜14cmで寿命は10年程です。

ニホンヤモリは日本の気候に適応しているため、比較的飼育が容易とされており、捕獲して飼育する事も可能です。

ガーゴイルゲッコー

ガーゴイルゲッコーはその名の通り、魔獣ガーゴイルの見た目に似ている事からそう呼ばれています。頭の後ろにツノのような突起物がある事もその由来の一つです。

見た目に反して性格は温厚で、寿命は10年程です。大きさは17〜22cmと他の種類のヤモリと比べると少し体長が大きめで、触り応えがある種類と言えます。

ガーゴイルゲッコーは元々の体色も様々ですが、周りの環境に合わせて体色変化をする特性を持っているため、色の変化を楽しめるのも魅力の一つでしょう。

トッケイヤモリ

ユニークな表情と毒々しい色合いとのギャップで、人気の高いトッケイヤモリは東南アジア地域に多く生息しているヤモリの一種です。鳴き声が「トッケイ」と聞こえる事からトッケイヤモリと名付けられました。

トッケイヤモリの体長は30〜35cmで、寿命は5、6年が平均とされています。独特なカラーバリエーションで人気があります。

トッケイヤモリは気性が荒めで気難しい性格なので、扱いには注意が必要になります。また縄張り意識が強いため単独での飼育が勧められています。

ジャイアントゲッコー

ジャイアントゲッコーはニューカレドニアの固有種で大変貴重な種類のヤモリです。名前の通り体が大きく、プニプニとした独特の手触りをしています。体長は35cm〜最大で42cmにもなるとされており大型種と言えるでしょう。

寿命はなんと30年で、最長では35年とも言われています。最後まで責任を持って飼育できる環境が必要不可欠です。

世界最大とも言われるジャイアントゲッコーですが、ゆったりした動作と相まって性格は結構気まぐれであるとされています。

クレステッドゲッコー

和名ではオウカンミカドヤモリと呼ばれており、頭の上の王冠のようなギザギザの突起物と目の周りのまつ毛のような突起物が特徴的なヤモリです。

ニューカレドニアの固有種ですが、日本では繁殖個体しか流通していない事もあり、非常に人に慣れやすく、飼育しやすい事で知られています。手に乗せて触れ合う所謂ハンドリングにも抵抗なく応じてくれる、極めて穏やかな性格と言えるでしょう。

体長は20cmで、寿命は15〜20年程と言われています。「クレス」の名で親しまれ、非常に人気のある種類です。

ヒョウモントカゲモドキ

ヒョウモントカゲモドキは主に南アジアの砂漠地帯に生息しているヤモリで、豹のような紋を持つ事からこの名が付けられました。体長は20〜25cmで、寿命は15〜20年程と言われています。

壁に登れない事や、本来ならヤモリが持たないまぶたを持つなどからトカゲモドキと呼ばれていますが、そのまばたきの愛らしい様子に心を奪われる人も少なくありません。

また、見た目の愛らしさだけでなく人への慣れやすさ、初心者でも飼育が簡単である事からペットとして飼う人が増えています。

ニシアフリカトカゲモドキ

ニシアフリカトカゲモドキは別名ファットテールとも呼ばれ、太い尻尾が印象的なヤモリです。厳しい環境下で生息している為、尾に栄養を蓄える性質があります。

一見ヒョウモントカゲモドキに似ていますが、よく見ると手足が短く、黒目がちな可愛い瞳を持っています。

ニシアフリカトカゲモドキの体長は20〜25cmで、寿命は10年程とされています。繊細で臆病という気質を持っている為、爬虫類飼育に慣れていないと扱いが難しい種類とされています。

ソメワケササクレヤモリ

マダガスカル島の固有種であるソメワケササクレヤモリは、体長15cmと比較的小さめのヤモリです。その寿命は10〜15年程と言われています。

ソメワケササクレヤモリ魅力はなんと言ってもその丈夫さです。ヤモリの中でも特に丈夫な身体を持っており、非常に飼育しやすいという事で一躍人気者となりました。

手頃な価格で入手出来る事もさながら、人馴れするとハンドリングも出来るようになる事から飼育初心者に非常に適したヤモリだと言えるでしょう。

ヒルヤモリ

夜行性の性質を持つヤモリの中で、唯一昼行性である事からヒルヤモリと呼ばれています。色鮮やかなグリーンの身体が特徴的で、とても美しいヤモリです。

ヒルヤモリは同種の中でも更に小型種と大型種に分類され、小型種の体長は13〜15cm、大型種は35cmにも達する大きさに育ちます。

寿命は小型種で5〜10年、大型種で15年程生きるとされます。動きが素早く、警戒心も強めなので主に観賞用として飼育されている事が多いです。

ヤモリを長生きさせるためのポイント

ここではヤモリに長生きしてもらうために、具体的にどのような事に気をつければ良いのかをまとめました。ヤモリの特性をしっかり理解して、少しでも快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
  • 生息地の温度や湿度を維持する
  • 大きなケージで飼育する
  • 与える餌の量に気を付ける
  • 冬眠させない

生息地の温度や湿度を維持する

ヤモリの種類によって適正な温度や湿度が全く異なるので、飼育する際にはそのヤモリの生息地により近い環境に近づける事を心掛けましょう。温度は最低でも20度以上ある事が望ましいです。

乾燥地帯に生息しているヤモリでも、石の下や木の下など湿気の多い場所を好むので湿度管理も重要な飼育ポイントの1つです。また、湿度が低いと脱皮不全が起こりやすくなりますが、湿度を高めておく事で予防する事が出来ます。

快適な温度と湿度を保ち、ヤモリがストレスなく過ごせるようにしましょう。

大きなケージで飼育する

ヤモリを飼育する際にはなるべく大きなケージを選ぶようにして下さい。動ける場所が少ないと運動量が減り、その結果肥満に繋がる恐れがあります。また、同じ姿勢で動かずにいると尻尾が曲がってしまう事もあると言います。

広いケージの中に植物や流木などを入れておけば、登ったり潜ったりして遊べるだけでなく、より野生に近い環境で飼育する事が出来るでしょう。

樹上性のヤモリならば広さだけでなく、登れるように高さにも余裕のあるものを選ぶ事をおすすめします。

与える餌の量に気を付ける

ヤモリの幼体と成体では餌の量が異なってくる事にも注意が必要です。幼体の場合は体の成長に必要な栄養を十分に摂取しなければならないので、餌は2日に1回欲しがる分だけ与えます。

成体の場合は3〜4日に1回です。この時に幼体と同様欲しがる分だけ与えてしまうと肥満に繋がるので決まった量だけ与えて適正体重を保てるようにしましょう。

ヤモリの幼体に与える餌は固いものではなく、なるべく柔らかくて小さめのものを選ぶ事も大切です。

冬眠させない

ヤモリは気温が下がると冬眠状態になってしまいますが、冬眠状態になると体の機能が著しく低下し、様々な命の危険を伴います。

気温があまりに低いと凍死のリスクがあり、気温が完全に下がり切らないと空腹により餓死してしまったり、体内に食べ物や排泄物が溜まったままだと腐敗して命を落としてしまったりします。

このようなリスクを背負わないためにも冬の間はヒーターなどでしっかり暖かい環境を保ち、ヤモリが安全に冬を越せるようにしてあげましょう。

ヤモリの飼育に必要なアイテムと選び方

ヤモリの飼育に必要なアイテムとは一体どんなものがあるのでしょうか。ここではヤモリの飼育が初めての方にも分かりやすく、飼育前に揃えるべきアイテムや、ヤモリの特性による選び方などを紹介します。
  • ケージと蓋
  • 床材
  • シェルター
  • 水入れ
  • ヒーター
  • 霧吹き

ケージと蓋

ヤモリの飼育でまず必要になってくるのが飼育用のケージです。ある程度の広さがあり、脱走防止のために蓋のついたものを選ぶと安心です。

蓋が前開きの扉式になっているケージも販売されています。上から人の手が入ってくる事を怖がる臆病な種類には、こちらの方が恐怖心を与えずに餌やりや掃除を行えるでしょう。

樹上生活をしている種類には高さも重視したケージにするなど、飼育したいヤモリの特性に合わせて選ぶのがおすすめです。

床材

床材は湿度を保つ効果がある他、ヤモリの足にも優しいといった利点があります。また、飼育環境をより自然に近い状態にする事でストレスを軽減する効果も期待できるので、是非揃えたい素材です。

中には消臭効果があるものや、排泄物の分解力に優れた床材も売られています。掃除を手早く済ませたい人や、人馴れしていない臆病なヤモリを飼育している人は、こういったタイプを選ぶと良いでしょう。

シェルター

シェルターはヤモリにとっての隠れ家的な物で、落ち着いてくつろぐための大切な居場所です。狭くて暗い場所を好むヤモリの飼育には必須アイテムと言えます。

シェルターは安心して過ごせる場所なだけではなく、体が擦れる事で脱皮のきっかけを作る事が出来るという重要な役割も担っています。また、ウェットシェルターを使う事で湿度が上がり、脱皮がしやすくなるというメリットもあるのです。

シェルターは安価で売られている事が多いので、是非選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

水入れ

湿度の高い飼育環境といえども、必要な量をいつでも飲める場所は大切です。是非ヤモリにも水飲み場を用意してあげましょう。

食べ物が昆虫なので水分は昆虫から摂取しているとも言われていますが、ヤモリの食事は毎日でない事がほとんどです。水入れを置いておけばより快適に過ごせる事でしょう。

先程紹介したウェットシェルターの中でも水入れと兼用の優れものがあります。水入れだけで場所を取りたくない方にはシェルターと兼用になった物がおすすめです。

ヒーター

寒さの苦手なヤモリには、ヒーターを使ってケージ内を常に暖かく保つ事がとても重要です。

そこで爬虫類飼育でよく使われているパネルヒーターの出番です。手軽に使えるところが魅力ですが、選ぶポイントとしては手動で温度を設定出来るタイプのものが良いでしょう。気温によって設定温度を変えれば、一定の温度を保つ事が容易になります。

サイズはケージの半分以下から三分の一くらいのものを選びましょう。体調によって涼める場所も残しておく事がポイントです。

霧吹き

霧吹きはケージ内の湿度を保つために必要であると共に、給水の面でも非常に役立つものなので必ず揃えておきたいアイテムです。

個体差はあるものの、ヤモリによっては水入れから直接水を飲むよりも、植物などの水滴や濡れた壁面などを舐めて水を飲む事を好む場合もあります。ヤモリが好きな場所で水を飲めるように霧吹きを活用していくといいでしょう。

脱皮不全を防ぐ為にも一日一回は霧吹きでケージ内部の湿度を高めるようにしましょう。

ヤモリに与える餌

ヤモリの飼育環境を整えた後は餌の準備に取り掛かりましょう。ヤモリの餌は大まかに分けて2つ、生餌と人口飼料があります。

それぞれの餌にはメリットとデメリットがあるので、2つの餌の特徴や違いをよく知った上で使い分けていくと便利です。

生餌

ヤモリの生餌として一般的なのはコオロギです。ペットショップなどで入手しやすい事もあり、一番手頃な餌として活用されています。

コオロギと同様にミルワームも入手しやすいのですが、脂肪分が多く栄養価が少ないので主食としては不向きです。

昆虫が苦手な人にとっては虫を触らなければならない事がネックになってくると思いますが、人工飼料を食べてくれない個体もいるので避けては通れない道と言えます。

人工飼料

生餌がどうしても苦手という方には人工飼料という選択肢もあります。ヤモリの種類によっては専用の人工飼料が売られている事もあります。

しかしながら人工飼料を食べてくれるようになるまでは、まず人の手(ピンセット)から食べられるように慣らさなければならず、切替えまでに少々根気が必要です。

人工飼料の利点は使い勝手の良さやコストパフォーマンスといった点が挙げられますが、飽きて食べなくなる可能性もあるので生き餌が苦手な方は冷凍コオロギなどで代用しましょう。

ヤモリがかかりやすい病気の原因と対処法

ヤモリの飼育に当たって特に注意しなければならない病気とはどのようなものがあるでしょうか。ヤモリがかかりやすい病気をあらかじめ知っておけば予防と対策に役立ちます。

異変があればすぐに気付けるようにしておく事も大切です。1日でも健康で長生きしてもらうために、ヤモリがかかりやすい病気について知識を増やしておきましょう。

脱皮不全

ヤモリは定期的に脱皮をする生き物です。通常ならば古い皮が全て剥がれる事で脱皮が完了するのですが、何らかの原因で完全に全ての皮が取り去れない状態の事を脱皮不全と言います。

脱皮不全が起こりやすくなる一番の要因が湿度不足とされており、この状態になってしまうと脱皮しきれなかった部分が最悪壊死してしまう事もあるので注意が必要です。

空気中の湿度が下がりやすい冬は特に加湿に留意しましょう。ケージ内だけを加湿するのではなく室内全体の湿度を上げる事で、ケージ内の湿度も下がりにくくなります。

くる病

くる病は体内のカルシウムやビタミンDなどが不足する事によって引き起こされ、骨が作り出せずにどんどん脆くなってしまう非常に深刻な病気です。

カルシウム不足は餌にカルシウム剤をまぶす事で対処できますが、カルシウムを骨にするために必要なビタミンDは紫外線を浴びる事で体内に作り出されます。日光浴をさせる事で予防する事が出来るので、定期的な日光浴を心掛けましょう。

夜行性のヤモリにはビタミンDを補えるサプリメントなどを用いて予防すると良いでしょう。

出典:クル病とは?| ぶっくんブログ
参照:https://bookunblog.com/archives/936

正しい飼育方法でヤモリに長生きしてもらおう!

ヤモリは昔から私達にとって身近な生き物ですが、種類の豊富さや見た目のユニークさで近年ではペットとしても再注目されています。

騒音などの心配も少なくマンションでも飼育出来る事や、手間がかからないので一人暮らしの人にもおすすめのペットと言えるでしょう。初心者にも飼育しやすい種類が多い事も魅力です。

犬や猫を飼いたくても飼えないという方は、ヤモリを新たな家族候補に入れてみてはいかがでしょうか。
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