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野生のレオパの生息地はどこ?適切な環境条件や飼育時の注意点も紹介

野生のレオパの生息地についてご存じですか?レオパは見た目のかわいらしさや、爬虫類の中でも飼育が容易であることから、ペットとしての人気が高い爬虫類です。

その一方で、ペットショップなどに流通しているレオパのほとんどは、人の手で飼育されることを目的とした上で品種改良もされています。そのため、野生本来のレオパの正しい生態や、どのような地域に生息していたのかを正確に答えられる人は限られてしまうでしょう。

本記事では、そんな野生のレオパの生息地はどこなのか詳しく紹介していきます。記事の中で、適切な環境条件や飼育時の注意点もあわせて紹介しているので、レオパを飼育する上での必要な知識をおさらいできます。

これからレオパの飼育を始める人や、今まさにレオパを飼育している人なども記事の内容をチェックしてみましょう。

野生のレオパの生息環境

レオパはレオパードゲッコーの略称で、爬虫綱有鱗目トカゲモドキ科に分類されているヤモリの種類です。日本では「ヒョウ柄の模様をもつトカゲのような生き物」をしていることから、ヒョウモントカゲモドキとも呼ばれています。

今では交配や品種改良された種類が数多く存在しています。ペットショップなどで販売されているレオパのほとんどはこれらの種類にあたるため、日本では野生本来の姿をしたレオパにお目にかかれる機会はほとんどありません。

そうなると、本来野生のレオパはどのようなものなのか気になるところです。それではさっそく、野生のレオパについてチェックしてみましょう。

生息地

野生のレオパはアフガニスタンやインド、パキスタンの一部地域に生息しており、これらの地域には、共通して砂漠や荒地のような乾燥地帯や乾燥林などがあります。

レオパはこのような地域の岩場の割れ目や隙間、他の生物が掘った巣穴などに隠れて生息しています。

また、野生のレオパが生息している地域は一年を通して気温が高くなりやすい傾向があり、最高気温は20度後半から30度を上回る日が続きます。また、気温が低い日でも18度程度までしか下がりません。

これらのことから、野生のレオパは比較的高温で乾燥した地域に生息していることがわかるでしょう。

野生下でのエサ

先述したように、野生のレオパは過酷な環境下に生息しているため、普段食べているエサも同様の環境に生息している生物を食べて生活しています。

例えば、イナゴのような小さい昆虫類をはじめ、クモやサソリであっても小型で飲み込めるサイズであればなんでも食べてしまいます。過酷な環境下だからこそ、生き抜くためには選り好みをする余裕がありません。

なんでも食べてしまうレオパの雑食性は、このような過酷な環境でも順応できるようにするためでしょう。

人間の手で飼育されている個体の場合、野生のように過酷な環境になることはありません。そのため、個体によってはエサの好き嫌いが出てくることがあるので注意しましょう。

野生下での天敵

レオパは小型の爬虫類であるため、野生下ではときどき天敵に狙われてしまうことがあります。

レオパよりも体が大きいトカゲや、ジャッカルのような肉食動物などが代表的な天敵としてあげられます。それ以外にも、ヘビや鳥類などからも捕食対象とされてしまいます。

もしそのような天敵に捕まり身の危険を感じた場合は、他のトカゲやヤモリ同様に尻尾を自切します。捕食者がその尻尾に気を取られている間に、レオパは逃げてしまいます。捕食対象になりやすい生き物だからこそ、尻尾の自切は一種の防衛手段といえるでしょう。

飼育下でも、極度のストレスを与えると尻尾を自切りすることがあるので気をつけましょう。

寿命

飼育しているレオパの平均的な寿命は10〜15年程度で、野生のレオパとなると寿命は25年以上になります。

これは、野生と飼育の食事や環境の変化が影響していると考えられています。野生のレオパが生息している環境こそが、レオパにとって快適な環境です。これを飼育下で再現することは難しいため、どうしても飼育時の寿命は短くなってしまいます。

逆にいえば、飼育方法を徹底することでレオパは15年以上長生きする種類ともいえます。一部では、飼育されていたレオパでも30年近く生きた個体もいるといわれています。

レオパを少しでも長生きさせたい場合は、飼育環境やエサの与え方を工夫してみるのも良いでしょう。

レオパの「CB」「WC」とは何?



レオパに限らず、ペットショップや即売会で爬虫類を販売されている個体の値札に「CB」や「WC」のような表記が記載されていることがありますが、これらは、レオパが育ってきた環境下の違いを示すものです。

「CB」の場合であれば、人工的に繁殖された個体を指しています。飼育下の環境に順応している個体がほとんどのため、飼育時に予想外のトラブルに見舞われる機会もほとんどありません。このことから、「CB」は初心者向きの個体といえるでしょう。

「WC」の場合は、もともと野生で生息していた個体を指します。現在ではCB個体が多く流通していることから、WC個体を見かける機会はほとんどありません。飼育環境に慣れさせるのにも時間がかかるため、上級者向きの個体といえるでしょう。

レオパの特徴



レオパはトカゲモドキ科に属しているヤモリの一種です。トカゲモドキ科には他にもたくさんの種類が現存しているため、何も知らない場合は区別をつけるのが難しいでしょう。

また、トカゲモドキの名の通り、トカゲにも似ている点もあることから、何も知らない場合はこれらの種類も混同してしまいがちです。

そこで、ここではレオパが持つ特徴について紹介していきます。これらを理解しておくことで、レオパ本来の適切な飼育環境を用意することも簡単になります。

レオパにはどのような特徴があるのか、早速チェックしてみましょう。

生態

レオパは夜行性で、昼間はいわばや倒木などのちょっとした隙間に隠れて生息しています。レオパにとって環境が適切であれば、水道管の隙間や石壁の柱のような隙間に隠れることもあります。

夜になると活動を始めて、エサとなる生き物を探し始めます。雑食性のため、飲み込める大きさのものであればなんでも食べてしまうのも特徴です。

野生の場合だと昆虫や小動物、自分よりも小さいとかげやクモなども食べてしまいます。飼育する際はコオロギやビュビア、ミルワームなどの生き餌を与えるのが一般的です。

実際にレオパを飼育する際は、本来の生態に近い環境を用意する必要があります。これらの内容は覚えておくと良いでしょう。

大きさ

多少の個体差はありますが、レオパは18〜25cmまで成長します。体重だと55〜80gまで増えることもあり、これは同じトカゲモドキ科に属するヤモリと比べても大きな部類にあたります。

実際にレオパを飼育する際は、このサイズを目安に飼育ケージを選択しましょう。生態時に25cmまで大きくなる可能性を考慮した場合、最低でも30cm適度の大きさがあるケージを選ぶ必要があります。

余裕がある場合は、全長の倍近く余裕があるケージをチョイスするのがおすすめです。大きめのケージを使うことにより、自然環境に近いレイアウトも作りやすくなるでしょう。

体の特徴

野生のレオパには全身に斑点模様があり、それがネコ科の動物でもあるヒョウの柄にも見えることから「ヒョウモントカゲモドキ」とも呼ばれています。

人工飼育された個体や、交配を繰り返して生まれたレオパの場合だと体の特徴が異なる場合があります。これらは本来のレオパが持つ特徴をベースにした個体から始まり、中には全身が真っ白な個体も存在するのがレオパの特徴です。

また、全身には細かくぶつぶつとした細かい鱗が並んでおり、この鱗は、湿度の変化や外傷から身を守ってくれる重要な役割を果たしています。

脱皮時期になると、この鱗が白っぽくなります。日々観察したうえで、脱皮の周期を把握しておくのも良いでしょう。

オスとメスの見分け方

レオパのオスとメスを見分けるにはいくつかの方法があります。

先述したように、レオパの体の成長具合は性別によっても変化するため、単純に大きい個体はオス、小さい個体がメスである可能性は非常に高くなります。しかし、多少の個体差がある以上、これがすべて正しいとはいえません。

ここで重要になるのが、体の裏側部分です。オスであれば、後ろ足の付け根付近に前膀孔と呼ばれる鱗がアーチ状に並んでいます。また、尻尾の付け根部分には2つの膨らみもあるのが特徴です。

これがメスになると先述したアーチ状の鱗や尻尾付近の膨らみが見受けられません。

性別を確認したい場合は、これらのポイントを注視してみましょう。

日本に野生のレオパはいるのか?



先述したように、レオパは海外で生まれたヤモリの種類にあたります。ここで気になるのが、本当に野生のレオパは日本に生息していないのかということでしょう。

日本にも数多くのトカゲやヤモリが現存しています。そのため、野生のレオパが日本にいても疑問に思う人は少ないでしょう。

また、今まで日本に生息していなかった生物が、さまざまな進入経路を得て日本に定着した例はいくつもあります。これらの例を考えてみると、レオパも同様に日本に定着した個体がいても不思議ではありません。

そこで、ここからは日本には本当に野生のレオパが現存していないのか、さまざまな観点からチェックしてみましょう。

野生のレオパは日本に定着していない

まず結論から述べると、日本には野生のレオパは日本に定着していません。

レオパは外来生物法で要注意外来生物に指定されています。そのため、日本で飼育するには正しい取り扱いをしなければなりません。

もしレオパを野生に放ってしまった場合、もともと個体が持っていた病気や寄生虫が在来種に蔓延してしまう可能性があります。もしそうなってしまうと、生態系を大きく狂わせてしまう事態に陥るでしょう。

そのため、レオパを飼育するためには脱走してしまわないよう、室内でしっかりと管理する必要があります。このことから、日本で野生のレオパは定着することはないと考えて良いでしょう。

出典・参照: 要注意外来生物に係る情報及び注意事項|環境省

トカゲモドキの固有種は存在している

野生のレオパは日本に生息していないことは先述しました。

その一方で、沖縄や奄美大島のような1年を通して温暖な地域であれば、レオパと同じトカゲモドキ科の生息が報告されています。例として、クロイワトカゲモドキと呼ばれるヤモリがあげられます。

クロイワトカゲモドキは、全身黒や暗褐色をしているのが特徴で、その見た目は小さな恐竜のような印象をしています。

クロイワトカゲモドキは、環境開発や違法採集、外来種による影響で生息数が減少してしまいました。その結果、現在では天然記念物や国内希少野生動植物種のような法律で保護されています。

出典・参照: クロイワトカゲモドキ|久米島町

出典・参照:クロイワトカゲモドキ|沖縄県

レオパを飼育するときの注意点



実際にレオパを飼育するには、野生で生息していた環境に近づける必要があります。いくらレオパは飼育が簡単な種類とはいえ、これらを怠ってしまうとレオパの寿命を短くしてしまう可能性も考えられるでしょう。

しっかりとした環境下で飼育すれば、野生のレオパのような長生きさせることも可能な種類です。ペットとしてレオパを迎え入れる以上、ただ単純に可愛がるのも良いことですが、それ以上に最後まで責任を持って育てましょう。

レオパの命を預かる以上、飼育する上での注意点は避けては通れないポイントです。それぞれが必要になる理由をしっかり理解した上で、飼育しているレオパのことをしっかり可愛がってあげましょう。

温度や湿度の管理に注意する

先述したように、レオパはもともと温暖な地域に生息していたため、冬の厳しい寒さを乗り越えられない可能性があります。

そのため、飼育環境の温度や湿度管理に注意しなければなりません。目安として、気温は25〜30度、湿度は40〜60%を常に維持できるのが理想的です。

レオパを飼育する場合は、室内のエアコンをつけておくことで飼育環境を安定した温度にできます。これ以外にも、パネルヒーターを設置して飼育環境の気温を下がらないようにするのも良いでしょう。

あとは、ケージ内に温湿度計を設置することで、著しい環境の変化を未然に防ぐことも可能です。

レオパが快適に過ごせるよう、これらのことは気をつけておきましょう。

単独飼育をする

レオパを飼育する場合は、単独飼育がおすすめです。複数の飼育も可能ですが、個体に余計なストレスを与えてしまう可能性もあるでしょう。

例えば、むやみに複数飼いをすることで、レオパ同士の喧嘩が起こることがあります。その喧嘩が原因で、片方が死んでしまうようなことも起こり得ます。たとえ死ぬことがなかったとしても、極度のストレスで尻尾を自切りしてしまう可能性も考えられるでしょう。

これ以外にも、複数飼いをしているレオパのうちの1匹が何らかの病気にかかってしまったとき、同じケージ内に飼育しているレオパにも感染してしまう可能性もあります。

これが原因で全滅してしまうこともあるので、はじめのうちは単独飼育をするようにしましょう。

シェルターを設置する

レオパは、野生下ではもともと夜行性でちょっとした物陰に隠れて生息しています。そのため、その野生本来の環境のように隠れられる場所を用意する必要があるでしょう。

飼育環境内にシェルターを用意することで、レオパも安心して身を隠すことができます。また、岩場や段差を登ることも好きな傾向があるので、レオパが適度に遊べる環境にもなるでしょう。

また、先述したようにレオパの飼育には湿度管理も重要なポイントです。シェルターの中には、上部に水を入れて飼育環境内の湿度を保ってくれるものもあります。湿度を保つことで脱皮不全になりにくくする効果も期待できます。

これらをもとに、用途に合わせてシェルターも用意してあげましょう。

レオパの野生下での生息環境について知って適切に飼育しよう

レオパは、もともと温暖な地域に生息していた生き物です。そのため、日本の環境で飼育するには、野生本来の環境に近づける必要があります。

レオパの野生化での生息環境を知っておくことで、レオパも長生きしてくれるようになります。生き物の命を預かる責務がある以上、しっかりとした環境で末長く愛してあげましょう。
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