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カナヘビの卵の特徴とはどんなもの?飼育環境や取り扱い方について紹介

「カナヘビの卵はどんな形や色をしているの?」
「卵から孵すことはできる?」
「カナヘビは卵をどれくらい産むの?」
カナヘビという名前なので、ヘビを連想する方が多いかも知れませんが、トカゲの一種です。

暖かい日の日中、アスファルトの上や岩の上でよく日向ぼっこをしている様子を見ることができます。子どもの頃に庭や公園で見かけて、捕まえた方もいるのではないでしょうか。

本記事では、カナヘビを卵の様子や孵す方法、注意点を詳しく紹介します。カナヘビの卵を見つけたという方や、飼っているカナヘビが卵を産んだけど育て方が分からないという方は、参考にしてください。

またカナヘビはペットとしても、とても人気が高い生き物です。これから初めて飼育するという人にも役立つ情報が満載ですので、ぜひご一読ください。

カナヘビと卵の特徴

カナヘビは世界に数多くの種類がいます。でも私たちがよく見るほとんどのカナヘビは、ニホンカナヘビです。北海道から九州まで日本に広く分布しており、見た目が可愛らしいので、子どもから大人まで、多くの生き物好きに人気です。

漢字では金蛇(カナヘビ)と書き、諸説ありますが金色のヘビのように見えることからカナヘビと呼ばれるようになったと言われています。確かに頭から尻尾まで細長いので、ヘビに見えなくもありません。

ここからは、カナヘビとその卵について詳しく説明していきます。

カナヘビについて

カナヘビは、世界にたくさんの種類が生息しています。日本でも、6種類ほどのカナヘビを見ることができますが、生息地は北海道や沖縄など様々です。

日本各地で見られるニホンカナヘビは、全長18cm〜25cm程度の大きさで、公園や民家、学校などで見ることができます。昼行性で、日中体を温めるためにじっとしているところをよく見かけますが、警戒心が強く逃げ足も早いです。長い尻尾には骨がないので、敵から逃げる際は自切して命を守り、時間が経つと再生します。

餌は昆虫やクモなどの肉食性で、飼育下では人口餌で育てることも可能です。

カナヘビの卵の特徴について

一部のカナヘビを除いて、ニホンカナヘビなどの多くは卵生で、卵を産みます。野生の場合は、暖かくなってくる春過ぎから夏の終わりにかけて産卵し、一度に2〜7個程度の卵を産むと言われています。

カナヘビの卵の大きさは1cm弱で小さい白色です。孵化までの期間はだいたい30日〜40日くらいかかり、温度によっても孵化までの日数が変わります。温度が高めの場合は期間が短くなり、低い温度の時は長くなるようです。

カナヘビが卵を産む場所

野生のカナヘビは、日陰で湿った柔らかい土の上や苔などに卵を産みます。また、ひと気のない場所を選んで産卵しています。人の出入りが少ない湿地帯や、畑の隅っこなどで見つかることが多いようです。

卵は温度が高めで湿度が十分な場所でないと孵化しません。また直接水がかからない場所という情報もあるようですが、実際は浸水しなければ雨水が多少当たるような場所にも産卵しています。

カナヘビの卵を孵化させるために



今飼っているカナヘビが産卵したり、野生のカナヘビの卵を見つけたりした時、実際にどう世話をすれば卵が孵るのでしょうか。

ここからはカナヘビの卵を孵化させるための条件やポイントを紹介します。成長するために必要なことや、NG行動についても説明しますので、カナヘビにとって良い環境を整えてあげてください。これを読んで、実際に孵化にチャレンジしてみましょう。

孵化に適した飼育環境

カナヘビの卵が孵化するには、温度と湿度を適正に保たなければなりません。温度は25度〜30度前後と言われています。温度が高いと孵化までの日数は短くなります。ただし、直射日光は暑くなりすぎるので、当たらないようにしましょう。

湿度ですが、カナヘビの卵にとって水分は必要不可欠です。床材は水分を多く含むことができる土や苔をお勧めします。霧吹きなどで土や苔を湿らせ、大量でなければ卵に直接水がかかってしまっても問題なく孵化するようです。卵は水分を吸って大きくなりますので、乾かないようにすることがポイントです。

卵の取扱い方

カナヘビの卵を見つけたり、メスが産んだりした後は卵を移動させる際に、ひっくり返さないように注意しましょう。上下を変えてしまうと、孵化しなくなってしまうことがあります。

カナヘビのメスは、卵を産んだらそのまま世話をすることなく放置していきます。鳥などのように卵を何度も返す転卵は行いません。卵の中で赤ちゃんカナヘビが育っている場合、卵の上下を入れ替えてしまうと窒息死する原因となってしまいます。

卵の上下が多少ずれても孵った事例はあるようですが、返さない方が無難です。卵を見つけたら、まず上部にペンなどで印をつけると、上下の見分けがつくので、その後も心配なく世話を続けることができます。

卵の成長には水分が重要

カナヘビの卵が孵化するためには水分管理が重要です。前述した通り、野生のカナヘビも湿度の高い場所を選んで産卵しています。卵は水分を吸収して大きくなっていきます。

直接卵にたくさんの水をかけるのではなく、床に敷いている土や苔、ケージ内の周りの部分などを霧吹きで十分湿らせます。床が乾かないよう、常にチェックしましょう。

卵が大きくなってくると、表面が薄く透明になってきます。こうなると、より乾燥には注意が必要です。霧吹きで湿らせて加湿を行ってください。

孵化の前兆

カナヘビの卵は上下を入れ替えず、温度と湿度管理をしっかり行っていれば、高い確率で孵化します。卵の大きさが、産卵直後に比べて2倍くらいになったら、そろそろ孵化が始まります。

孵化する前兆として、まずは卵の表面に水滴が付くようになります。しばらくすると、卵にヒビが入り、更にヒビから中の水分が表面に出てきます。血のような赤い液体が水分に混じって出てくることがありますが、問題なく孵ることがほとんどなので、最後まで触らず見守ってあげてください。

カナヘビは最初、鼻先から出始まり体が完全に出切ったら、孵化は成功です。

カナヘビの卵に関する疑問

ここまで説明した通りにカナヘビの卵を飼育していても、様子がおかしいなと思うことが出てくるかもしれません。

カナヘビの卵に関する疑問や、なんか違うぞと感じた時の対処法などをまとめました。様子の変化に早く気づければ、手遅れにならずに済むこともあります。諦めずにお世話を続けてあげてください。

卵はしぼんでも大丈夫?

産卵後1週間程度経ってもカナヘビの卵がしぼんだままの状態では、成長できていないということになります。残念ながら、この場合はそれ以上お世話をしても孵りません。産卵後すぐにしぼんでしまう場合、産んだ卵の状態がすでに悪かったと思われます。

また、孵化直前で卵がしぼんでしまうこともあります。これも残念ながら卵の水分量が足りずに、うまく孵化出来なかった状態です。卵がぎゅっとしぼんでしまうと、その後復活させることは、非常に難しくなります。孵化直前の場合、水分量をしっかり保ってあげれば、しぼむのを防ぐことができます。

カナヘビの卵にへこみがある場合は?

カナヘビの卵は、産卵直後に少しへこみがある程度でしたら、それほど問題はありません。水分をしっかり与えて、加湿をすれば徐々に戻ることがあります。

日にちが経ってからへこんだ時も同様で、すぐに霧吹きなどで保湿してあげれば、元に戻る場合がほとんどです。水分を吸った卵は膨らんで行きます。

注意しなければならないのは、初めから明らかに奇形な卵と、加湿してもへこみが戻らない卵です。奇形な卵の場合は、色も変色していることが多いので、他と様子が違ってすぐにわかると思います。

加湿して5日程度たっても、へこみが直らない卵も同様です。5日くらいは様子を見ながら諦めずにお世話してあげてほしいのですが、それでも直らない場合はダメかもしれません。無精卵の可能性もあります。

卵の色が変色している場合は?

カナヘビの卵は、白色です。見てすぐに分かる黄色やオレンジ色、さらに一緒に産まれた他の卵と違う色をしている場合は、無精卵の可能性があります。同時にカナヘビの卵自体が硬いと、それも無精卵である場合がほとんどです。

初めは白色だったのに、徐々にオレンジ色になってしまった場合も孵化できない可能性が高くなります。

卵の大きさが成長していて、白色から薄い黄色や土色、透明になった場合は、孵化までもう少しというサインです。

卵にカビが生えてしまったら?

湿度が高い場所で飼育していると、床に敷いている土や苔にカビが生えることがあります。そのカビが、カナヘビの卵に移っているだけの場合は問題ありません。カビを発見したら、土や苔を変えてあげましょう。

カナヘビの卵に直接カビが生えてしまうことがあります。この時は卵が無精卵か、有精卵であっても中でうまく形成されず、死んでしまっています。

カビが生えた卵をそのままにしておくと、他の元気な卵にカビが移って悪さをするので、見つけたらすぐに取り除くようにしてください。

カナヘビの卵を育ててみよう


温度や湿度管理にもよりますが、おおよそ40日程度でカナヘビの卵は孵ります。大人のカナヘビと一緒に入れてしまうと、自分で産んだ卵でも食べてしまうことがありますので、卵は必ず別のケースで飼育してください。赤ちゃんカナヘビも同様で、大人のカナヘビに食べられてしまうので注意してください。

丁寧にお世話をし続けた卵から、カナヘビが孵った瞬間を見るのは格別です。大人の指先ほどしかないサイズで、非常に愛くるしい姿をしています。また人の手で返して育てた赤ちゃんカナヘビは、驚くほど人に慣れてくれるのです。

赤ちゃんカナヘビも、引き続き温度や湿度管理に気をつけなければいけないので、手はかかりますが、大切に育てれば育てるほど人に慣れて寄ってきます。きっと素敵なパートナーになってくれますので、カナヘビを卵から育ててみることをおすすめします。
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