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ミツユビハコガメの飼育方法|餌やケージなど飼育に必要なものや特徴について

「外国産のちょっと珍しいカメを飼ってみたいな」
「飼育が簡単で変わったカメっていないかな」
カメを好きになるとそんな願望が出てきますね。かつてはペットショップで野生個体が安価で売られていたのですが、1995年にワシントン条約でⅡ類に指定されたことから、飼育下で繁殖された個体のみ販売されています。

この記事では、ミツユビハコガメの餌や飼育環境など、飼育方法について詳しく解説しています。飼育用品についても紹介しているため、記事を読むことで、爬虫類飼育初心者でもミツユビハコガメを飼うことができるようになるでしょう。

この機会に、ミツユビハコガメの飼育を検討してみてください。

出典:ワシントン条約(CITES)|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/index.html

ミツユビハコガメの生態

ミツユビハコガメとはどんなカメなのでしょうか?どんな特徴があってどのくらい大きくなるのでしょうか?ミツユビハコガメを飼う前に、知っておきたい生態について解説します。

特徴について

カメは外敵から身を守るため硬い甲羅を持っています。ハコガメはさらに腹甲に蝶番がついていて、頭や四肢、尻尾をしまいこむことができるのです。ヒンジとも呼ばれるこの蝶番を閉じてしまうと、UFOのような姿になります。

このカメは、ヌマガメ科アメリカハコガメ属に属し、北米に広く分布するカロリナハコガメの亜種で、後ろ足の指が3本(まれに4本)であることから、この名がつきました。

ミツユビハコガメは、カロリナハコガメの亜種の中では甲羅がやや地味でほぼ褐色ですが、成体では頭や前肢にオレンジ色の発色が現れる美しい個体もいてバリエーションに富んでいます。

本亜種は、アメリカのアーカンソー州、イリノイ州、オクラホマ州、カンザス州に棲んでいます。

大きさについて

ミツユビハコガメの成体の大きさは甲長12cm~14cm程度が普通ですが最大18cmと言われています。ちなみに孵化したばかりの子亀は30mm前後です。

他のアメリカハコガメよりも小型で、背甲はドーム型に盛り上がったリクガメ的な姿をしており、甲高は甲長の42%ほどになります。

寿命について

ミツユビハコガメの寿命は20年程度と言われていますが、飼育下では50年以上生きた例もあります。鶴は千年亀は万年といいますね。飼育環境が正しければ、ミツユビハコガメも相当に長生きするでしょう。

雌雄の見分け方について

ミツユビハコガメのオスは、メスよりも色彩が豊かな傾向にあります。また、成体のオスは虹彩が赤くなります。さらに、オスは腹甲が凹んでいて、メスは平らです。

正確に雌雄判別する場合は、尻尾の長さと肛門の位置を見ましょう。オスは尻尾が長めで、肛門が甲羅の外側にあるのに対して、メスは尻尾が短めで、肛門は甲羅の内側にあります。

オスは5歳、メスは7歳程度で性成熟します。いつかは繁殖に挑戦したいですね。

ミツユビハコガメの飼育に必要なもの


ミツユビハコガメは外国産のカメです。飼育には、日本の環境が適切とは言い難く、それなりの設備を用意せざるを得ません。ここからは、ミツユビハコガメの飼育に必要なものについて詳しく解説します。楽しいハコガメライフを送るために、是非導入をご検討ください。
  • 保温器具
  • 床材
  • ケージ
  • 水入れ
  • ライト
  • エサ皿
  • シェルター
  • 霧吹き

保温器具

ミツユビハコガメのケージは夜間15℃、昼間は25℃くらいを保ちます。夜間も温度をキープするために、ケージには爬虫類用のパネルヒーターを設置しましょう。このパネルヒーターと後述するライトで温度を調節します。繁殖する予定がないのであれば、冬もこの温度を守りましょう。

カメは熱くなり過ぎると移動しますから、パネルヒーターはケージの下全体ではなく1/3程度を温めるように置きます。

床材

ミツユビハコガメはある程度湿度を好むので、床材はヤシガラマットや腐葉土を湿らせて使用しましょう。後述するケージに5cmくらいの厚さで敷きます。

ミツユビハコガメの幼体はより乾燥を嫌うので、ケージに濡らした水苔を敷きましょう。

床材が厚すぎると、ケージの移動などが大変になりますし、浅すぎると湿度が保てないのでこの厚さが適当です。

また、ケージの床に何も敷かないのは良くありません。つるつるした面で移動することは、カメの関節に負担を与えます。

ケージ

ミツユビハコガメのケージは幅が体長の5倍、奥行きが体長の3倍くらいあると好ましいと言えます。体長が14cmの成体だと床が、70cm×42cm以上あるとよいでしょう。より余裕があった方が好ましいのは言うまでもありません。

そこで、成体では90cm以上のケージを用意します。あまり深いものですと湿度がこもりすぎ、浅いものやカゴ状のものですと湿度が保てません。大きい水槽は重くて不便と思われるなら衣装ケースなどで代用することもできます。

ケージの横から世話ができる爬虫類両生類用のケージも販売されているので、導入してみてはいかがでしょうか。

水入れ

ミツユビハコガメは水浴びを好むので、浅い水入れをセットします。水入れを床材に埋め込み、ふちがちょっと地上部分に出る程度に設置しましょう。

水入れは丈夫な専用のものが売られていますが、個体のサイズに合った食品用密封容器の蓋を外したものでも代用できます。

ライト

カメなどの爬虫類は、変温動物であるため外側から体を温める必要があります。また、ビタミンDを体内で作るために紫外線も必要です。体を温めるバスキングライトと紫外線ライトの両方を用意しましょう。

屋外で飼育するなど、頻繁に日光浴ができる環境であれば、紫外線ライトはなくても大丈夫です。

最近では、両方の効果を持ったLEDライトが爬虫類用に販売されています。

エサ皿

ある程度重さがあって、カメが乗ってもひっくり返らないエサ皿を用意します。

素材はステンレス、陶器、プラスチックなどが販売されていますが、長く使うことを考えるとステンレスが良いでしょう。ステンレス製の機能性の高いものが、販売されています。

シェルター

飼っているミツユビハコガメが安心して生活できるように、ケージ内にはシェルターを2ヶ所以上設置します。かつては半分に割った素焼きの植木鉢などを利用したものですが、最近ではより使いやすい製品が販売されています。

霧吹き

ミツユビハコガメは砂漠などに主に棲むリクガメと違って、湿度の高い環境を好みます。床材も常にやや湿った状態を保ちますが、そのために1日に1回霧吹きをしましょう。霧吹きは全体を程よく湿らせるために、なるべく細かい霧が発生するものを選びます。

ミツユビハコガメの飼育に関して


ここからは、ミツユビハコガメの具体的な飼い方について説明します。餌や環境はカメの健康、寿命に関わってくるのでよく知って準備しましょう。

さらに、成体と幼体の違いについても簡単に説明します。

餌について

ミツユビハコガメは雑食性です。野生では昆虫や小さい哺乳類、果物や草木なども食べます。飼育する際にはミルワーム(ゴミムシダマシの幼虫)やピンクマウス(まだ毛の生えていない赤ちゃんマウス)、バナナや小松菜などを与える方法があります。

とはいえ、栄養バランスを整えるのは困難です。現在入手できる個体は人工繁殖のものがほぼ100%であり人工飼料に慣れています。雑食性ハコガメ専用のフードを与えるのが良いでしょう。

幼体の頃は冷凍赤虫を与えるのも栄養価が高くおすすめです。

給餌の頻度は、成体では2日に1回程度、幼体には1日1回が適当となります。

飼育に適した温度と湿度

ミツユビハコガメのケージの温度は、低温部で22~24℃、高温部は28℃くらいが適当です。高温部は前述したライトで作ります。夜間はライトをオフにしてパネルヒーターだけで15℃を保つようにしましょう。

湿度については、ミツユビハコガメはかなり高湿度を好むので水棲ガメ並みにします。特に幼体飼育の際は70%くらいまで湿度を上げましょう。水入れと床材、霧吹きで安定した湿度環境を整えます。

ミツユビハコガメを飼育する時の注意点


ミツユビハコガメを飼育する際に特に注意が必要なのは、水質、湿度になります。水入れの管理や湿度管理などが重要です。また、カメ自体を清潔に保つことも考慮しなければなりません。以下にポイントを説明します。
  • 水入れは毎日交換する
  • 湿度の低下に注意する
  • 湿度の低下に注意する
  • 定期的に甲羅を洗う

水入れは毎日交換する

ミツユビハコガメは水入れで水浴びをしますし、水入れから水を飲みます。すぐに汚れるので水入れの水は、毎日替えます。両生類や魚類と違って、カルキ抜きをする必要がないのは楽ですね。

水質に気を使うのであれば、ミネラルウォーターを使うこともできますが、水道水の方が腐りにくいのでミネラルウォーターより水道水の方がおすすめです。

湿度の低下に注意する

ミツユビハコガメは見た目はリクガメに似ていますが、れっきとしたヌマガメなので、湿度管理は重要です。保湿性のある床材、2ヶ所以上の水入れの設置、毎日の霧吹きで湿度の低下を防ぎましょう。とくに幼体には注意が必要です。

定期的に甲羅を洗う

カメを清潔に保ち、皮膚炎を防ぐためにも、定期的に体全体を洗います。普段の水浴びでは甲羅は水に浸かりませんから、甲羅は清潔なスポンジなどで洗いましょう。その際、カメを溺れさせないよう気をつけてください。

月に2回くらいのペースが基本ですが、冬場は水温が下がり、カメも代謝が低くなっているので、無理に洗わなくてもかまいません。洗う場合は30℃くらいのお湯を使い、バスキングライトでよく体を乾かします。

ミツユビハコガメの入手に関して


ミツユビハコガメは、かつては野生の個体が安価で購入できました。しかし、ワシントン条約でⅡ類に指定されてからは、販売される個体のほぼ100%人工繫殖のものになり、カメとしては高価です。

さて、その値段ですが、甲長10cm以下の幼体で3~6万円、成体は10~15万円程度です。

購入できる場所として、ペットショップや熱帯魚店、ネット通販などが普通です。時期が適当なら東京・大阪を中心に全国で開催されているペット即売会を訪ねてみるのもいいかもしれません。

出典:ワシントン条約(CITES)|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/index.html

ミツユビハコガメを飼う場合は飼育方法を理解しておこう


ミツユビハコガメはリクガメに近い生活をしていますが半水棲のヌマガメです。かつては安価だったこともあり、個体によって甲羅の模様や体色が様々で人気を集めてきました。現在でも、とても人気のあるカメです。

この種のハコガメは多湿な環境を好んでいるので、乾燥には注意が必要ですが、餌は人工餌や昆虫、果物などなんでもよく食べるので、飼い方は難しくありません。飼育方法を理解しておけば、初心者にも飼いやすいカメです。
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