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ジーベンロックナガクビガメってどんな亀?寿命や飼育方法などを紹介

ジーベンロックナガクビガメを知っていますか。知らない方でも名前から首の長いカメだということはわかるでしょう。しかし、どんな見た目で、どんな性質のカメなのか知らない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、ジーベンロックナガクビガメの生態から飼育方法に至るまで、わかりやすく紹介いたします。

この記事を読むことで、飼う前に知っておきたい寿命や大きさなどの生態情報から、飼育の際に気をつけたい水槽などの設備、なりやすい病気と予防策についても知ることができます。これによって、飼う前の心構えや自分に適したペットなのかもわかるでしょう。

ジーベンロックナガクビガメを飼ってみたい方や、爬虫類が好きな方は是非この記事をチェックしてみてください。

ジーベンロックナガクビガメってどんな亀?


ジーベンロックナガクビガメは、英名をSiebenrock’s Snake-necked Turtleといいます。大きい頭と長い首が特徴の水棲で肉食のカメです。以前は流通量も少なくペットとしては希少でしたが、現在では流通量も増え、ナガクビガメの中でも人気の品種です。

長い首は体の中に引っ込めることは出来ないため、甲羅に沿って折りたたむようにして収納するのが特徴で、こうした首のしまい方をするカメを潜頸類といいます。

生息地

少し前までは、パプアニューギニアに生息するものがジーベンロックナガクビガメで、オーストラリアに生息するものがチリメンナガクビガメと区別していたのですが、近年は同種とみる傾向が強いです。

先に述べた地域を含め下記の地域に分布しています。
・インドネシアのパプア州南東部
・オーストラリアのクイーンズランド
・西オーストラリア北東部
・ノーザンテリトリー北部
・パプアニューギニア島西南部

温帯の池沼や流れの影響を受けない緩やかな河川に生息し、ほぼ水の中で暮らしています。

大きさ

ジーベンロックナガクビガメの成体は、大きいもので甲羅が全長約40センチになる個体もいますが、平均して20~30センチ程度にとどまる個体が多いようです。

ペットショップなどで見かけるのは10センチ程度のコンパクトサイズが多いのですが、ジーベンロックナガクビガメのオスは3、4年程で成体となりますので、生後2年を過ぎる頃には20センチ程のサイズにまで急成長します。

成体になった後の成長速度は穏やかになるのですが、成長によるサイズ変化をしっかりと知っておいたほうが良いでしょう。

寿命

カメの寿命は30〜50年ほどとされていますが、ジーベンロックナガクビガメの寿命はおおよそ10〜20年ほどです。個体差はありますが、適切な飼育環境で育てることで、30年ほどは生きてくれます。

長生きのためには、成長ごとに合わせた環境整備が大切になってくるため、体に合わせた水槽や、それに合わせたフィルターの買い替えなど、長期飼育をしっかり視野に入れて、飼育を開始することが重要です。

ペットとして飼育できるの?

先に述べた通り、昔は流通量が少なかったため大変高価で希少なカメでしたが、今では愛好家の中で「ジーベン」の愛称で呼ばれるほどペットカメとしてポピュラーな存在になっています。しかし、流通量が増えたからといっても具体的なお値段はどれくらいなのでしょうか。

ここでは生体販売価格以外に、どのような場所で出会え、どのような個体を選ぶのがいいのかについても、併せて紹介いたしますのでチェックしてみてください。

販売価格

カメをはじめとする爬虫類は対面販売が義務化されているので、ネット通販などは行われておりません。ペットショップの熱帯魚販売スペースにいることが多いです。

流通量の少ない頃は20万円近い値段で販売されていたようですが、現在の相場はベビーで1~2万円程度と、以前と比べればリーズナブルなお値段で取引されています。大きくなるほど値が上がり、成体で2〜5万円程度が相場です。

選ぶ際は水槽を元気に泳ぎ回っている個体を選びましょう。ジーベンロックナガクビガメは遊泳性の高いカメで、運動量も多く、通常であれば水槽の中を活発に動き回っています。

ジーベンロックナガクビガメの飼育方法

飼育の際にまず気にかけたいのが、住処となる飼育環境です。体の大きさに合わせた水槽の用意が必要だとして大きさの目安はどれくらいで、中にどんなものを設置したら良いのでしょうか。

また、体調管理や病気の予防を考えたときに大切になるのは、水の温度と清潔さと、適切な餌の提供です。

ここからはジーベンロックナガクビガメが快適に過ごすために必要な飼育環境について、理由も一緒に解説していきます。

水槽のレイアウト

飼育の際に必要な設備は以下の通りです。
・水槽
・ヒーター
・バスキングライト
・水温計
・陸地
・フィルター

水槽の大きさは少なくとも横90センチ、奥行き45センチ程度は必要です。ベビーの時なら、横60センチ、奥行き45センチ程度の大きさの水槽でも問題ありませんが、成長するので予め大きいものを用意したほうがいいでしょう。

衣装ケースのようなものだと水換えの時に多少楽でしょうが、ガラス製でも衣装ケースでも、そこそこの水深が必要なため、容易に水槽の移動はできません。よく考えてから設置場所を決めましょう。

水深は首を伸ばして鼻先が出る程度にします。特にベビーの際は水深が深すぎると溺死につながるので注意が必要です。

陸地は流木のようなもので構いません。泳ぎまわれるスペースが十分に確保でき、掃除のしやすいレイアウトを心がけましょう。

水質の管理

水棲のカメは総じて水を汚しやすいです。水が汚れると病気にかかりやすくなりますので、フィルターを設置し水が酸性になることを防ぎましょう。

可能であれば外部式フィルターと上部式フィルター両方の使用をお勧めします。

上部式フィルターのものはろ過の性能が良いので、どちらか一方を選ぶのであれば上部式フィルターが良いです。水槽の大きさによって適したフィルターのサイズも違うので、大きさに合ったものを使用してください。

水の交換頻度はベビーのときは病気にかかりやすいので毎日行い、10センチ程度のヤングサイズまで成長したら3日に一度に、成体になったら週に一度行うと良いです。交換する水は必ずカルキ抜きを行ったものを利用しましょう。

水深が必要なジーベンロックナガクビガメの水換えは飼育の中でも苦労するポイントですが、水量が多いほうが汚れ具合は遅くなりますので、大きく成長したら水を多めに入れてあげると良いです。

また、気が付いた時にこまめにスポイトなどで糞や食べ残しを取り除くことで、水を清潔に保てます。

水温の管理

もともと温帯に生息しているジーベンロックナガクビガメは寒さに弱いです。本来の生息域の気温は暑い時で30度以上の高温になり、気温の低い乾季で20度程度になります。

水温は低くても25度を下回らないようにヒーターの温度を設定し、念のため水温計でも確認できるようにしたほうが良いです。

また、カバーのない水中ヒーターだと上に乗って火傷をしてしまう危険がありますので、カバー付きのものを用意します。ベビーの時は特に温度に気をつかいましょう。

甲羅干し

甲羅干しをすることで甲羅の脱皮を促し、強くて固い甲羅を作っていくため、ベビーのときは週に一度は強制的に甲羅干しをする時間を設けましょう。

一定の大きさまで成長したら、陸地の設置のみでもかまいませんが、紫外線を当てることで寄生虫を取り除き、病気の予防効果も得られるので、面倒でなければ暖かい時期には、週に一度程度は強制的に甲羅干ししてあげると良いです。

エサ

販売先のペットショップによっては人工飼料を食べていない個体もいますので、購入時にどんなものを普段食べていたか聞いておいたほうが良いです。

生き餌を中心に食べていた個体だと人工飼料の食いつきが悪い場合がありますが、その際はメダカやエビなどの生き餌を与えるようにします。

ベビーのときは綺麗な甲羅を作るために生き餌の栄養が必要となります。生き餌がうまく捉えられない場合は、ベビーにも捕獲しやすいように、メダカのヒレなどを切るなど、工夫してみてください。

混泳はできる?

水族館のようにいろいろな生き物と一緒に泳がせたいと思う方は多いでしょう。しかし、肉食のジーベンロックナガクビガメは、魚や小型のカメだと食べてしまうので難しいです。

同種や大型の金魚なら可能という意見もありますが、自分以外の動いているものを餌と認識して噛みついてしまう可能性はゼロではありません。

道理ではジーベンロックナガクビガメも他の金魚も、それぞれが余裕で動き回れるほどの水槽を準備することができ、かつ個体同士の相性が良ければ可能です。しかし、基本的には一つの水槽に一匹で飼育するのが望ましいでしょう。

ジーベンロックナガクビは脱皮するって本当?

ジーベンロックナガクビガメをはじめとするカメは脱皮します。甲羅の脱皮と皮膚の脱皮があり、皮膚の脱皮は蛇などの生き物と比べると非常にわかりにくく、病気と間違える飼い主の方も多いです。正常な脱皮の特徴は以下の四つが挙げられます。

・水中で見たときには、首や手足に白い薄皮のようなものが付いているように見える
・水中から出ると、水中で見た皮のようなものはみえない
・目を凝らすと白いヒラヒラに皮膚の模様が見える
・活発に動き食欲旺盛である

脱皮すると大きくなる、というイメージが強いですが、必ずしもそうではありません。カメの脱皮は古い角質層が剥がれ、新しい皮膚に生まれ変わる新陳代謝なのです。

ジーベンロックナガクビがかかりやすい病気

ジーベンロックナガクビガメのような水棲のカメがかかりやすい病気の一つに、水カビ病や皮膚炎などの皮膚感染症があります。皮膚や甲羅に白いモヤモヤのようなものが現れ、水から出てもそれが見てとれるようなら、皮膚感染症を疑いましょう。

皮膚感染症の原因は飼育環境に起因するものと、与えられる餌によるものがあります。

原因
・適切な温度に保たれていない
・体に傷がある
・甲羅干しができていない
・水換えがされておらず水質が著しく悪化している
・餌の栄養が偏っている

皮膚感染症は放っておくと全身に症状が広がり、爪が欠け、食欲も減退していきます。軽度であれば、適切な消毒のための薬浴や乾燥治療を行うことで回復させることができますが、重度となると抗生物質の投与も行わなければなりません。

日々の水換えや掃除、食事のバランスを考えるだけで予防することはできますので、上記の原因を踏まえた良い環境整備に努めましょう。

出典:カメの皮膚感染症(水カビ)|垂水オアシス動物病院
参照:http://blog.tarumioasis.com/?eid=1144

出典:カメの皮膚炎|オーク動物病院
参照:https://www.oak-animal.com/case/1558

ジーベンロックナガクビのことについて知って適切に飼育しよう

カメは長生きする丈夫なペットとされていますが、長く元気に生きてもらうためには、温度や水質をはじめとした、成体に合わせた環境整備が大事です。

中でもジーベンロックナガクビガメは生態に合わせ水深もそれなりに必要になるため、水換えのことを考えただけでも、他の水棲のカメと比べても手間がかかる品種といえます。

しかし、長い首を振り回し泳ぐ姿は他に類を見ない魅力的なポイントで、多くの愛好家がいるのもうなずけるでしょう。飼育環境に気をつけながら、是非ジーベンロックナガクビガメを健やかに美しく育ててみてください。
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