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たぬきの性格と習性とは?行動特性から分かる被害対策と予防策も紹介

更新日:2024年01月27日

たぬきは昔話にもよく登場し日本人には馴染み深い動物ですが、その性格を正しくご存知でしょうか。本記事ではたぬきの性格や生態以外にあまり知られていない習性などにも焦点をあてて紹介しています。たぬきについて理解を深めたいと思っている方は是非チェックしてみてください。

たぬきの性格と習性とは?行動特性から分かる被害対策と予防策も紹介
日本では昔話などに登場し姿を変えて人を化かすイメージのあるたぬきですが、本来の性格はどのようなものなのかご存じですか。人によってはどこかで野生のたぬきを見かけたことがある人もいるでしょうが、その生態について詳しく知っている人は少ないでしょう。

この記事では、昔話などで親しみがあるはずが実物の正体についてはよく知られていない、たぬきの生態と本来の性格を紹介しています。

これを読むことで、実際のたぬきの性格を把握することができるため、彼らが各地で引き起こしている様々な問題へ対処法として応用することも可能です。

実物のたぬきの性格や生態について興味や関心がある方や、たぬきの困った行動に頭を悩ませている方は是非この記事をチェックして彼らと上手に共生していってください。

たぬきの特徴

たぬきはイヌ科の動物なので長い鼻をしており、丸みを帯びた体のほとんどが灰褐色の毛で覆われ、両手足と目から頬にかけてのみ黒に近い焦げ茶の模様が入っているのが特徴です。

大きさの近いハクビシンやアナグマのほか、アライグマなどにも見間違える人が多いですが、それぞれの特徴を知っていれば区別することは比較的簡単です。

ハクビシンは、漢字で書く場合の「白鼻芯」という名前の通り、顔の真ん中に白いラインが入っていますし、アナグマはイタチの仲間のため顔から体全体を通して見ても長細く、たぬきのような丸みは有りません。アライグマは尻尾をみれば縞がありますがたぬきにはありません。

ここではタヌキの見た目の特徴以外にも気になるその生態について紹介していきます。

たぬきの生態

イヌ科タヌキ属であるたぬきは基本的には夜行性で雑食の動物です。しかし夜行性でも人間の干渉のない自然環境では昼から活動することもあるようです。

みっちりと生えた体毛のためずんぐりと丸い体つきに見えますが、毛に埋もれているだけで手足も想像より長く犬によく似た姿をしています。そのため、毛のまだ薄い生まれたての頃に見つけた人が犬と間違って拾い、育てていったらたぬきになったというケースもあるようです。

暖かい地域に生息するたぬきは冬眠しませんが、雪の降るような地域だとたぬきは穴籠もりをするため秋口になると冬に向け脂肪を溜め込みまんまるの体になります。

イラストなどの丸みを帯びたたぬきのイメージは冬毛の彼らの姿からきているのでしょう。夏毛のたぬきは思いの外ほっそりとしていて違う生き物のようです。

たぬきの生息地

日本や朝鮮半島や中国などのアジア圏とロシア東部などにのみ元々は生息していたようで、世界的にみれば珍しい動物でしたが、今現在は毛皮の利用目的で移入されたたぬきが野生化し、北ヨーロッパや西ヨーロッパまで分布しています。

主な生息環境は森林や河川や湖などの水辺の下生えの深い環境などで、日本だと河川や湖の周囲にある広葉樹と針葉樹の両方があるような混合林を好んで生活しています。

たぬきの大きさ

たぬきは標準で頭の先からお尻までの長さがおおよそ50〜68センチで、尻尾が13〜25センチくらいあり、体高は27〜38センチ程度です。体重は通常時で4〜6kg程度ですが、秋口から冬場に向けてしっかりと脂肪を蓄えた時期に測ると、通常の倍近い6〜10kgくらいの重さになります。

冬場の肥えた状態だと密度の高い冬毛の効果も相まって、紹介した数値よりも体が大きく膨らんで見えるでしょう。

たぬきの繁殖期

たぬきは1〜3月頃に発情期を迎え、メス1匹に対し3、4匹のオスが群がり、そこで決まったペアと子育てを終えるまでは一緒に過ごします。妊娠して59〜64日頃に臨月を迎え、一度の出産でメスは約5〜7匹の子を産みます。

生まれたばかりのたぬきは全身黒く柔らかい毛で覆われていて、10日位で目が開くようになり、約2週間で歯が生え、1ヶ月くらいで餌を食べられるようになり、2、3ヶ月で離乳します。秋口には生態となりほとんどが独立していきます。

たぬきは生まれて9〜11ヶ月程度で性成熟しますが、すぐに繁殖行為に移ることはなく、繁殖を始めるのは2、3歳くらいになってからの個体の方が多いようです。

たぬきの食生活

たぬきは雑食性の動物なので、ネズミや鳥などの小動物をはじめ、カエルや魚などの水生の動物や草や果物などの植物性のものも好んで食べます。

イヌ科の動物の多くは木に登ることをしませんが、たぬきは琵琶などの果物をとるために木登りをします。元々はイヌ科を含めた食肉目の共通の祖先は森林で樹上生活を送っていたとされていて、たぬきはイヌ科の中でもその頃の性質を残した珍しい例なのです。

餌に困ると人里で残飯を漁ったり、鶏などの小型の家畜に手を出したりすることもありますが、基本的に大型の鳥獣を狙うことはありません。

たぬきの行動特性

たぬきは決まった場所に糞をする溜糞という習性があり、1匹の行動範囲の中に約10カ所もの糞場を持っていて一晩で2、3箇所くらいを使用します。親子など複数の個体が糞場を共同で使っていて、匂いなどでたぬき同士でそれぞれの行動範囲を知らせるなどの情報交換をしているとも言われていますが、明確な理由はまだわかっていません。

複数の個体が利用するため大きな糞場だと直径約50センチに高さは約20センチもの量の糞が積もるようです。

「狸寝入り」はたぬきの性格が関係している

丸みを帯びた体つきや短い手足などたぬきの姿を見れば外敵に攻撃したり逃げたりするのに向いていないであろうことがわかるでしょう。そんな彼らが生きながらえていくために身につけた習性こそが「狸寝入り」という言葉の源になっています。

たぬきは銃声など大きな音を聞いてびっくりすると簡単に仮死状態になる習性があり、人間が仕留めたと思い込み気が緩んだ状態で近づいたタイミングに覚醒してさっと逃げだすため、それを人間が死んだふりをして人を化かしたと言い伝えたことから出来た言葉こそが「狸寝入り」なのです。

「狸寝入り」の意味

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初回公開日:2022年08月03日

記載されている内容は2022年08月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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