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ペットの夜間救急・緊急時ガイド|犬猫の危険な症状と24時間動物病院への受診目安

更新日:2025年12月11日

1分でわかるこの記事の要約 ペットの急な体調不良時は、本記事を参考に冷静に判断し行動することが命を救う鍵です。 呼吸困難や重篤な症状は迷わず夜間救急を受診し、獣医師へ的確な情報を伝えましょう。 事前に自宅近くの24時間病 […]
1分でわかるこの記事の要約
  • ペットの急な体調不良時は、本記事を参考に冷静に判断し行動することが命を救う鍵です。
  • 呼吸困難や重篤な症状は迷わず夜間救急を受診し、獣医師へ的確な情報を伝えましょう。
  • 事前に自宅近くの24時間病院を調べ、持ち物をリストアップするなど準備が重要です。
  • 夜間診療は高額になる傾向があるため、費用目安の把握とペット保険の検討をお勧めします。

夜間や休日に、大切な犬や猫の様子が突然おかしくなったら…。「今すぐ動物病院に連れて行くべき?」「朝まで待っても大丈夫?」「家でできる応急処置は?」と、冷静ではいられないほどの不安に襲われることでしょう。 この記事は、そんな万が一の事態に飼い主さんが慌てず、的確な判断と行動がとれるように、ペットの夜間救急に関する全てを網羅した完全ガイドです。症状別の危険なサインから、近くの24時間動物病院の探し方、費用まで詳しく解説します。

ペットの夜間救急、受診を迷ったら?まず確認すべき3つのこと

ペットの様子がいつもと違うと感じたとき、パニックにならずにまずは状況を冷静に把握することが重要です。動物病院に連絡する前に、以下の3つのポイントを落ち着いて確認しましょう。この初期評価が、その後の的確な判断と獣医師への正確な情報伝達につながります。

1. 意識・呼吸・全体的な様子はどうか? まず、ペットの意識レベルを確認します。呼びかけに反応しますか?ぐったりして全く動かない、あるいは意識が朦朧としている場合は、緊急性が非常に高い状態です。 次に呼吸をチェックします。

  • 呼吸が速すぎる・浅い
  • 苦しそうに肩で息をしている
  • お腹を大きく動かして呼吸している
  • 舌の色が青紫色(チアノーゼ)になっている

これらの呼吸困難のサインが見られたら、深刻な酸欠状態の可能性があり一刻を争います

2. 緊急性の高い症状かどうか? 今起きている症状が、命に関わる緊急性の高いものかを見極めます。例えば、一度きりの軽い嘔吐や下痢であれば、少し様子を見ることも可能かもしれません。 しかし、発作や大量の出血、明らかな骨折、尿が全く出ていないといった症状は、迷わず夜間救急を受診すべき危険なサインです。 下記の「症状別の判断基準」で詳しく解説しますが、嘔吐や下痢でも、何度も続く、血が混じる、ぐったりしているなど他の症状を伴う場合は重症の可能性があります。

3. かかりつけの動物病院に電話してみる まずは、かかりつけの動物病院に電話をしてみましょう。多くの病院では、時間外の電話に留守番電話で対応案内を流しています。提携している夜間救急動物病院の連絡先や、緊急時の対応方法がアナウンスされている場合があります。かかりつけ医はペットの普段の状態を把握しているため、連携病院があれば最もスムーズな診察が期待できます。


【犬・猫の症状別】夜間救急へ行くべき?危険なサインと判断基準

ここでは、犬や猫に多く見られる症状別に、夜間救急を受診すべきかどうかの判断基準を具体的に解説します。ペットの状態をよく観察し、一つでも当てはまる危険なサインがあれば、迷わず動物病院に連絡してください。

呼吸器系の異常:呼吸困難、激しい咳など

呼吸の異常は、生命に直結する最も緊急性の高い症状の一つです。

危険なサイン

  • 安静時の呼吸数が1分間に犬40回以上、猫50回以上
  • 口を開けたまま苦しそうにする「開口呼吸」
  • ゼーゼー、ヒューヒューといった異常な呼吸音
  • 舌や歯茎の色が白い、または青紫色(チアノーゼ)

自宅でできること

  • ペットを興奮させないよう静かな環境で休ませ、首輪などを緩めて気道を楽にしてあげましょう。
  • すぐに夜間救急病院へ向かう準備をしてください。

消化器系の異常:嘔吐、下痢、吐血など

嘔吐や下痢はよくある症状ですが、見極めが重要です。

危険なサイン

  • 何度も繰り返し嘔吐・下痢をする
  • 吐いたものや便に血が混じっている(吐血・血便)
  • 吐こうとしても何も出ず、えずき続ける(胃拡張・胃捻転の疑い
  • ぐったりして食欲がなく、お腹を痛がる

注意点 猫の場合、頻繁な嘔吐は毛玉が原因のこともありますが、元気や食欲の低下を伴う場合は他の病気が隠れているサインです。

神経系の異常:けいれん、発作、麻痺

突然のけいれん発作は飼い主さんを動揺させますが、落ち着いた対応が求められます。

危険なサイン

  • けいれん発作が5分以上続く
  • 一度収まっても、すぐに次の発作が群発する
  • 発作後、意識が戻らない、立てない、ふらつきが続く

発作中の対応

  • 発作中は無理に体を押さえつけたり、口に物を入れたりしないでください。
  • 周囲の家具などに体をぶつけないよう安全を確保し、発作の様子を動画で撮影しておくと診断の助けになります。

泌尿器系の異常:血尿、排尿困難

尿の異常は、命に関わるサインのことがあります。

危険なサイン

  • 何度もトイレに行くのに尿が全く出ていない、またはポタポタとしか出ない
  • 排尿時に痛そうに鳴く
  • 血尿が出た

特に注意すべきこと 特にオスの猫では「尿道閉塞」を起こしやすく、24時間以内に命を落とす可能性もある非常に危険な状態です。少しでも疑わしい様子が見られたら、夜間であってもためらわずに受診してください。

誤飲・中毒の可能性

人間の食べ物(チョコレート、玉ねぎ等)や薬、化学物質などをペットが誤飲した場合も緊急対応が必要です。

飼い主さんがすべきこと

  • 何を、いつ、どれくらいの量を食べたかを確認する
  • 誤飲したものの残りやパッケージを持参して病院へ向かう
  • 夜間救急動物病院に電話で相談し、指示を仰ぐ

注意点 自己判断で無理に吐かせるのは非常に危険です。特に化学薬品は、吐かせることで食道にさらなるダメージを与える可能性があります。必ず獣医師の指示に従ってください。

外傷・事故:出血、骨折、火傷

交通事故や落下などによる外傷も、夜間救急の対象です。

危険なサインと応急処置

  • 出血がひどい場合:清潔なガーゼやタオルで傷口を強く圧迫して止血する。
  • 骨折の疑い:足を引きずる、触ると激しく痛がる。患部を無理に動かさず、安静に運ぶ。

注意点 見た目に大きな傷がなくても、内臓損傷の可能性があります。事故後はペットが興奮しているため、飼い主さんが噛まれないよう注意して対応しましょう。


近くの夜間救急動物病院の探し方|休日・24時間対応を見つける3つの方法

いざという時に「どこに行けばいいかわからない」という事態を避けるため、事前に病院の探し方を知っておきましょう

1. かかりつけ医に確認する

  • 最も確実な方法: 診察券や公式サイトで時間外の連絡先を確認し、提携の夜間病院を教えてもらいましょう。

2. インターネットで検索する

  • キーワード検索: 「お住まいの地域名+動物病院 24時間」や「ペット 救急 休日+市町村名」で検索します。見つかったら、必ず公式サイトで現在の診療状況を確認し、事前に電話連絡を入れましょう。

3. 地域の獣医師会のサイトを確認する

  • 信頼できる情報源: 地域の獣医師会が、夜間や休日の当番病院リストをウェブサイトで公開している場合があります。

病院を選ぶ際の注意点

  • 必ず事前に電話連絡する:いきなり訪問しても対応できない場合があります。ペットの状態を簡潔に伝え、指示を仰ぎましょう。
  • 対応動物種を確認する:犬や猫以外のエキゾチックアニマル(うさぎ、鳥など)は、専門医不在で診察できないことがあります。
  • 対応可能な検査・処置を確認する:重症の場合、緊急手術や高度な検査が必要です。電話でどこまで対応可能か確認しておくと安心です。

動物病院へ行く前に!準備すべきことと持ち物リスト

病院へ向かうことが決まったら、短い時間で必要なものを準備し、正確な情報を伝えられるように整理しておくことが、スムーズな診察につながります。

病院への電話で伝えるべき必須情報

  • 飼い主さんの名前、連絡先
  • ペットの情報(名前、動物種、品種、年齢、性別、体重)
  • 持病やアレルギー、普段飲んでいる薬の有無
  • 現在の症状(いつから、どのような様子か、時系列で)
  • 誤飲の場合は、誤飲したものと量、時間

【完全版】ペットの夜間救急 持ち物チェックリスト

緊急時でもこれを見れば安心です。

  1. キャリーケースやケージ
  2. 診察券(かかりつけ医のもの)
  3. ワクチン証明書、過去の検査結果
  4. 投薬中の薬、おくすり手帳
  5. 嘔吐物や便、血尿がついたシーツなど(診断の手がかりに
  6. 誤飲したもの、そのパッケージ
  7. 症状を撮影した動画や写真(スマートフォン)
  8. 診察費用(現金とクレジットカードの両方)
  9. ペット保険証

あると便利なもの

  • タオル、ペットシーツの予備
  • 新鮮な水
  • メモ帳、ペン

症状を正確に伝えるための動画撮影のコツ

発作や咳、歩行異常など、再現性のない症状は動画が非常に役立ちます

  • 全身が映るように撮る:症状が出ている部分だけでなく、全体像がわかるように少し引いて撮影しましょう。
  • 明るい場所で撮る:可能であれば部屋を明るくして撮影してください。
  • 長めに撮る:数秒ではなく、数十秒から1分程度、症状が続く限り撮影すると変化の過程がわかり、より多くの情報が得られます。

知っておきたいペットの夜間救急の費用について

夜間や休日の時間外診療は、日中の通常診療に比べて費用が高額になる傾向があります。事前に費用の仕組みや目安を知っておきましょう。

夜間・時間外診療の費用はなぜ高い?

夜間救急の費用が高くなるのは、基本の診察料に「時間外診察料」や「深夜料金」が加算されるためです。これは、24時間体制で獣医師や動物看護師を配置するための人件費や、高度な医療機器を維持するためのコストが必要だからです。

費用の目安と支払い方法

  • 費用の目安:病院や症状によりますが、診察だけで1万円~3万円程度が目安です。血液検査、レントゲン、点滴、緊急手術などが必要になると、費用は数万円から数十万円に及ぶこともあります。
  • 支払い方法:クレジットカード対応の病院が多いですが、念のため事前に電話で確認するか、十分な現金を用意しておくと安心です。
  • ペット保険:加入している場合は保険証を忘れずに持参し、後日請求に必要な診療明細書を必ず受け取り保管してください。

もしもの時に備えて|日頃からできる準備

ペットの夜間救急は突然訪れます。いざという時に冷静に対応するためには、日頃からの準備が何よりも大切です。

  • かかりつけ医を持つ:定期的な健康診断で平時の状態を把握し、信頼関係を築いておきましょう。
  • 夜間救急病院をリストアップしておく:自宅近くの夜間救急動物病院を2〜3箇所リストアップし、連絡先や道順をスマホなどに登録しておきましょう。
  • ペット情報をまとめておく:生年月日、体重、ワクチン履歴、持病などをまとめたメモ(ペットの母子手帳)を作成しておくと便利です。
  • ペット用救急キットを準備する:包帯、ガーゼ、消毒液、体温計などを準備しておきましょう。
  • ペット保険への加入を検討する:高額な医療費への備えとして有効です。

まとめ

大切なペットの夜間や休日の急な体調不良は、飼い主にとって非常につらく、不安な出来事です。しかし、そんな時こそ冷静な判断と迅速な行動が、ペットの命を救う鍵となります。この記事で解説した「受診の判断基準」「病院の探し方」「事前の準備」を参考に、日頃から「備え」を万全にして、愛するペットとの健やかな毎日を送りましょう。

この記事のまとめ
  • 大切なペットの夜間救急に備え、日頃から緊急時の対応と準備を万全に整えましょう。
  • 危険なサインを見逃さず、少しでも不安があれば迷わず専門医に相談することが大切です。
  • かかりつけ医との連携、24時間病院のリストアップ、ペット情報の整理を習慣にしましょう。
  • この記事の知識を活用し、万が一の際も愛するペットを落ち着いて守れる飼い主を目指しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: 夜間救急に電話相談だけで済ませても大丈夫ですか? A1: 電話相談は初期対応のアドバイスとして非常に有用ですが、電話だけで正確な診断は不可能です。獣医師が受診を勧めた場合や、飼い主さん自身が少しでも不安に感じる場合は、ためらわずに病院へ向かってください。最終的な診断と治療は、直接診察しなければ始まりません。

Q2: 夜間救急に連れて行っても「様子見」と言われることはありますか? A2: はい、可能性はあります。しかし、それは無駄足ではありません。専門家である獣医師が検査の上で「現時点では緊急処置は不要」と判断した結果であり、飼い主さんの自己判断による「様子見」とは安心感が全く異なります。重篤な病気を見逃すリスクを避けるためにも、迷ったら受診する価値は十分にあります。

Q3: かかりつけ医と夜間救急病院で情報共有はされますか? A3: 自動では共有されません。夜間救急病院で受けた「診療報告書」や「明細書」を必ず受け取り、後日それを持参してかかりつけ医を受診してください。夜間での応急処置後の継続的なケアは、ペットの状態をよく知るかかりつけ医の役割となります。

初回公開日:2025年12月11日

記載されている内容は2025年12月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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