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犬猫の誤飲・誤食を防ぐ!危険な食べ物・植物・日用品リストと対処法

更新日:2025年12月23日

1分でわかるこの記事の要約 犬猫の誤飲・誤食は、消化器・神経系など重篤な中毒症状を引き起こし、時に命に関わるため迅速な対応が必要です。 チョコレート、ネギ類、ブドウ、ユリ科植物、医薬品、紐状異物など、家庭内に多くの危険物 […]
1分でわかるこの記事の要約
  • 犬猫の誤飲・誤食は、消化器・神経系など重篤な中毒症状を引き起こし、時に命に関わるため迅速な対応が必要です。
  • チョコレート、ネギ類、ブドウ、ユリ科植物、医薬品、紐状異物など、家庭内に多くの危険物が潜んでいます。
  • 誤飲が疑われる場合は自己判断せず、すぐに動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従うことが最優先です。
  • 危険物をペットの届かない場所に徹底して片付けること、適切な保管、しつけが最も効果的な予防策となります。
大切な愛犬・愛猫が、床に落ちていたものを口にしてしまいヒヤッとした経験はありませんか?好奇心旺盛な犬や猫にとって、私たちの家庭内には思わぬ危険が数多く潜んでいます。ペットの誤飲・誤食は、時に命に関わる重大な事故につながることもあります。 この記事では、ペットの安全を守るために知っておくべき危険な食べ物、植物、日用品のリストから、万が一の際の応急処置、そして最も重要な日々の予防策まで、獣医師が網羅的に解説します。

犬猫の誤飲・誤食でみられる危険な症状

誤飲・誤食が疑われる場合、まずはペットの様子を注意深く観察することが重要です。摂取した物や量によって症状は異なりますが、一般的な中毒症状のサインを知っておくことで、迅速な対応が可能になります。

見逃さないで!中毒症状の主なサイン

ペットが有毒物質を摂取した場合、以下のような中毒症状が現れることがあります。症状は食べた直後に出ることもあれば、数時間後、あるいは数日経ってから現れることもあり、一概に「何分後に症状が出る」とは言えません。

  • 消化器系の症状:嘔吐、下痢、よだれを大量に垂らす、食欲不振
  • 神経系の症状:けいれん、震え、ふらつき、麻痺、元気消失
  • 呼吸器系の症状:呼吸が速くなる、咳、呼吸困難
  • その他の症状:歯茎や舌の色が白っぽくなる、血尿、多飲多尿

これらのサインは、誤飲・誤食だけでなく他の病気の可能性も示唆します。普段と少しでも様子が違うと感じたら、自己判断せずに専門家である獣医師に相談することが不可欠です。特に子犬や子猫は体が小さく、少量の有毒物質でも重篤な症状に陥りやすいため、より一層の注意が必要です。

自己判断はNG!すぐに動物病院へ連絡すべき理由

「少量だから大丈夫だろう」「少し様子を見よう」といった自己判断は、ペットの命を危険に晒す可能性があります。たとえ症状が出ていなくても、危険なものを食べたことが確実な場合は、すぐにかかりつけの動物病院に連絡してください。夜間や休診日に備え、夜間救急動物病院の連絡先を事前に調べておくと安心です。

電話で獣医師に伝えるべき情報

  • ペットの種類、年齢、体重、持病の有無
  • 何を、いつ、どのくらいの量を食べたか
  • 現在のペットの様子(症状の有無や内容)

これらの情報を正確に伝えることで、獣医師は適切な指示を出すことができます。食べたもののパッケージや残り、植物の一部などがあれば、それも一緒に動物病院へ持参しましょう。


【食べ物編】犬・猫が食べると危険なものリスト

私たちの食卓に並ぶ食べ物が、犬や猫にとっては猛毒となることがあります。ここでは、特に注意すべき危険な食材を詳しく解説します。

チョコレート:カカオのテオブロミンが中毒を引き起こす

チョコレートに含まれる「テオブロミン」は、犬や猫にとって有毒です。人間と違い、犬猫はテオブロミンの分解速度が非常に遅く、体内に蓄積して中毒症状(興奮、嘔吐、下痢、けいれんなど)を引き起こします。最悪の場合、死に至ることもあります。

特にカカオ含有量の高いダークチョコレートや製菓用チョコレートは少量でも非常に危険です。犬におけるテオブロミンの致死量は体重1kgあたり100〜200mgと言われますが、個体差が大きいため、少しでも口にしたらすぐに動物病院に相談しましょう。

ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、ニラなど):赤血球を破壊する危険性

玉ねぎ、長ネギ、ニラ、ニンニクなどに含まれる成分は、犬や猫の赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こします。血尿、嘔吐、下痢、歯茎が白くなるなどの症状が現れます。

この有毒成分は加熱しても分解されません。ハンバーグや牛丼、すき焼きの煮汁など、ネギ類のエキスが溶け込んだ料理も絶対に与えないでください。「犬が玉ねぎを少量食べてしまった」場合でも、中毒を起こす可能性があるため、必ず獣医師の診察を受けてください。

ブドウ・レーズン:急性腎不全の原因に

ブドウやレーズンは、犬にとって急性腎不全を引き起こす可能性のある非常に危険な食べ物です。原因物質は特定されていませんが、ごく少量を食べただけでも重篤な腎障害を起こしたケースが報告されています。数時間以内の嘔吐に始まり、食欲不振、元気消失が見られ、急激に腎機能が悪化します。致死量も個体差が大きく、「一粒だけなら大丈夫」という保証はありません。

その他、注意が必要な食べ物一覧

犬・猫にとって危険なその他の食べ物

  • キシリトール: ガムや歯磨き粉に含まれる甘味料。犬が摂取すると急激な低血糖や肝障害を引き起こします。
  • マカダミアナッツ: 神経症状や嘔吐、高熱を引き起こす可能性があります。
  • アボカド: 「ペルシン」という成分が嘔吐や下痢の原因となります。
  • アルコール類: 少量でも急性アルコール中毒を起こし、呼吸困難や昏睡状態に陥ることがあります。
  • カフェイン: コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれ、中枢神経を興奮させます。

【植物編】室内にも潜む!犬猫に有毒な観葉植物リスト

お部屋を彩る観葉植物の中にも、ペットにとって有毒なものが少なくありません。植物をかじる習性のある猫や、好奇心旺盛な子犬がいるご家庭では特に注意が必要です。

【猫は特に注意】ユリ科の植物は致死性が高い

ユリ科の植物(テッポウユリ、カサブランカ、チューリップ、ヒヤシンスなど)は、猫にとって極めて毒性が高く、致死的な危険物です。花、葉、茎、球根、花粉、花瓶の水のいずれを摂取しても、重篤な急性腎不全を引き起こす可能性があります。猫を飼っているご家庭では、ユリ科の植物を絶対に室内に持ち込まないようにしましょう。

家庭でよく見かける有毒な観葉植物リスト

犬・猫に有毒な観葉植物

  • サトイモ科(ポトス、モンステラなど): シュウ酸カルシウムを含み、口腔内の痛みや炎症、嘔吐を引き起こします。
  • ドラセナ(幸福の木など): 「サポニン」という成分が嘔吐や下痢の原因となります。
  • アイビー: こちらもサポニンを含み、同様の消化器症状を引き起こします。
  • ポインセチア、シクラメン: 嘔吐や下痢、皮膚炎などを引き起こす可能性があります。

ペットがいる家庭でも安心!安全な観葉植物の選び方

ペットに安全な観葉植物

  • パキラ
  • エバーフレッシュ
  • オリヅルラン
  • テーブルヤシ

などが比較的安全とされています。ただし、安全な植物でも食べ過ぎは消化不良の原因になります。ペットが植物に過剰な興味を示さないよう置き場所を工夫したり、心配な場合は造花を取り入れたりするのも良い方法です。


【日用品編】家庭内に潜む犬猫にとっての危険物

食べ物や植物以外にも、私たちの日常生活で使う日用品が誤飲・誤食の原因となることがあります。

家庭内で注意すべき危険な日用品

  • 人間の医薬品やサプリメント: 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)は、ごく少量でも犬や猫に重篤な肝臓・腎臓障害を引き起こします。絶対に届かない戸棚や引き出しに厳重に保管してください。
  • 紐、輪ゴム、ビニール: 特に猫が好みやすい線状の異物は、腸に絡みつき腸閉塞を引き起こす大変危険なものです。開腹手術が必要になるケースも少なくありません。
  • 洗剤や殺虫剤などの化学製品: 床掃除後の洗剤や漂白剤、不凍液などを舐めると化学物質による中毒を起こします。使用中・保管時ともにペットを近づけないようにしましょう。
  • タバコ: 紙巻きタバコの吸い殻や、ニコチン濃度の高い電子タバコのリキッドは急性ニコチン中毒の原因となり、死に至る危険があります。
  • おもちゃの部品や電池: 破壊したおもちゃの部品や、食道・胃の粘膜を損傷させるボタン電池の誤飲は非常に危険です。小さなものはペットの目に触れない場所に片付けましょう。

誤飲・誤食した時の対処法|家庭でできる応急処置と注意点

どれだけ注意していても、事故が起きてしまう可能性はゼロではありません。万が一の事態に備え、正しい対処法を知っておくことが重要です。

1. まずは動物病院に電話!獣医師の指示を仰ぐ

ペットが何かを口にした、あるいはその疑いがある場合、最初に行うべきことは動物病院への連絡です。何をどのくらい食べたのか、現在のペットの様子などを伝え、獣医師の指示に従ってください。

2. 注意!自宅で無理に吐かせるのは絶対にNG

ネット検索で見かける塩やオキシドールを使って吐かせる方法は、誤嚥性肺炎や食道を傷つけるリスクがあり大変危険です。絶対に自己判断で行わないでください。飲み込んだものによっては、吐かせることがかえって状態を悪化させる場合もあります。処置は必ず獣医師の判断のもとで行いましょう。

3. 病院へ行く際に持っていくもの

  • 食べたものの残りや、同じ製品
  • 成分表示がわかるパッケージや容器
  • 植物の場合は、その一部(葉や花など)
  • 嘔吐物や便(可能であれば)

これらの情報が、迅速で正確な診断と治療に繋がります


最も重要!誤飲・誤食を未然に防ぐための4つの予防策

誤飲・誤食事故は、日々の少しの心掛けと対策でその多くを防ぐことができます。治療よりも予防が何よりも大切です。

1. 危険なものは置かない・片付ける

最大の予防策は、危険なものをペットの届く場所に置かないことです。一度ペットの目線(四つん這い)で室内を見渡し、危険がないかチェックしましょう。

  • 床に薬、アクセサリー、紐状のものを放置しない
  • ゴミ箱は必ず蓋付きのものにする
  • 電気コード類はカバーで保護する
  • キッチンなど危険物が多い場所にはペットゲートを設置する

2. 食品・医薬品を厳重に保管する

食品は、ペットが届かない食器棚や冷蔵庫に保管しましょう。医薬品やタバコ、洗剤などは、ペットが絶対に開けられない扉や引き出しの中に保管することを徹底してください。

3. 拾い食いをさせない「しつけ」を行う

特に散歩中の拾い食いは大変危険です。子犬のうちから口にくわえたものを離させる「ちょうだい」「放せ」といったコマンドを教えておくと、いざという時に役立ちます。散歩中は常に地面に注意を払いましょう。

4. ストレスや退屈を解消する環境づくり

退屈やストレスから問題行動を起こすこともあります。安全な知育トイを与えたり、毎日十分に遊んでエネルギーを発散させたりすることも、誤飲の予防に繋がります。


まとめ

家庭内には、私たちが思う以上にペットにとって危険なものが溢れています。何が危険かを正しく理解し、日々の生活で「片付け」と「適切な保管」を徹底することが、愛するペットの命を守る最も効果的な方法です。日々の少しの注意と工夫で、悲しい事故を未然に防ぎましょう。そして万が一に備え、かかりつけの動物病院と夜間救急病院の連絡先をすぐにわかる場所に控えておくことをお勧めします。


よくある質問(FAQ)

Q1: 犬が玉ねぎを少量食べてしまったのですが、大丈夫でしょうか?

A1: たとえ少量でも、犬の体重や体質によっては中毒症状を引き起こす可能性があります。ネギ類による中毒は、食べてから1〜数日後に症状が現れることもあります。自己判断で様子を見るのではなく、食べた量や状況を伝え、必ず動物病院を受診してください。

Q2: 猫が紐で遊ぶのが好きですが、危険ですか?

A2: 非常に危険です。紐状のものは猫が誤飲しやすく、腸閉塞など命に関わる状態を引き起こす可能性があります。猫と遊ぶ際は、飼い主の目の届く範囲で、飲み込めない大きさの安全なおもちゃを使用し、遊び終わったら必ず片付けてください。

Q3: 誤飲してから何分後くらいで症状が出ますか?

A3: 飲み込んだ物の種類や量、個体差によって大きく異なります。数時間で症状が出るものもあれば、数日経ってから現れるものもあります。症状の有無に関わらず、危険物を摂取したことが分かった時点ですぐに動物病院に連絡することが重要です。

Q4: 留守番中に誤飲させないための対策はありますか?

A4: 留守番中の誤飲を防ぐには、ペットが過ごす環境を徹底的に安全にすることが不可欠です。外出前には、床に物が落ちていないか、ゴミ箱は閉まっているか、食品や薬品が片付けられているかを必ず確認しましょう。安全なケージやサークル、あるいは危険物のない一部屋で過ごさせるのも有効です。

この記事のまとめ
  • 犬猫の誤飲・誤食は命に関わる重篤な事故に繋がるため、日頃からの予防と早期発見・対応が極めて重要です。
  • チョコレート、ネギ類、ブドウなどの食品、ユリ科植物、医薬品、紐、電池などの日用品が主な危険物です。
  • 誤飲が疑われる場合は、自己判断で吐かせようとせず、速やかに獣医師に連絡し適切な指示を仰ぎましょう。
  • 危険物をペットの届かない場所に保管し、適切な環境整備としつけを行うことで、事故のリスクを大幅に減らせます。

初回公開日:2025年12月23日

記載されている内容は2025年12月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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