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保護犬・保護猫の迎え方完全ガイド|出会いの探し方・譲渡条件・費用・トライアルの進め方

更新日:2025年12月11日

1分でわかるこの記事の要約 保護犬・保護猫と出会うには、動物愛護センター、保護団体、里親募集サイトの3つの方法があります。 譲渡条件として終生飼育の覚悟、ペット可住居、経済力、家族同意、脱走防止対策などが求められます。 […]
1分でわかるこの記事の要約
  • 保護犬・保護猫と出会うには、動物愛護センター、保護団体、里親募集サイトの3つの方法があります。
  • 譲渡条件として終生飼育の覚悟、ペット可住居、経済力、家族同意、脱走防止対策などが求められます。
  • 初期費用は譲渡費用とグッズ代を合わせ5~15万円、年間費用は10~30万円程度が目安です。
  • トライアル期間は相性確認の重要なお試し期間であり、問題があれば無理せず団体へ相談しましょう。
  • 先住ペットがいる場合は段階的な対面が必須で、心のケアと相性確認を最優先に考えることが大切です。

保護犬や保護猫を新しい家族として迎えたい。その優しい気持ちは、行き場のない命を救う大きな一歩です。しかし、初めてお迎えを考えるとき、「何から準備すればいい?」「費用はどれくらいかかる?」「自分に里親が務まるだろうか?」といった不安や疑問が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。

この記事では、そんなあなたのための「初めてのお迎えガイド」として、保護犬・保護猫と出会う方法から、必要な準備、費用、そして大切な心構えまで、すべての情報を網羅してやさしく解説します。

保護犬・保護猫と出会うには?主な3つの方法

新しい家族となる子を探す第一歩は、どこで出会えるかを知ることです。保護犬・保護猫と出会える場所は主に3つあります。それぞれに特徴があるため、ご自身の状況に合わせて最適な場所を探してみましょう

1. 動物愛護センター・保健所

動物愛護センターや保健所は、都道府県や市町村が運営する公的な施設です。迷子や飼育放棄された犬や猫が保護されています。ここの子たちの里親になることは、殺処分から命を救うことに直結します。

譲渡には自治体の講習会受講が義務付けられている場合が多く、飼い主としての知識を学ぶ良い機会になります。公式サイトで収容動物の情報を確認できるので、まずはお住まいの地域のセンターを調べてみましょう。

2. 保護団体(NPO法人など)

NPO法人などの動物愛護団体は、民間レベルで犬や猫の保護活動を行っています。センターから引き出したり、多頭飼育崩壊の現場から救出したりした子を、シェルターや預かりボランティアの家庭でケアしているのが特徴です。

最大のメリットは、その子の性格や健康状態をスタッフが詳しく把握している点です。家庭環境に近い場所で過ごしているため人馴れしている子も多く、初めての方でも安心して相談できます。定期的に開催される「譲渡会」で、実際に多くの犬猫と触れ合えます。

3. 里親募集サイト

インターネット上の里親募集サイトでは、全国各地の保護犬・保護猫の情報を手軽に検索できます。犬種や猫種、年齢、性格などの条件で絞り込めるため、自分のライフスタイルに合った子を見つけやすいのが魅力です。

ただし、個人が募集しているケースもあるため、トラブルを避ける注意も必要です。譲渡条件やワクチン接種、不妊去勢手術といった医療ケアの実施状況をしっかり確認し、信頼できる相手かを見極めましょう。必ず直接会って、その子の置かれている環境を確認することが重要です。


里親になるための流れと譲渡条件

運命の子と出会えたら、次はいよいよ譲渡の手続きです。ここでは、一般的な流れと里親に求められる条件を解説します。

譲渡会当日の流れ

譲渡会は、保護犬・保護猫にとって大切なお見合いの場です。

  • アンケート記入: 家族構成、住居環境、飼育経験など、相性の良い子を見つけるための重要な情報を正直に記入します。
  • スタッフとの面談: アンケートを基に、希望や不安について話し合います。
  • 犬猫との対面: 気になる子の性格や普段の様子をスタッフに詳しく聞きながら、実際に触れ合います。
  • 申し込み: 気持ちが固まったら申し込みへ。多くの場合、後日の家庭訪問を経てトライアル期間に進みます。

里親に求められる主な譲渡条件

保護動物を二度と悲しい目に遭わせないため、里親にはいくつかの条件が設けられています。

  • 終生飼育の覚悟: 病気や老化など、どんな状況でも生涯家族として愛し続ける責任。
  • ペット可の住居: 賃貸の場合は契約書の提示を求められることもあります。
  • 家族全員の同意: アレルギーの有無や世話への協力体制は不可欠です。
  • 経済力: 適切な医療を受けさせられるだけの経済的な安定。
  • 脱走防止対策の徹底: ゲートの設置など、具体的な対策が求められます。
  • 身分証明書の提示と譲渡誓約書への署名。

一人暮らしや高齢者でも里親になれる?

「一人暮らし」や「高齢」という理由だけで諦める必要はありません。譲渡条件は厳しくなる傾向にありますが、決して不可能ではありません。

留守番時間が長すぎないことや、万が一の際にペットの世話を託せる後見人(親族や友人など)がいることを明確に示せば、譲渡の可能性は十分にあります。高齢者の場合は、お世話が比較的落ち着いている成犬・成猫を迎える選択肢も喜ばれます。まずは諦めずに、保護団体に正直に状況を相談してみましょう。


保護犬・保護猫を迎えるための準備【完全リスト】

お迎えする子が決まったら、安心して新生活をスタートできるよう、必要なグッズと環境を整えましょう。

必要なものリスト(グッズ編)

お迎え初日にないと困るものは、事前に用意しておくことが大切です。

犬猫共通で必須のもの

  • ケージ、サークル、クレート: 安心できる自分だけの場所。留守番や就寝時に役立ちます。
  • トイレとトイレシーツ(猫は猫砂): 元々使っていたものと同じタイプだとスムーズです。
  • フードと食器、給水器: 保護されていた時に食べていたフードを最初は与えましょう。
  • キャリーバッグ: 通院や災害時の避難に不可欠です。

犬の場合に追加で必要なもの

  • 首輪、ハーネス、リード: 体のサイズに合ったもの。お散歩の必需品です。
  • おもちゃ: ストレス解消やコミュニケーションに。
  • ケア用品: ブラシ、爪切り、歯磨きグッズなど。

猫の場合に追加で必要なもの

  • 爪とぎ: 壁や家具を守るために必ず用意します。
  • キャットタワー: 上下運動は猫のストレス解消に効果的です。

お家の中の環境準備と脱走防止対策

グッズの準備と並行して、室内の安全対策も進めましょう。

  • 誤飲・事故防止: 電気コードはカバーで覆い、薬や中毒性のある植物は届かない場所へ移動させます。
  • 脱走防止対策: 最も重要な準備です。玄関への飛び出し防止ゲートの設置や、窓にストッパーを付け、網戸を補強するなどの対策は必須です。

家族内での心構えと役割分担

お迎えする前に、家族全員でお世話のルールを話し合っておきましょう

  • 役割分担: 散歩、ご飯、トイレ掃除の担当などを決めます。
  • しつけ方針の統一: 家族間で叱る・甘やかすが異なると犬猫が混乱します。「人間の食べ物は与えない」など、基本的なルールを共有しましょう。
  • 医療方針: かかりつけ医やペット保険加入の有無なども話し合っておくと安心です。

気になる費用は?初期費用と年間費用の目安

新しい家族を迎えるには、経済的な備えも不可欠です。具体的な費用の目安を解説します。

お迎え時にかかる初期費用

保護犬・保護猫を迎える際には「譲渡費用」がかかります。これは、その子が保護されている間にかかった医療費などの実費を、次の里親が一部負担するものです。

譲渡費用の内訳

  • 内訳: ワクチン接種、不妊・去勢手術、マイクロチップ装着、ウイルス検査、ノミ・ダニ駆除薬など

譲渡費用の相場と初期費用合計

  • 譲渡費用の相場: 約2万円~8万円が一般的です。
  • 飼育グッズ代: 上記リストのグッズを揃える費用が別途かかります。
  • 初期費用の合計: 合計で5万円~15万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

迎えた後にかかる年間費用

お迎えした後も、継続的に費用がかかります。

年間費用の内訳と目安

  • 主な内訳: フード・おやつ代、トイレ用品などの消耗品代、年1回のワクチンや予防薬などの医療費。
  • 費用の目安: 小型犬や猫の場合で年間10万円~30万円程度が目安です。

万が一の病気やケガに備え、ペット保険への加入も検討しましょう。


トライアル期間を成功させるための3つのポイント

多くの保護団体では、正式譲渡の前に「トライアル期間」というお試し期間を設けています。

1. トライアル期間の目的を理解する

トライアル期間は、里親希望者、新しく迎える子、そして先住ペットとの相性を確認するための大切な期間です。期間は2週間~1ヶ月程度が一般的。この子と生涯を共にできるか、お互いが無理なく暮らせるかを最終確認する機会と捉えましょう。

2. 最初の数日間は「そっと見守る」

トライアル開始直後は、犬や猫が最もストレスを感じています。

  • 構いすぎない: 過度に撫でたり、抱っこしたりするのは避けましょう。
  • 安全地帯を用意する: 誰にも邪魔されないケージなどを用意し、自分のペースで過ごさせます。
  • 静かに観察する: 向こうから近寄ってくるまでは見守る姿勢を保ち、食事や排泄ができているかをチェックします。

3. 問題行動はすぐに団体へ相談する

新しい環境へのストレスから、トイレの失敗、夜鳴き、食欲不振といった問題行動が見られることがあります。

これらは不安が原因の一時的な行動であることがほとんどです。叱るのではなく、一人で抱え込まずに必ず保護団体の担当者に相談してください。経験豊富なスタッフが、その子の性格に合った的確なアドバイスをくれます。焦らず、愛情をもって向き合うことが成功の鍵です。


先住ペットがいる場合の注意点

すでにペットがいるご家庭に新しい子を迎える場合は、より一層の配慮が必要です。先住ペットの心のケアを最優先に考えましょう。

多頭飼いを始める前の心構え

新しい子の存在は、先住ペットにとって大きなストレスになり得ます。すべてのペットに平等に愛情を注ぐ強い覚悟が必要です。お迎えする前に、先住ペットの性格や年齢を保護団体に詳しく伝え、相性の良い子を一緒に探してもらいましょう。

段階的な対面の進め方

新しい子を連れて帰って、すぐに先住ペットと対面させてはいけません。これは絶対に守るべきルールです。

  1. 隔離: 最初の数日は別の部屋に隔離し、姿が見えない状態でお互いの匂いだけで存在を認識させます(タオルの交換など)。
  2. ケージ越しの対面: 次に、ドアやゲート越しに短い時間だけ対面させます。興奮する様子がなければ、少しずつ時間を延ばします。
  3. 先住ペットを優先: 対面の際は必ず先住ペットを優先し、たくさん褒めてあげましょう。「あなたの愛情は変わらないよ」と伝えることが大切です。

どうしても相性が合わない場合

慎重に進めても、どうしても相性が合わないケースはあります。その場合は、生活空間を完全に分離するか、トライアルを中止して正直に団体に相談するという決断も必要です。これは失敗ではなく、その子とあなたの家族の幸せを最優先に考えた結果です。


まとめ:新しい家族を迎える喜び

保護犬・保護猫を迎えることは、一つの命を救い、かけがえのない家族を得る素晴らしい選択です。費用や時間、そして生涯にわたる責任も伴います。しかし、その準備や苦労を乗り越えた先には、言葉では言い尽くせないほどの愛情と喜びに満ちた毎日が待っています。

この記事が、あなたが運命の子と出会い、幸せな一歩を踏み出すためのお手伝いになれば幸いです。終生飼育の覚悟を胸に、ぜひ新しい家族との出会いを探してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1: 保護犬・保護猫のしつけは大変ですか? A1: 個体差はありますが、成犬・成猫は性格が定まっているため、子犬・子猫を一から育てるより手がかからない場合も多いです。ただし、過去のトラウマから慣れるのに時間が必要な子もいます。焦らず信頼関係を築くことが最も大切なしつけです。多くの保護団体が譲渡後も相談に乗ってくれるので、サポートを活用しましょう。

Q2: 譲渡費用は何に使われるのですか? A2: 譲渡費用は、その動物が保護されてから譲渡までにかかった医療費(ワクチン接種、不妊・去勢手術、マイクロチップ装着、各種検査など)や、保護期間中の食費などに充てられます。この費用は、次の行き場のない命を救うための大切な活動資金となります。

Q3: トライアル期間中に譲渡を辞退することはできますか? A3: はい、可能です。トライアル期間はお互いの相性を確認するためのものです。「先住ペットとどうしても合わない」「家族にアレルギーが出た」など、やむを得ない理由があれば正直に保護団体に相談してください。無理に譲渡を進めることは双方にとって不幸です。正直に伝えることが、その子の本当の幸せにつながります。

この記事のまとめ
  • 保護犬・保護猫を迎え入れることは、一つの命を救い、家族としてかけがえのない喜びを得る素晴らしい選択です。
  • 出会いの方法、譲渡条件、必要な費用、事前準備、そしてトライアル期間について理解を深めましょう。
  • 終生飼育の覚悟と愛情をもって向き合えば、多くの困難を乗り越え、幸せな生活を送ることができます。
  • 一人暮らしや高齢者でも諦めず、保護団体に相談し、後見人の準備など具体的な対策を講じましょう。
  • 不安なことや問題があれば、一人で抱え込まず保護団体に相談し、サポートを活用することが成功の鍵です。

初回公開日:2025年12月11日

記載されている内容は2025年12月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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