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【完全ガイド】犬・猫のごはんの選び方|ドライ・ウェット・手作りを徹底比較!年齢・体質別の最適フードとは

更新日:2025年12月11日

1分でわかるこの記事の要約 愛犬・愛猫のごはん選びは、総合栄養食を基本とし、ドライ、ウェット、手作りの特徴を理解することが重要です。 子犬・子猫期は高栄養、成犬・成猫期は体重管理、シニア期は低カロリー・消化しやすさを重視 […]
1分でわかるこの記事の要約
  • 愛犬・愛猫のごはん選びは、総合栄養食を基本とし、ドライ、ウェット、手作りの特徴を理解することが重要です。
  • 子犬・子猫期は高栄養、成犬・成猫期は体重管理、シニア期は低カロリー・消化しやすさを重視したフードを選びます。
  • アレルギーや肥満など体質別の悩みに応じた専用フードの選択も、健康維持に不可欠な要素です。
  • 新しいフードへの切り替えは7〜10日間かけて段階的に行い、便の状態を観察しながら慎重に進める必要があります。
愛犬や愛猫には、一日でも長く健康でいてほしい。これは、すべての飼い主さんに共通する願いではないでしょうか。その健康を支える最も重要な要素の一つが、毎日の「ごはん」です。 しかし、ペットショップや通販サイトには驚くほど多くのペットフードが並んでおり、「うちの子に最適なごはんはどれだろう?」と悩んでしまう方も少なくありません。 この記事では、そんな飼い主さんのために、犬と猫のごはん選びの基本を徹底的に解説します。ドライフードやウェットフード、手作りごはんの違いから、年齢(ライフステージ)や体質に合わせた選び方、そして失敗しないフードの切り替え方法まで、知っておきたい栄養の入門知識を丁寧にご紹介します。

犬と猫のごはんの基本|3つの主な種類と特徴

ペットフードを選ぶ上で、まず知っておきたいのが「総合栄養食」という言葉です。これは、そのフードと水を与えるだけで、ペットが健康を維持するために必要な栄養素をバランス良く摂取できるように作られたごはんのこと。特別な事情がない限り、主食にはこの「総合栄養食」と記載されたものを選びましょう

その上で、ごはんには主に「ドライ」「ウェット」「手作り」という3つの選択肢があります。それぞれのメリットとデメリットを理解することが、ごはん選びの第一歩です。

①ドライフード|最も一般的なカリカリタイプ

ドライフードは、その名の通り水分含有量が10%程度と低く、カリカリとした食感が特徴のフードです。保存性が高く、価格も比較的手頃なため、多くの家庭で主食として利用されています。粒に硬さがあるため、食べることで歯の表面の汚れを落とす効果も期待でき、歯石の予防に繋がるとも言われています。

ドライフードの特徴

  • メリット: 利便性と経済性に優れています。開封後も適切に保管すれば長持ちし、給与量を計りやすいためカロリー管理がしやすいのが特徴です。置き餌にも向いているため、留守番中や少しずつ食べるタイプの猫にも適しています。
  • デメリット: 水分含有量が少ないため、水をあまり飲まない子だと水分不足に陥りやすい点が挙げられます。特に、泌尿器系の病気が心配な猫の場合は注意が必要です。また、製造過程で高温処理されるため、原材料本来の風味が損なわれ、嗜好性がウェットフードに劣る場合もあります。

②ウェットフード|水分補給にもなる缶詰・パウチ

ウェットフードは、水分含有量が75%以上と非常に高く、缶詰やパウチの形で販売されています。肉や魚などの原材料の風味が強く残っているため嗜好性が高く、食欲が落ちている時や、ドライフードを食べ飽きてしまった子の食事としても活躍します。

ウェットフードの特徴

  • メリット: 食事から自然に水分を摂取できる点です。水を飲む量が少ない犬や猫にとって、脱水予防や泌尿器系の健康維持に非常に有効な選択肢となります。また、柔らかく消化しやすいため、歯が弱いシニア犬・シニア猫や、消化機能が未熟な子犬・子猫にも適しています。
  • デメリット: ドライフードに比べて価格が高く、開封後の保存が効かない点が挙げられます。一度開封したら冷蔵庫で保管し、早めに使い切る必要があります。また、歯に付着しやすく歯石の原因になりやすいため、毎日の歯磨きなどのオーラルケアがより重要になります。

③手作りごはん|愛情を込めたオリジナルメニュー

手作りごはんは、飼い主さんが自ら食材を選んで調理する食事です。使用する原材料をすべて自分で管理できるため、食物アレルギーを持つ子に対してアレルゲンを確実に避けることができる、添加物を一切使用しないごはんを作れるといったメリットがあります。

手作りごはんの特徴

  • メリット: 食材を自分で管理できるため、アレルギー対策や無添加調理が可能です。ペットの好みやその日の体調に合わせて内容を柔軟に調整できるのも大きな魅力です。
  • デメリット: 栄養バランスを適切に保つことが非常に難しい点です。犬や猫に必要な栄養素は人間とは異なり、自己流で作ると必須栄養素が欠乏し、病気の原因になりかねません。手作りごはんを主食にする場合は、必ず獣医師やペット栄養管理士といった専門家のアドバイスを受け、栄養計算をしっかり行うことが不可欠です。基本的には、総合栄養食のトッピングとして活用するのが現実的でしょう。

【ライフステージ別】犬・猫のごはんの選び方

犬や猫も人間と同じように、成長段階によって必要とする栄養素の量やバランスが異なります。これを「ライフステージ」と呼び、大きく「子犬・子猫期」「成犬・成猫期」「シニア犬・シニア猫期」の3つに分けられます。それぞれのステージに合わせたフード選びが、健康維持の鍵となります。

子犬・子猫期(成長期)のごはん選び

生後1年(大型犬の場合は1年半〜2年)くらいまでの成長期は、骨や筋肉、内臓など、体を作るために非常に多くのエネルギーと栄養を必要とします。この時期のごはん選びで最も重要なのは、少量で効率よく栄養が摂れる「高タンパク質」「高カロリー」なフードを選ぶことです。必ず「子犬用」「子猫用」と表示された総合栄養食を与えましょう。

消化器官がまだ未熟なため、消化に良い原材料が使われているかもポイントです。胃が小さく一度にたくさん食べられないため、1日の給与量を3〜4回に分けて与えるのが基本です。

成犬・成猫期(維持期)のごはん選び

成長期が終わり、体が完成した成犬・成猫期は、健康な体を維持することがごはんの主な目的となります。この時期はライフステージの中で最も期間が長く、個体差が大きくなるのが特徴です。避妊・去勢手術の有無、運動量など、ライフスタイルに合わせてフードを選ぶ必要があります。

基本的には「成犬用」「成猫用」の総合栄養食を選び、適切な栄養バランスを保つことが大切です。特に、肥満はさまざまな病気のリスクを高めるため、カロリー管理が重要になります。パッケージの給与量を守り、おやつの与えすぎに注意しましょう。愛犬・愛猫の体型(BCS:ボディコンディションスコア)を定期的にチェックし、理想的な体重を維持できるよう心がけましょう。

シニア犬・シニア猫期(高齢期)のごはん選び

一般的に7歳頃からシニア期(高齢期)に入ります。この時期になると、基礎代謝が落ちて運動量も減るため、成犬・成猫期と同じごはんを与えていると肥満になりやすくなります。そのため、「シニア用」「高齢犬用」と表示された、低カロリー設計のフードへの切り替えを検討しましょう。

また、加齢に伴い消化機能も低下してくるため、消化しやすい良質なタンパク質を使用したフードがおすすめです。関節の健康をサポートするグルコサミンやコンドロイチン、心臓や腎臓の健康に配慮した栄養素(低リン、低ナトリウムなど)が配合されているフードも多くあります。噛む力や飲み込む力が弱ってくることもあるため、小粒のドライフードやウェットフードを積極的に取り入れるのも良い方法です。

ライフステージ別フード選びの要点

  • 子犬・子猫期: 高タンパク・高カロリーで消化しやすい「子犬用・子猫用」を少量ずつ複数回に分けて与える。
  • 成犬・成猫期: ライフスタイルに合わせた「成犬用・成猫用」でカロリー管理を徹底し、肥満予防に努める。
  • シニア犬・シニア猫期: 基礎代謝の低下に合わせた「シニア用」の低カロリーフードで、消化しやすさや特定の栄養素に配慮する。

【体質・悩み別】犬・猫のごはん選びのポイント

ライフステージに合わせたフード選びに加えて、愛犬・愛猫それぞれの体質や悩みに応じたフードを選ぶことも非常に重要です。

食物アレルギーがある場合

特定の食べ物(アレルゲン)に免疫が過剰反応し、皮膚の痒みや下痢などを引き起こすのが食物アレルギーです。アレルゲンとなりやすい原材料には、牛肉、乳製品、鶏肉や、小麦、トウモロコシなどが挙げられます。

アレルギーが疑われる場合は、まず動物病院でアレルゲンを特定することが重要です。その上で、アレルゲンを含まない「アレルギー対応フード」を選ぶか、主原料を1種類に限定した「LID」や、鹿肉、魚などアレルギー反応を起こしにくいとされる新しいタンパク質を使用したフードが有効です。また、穀物不使用の「グレインフリー」フードも選択肢の一つですが、穀物アレルギーでない子に必須ではありません。獣医師と相談しながら選びましょう。

お腹を壊しやすい(消化器系がデリケートな)場合

便がゆるくなりやすい、嘔吐しやすいなど、消化器系がデリケートな子には、消化に配慮したフードを選びましょう。高品質で消化性の高いタンパク質(チキン、サーモンなど)を主原料とし、脂質が控えめなフードがおすすめです。

さらに、腸内環境を整える「プロバイオティクス(善玉菌)」や「プレバイオティクス(善玉菌のエサとなる食物繊維など)」が配合されたフードも良いでしょう。

肥満気味・体重管理が必要な場合

肥満は、関節炎、心臓病、糖尿病など、さまざまな病気のリスクを高めます。適正体重をオーバーしている場合は、ダイエット用の療法食や、体重管理を目的としたフードを選びましょう。これらのフードは、満足感を得やすいように食物繊維が豊富で、高タンパク・低脂質・低カロリーに設計されています。

ただし、急激な食事制限は体に大きな負担をかけます。必ず獣医師の指導のもとで、計画的にダイエットを進めることが重要です。


失敗しない!フードの正しい切り替え方と注意点

新しいフードに切り替える際は、慎重に進める必要があります。急にフードを変えると、下痢や嘔吐を起こしたり、警戒して食べてくれなくなったりすることがあります。

フードを切り替える基本ステップ

フードの切り替えは、最低でも7〜10日間ほどの期間をかけて、ゆっくり行いましょう。

  1. 今までのフード90% + 新しいフード10%
  2. 今までのフード75% + 新しいフード25%
  3. 今までのフード50% + 新しいフード50%
  4. 今までのフード25% + 新しいフード75%
  5. 新しいフード100%

これはあくまで目安です。お腹がデリケートな子や警戒心の強い子の場合は、さらに長い期間をかけてゆっくり進めてください。この期間中、ペットの様子、特に便の状態をよく観察することが何よりも大切です。

便の状態で健康をチェックしよう

便は、健康のバロメーターです。フードがその子に合っているか判断する上で、最も分かりやすい指標となります。理想的な便は、適度な硬さがあり、ティッシュで掴んだ時に形が崩れない状態です。

切り替え中に便がゆるくなったり、硬くなったりした場合は、一度前のステップに戻し、体が慣れるまで様子を見ましょう。下痢や軟便が続く場合は、そのフードが合っていない可能性も考えられるため、切り替えを中止し獣医師に相談してください。

ごはんの量と回数の基本

1日に与えるごはんの量は、フードのパッケージに記載されている給与量を目安にしましょう。ただし、これはあくまで標準値のため、愛犬・愛猫の体型や便の状態を見ながら微調整することが重要です。

給与回数は、消化への負担を考えると、1日1回よりも2回以上に分けて与えるのが理想的です。特に子犬・子猫期は1日に3〜4回、シニア期も消化機能に合わせて回数を増やすと良いでしょう。毎回新鮮な水が飲めるように、綺麗な水を用意しておくことも忘れないでください。


まとめ

愛犬・愛猫に最適なごはんを選ぶことは、飼い主さんの重要な責任の一つです。ドライ、ウェット、手作りにはそれぞれメリット・デメリットがあり、ライフステージや体質によっても求められる栄養は変わります。

大切なのは、知識をベースに、目の前にいる「うちの子」をしっかりと観察することです。食いつき、毛艶、便の状態など、日々の変化に気づき、その子に本当に合ったごはんを見つけてあげましょう。フード選びに迷ったり、ペットの体調に不安を感じたりした場合は、一人で悩まず、かかりつけの獣医師に相談してください正しいごはん選びが、愛犬・愛猫との健やかで幸せな毎日へと繋がっていきます。


よくある質問(FAQ)

Q1: ドライフードとウェットフード、どっちがいいですか?

A1: 一概にどちらが良いとは言えません。ドライフードは経済性や保存性、ウェットフードは水分補給や嗜好性の高さがメリットです。それぞれの長所を理解し、ペットの年齢、健康状態、好みに合わせて選ぶことが大切です。両方を混ぜて与える「ミックスフィーディング」もおすすめです。

Q2: グレインフリーのフードは本当に体に良いのですか?

A2: グレインフリー(穀物不使用)は、小麦やトウモロコシなどにアレルギーがある子には非常に有効な選択肢です。しかし、穀物アレルギーでない子にとっては必須ではありません。良質な穀物はエネルギー源として有用な場合もあります。メリット・デメリットを理解し、獣医師と相談の上で判断することが重要です。

Q3: 手作りごはんだけで栄養は足りますか?

A3: 専門家の指導なしに手作りごはんだけで栄養バランスを完璧に満たすことは、非常に困難です。栄養素の欠乏や過剰は、長期的に健康を害するリスクがあります。主食としたい場合は必ず獣医師やペット栄養管理士に相談してください。一般的には、総合栄養食のトッピングとして楽しむのが安全です。

Q4: フードを急に食べなくなったのですが、病気でしょうか?

A4: 食欲不振の原因は、単なるわがままや飽きのほか、口内炎や歯周病、消化器系の不調、内臓疾患といった病気の可能性も考えられます。食欲不振が24時間以上続く、ぐったりしている、嘔吐や下痢を伴うなどの症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

この記事のまとめ
  • 犬や猫の健康を支えるごはんは、種類、年齢、体質によって最適なものが異なります。
  • ドライ、ウェット、手作りそれぞれのメリット・デメリットを把握し、愛するペットに合った選択をすることが大切です。
  • 肥満やアレルギーといった個別の課題には、専門的な配慮がされた専用フードや療法食の検討が必要です。
  • 新しいフードへの切り替えは、ペットの体調を見ながらゆっくりと行い、健康維持のために獣医師への相談も活用しましょう。

初回公開日:2025年12月11日

記載されている内容は2025年12月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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