ペットと引っ越し完全チェックリスト｜事前準備から新居での慣らし方まで徹底ガイド

引っ越しが決まったら、まずはペットに関わる基本的な準備から始めましょう。特に新居の選定とペットの健康状態の確認は、後々のトラブルを防ぐために最も重要なステップです。

ペットとの新生活の基盤となる住まい。必ず「ペット可」の物件を選ぶ必要がありますが、契約内容は隅々まで確認しましょう。「ペット可」と一言で言っても、下記のような制限が設けられているケースがほとんどです。

契約書をよく読み、管理会社や大家さんに直接確認することが重要です。鳴き声や足音など、近隣への配慮についても事前に考えておくと良いでしょう。

次に引っ越し業者を選びます。基本的にはペットを「荷物」として運ぶことはできません。ペットの輸送をプロに任せたい場合は、ペット専門の輸送業者やペットタクシーの利用を検討しましょう。引っ越し業者に見積もりを依頼する際は、必ずペットがいることを伝え、当日の対応について確認しておくことが、スムーズな進行の鍵となります。

環境変化は、ペットにとって大きなストレスの原因となります。引っ越しに心身ともに耐えられるか、事前にかかりつけの動物病院で健康チェックを受けておくと安心です。

引っ越しの準備が本格化するこの時期に、ペットに関する公的な手続きを済ませておきましょう。

犬を飼っている場合、自治体への登録情報の変更手続きが必要です。

この手続きは引っ越し後30日以内に行う必要がありますが、早めに済ませておくと安心です。 また、ワニやタカといった「特定動物」を飼育している場合は、動物愛護管理法に基づき、事前に新しい住所を管轄する動物愛護センターや保健所への連絡と手続きが必須です。

犬や猫にマイクロチップを装着している場合、登録情報の変更手続きを忘れずに行いましょう。これは役所の手続きとは別に、指定登録機関（例：日本獣医師会）のデータベースに対して行います。オンラインで手続き可能なことが多いです。万が一ペットが迷子になった際、飼い主情報が古いと連絡が取れなくなってしまいます。

いよいよ引っ越し当日。人の出入りや大きな物音で、ペットは最もストレスを感じる一日になります。ペットの安全と安心を第一に考え、慎重に行動しましょう。

ペットの移動手段は、距離やペットの性格を考慮して最適なものを選びましょう。

当日は作業の騒音や人の出入りでペットは混乱しがちです。可能であれば、ペットホテルや知人宅に預かってもらうのが最も安全です。

それが難しい場合は、家の中の一部屋（お風呂場など）をペット専用の待機場所にし、作業が終わるまでそこで過ごさせましょう。その際、水・トイレと、自分の匂いがついたおもちゃや毛布を一緒に入れてあげると安心します。ドアには「ペットがいます。開けないでください」と貼り紙をしておくと、脱走事故を防げます。

当日の食事は、乗り物酔いを防ぐためにも、出発の数時間前までに軽く済ませるのがおすすめです。

無事に新居に到着しても、まだ終わりではありません。ここからがペットにとって新しい環境に慣れるための大切な期間です。焦らず、ペットのペースに合わせてサポートしましょう。

新居に到着したら、いきなり家全体を自由にさせるのではなく、まずは一部屋だけを開放し、そこをペットの「セーフティゾーン」に設定します。その部屋に、今まで使っていたベッドやトイレ、食器、おもちゃなどを設置しましょう。特に、前の家の匂いがついたタオルや毛布はペットを安心させます。

荷解きが終わるまでは、その部屋で過ごさせることで、誤飲やケガ、玄関からの脱走リスクを減らせます。

特に猫は環境変化に敏感です。引っ越し後、ベッドの下などに隠れて出てこない、食事をしないといったことは珍しくありません。これは極度のストレスサインですが、無理やり引っ張り出すのは逆効果です。

食欲不振や排泄トラブルが何日も続く場合は、早めに新しい動物病院に相談しましょう。

ペットが落ち着き、セーフティゾーンから出たがるようになったら、飼い主さんの監督のもとで少しずつ他の部屋を探索させましょう。

引っ越し直後は、脱走・迷子になりやすい最も危険な時期です。窓や玄関の開閉にはこれまで以上に注意し、施錠を徹底してください。網戸の破れや緩みもチェックし、必要であれば脱走防止フェンスを設置しましょう。

犬の場合は、新しい散歩コースに慣らすため、最初はリードを短く持ち、家の周りを短時間だけ歩くことから始め、少しずつ距離と時間を延ばしていきましょう。

ペットとの引っ越しは、周到な計画とペットの気持ちに寄り添う深い配慮があってこそ成功します。事前の健康チェックから役所での手続き、安全な移動手段の確保、そして新居での丁寧なストレスケアまで、やるべきことは多岐にわたります。

今回ご紹介したチェックリストを活用し、一つ一つのタスクを着実にこなすことで、飼い主さんとペット双方の負担を大きく減らせるはずです。環境の変化という大きなハードルを乗り越え、愛するペットと共に素晴らしい新生活を笑顔でスタートさせてください。