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犬猫のシャンプー完全ガイド|頻度の目安・正しい洗い方・嫌がる子への対処法まで解説

更新日:2025年12月23日

1分でわかるこの記事の要約 犬のシャンプーは月1〜2回が目安ですが、猫は基本的に不要で、洗いすぎは皮膚トラブルの原因になります。 自宅シャンプーは、事前準備からブラッシング、適温での洗浄、徹底的なすすぎ、そして完全な乾燥 […]
1分でわかるこの記事の要約
  • 犬のシャンプーは月1〜2回が目安ですが、猫は基本的に不要で、洗いすぎは皮膚トラブルの原因になります。
  • 自宅シャンプーは、事前準備からブラッシング、適温での洗浄、徹底的なすすぎ、そして完全な乾燥までが重要です。
  • シャンプー剤は必ず犬猫専用を選び、肌質や具体的な悩みに合わせて適切な製品を使い分けましょう。
  • ペットがお風呂を嫌がる場合は、水慣らしから始め、シャワーの工夫や優しい声かけで徐々に慣らしていくことが大切です。
  • 自宅でのシャンプーが難しい場合は、無理せずトリミングサロンや動物病院のプロに相談し、上手にケアを組み合わせましょう。
愛犬・愛猫のシャンプーで「自宅でのやり方が分からない」「頻度はどれくらいがいいの?」と悩んでいませんか。臭いや汚れは気になるけれど、お風呂が嫌いな子を無理やり入れるのは避けたいですよね。 この記事では、犬と猫の自宅シャンプーに関するあらゆる疑問を解決します。 正しい手順や頻度、シャンプーの選び方、嫌がる子への対処法まで、プロの視点で徹底解説。この記事を読めば、おうちでのお手入れがペットとの絆を深めるコミュニケーションの時間に変わります。

犬と猫のシャンプー、適切な頻度は?【洗いすぎは皮膚トラブルの原因に】

ペットの体を清潔に保つシャンプーですが、実はやりすぎは禁物です。 犬と猫では適切な頻度が異なり、個体差も大きいため、まずは基本の目安を知っておきましょう。

犬のシャンプー頻度の目安は「月1〜2回」

犬のシャンプー頻度は、基本的に「月1回〜2回」が目安です。ただし、これはあくまで一般的な基準。犬種、毛の長さ、皮膚の状態、生活スタイルによって最適な頻度は異なります。

  • 皮脂が多い犬種(シーズー、アメリカン・コッカー・スパニエルなど): 月2回程度と少し頻度を多めにすると快適に過ごせる場合があります。
  • 皮膚がデリケートな犬種(柴犬など): 洗いすぎは皮膚トラブルを招くため、月1回程度か、汚れがひどい時だけでも十分です。

また、毎日のお散歩で汚れやすい子や、外で遊ぶのが好きな活発な子は、様子を見ながら頻度を調整しましょう。愛犬の皮膚や毛並みの状態を日頃からよく観察し、その子に合ったペースを見つけることが最も重要です。 臭いや体を痒がる仕草は、シャンプーのサインかもしれません。

猫のシャンプーは基本的に「不要」な場合が多い

猫は非常にきれい好きで、自分で毛づくろい(グルーミング)をして体を清潔に保つため、健康な短毛種の猫であれば基本的にシャンプーは不要です。

ただし、以下のようなケースではシャンプーを検討しましょう。

  • 長毛種の猫(ペルシャ、メインクーンなど): 毛玉ができやすく、グルーミングだけでは汚れが取りきれないため、年数回のシャンプーが推奨されます。
  • 体がひどく汚れた場合: 自分で落とせない汚れがついたときは、シャンプーで洗い流してあげましょう。
  • 皮膚病の治療中: 獣医師から薬用シャンプーを処方されている場合は、指示された頻度でシャンプーを行います。
  • 高齢や肥満: セルフグルーミングが困難になると、皮膚トラブルや臭いの原因になるため、飼い主のサポートが必要です。

シャンプーのしすぎが引き起こす皮膚トラブル

良かれと思って頻繁にシャンプーをすると、かえって皮膚トラブルの原因になります。犬や猫の皮膚は人間より薄くデリケートです。皮膚表面は「皮脂膜」という薄い油の膜で覆われ、乾燥や外部の刺激から皮膚を守っています。

シャンプーのしすぎは、この大切な皮脂膜を必要以上に洗い流してしまいます。バリア機能が低下すると、乾燥によるフケ、かゆみ、赤みなどを引き起こします。さらに、体は失われた皮脂を補おうと過剰に分泌し、かえってベタつきや臭いの原因になることもあるのです。


【初心者向け】犬と猫の自宅シャンプー完全手順|準備から乾かし方まで

自宅でのシャンプーをスムーズに行うには、事前の準備と正しい手順が不可欠です。焦らず、一つ一つのステップを丁寧に行いましょう。

まずは準備から!必要なアイテムリスト

シャンプーを始める前に、必要なものをすべて手の届く場所に揃えておきましょう。途中で慌てるとペットを不安にさせてしまいます。

  • ペット用シャンプー、リンス(コンディショナー)
  • 吸水性の高いタオル(複数枚あると便利)
  • 滑り止めマット(浴室の床やバスタブ内に)
  • ブラシ、コーム類
  • ペット用ドライヤー(または低温設定のできるドライヤー)
  • ご褒美用のおやつ
  • スポンジやガーゼ(顔周り用)

ポイント

  • シャンプー剤は、あらかじめ洗面器などでお湯で薄めて泡立てておくと、皮膚への刺激を抑え、すすぎも楽になります。

手順1:ブラッシングで汚れを落とし、毛玉をほぐす

シャンプー前に、必ず全身をブラッシングしましょう。この一手間で仕上がりが大きく変わります。抜け毛やホコリ、フケなどを取り除くことで、シャンプーの泡立ちが良くなり、皮膚までしっかり洗えます。毛玉が残ったまま濡らすと固く締まってしまい、皮膚炎の原因になるため、特に長毛種は丁寧に行いましょう。

手順2:お湯の温度は35〜38℃。心臓から遠い場所から濡らす

シャワーの温度は、人肌より少しぬるい35〜38℃が最適です。必ず手で温度を確認してから使いましょう。

濡らす際は、シャワーヘッドを体に密着させ、お尻や足先など心臓から遠い部分からゆっくりお湯をかけていきます。いきなり顔にかけるとペットが驚き、水嫌いの原因になります。シャワーの音や水圧を怖がる子には、水量を弱めに設定し、「大丈夫だよ」と優しく声をかけながら進めましょう。

手順3:指の腹でマッサージするように優しく洗う

体全体が濡れたら、事前に泡立てておいたシャンプーで洗います。原液を直接かけるのは避けましょう。きめ細かい泡は、皮膚への摩擦を減らし、毛穴の奥の汚れを優しく浮き上がらせます。

背中→お尻→足→お腹→胸の順に、指の腹でマッサージするように洗います。爪を立ててゴシゴシ擦るのは絶対にやめてください。顔周りはシャンプーが目や耳に入らないよう、泡をつけたスポンジやガーゼで優しく拭うように洗いましょう。

手順4:【最重要】すすぎ残しがないように徹底的に!

シャンプー工程で最も重要なのが「すすぎ」です。シャンプー剤のすすぎ残しは、皮膚炎やかゆみ、フケなどの皮膚トラブルの直接的な原因になります。

泡が消えても成分は残っています。「もういいかな?」と思ってから、さらに時間をかけて念入りにすすぎましょう。特に指の間、脇の下、お腹周りは残りやすいので、毛をかき分けて根元までしっかりお湯で洗い流してください。被毛のぬめり感がなくなり、キュッキュッとなるのが完了の目安です。

手順5:必要に応じてリンス・コンディショナーを使う

長毛種や毛が絡みやすい子の場合は、リンスやコンディショナーを使うと毛並みが整い、静電気や毛玉を防げます。製品の使用方法に従い、これもすすぎ残しがないよう完全に洗い流しましょう。健康な短毛種の場合は必須ではありません。


シャンプー後の乾かし方|ふわふわに仕上げるドライヤーのコツ

生乾きは雑菌が繁殖し、皮膚病や臭いの原因になります。シャンプーと同じくらい「乾かす」工程は重要です。根元から完全に乾かしきりましょう。

1. 吸水タオルで徹底的にタオルドライ

まず、吸水性の高いタオルを使い、体全体の水分を拭き取ります。ゴシゴシ擦らず、タオルを体に押し当て、優しく水分を吸わせるようにポンポンと押さえるのがコツです。お腹や足の付け根、指の間は念入りに行いましょう。タオルドライをしっかり行うことで、ドライヤーの時間を大幅に短縮できます。

2. ドライヤーを嫌がらないための工夫と注意点

多くの犬猫はドライヤーの音や熱風を嫌がります。怖がらせない工夫をしましょう。

  • 温度と風量: 低温・弱風から始める。ペット用の温度が上がりすぎないドライヤーがおすすめです。
  • 距離を保つ: 体から20〜30cmほど離し、ドライヤーを常に動かしながら使う。やけど防止のため、自分の手に風を当てて温度を確認しましょう。
  • 音に慣らす: 事前にドライヤーを見せておやつをあげたり、遠くでスイッチを入れて音に慣らしたりする練習も効果的です。
  • 顔周りは避ける: 顔に直接風を当てるのは絶対にやめましょう。乾いたタオルで優しく拭くか、手で顔を覆いながら遠くから風を送ります。

3. 乾かし残しを防ぐ正しいドライヤー術

タオルドライ後、ドライヤーで本格的に乾かします。毛の流れに逆らうように風を当て、根元に風を送り込むのがポイントです。片手でドライヤー、もう片方の手でスリッカーブラシやコームを使いながら毛をかき分けて乾かすと、早く乾き、仕上がりもふわふわになります。

脇の下、内股、お腹、耳の後ろなどは乾かし残しがないか指で入念にチェック。全身が乾いたら、最後に冷風を当ててキューティクルを引き締めるとツヤが出ます。仕上げのブラッシングで完了です。


【皮膚・悩み別】犬と猫のシャンプーの選び方

ペットグッズ売り場には多様なシャンプーがあり、迷ってしまいますよね。シャンプー選びの基本ポイントを解説します。

基本は「犬用」「猫用」を必ず使い分ける

大前提として、犬には犬用、猫には猫用のシャンプーを使いましょう。 人間用のシャンプーは論外です。犬や猫の皮膚は人間より薄く、pH値も異なります。人間用の洗浄力が強いシャンプーは刺激が強すぎ、皮膚のバリア機能を壊してしまいます。

肌質に合わせた選び方:敏感肌・乾燥肌の子には

皮膚がデリケートな子や、フケが出やすい子には「低刺激」「敏感肌用」と表記されたシャンプーがおすすめです。洗浄成分がマイルドなアミノ酸系や、保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)が配合されたものを選びましょう。香料・着色料が無添加の製品も安心です。

臭いやフケなどお悩み別の選び方

お悩み別のシャンプー選び

  • 臭いが気になる: 消臭・抗菌作用のある成分(柿タンニン、緑茶エキスなど)配合のものが効果的です。ただし、強い臭いが続く場合は皮膚病の可能性もあるため、獣医師に相談しましょう。
  • フケ・かゆみが気になる: 抗炎症成分や保湿成分が豊富な薬用シャンプーが有効な場合があります。自己判断で使い続けず、まずは動物病院で原因を特定してもらいましょう。
  • 毛並みを美しく保ちたい: 被毛の補修成分(ケラチン、シルクプロテインなど)が配合された製品がおすすめです。

獣医師に相談すべきケース

すでに皮膚に赤み、発疹、強いかゆみ、脱毛などの症状が見られる場合は、自己判断でシャンプーを選ばず、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。症状に合った薬用シャンプーを処方してもらい、指示に従ってケアを行いましょう。


犬・猫がお風呂を嫌がる!原因と今日からできる対処法

「お風呂」と聞いただけで逃げてしまう子も少なくありません。原因を探り、少しずつ慣らしていく工夫が大切です。

なぜ嫌がる?考えられる4つの原因

お風呂嫌いの主な原因

  • 水の音や水圧が怖い
  • 足元が滑って不安
  • 過去の嫌な経験(トラウマ)
  • 拘束されるのが嫌い

ステップ1:まずはお風呂場に慣らすことから

いきなりシャンプーはせず、まずはお風呂場が「怖くない、楽しい場所」だと教えましょう。乾いた状態のお風呂場でおやつをあげたり、おもちゃで遊んだりする時間を作ります。これを繰り返し、お風呂場へのマイナスイメージを払拭していきましょう。

ステップ2:シャワーの工夫と優しい声かけ

シャワーが苦手な子には、シャワーヘッドを体にぴったりとくっつけてお湯をかけると、音や水圧が和らぎます。桶で優しくかけてあげるのも良い方法です。シャンプー中は常に「えらいね」「気持ちいいね」と穏やかな声で話しかけ、安心させてあげましょう。

どうしても暴れる場合は無理しないこと

工夫をしてもパニックになる場合は、無理強いは絶対にやめましょう。ペットが怪我をしたり、飼い主との信頼関係が崩れたりする恐れがあります。そんな時は、お湯で濡らしたタオルで体を拭くだけでも十分です。汚れがひどい部分だけの「部分洗い」や、水を使わないドライシャンプーなどを活用するのも賢い選択です。


無理は禁物!自宅シャンプーとサロン(動物病院)の上手な使い分け

自宅でのシャンプーが難しい場合は、無理せずプロの力を借りましょう。

トリミングサロンに依頼するメリット

プロのトリマーが、その子に合ったシャンプーで手際よく仕上げてくれます。爪切りや耳掃除、肛門腺絞りといった自宅では難しいお手入れもセットでお願いできるのが大きなメリットです。大型犬や毛量の多い犬種で自宅でのシャンプーやドライが大変な場合も、サロンに任せれば飼い主の負担を大幅に減らせます。

動物病院でのシャンプーが推奨されるケース

皮膚病の治療中や、アレルギーなどで肌が非常に敏感な子は、獣医師の管理下でシャンプーを行ってもらうのが最も安全です。持病がある子や、体力が落ちているシニアの犬・猫も、万が一に備えて動物病院でのシャンプーが推奨されます。

自宅ケアとプロのケアを上手に組み合わせる

「月1回はサロンで全身ケア、もう1回は自宅で足やお尻周りだけ洗う」というように、上手に使い分けるのがおすすめです。日々のブラッシングは自宅で行い、定期的にプロのチェックを兼ねてサロンを利用することで、愛犬・愛猫の健康と清潔を効率よく維持できます。


まとめ:正しいシャンプーでペットとの絆を深めよう

犬や猫の自宅シャンプーは、正しい知識と手順さえ踏めば、決して難しいものではありません。適切な頻度を守り、その子に合ったシャンプーを選び、優しく丁寧にケアをすることで、皮膚や被毛を健康に保てます。

何よりも大切なのは、シャンプーの時間を「飼い主との楽しいコミュニケーションの時間」にすることです。ペットのペースに合わせて少しずつ慣らしていきましょう。もし不安を感じたり、ペットが極度に嫌がったりするなら、無理せずトリミングサロンや動物病院に相談してください。正しいお手入れで、愛犬・愛猫との絆をさらに深めていきましょう。

この記事のまとめ
  • 犬猫のシャンプーは頻度を守り、正しい手順とケアを心がけることで皮膚と被毛の健康を維持できます。
  • 事前準備をしっかり行い、シャンプーは優しく丁寧に進め、特にすすぎと乾燥は徹底することが重要です。
  • シャンプー選びはペット専用品で、皮膚の状態やお悩みに合わせて最適なものを選びましょう。
  • お風呂を嫌がる子には無理強いせず、慣らす工夫や部分洗い、ドライシャンプーの活用も検討してください。
  • 自宅ケアが難しい場合は、プロのトリミングサロンや動物病院のサポートを上手に活用し、ペットとの絆を深めましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: 子犬・子猫のシャンプーはいつからできますか? A1: 一般的に、ワクチンプログラムが終了し、体力や免疫力が安定する生後3ヶ月以降が目安です。それ以前に汚れが気になる場合は、お湯で濡らしたタオルで拭く程度に留めましょう。初めてのシャンプーは体調が良い日を選び、短時間で済ませることが大切です。不安な場合は、獣医師に相談してから行いましょう。

Q2: シャンプー後に犬がブルブルと体を震わせるのはなぜですか? A2: 体についた水分を効率的に飛ばすための自然な行動です。この行動で体の水分の約70%を瞬時に取り除くと言われています。タオルドライやドライヤーの前にブルブルさせてあげると、乾かす時間の短縮になります。

Q3: 人間用のシャンプーを犬や猫に使ってもいいですか? A3: 絶対にダメです。人間とペットでは皮膚のpH値や厚さが全く異なります。人間用のシャンプーは洗浄力が強すぎるため、ペットの皮膚のバリア機能を破壊し、乾燥、かゆみ、皮膚炎などの深刻なトラブルを引き起こす原因となります。必ずペット専用のシャンプーを使用してください。

初回公開日:2025年12月23日

記載されている内容は2025年12月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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