猪犬ってどんな役割があるの？なれる犬種と必要な条件をご紹介！

猪犬とは猪のように頑強な体や牙を持った犬ではなく、猪を狩猟するために役立つ狩犬や狩猟犬と呼ばれる犬のことです。いわゆる猟師の方々が連れている犬が該当するでしょう。

今から約3万年前の応酬で狼が狩猟採集民と一緒に行動したのが犬と人とのかかわりの第一歩といわれておりますが、そのころから狩りに向かう人と犬という形は変わっていません。

日本でも数は少なくなりましたが「猟師」というカテゴリーに属する方々はまだまだ存在し、イノシシ狩りといった狩りのために名犬を獣猟犬へと訓練する人も多くいます。そのための訓練所である猪犬訓練所も存在しています。

猪犬になれる犬種というのはいわゆる猪猟ができる犬になりますので、猪に対して向かっていく勇気や猪と対峙してある程度戦うことができるパワーやスピードも重要になるでしょう。

いわゆる小型犬や該当することがなく、ある程度の体格や戦闘能力を有する犬を用意する必要があります。猪犬は簡単に仕立て上げられるものではありません。用意した犬を本格的にトレーニングすることで初めて到達する領域です。

紀州犬は三重県や和歌山県原産の日本犬の一種ですが、甲斐犬や秋田犬と同じく天然記念物に指定されている犬です。日本犬としては柴犬に次ぐ飼育頭数を誇っている犬種になりますので、見たことがあるという人も多いでしょう。

家庭を守る日本犬の代表的な犬なのですが、狩猟犬としても非常に優れており猪犬として働いている紀州犬も存在します。一昔前までは猪犬として全国500軒近く飼われていたという情報もありますが、今ではその頭数を減らしています。

非常に頼りになる勇猛さと勇敢さを兼ね備えている犬ですが、しつけを怠ることで攻撃性が表に出てしまう犬種でもあるので要注意です。

毛色は黒や赤が多い甲斐犬は非常に敏捷に動ける犬種で、飼い主に対して絶対的な忠誠を尽くしてくれる犬でもあります。

日本における犬は「○○いぬ」と呼ばれるのですが、この甲斐犬だけは「飼い犬」と誤解される可能性が非常に大きかったので例外的に「かいけん」と呼ばれているのも特徴です。

甲斐犬は名前のとおり山梨県に生息していた犬で、山梨県の南アルプス山脈で猪犬として活躍し続けてきた犬でもあります。

ただし、この甲斐犬は気性が荒いのでグループ狩りには適しておらず、主と甲斐犬というシンプルな組み合わせこそが最大限の力を発揮できる条件といわれています。

秋田犬は甲斐犬や紀州犬と同じく天然記念物に指定されている犬種で、マタギ犬として活躍してきた歴史を持つ大型犬です。

昔は地名から秋田犬ではなく大館犬(おおだていぬ)と呼ばれていましたが、名残でその呼び方を使っている人もわずかにですが存在します。

ただし、今残っている秋田犬は純粋な秋田犬がほとんどいないといわれています。理由は江戸時代から明治時代に闘犬としてたたかわせるために洋犬と交配されすぎたことです。

それ以外にも太平洋戦争下においての毛皮確保や食糧確保の名目でシェパードといった軍用犬と交配させられることで無理やり数を増やされた歴史を持つので純血犬が激減しました。

猪犬になるための条件はいくつかありますが、猟犬として育てるためには一般的なしつけよりもより厳しく応対する必要があります。少なくても、鈍臭い運動能力の猪犬は狩りに不向きなので動ける猟犬が求められるでしょう。

それ以外にも負け戦が続いていてもつぶれることなく立ち向かい続けるだけの精神力を持っている犬は名犬という言葉もあります。猪犬の条件はいろいろとあってたやすくなれるものではありません。

ペットとして飼う犬も含めて健康であることが当たり前ですが、猪犬でもこの考え方は大きく変わらず健康第一となっています。

猟犬としての能力が高い犬でも心身ともに健康な犬じゃないと活動できないので、まずは健康第一という言葉が出てきます。知力や狩猟能力が高くてもそれが万全に発揮できないのではあまりにももったいないので、健康体であることを飼い主は強く求めます。

数々の猪犬を育ててきたハンターが導き出した答えとしてもこの健康第一という言葉が出てきますので、まさに身に染みた実感のある言葉といえるでしょう。