愛猫の最期をおだやかに迎えるために｜高齢猫のサインとケア方法

自分と愛猫の平均寿命を考えたとき、愛猫の最期の方が早く来るという飼い主がほとんどでしょう。

愛猫との別れは必ずやってきます。猫の最期に直面してパニックに陥らないよう、愛猫の最期を幸せなものにできるよう、そして飼い主自身が後悔しないよう、日頃から覚悟しておく必要があります。

どのような最期を迎えようとも、どのような老猫時代を送ろうとも、愛猫の幸せを第一に考えて、自分にできる限りのことをしましょう。

人間も猫も、老衰サインはよく似ています。老衰サインが出た際、獣医師の診察は必須です。老衰ではない可能性も考えましょう。

老衰の場合、猫の最期が近づいていると覚悟してお世話しましょう。

老衰が始まった猫は、大声で鳴き続けることがあります。自身の体の異変を感じて不安に襲われている可能性もあります。

また、自身の聴力が落ちている場合、いくら鳴いても猫自身に聴こえないため、声が出ているのかが分からずに、さらに大声を張り上げるというケースもあります。

騒音によるご近所トラブルに発展しないように、獣医師の診断を仰ぎ、愛猫にあわせた対処方法を考えましょう。

老衰が始まった猫は、感覚が鈍ってきます。

視力が弱くなった老猫は、若い頃には当たり前に見えていた物が見えなくなります。ひげによる空間把握能力も低下するため、通れるつもりで体を進めたら通れず、結果、物にぶつかることになります。

自力で何かにぶつかってケガをすることは考えにくいですが、どこかから落ちたときにはケガをする恐れがあります。

愛猫が高い場所に上がっていたら、目を離さないようにしましょう。もしくは、高い場所に上がらないよう、家具の配置変更や撤去をしましょう。

年齢を重ねるにつれ、猫の毛づくろいの回数は減少し、あわせて毛艶も悪くなります。

老猫にとって、首を動かしたり、体を折り曲げたりすることは辛いことです。目的の場所を舐め続ける行為も労力を要しますので、老猫はあまり毛づくろいをしなくなります。

皮膚の感覚が鈍くなるので、汚れがついても気づかなかったり、毛の流れが乱れても分からないことがあります。

また、さまざまなことが億劫になってしまった結果、毛づくろいの回数が減るという説もあります。

老衰が始まった猫は、運動能力が低下します。脚力や体力、持久力などがなくなり、運動はほとんどしなくなります。

また、とっさのことに対処できなくなり、ケガをすることがあります。もし若い猫と一緒に過ごしているなら、若い猫に追いかけられないよう注意しましょう。

7歳以降の猫にこういった異変が見られたら、老衰を疑う必要があります。分かりやすい変化ですので、見逃さないように注意しましょう。

個体差はありますが、猫は年を取ると食が細くなります。若い頃と比べて運動量が減り、必要なエネルギーが減ってしまうため、食事の量が減ります。

生命維持に必要なエネルギーがなくなってはいけないので、食事内容を変える必要が出てきます。獣医師の指示のもと、食事内容を選びましょう。

食欲の低下ではなく、食べるという行為そのものを辛いと感じているケースもあります。体を低くする体勢を維持できず、途中で疲れて、食べるのを止めてしまう老猫もいます。

このような場合は、お皿の位置を高くするか、人間の手で食べさせるのもいいでしょう。

猫の最期を自宅で迎えると決めたら、猫の最期までの時間を、猫が幸せに暮らせるようにしましょう。

ここからは、老猫用に切り替える必要のある物や、猫の最期を穏やかに迎えるための注意事項を見ていきましょう。