カラカルは飼育できるの？生態や特徴を紹介して飼う方法について解説

カラカルは基本的には警戒心が強いため、人目につくような場所で行動することはほとんどありません。その一方で、ときにはライオンにも立ち向かい、ジャッカルやハイエナからも獲物を奪う凶暴さも兼ね備えています。

また、カラカルは野生の環境下で生き抜くために、無駄なエネルギーは消費しないようにしています。そして、その節約していたエネルギーは、食糧を追い求めるときに使われるようになります。

それでは実際に、カラカルはどれだけの身体能力を持ち合わせているのか、詳しく見ていきましょう。

カラカルの走るスピードはおよそ時速80kmにおよび、その驚異的なスピードで獲物を追いかけます。ジャガーやヒョウでも時速60km程度なので、それよりも速いスピードで走ることができます。

それ以外の同じネコ科と足の速さを比べた場合でも、最高速度はサーバルやライオン、ピューマにも匹敵します。この圧倒的な足の速さから、過去にイランやインドなどで狩猟にも用いられたことがあるほどです。

このことからカラカルは、まさに狩猟のプロといえるでしょう。

カラカルは小型の哺乳類や鳥類を、主な獲物としています。

そのため、ときには鳥類の獲物を捕らえるほど、空高くジャンプできる運動能力も持ち合わせています。そのジャンプ力は、およそ3mの高さまで到達するほどです。

3mといえば、バスケットボールの公式大会で使われているゴールの高さがおよそ3mです。極端にいえば、カラカルはダンクシュートが決められてしまうほど高く飛び跳ねることができるといえるでしょう。

カラカルは主に小型の小動物を獲物として狙う一方で、ときには自身の体重の2倍以上もある獲物を仕留められるほどの力を持っています。

そして、カラカルのハンターとしての能力の真骨頂は忍耐強さにあります。獲物に気づかれないよう忍び寄り、静かに獲物を狙い続けます。獲物が油断するそのときまで、時には10分以上も動かずに待ち続けられるほどです。

この忍耐強さのおかげで、狩りの成功率はライオンやヒョウよりも高いといわれています。

カラカルは夜行性で、昼間は木の上や茂みの中のような天敵に見つかりにくい場所で休んでいます。

夕方から夜にかけて行動を始め、鳥類や齧歯類のような小動物を中心に獲物を捕獲しています。それに加えて、もともと警戒心が強いこともあるので、日中に野生でお目にかかれる機会はほとんどありません。

ただ、中には日中も行動をしている個体もいるので、運が良ければ実際に野生で生活している姿を見られることもあるでしょう。

野生のカラカルの寿命は12年程度で、飼育された個体だと16年程度です。飼育された個体の中には、20歳を超えたものも存在したといわれています。

野生の場合、肉体が衰えるにつれて獲物が捕獲できなってしまいます。また、ライオンやヒョウなどの天敵に狙われてしまう機会もあることから、どうしても飼育下の個体と比べると寿命が短くなってしまいます。その一方で、健康管理がしっかりなされた状態で飼育された個体は、その分だけ長生きをするようです。

カラカルはネコ科の動物のため、多少ダミ声ですが一般的な猫のように「にゃー」と鳴きます。

幼いカラカルに関しては、小鳥のさえずりのような雰囲気で「ぴゃー」や「みゃるるる」といった声で鳴きます。力強い見た目からは想像もできないようなかわいい鳴き声をしているため、繰り返し聴きたくなってしまうような魅力があります。

どのような鳴き声なのか興味がある場合は、実際にカラカルを飼育している動物園などに足を運んでみるのも良いでしょう。

カラカルは生まれた直後から人間の手によって飼育することで、なつくことがあります。

実際に海外では、自宅でカラカルを飼育している例がいくつもあるほどです。しかし、カラカルにもさまざまな性格の個体がいるので、絶対というわけではありません。家猫でも警戒心が強く人間になつきにくい個体がいるように、カラカルも幼少期からどれだけ愛情を注いでも人間になつかない場合があります。

たとえそうだったとしても、最期まで愛情を持って飼育してあげましょう。