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チンアナゴは引っこ抜くことはできる?生態や種類についても紹介

更新日:2024年08月14日

イラストなどで一躍ブームとなったチンアナゴですが砂の中の姿やその生態について知らない方は多いでしょう。この記事ではユニークな見た目のチンアナゴの特殊で魅力的な生態の全貌を紹介いたします。ペットとしての飼育も考えている方は是非読んで参考にしてみてください。

チンアナゴは引っこ抜くことはできる?生態や種類についても紹介
10年ほど前にイラストや歌などでそのユニークな容姿から一気に知名度が上がったチンアナゴですが、その詳しい生態をしっているかというとあまり知らない人の方が多いでしょう。

「チンアナゴって埋まっている部分はどうなっているの」
「引っこ抜くことってできるんだろうか」

不思議な容姿の彼らを見ているとそんな疑問が浮かぶ方がほとんどでしょう。

この記事ではまず、チンアナゴのを引っこ抜くことはできるのか、砂に埋まっている部分がまずどうなっているのかに注目し、そこからさらに生態についても掘り下げて詳しくご紹介いたします。

読み終われば、実際にチンアナゴを引っこ抜くことはできませんがそうするのと同じくらいチンアナゴの不思議な姿や性質を暴いて、その魅力をより理解することで飼ってみたくなるでしょう。

チンアナゴのユニークな容姿に魅力を感じている方やもう少し知りたい方以外にも、実際に飼って癒されたいと考えている方も是非読んで、その生態をチェックしてみてください。

思っているより長いチンアナゴ

近年、愛らしいイラストの影響などもあって注目されるようになったチンアナゴですが、調べてみてもすぐに見つかるのは砂から顔を出している姿を近くから捉えた写真が比較的に多く、引っこ抜くとその全貌は一体どうなっているのか、わからない方も多いのではないでしょうか。

チンアナゴの実際の全長は30〜40センチ程あり、砂から出ている部分は全長の約3分の1程度なのです。砂に埋まった残りの3分の2は部位でいうと尾の部分で、これをドリルのように器用に使って巣穴を作っています。

全長30〜40センチだからといって、全身が潜った時ピッタリ収まるサイズの巣穴なわけではなく巣穴の全長は、体の2.5倍もの長さの物を作り上げるそうです。

チンアナゴの生態

ユニークな見た目のチンアナゴですがその生態もかなりユニークで、餌は基本的に近くに来るまで待ち構えるスタイルで獲物を捕りにはいきませんし、ほかのアナゴと名のつく魚のように仲間と身を寄せ合って生活したりすることもないです。

ご存知のように砂底から生えた海藻か何かのように揺らめいて、時には仲間と絡まっているその姿に笑ってしまう方も多いでしょうが、チンアナゴはあの巣穴をどのように作り上げているかしっていますか。隠れる際につっかかったりしないように、あの細い巣穴は掘り終えた後仕上げにしっかりと固められているのです。

ふわふわ漂っていて可愛く癒される印象の強いチンアナゴですが、その行動にはしっかりと理由がありその生態こそが魅力の一つとなっているので一つ一つ確認していってみましょう。

チンアナゴが食べるものは?

一斉に同じ方向を向いているチンアナゴの写真を見たことがある方は多いのではありませんか。これはチンアナゴが潮に乗って流れてくるプランクトンを食べようと待ち受けている様子なのです。このように自然界でチンアナゴは基本的に動物性プランクトンを餌としています。

大規模な水族館などでははイサザキアミなどを孵化させてから生き餌として与えることもあるようですが、規模の小さい水族館などでは冷凍のイサザキアミを与えることも多いようです。

水槽の中に自然の環境と同じような流れを作って、餌がそれに乗って漂うような仕組みになっていることが多いのでしょう。水族館で見るチンアナゴも同じ方向を向いていることが多いです。

なお、産卵に成功した水族館ではイサザアミの他に、ケンミジンコの仲間であるコペポーダも与えていたようです。自然下のように栄養価の違う餌を食べることによって繁殖にも良い影響を与えたのではないでしょうか。

チンアナゴの生息する海はどんなところ?

チンアナゴの生息地はいずれもあたたかい熱帯域の海で、海外だとインド洋から西大西洋あたりに分布し、日本だと高知県から沖縄県にかけて生息する以外に、東京都の八丈島や小笠原諸島などにも分布しています。

生息環境は主に潮の流れの強い珊瑚礁域や海藻が密集しているところで、水深は10〜50m程度に位置し周囲もチンアナゴが潜れるような砂底になっている場所で生活しています。

なお、チンアナゴだけでなく他の生き物の隠れ蓑であり、巣や産卵の場所になっている珊瑚礁の海ですが、温暖化などの影響を受け今ではだんだん減ってきており、様々な海洋生物の生態系を脅かしている状況です。チンアナゴに興味を持ったことを切っ掛けに、海に起きている環境問題についても、今一度目を向けてみてください。

チンアナゴは群れをつくるの?

自然下のチンアナゴは通常だとおおよそ数匹から数百匹もの数で一つの群れを作り生活しています。チンアナゴの仲間であるシンジュアナゴの例ではありますが、アフリカ大陸とアラビア半島の間に位置する紅海にて、約1万匹という大規模な群れが見つかったこともあるようです。

集団で暮らすチンアナゴですが、特になにか仲間と協力して作業するような行動はあまり見られません。むしろ流れてきた餌を追いかけてご近所と絡まってしまったり、強い縄張り意識のため群れの中で頻繁に隣近所と喧嘩をしていることが多いです。

水族館で低い姿勢で口を開けて向かい合っている個体を見かけたことはありませんか。あれは縄張り争いの喧嘩の真っ最中で互いに威嚇しあっているところなのです。

チンアナゴは夜行性?

アナゴ科にはチンアナゴ亜科とホンメダマアナゴ亜科とクロアナゴ亜科の3種類があり、チンアナゴ亜科以外の2種類の亜科に所属するアナゴはいずれも、夜行性で小魚やエビやカニなどの甲殻類などを捕食する肉食性の魚で、昼間は海底の泥の中で仲間とぴったりと身を寄せあいながら体を休めているのが普通です。

チンアナゴも群れを形成する点は同じですが、他の二種とは違い昼行性で夜中は巣穴の中で寝てしまいます。他にもプランクトン食という食性の違いや、獲物を獲りに向かうこともなく体を砂に埋めたまま、あくまで流れに向かってやってくる餌を待ち構えるスタンスで構えている点など、他の2種とは大きく違う点が目立ちます。

地面から生えたようなスタイルで過ごしているだけでも十分ユニークな魚ではありますが、同じアナゴ科の中でも特に変わった性質を持った魚なのです。

チンアナゴの穴はどうやってできるの?

チンアナゴは自分にぴったりの巣穴を、尾の先をドリルかなにかのように砂底に打ち付けるように使って掘りあげます。チンアナゴの尾は巣穴を掘れるように他の部分より硬くできているため、そういったことが可能なのです。

巣穴は断面で見ると穴は砂底に対して直角ではなく、器用に左右にうねらせて体長の2.5倍もの長さを掘り下げられます。直角ではなく蛇のように蛇行した穴を作るのも天敵が彼らを穴から引っこ抜くことを困難にするためでしょうか。

そうして頭の先まで浸かるほどしっかり掘り終わった後に、自らの皮膚から出す粘液で巣穴を固め、出入りしても簡単に崩れないように仕上げるのです。

巣穴がしっかりと固まっていなければ素早く潜れず、引っこ抜くことが容易になってしまうため天敵に啄ばまれてしまいます。しっかりと穴を固めることによって、急に天敵が姿を現した際にもつっかえることなく素早く巣穴に隠れることができるのです。
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初回公開日:2022年07月28日

記載されている内容は2022年11月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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