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インコ・文鳥の「おしゃべり&芸」トレーニング入門|褒め方・ステップ・NG行動を解説

更新日:2025年12月11日

1分でわかるこの記事の要約 インコや文鳥のトレーニングは「しつけ」ではなく、愛鳥との楽しい遊びであり、信頼関係を深めることが目的です。 トレーニングは若鳥期が適していますが、成鳥からでも愛鳥がリラックスしていれば十分に習 […]
1分でわかるこの記事の要約
  • インコや文鳥のトレーニングは「しつけ」ではなく、愛鳥との楽しい遊びであり、信頼関係を深めることが目的です。
  • トレーニングは若鳥期が適していますが、成鳥からでも愛鳥がリラックスしていれば十分に習得可能です。
  • 成功の鍵は、良い行動を即座に褒め、特別なおやつを少量のご褒美として与えることにあります。
  • おしゃべりは短く明確な言葉を感情を込めて繰り返し教え、芸はステップアップやターゲットトレーニングから始めましょう。
  • 無理強いや叱る行為は愛鳥にストレスを与え信頼関係を損ねるため、鳥のペースを尊重することが重要です。

飼っているインコや文鳥が、可愛らしい声で「おはよう」と挨拶してくれたり、器用な芸を見せてくれたりしたら、毎日の暮らしがもっと楽しくなりますよね。愛鳥とのそんな素敵なコミュニケーションを夢見る飼主さんは多いはずです。 しかし、「どうやって教えたらいいの?」「無理強いして嫌われたらどうしよう…」と、トレーニングに一歩踏み出せない方もいるかもしれません。 インコや文鳥のトレーニングは、人間の「しつけ」とは全く異なり、愛鳥との信頼関係を深めるための楽しい「遊び」の一環です。 この記事では、初心者の方でも安心して始められる、鳥にストレスをかけないおしゃべりや芸の教え方を、具体的なステップや正しい褒め方、そして絶対にやってはいけないNG行動まで、詳しく解説していきます。

インコ・文鳥のトレーニングを始める前に知っておきたい基本

トレーニングを成功させるためには、まず基本的な考え方を理解しておくことが非常に重要です。鳥の気持ちを尊重し、正しい知識を持って接することで、トレーニングは愛鳥との絆を深める素晴らしい時間になります。

トレーニングは「しつけ」ではなく「楽しい遊び」

インコや文鳥のトレーニングにおける最も大切な心構えは、これを「しつけ」や「訓練」と捉えないことです。彼らにとって、トレーニングは飼い主さんと一緒に過ごす「楽しい遊び」の時間でなければなりません。

全ての基本となるのは、愛鳥との間に築かれた「信頼関係」です。鳥が飼い主を「安心できるパートナー」だと認識して初めて、自発的に何かを学ぼうという意欲が湧いてきます。無理強いしたり、言うことを聞かないからと焦ったりするのは絶対にNG。鳥の個性やその日の気分、ペースを何よりも尊重し、コミュニケーションを楽しむことを第一に考えましょう。

トレーニングはいつから?適した時期と鳥の種類

一般的に、トレーニングを始めるのに適しているのは、好奇心旺盛で学習能力が高い若鳥の時期と言われています。

トレーニング開始時期の目安

  • セキセイインコ: 生後3〜4ヶ月頃から
  • 文鳥: ヒナ換羽が終わった頃から

しかし、これはあくまで目安です。成鳥になってからでも根気よく続ければ、おしゃべりや芸を習得することは十分に可能です。大切なのは年齢よりも、愛鳥が新しい環境や飼い主さんに慣れ、リラックスしていること

鳥の種類と得意なこと

  • おしゃべり(声まね)が得意: セキセイインコ、ヨウムなど
  • 芸を覚えるのが得意: オカメインコ、コザクラインコなど
  • ターゲットトレーニングなどが得意: 文鳥など

トレーニングを始める前には、必ず愛鳥の健康状態をチェックし、体調が良い時に行うのが基本的なルールです。

成功のカギを握る「褒め方」と「ご褒美」

鳥のトレーニングにおいて、最も効果的な原動力となるのが「褒められる喜び」です。鳥が良い行動をした瞬間に、すかさず褒めることが成功のカギを握ります。

効果的な褒め方は、優しく穏やかな声で「上手だね!」「いい子だね!」と声をかけてあげること。声のトーンで飼い主の喜びが伝わると、鳥も「これをすると喜んでくれるんだ」と学習します。オカメインコなど、触れられるのが好きな子であれば、頭や首を優しく撫でてあげるのも良いでしょう。

さらに効果を高めるのが「ご褒美」です。ご褒美には、シードや粟穂、小さく砕いたペレットなど、愛鳥が特別に好きな食べ物を用意しましょう。ただし、与えすぎは肥満の原因になるため、ごく少量(一粒、ひとかけら)に留めるのが鉄則です。ご褒美をあげるタイミングは、褒め言葉と同時に、行動の直後がベストです。


【実践編】インコのおしゃべりトレーニングの具体的なステップ

多くの飼い主さんが憧れる「おしゃべり」。愛鳥が自分の名前や挨拶を話してくれたら感動もひとしおです。ここでは、インコにおしゃべりを教えるための具体的な方法をステップごとに見ていきましょう。

声まねを覚えやすい環境づくりとコツ

インコが声まねに集中するためには、適切な環境づくりが欠かせません。まずは、テレビやラジオの音などが聞こえない、静かで落ち着ける部屋を選びましょう。

トレーニングを行う時間帯は、鳥が活発で機嫌が良い朝や夕方がおすすめです。愛鳥のリズムをよく観察し、最も集中できそうなタイミングを見計らって練習を始めましょう。

また、ケージの中にいる時よりも、放鳥中などで飼い主さんの近くにいる時に話しかける方が、より直接的にコミュニケーションが取れ、言葉を覚えやすくなります。

おしゃべりを覚えさせる3つのステップ

環境が整ったら、いよいよ実践です。焦らず段階を踏んでいくことが大切です。

ステップ1:短く、はっきりした言葉を選ぶ 最初は「ピコちゃん(名前)」「おはよう」など、1〜2音節の覚えやすい単語から始めましょう。「パピプペポ」や「カキクケコ」といった破裂音を含む言葉は、鳥が真似しやすいと言われています。毎日同じトーン、同じイントネーションではっきりと発音しましょう。

ステップ2:毎日繰り返し、感情を込めて話しかける 反復練習は不可欠です。毎日決まった時間に、同じ言葉を何度も繰り返し聞かせてあげましょう。この時、ただ機械的に繰り返すのではなく、「おはよう!」と明るく挨拶するなど、感情を乗せるのが重要なコツです。

ステップ3:鳥の鳴き声に積極的に反応する 最初は「ピョ」「グジュグジュ」といった、意味のないおしゃべり(さえずり)をすることが多いです。この段階でも、「おしゃべり上手だね!」と褒めて反応してあげることが大切。これにより、鳥は「何か声を発すると飼い主さんが喜んでくれる」と学習し、声まねへの意欲を高めます。

オカメインコやセキセイインコが覚えやすい言葉の例

おしゃべりが得意な鳥が覚えやすい言葉には傾向があります。

覚えやすい言葉の具体例

  • 名前: 毎日呼ばれるため、最も早く覚える可能性が高い言葉。
  • 挨拶: 「おはよう」「バイバイ」など。特定の状況と結びつけて教えると効果的。
  • 褒め言葉: 「いい子」「上手」「可愛いね」など。飼い主が優しい声で言うため、鳥も真似したくなります。
  • 生活音: 電話の着信音や電子レンジの音、くしゃみなど。

鳥が何に興味を持つかは個体差が大きいので、色々な言葉を話しかけながら愛鳥の反応を見てみましょう。


【実践編】初心者でも簡単!インコの芸の教え方

おしゃべりと並んで人気なのが「芸」のトレーニング。芸は鳥の知的好奇心を満たし運動不足の解消にも繋がります。ここでは、初心者でも簡単に教えられる基本的な芸を2つ紹介します。

基本の芸「ステップアップ」のトレーニング方法

「ステップアップ」とは、飼い主の指に鳥が自ら乗ってくる行動のこと。全ての芸の基本であり、日常のコミュニケーションにも役立ちます。

【教え方】

  • 人差し指を鳥の胸の少し下あたりに、下から水平にゆっくりと近づける。
  • 「おいで」「乗って」など、決まったかけ声を優しくかける。
  • 最初は指に触れたり、片足を乗せかけたりしただけでも「上手!」と褒めてご褒美をあげる。
  • これを繰り返すことで、鳥は「指は怖くない、乗ると良いことがある」と学習し、スムーズに乗ってくれるようになります。

様々な芸に応用できる「ターゲットトレーニング」のやり方

「ターゲットトレーニング」は、棒(ターゲットスティック)の先端に嘴でタッチさせる練習です。これができると、「おいで」「回って」など、様々な芸に発展させることができます。

【やり方】

  • ステップ1:ターゲットスティックに慣れさせる まずはスティックを見せて、危険なものではないと理解させます。怖がらないようであれば、スティックでケージの網を優しく叩いて音を出し、興味を引くのも良いでしょう。
  • ステップ2:スティックの先にタッチさせる スティックの先端にご褒美を少量つけて見せます。鳥がご褒美を食べようと嘴で触れた瞬間に、「タッチ!」「上手!」と褒めてご褒美をあげます。「スティックの先に触れると良いことがある」と覚えさせましょう。
  • ステップ3:ご褒美がなくてもタッチできるようにする 慣れてきたら、ご褒美をつけずにスティックを差し出します。鳥が自発的にタッチできたら、すぐに褒めて別の手からご褒美をあげます。これができれば基本はマスターです。

最終的には、スティックを動かし、鳥がそれを追いかけてタッチするように誘導することで、「ベルを鳴らす」といった複雑な芸の基礎となります。

文鳥でもできる簡単な芸の種類とヒント

文鳥はおしゃべりが苦手ですが、非常に賢く人懐っこいためトレーニングに向いています。特にターゲットトレーニングは有効で、以下のような芸に応用できます。

  • 手のり
  • 特定の場所へ飛んでいく
  • 小さなボールを嘴で転がす

文鳥の小さな体や繊細な性格に配慮し、決して無理強いせず、短い時間で集中して行うことが大切です。


これはNG!鳥にストレスを与える間違ったトレーニング

良かれと思ってやっていることが、実は愛鳥に大きなストレスを与え信頼関係を壊してしまうことがあります。トレーニングにおいて絶対に避けるべきNG行動を解説します。

無理強いや長時間の練習は逆効果

トレーニングで最もやってはいけないのが「無理強い」です。鳥が嫌がる素振りを見せたら、「今はやりたくない」というサイン。すぐに中断しましょう。

また、鳥の集中力は短く、1回のトレーニングは5〜10分程度が限界です。短いセッションを1日に数回に分けて行うのが理想的。「楽しい」という気持ちで終わらせることが、次への意欲に繋がります。

大声で叱る、罰を与える

トレーニングが上手くいかなくても、大声で叱るのは絶対にやめましょう。鳥は理由を理解できず、飼い主に対して「恐怖」を抱くだけです。信頼関係が一瞬で崩れてしまいます叩くなどの罰は論外です。

上手くできなくても叱らず、何も言わずに無視するか、「また今度ね」と別の遊びに切り替えるのが正しい対応です。

一貫性のないルールや指示

鳥は習慣の生き物です。指示する言葉やルールが日によって変わると混乱してしまいます。

特に家族で飼っている場合は注意が必要です。トレーニングを始める前に、家族内で「かけ声」「ご褒美」「褒め方」などのルールを統一し、全員が同じ方法で接するようにしましょう。


まとめ:愛鳥とのコミュニケーションを楽しみながらトレーニングしよう

インコや文鳥のトレーニングは、決して難しいものではありません。大切なのは、それを「しつけ」ではなく、愛鳥との「コミュニケーション」の一環として、飼い主自身が楽しむことです。

成功のコツは、鳥の個性とペースを尊重し、焦らず、根気よく続けること。そして、どんな小さなことでもできたら、大げさなくらい褒めてあげることです。

この記事で紹介した方法を参考に、ぜひ今日から愛鳥との新しい遊びを始めてみてください。トレーニングを通じて深まる信頼関係は、日々の暮らしを何倍も豊かにしてくれるはずです。

インコ・文鳥のトレーニングに関するよくある質問(FAQ)

Q1. おしゃべりのトレーニングはいつから始めるのが良いですか?

A1. 一般的には、ヒナ換羽が終わり環境に慣れた生後3〜4ヶ月頃からが良いとされます。しかし成鳥からでも、飼い主さんとの信頼関係が築けていれば覚える可能性は十分にあります。年齢よりも、鳥がリラックスして学習できる状態かどうかが重要です。

Q2. トレーニングを嫌がるようになりました。どうすればいいですか?

A2. 無理強いされた、練習時間が長すぎる、体調が悪いなど、何らかの原因が考えられます。まずはトレーニングを一旦お休みし、原因を探ってみましょう。しばらくはご褒美をあげる、優しく話しかけるなど、楽しいコミュニケーションに徹して信頼関係の再構築に努めてください

Q3. ご褒美のおやつはどんなものが良いですか?与えすぎが心配です。

A3. シード類(粟穂、麻の実など)や小鳥用のおやつなど、愛鳥が特別に好きな食べ物を選びましょう。ただし、与えすぎは肥満を招くため、ごく少量に留めることが重要です。トレーニングの時だけもらえる「特別なご褒美」と位置づけると、より効果が高まります。シードなら1〜2粒程度にしましょう

Q4. 複数の言葉や芸を同時に教えられますか?

A4. 初心者のうちは、まず一つの言葉や芸に集中して教えることをお勧めします。鳥が混乱せず、成功体験を積み重ねやすくなるからです。一つの芸をマスターしたら、次の新しい芸に進むというステップを踏むのが確実です。

この記事のまとめ
  • インコ・文鳥のトレーニングは「しつけ」ではなく、愛鳥との信頼を深める楽しい遊びとして捉えることが大切です。
  • トレーニングは鳥がリラックスしている短い時間に行い、若鳥期から始めるのが効果的ですが、成鳥からでも可能です。
  • 成功の鍵は、良い行動をすぐに褒め、少量のご褒美を与えることにあり、一貫した言葉やルールを使用しましょう。
  • 無理強いや大声で叱る行為は愛鳥にストレスを与え、信頼関係を損なうため絶対に避けましょう。
  • 焦らず、鳥の個性とペースを尊重しながら続けることで、愛鳥との絆が深まり、より豊かな毎日を送ることができます。

初回公開日:2025年12月11日

記載されている内容は2025年12月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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