犬が背中を向けるのはなぜ？その理由やそのほかのカーミングシグナルを紹介

犬のカーミングシグナルという言葉について聞いたことはあるでしょうか？

犬は不安やストレスを感じた時に自分を落ち着かせる（カーミング）ために、特有の仕草や行動を取りますが、このことをカーミングシグナルと呼びます。

犬の何気ないように思える行動も、実はカーミングシグナルであるというケースも少なくありません。

犬が何を感じているのか、どのような気持ちでいるのかをよりよく理解するためにも、さまざまなカーミングシグナルについて知っておきたいところでしょう。

犬がよく発するカーミングシグナルのひとつとして、背中を向けるということが挙げられます。

背中を向ける愛犬に「なぜこちらを向いてくれないのだろう？」と疑問に感じたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

実は、背中を向けるという行動には犬のさまざまな気持ちが込められています。

ここからは犬が背中を向ける理由やその時の気持ちについて解説していきますので、愛犬のことをもっと理解するためにも、ぜひチェックしてみてください。

犬が背中を向ける理由としてまず考えられるのが、安心を求めているということです。

犬にとって背中は急所であり、全幅の信頼を寄せている飼い主さんにだけ背中を向けることで「自分の後ろを守ってくれる」という安心感を得ることができます。

室内飼いの場合は外敵から襲われる心配もありませんが、それでも飼い主さんに背中を向けることで前方に注意を集中させることができるのでしょう。

背中を撫でてもらいたいというのも、犬が背中を向ける理由のひとつとして挙げられるでしょう。

どの犬も愛する飼い主さんとスキンシップをすることが大好きであり、特に背中部分を撫でられるのが気持ちよく感じるため、飼い主さんに背中を向けることで「撫でて」とおねだりしているのでしょう。

この時に犬を優しく撫でてあげると、犬は嬉しそうな表情をして喜んでくれるはずです。

犬が背中を向ける理由のひとつとして、信頼や服従を示しているということも考えられるでしょう。

犬にとって背中を向けるということは「この人にならば襲われることは絶対にない」と信頼しきっているからであり、背を向けて座ることで「あなたのことを警戒していませんよ」「服従していますよ」ということを間接的にアピールしています。

ふと気づくと愛犬が体にぴったりとくっつきながら背中を向けるようになったのならば、愛犬との信頼関係が確固たるものになったと考えてよいでしょう。

犬が背中を向ける理由は、何もポジティブなものに限ったわけではありません。

たとえば飼い主さんがしつこく撫でまわしてくるなどして嫌気がさした時やもうやめてほしいと感じた時にも、犬は後ろ姿を見せます。

この場合、背を向けるというのは飼い主さんに対して犬なりにそっけなく冷たい姿勢を見せていると言えます。

背中を向けることで「もう遊びたくないよ」「興味がないからしつこくするのはやめて」と訴えかけているのでしょう。

犬が背中を向ける理由のひとつとして忘れてはならないのが、自分の行きたい方向についてきてほしいということです。

犬は飼い主さんを自分の行きたい場所に連れて行くために、背中を向けつつもちらっと飼い主さんのほうを振り向いては「こっちについてきてよ」とアピールします。

たとえばお腹が空いた時に、犬はこのような行動を取ってフードやおやつを置いてある場所に飼い主さんを誘導しようとします。

以上では、犬のカーミングシグナルのひとつである背中を向けるという行為について解説してきました。

では、他にどのようなカーミングシグナルがあるのでしょうか？ここからは、背中を向ける以外に犬がよく行うカーミングシグナルをご紹介していきます。

犬の何気ないように思える行動・仕草にも犬のさまざまな気持ちが込められていますので、ぜひ以下を参考にして犬のことを理解してあげてみてください。