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気になる!セントバーナードがつけている樽の用途や中身を解説!

更新日:2024年06月30日

セントバーナードの特徴とも言われる樽の存在をあなたはご存じでしょうか。この記事では、樽に隠された歴史や、その用途について詳しくご紹介します。セントバーナードは見たことがあったけれど、樽の中身は知らなかった!そんな方はぜひ一度この記事を読んでみてください。

気になる!セントバーナードがつけている樽の用途や中身を解説!

セントバーナード犬のルーツ

アニメ「アルプスの少女ハイジ」や、映画「ベートーベン」などに登場する大型の犬種、セントバーナード。

みなさんがセントバーナードを思い浮かべた時に、その愛嬌のある表情と共に、首にぶら下がっている樽に目が行く方も多いのではないでしょうか。セントバーナードが付けている樽の中身を、あなたはご存じですか?

今回は、実はあまり知られていない樽の中身や用途、またセントバーナードの優秀な仕事ぶりをルーツを交えてご紹介します。

セントバーナードは、スイス原産の大型犬で、体高が65~90㎝、体重は50kg~90㎏にもなる犬の中では最大級の大きさを誇る犬種です。

2世紀頃のローマで軍用犬として使役されていた「モロシア犬」がセントバーナードのルーツとされています。その後、モロシア犬が17世紀頃までに独自の発展を遂げ、現在の姿になったと考えられています。

セントバーナードは17世紀頃、スイス・アルプス山脈の峠にある「サン・ベルナール修道院」で番犬として飼われていました。数多く飼育され、修道院を訪れる人々の荷物を運んだり、雪山で遭難した人の救助に使われてきました。

セントバーナードという名前も、修道院の名前の「サンベルナール(Saint Bernard)」を英語表記にした際の読み方が由来です。

スイスで救助犬として活躍

セントバーナードは、鋭い嗅覚と雪山をもろともせず歩き続けられる体力が評価され、スイスでは山岳救助犬として活躍をしてきました。

山深いサンベルナール修道院では、17世紀中旬から20世紀初頭までに、約2000人もの人々を救助したといわれています。

中でも有名なのは、生涯に40人もの人を救助した「バリー」という名前のセントバーナードです。この功績が認められ、当時はセントバーナード犬のことを「バリー・ハウンド(バリー犬)」と呼んでいたこともあったそうです。

バリーは死後、ベルリン自然史博物館に引き取られ、はく製として現在でも展示をされています。

これにちなんで、東京消防庁の特別救助隊や消防救助機動部隊(通称ハイパーレスキュー)の隊員たちは、山岳犬のセントバーナードのモチーフが描かれたワッペンを、車両と肩に掲げています。

セントバーナード犬のあの樽には何が入っているの?

セントバーナードが山岳救助犬として優秀に働いてきたという歴史をご紹介しましたが、ではここでみなさまが一番気になっていたポイント。首にぶら下がっている樽には一体何が入っているのでしょう。

なぜセントバーナードは、わざわざ邪魔になりそうな樽をぶら下げながら困難な救助に臨むのでしょう。

樽に入っているものの正体や、セントバーナードが樽を大切に首にぶら下げているその深い意味について、詳しくご紹介します。

セントバーナード犬のあの樽には何が入っているの?

  • 中身はラム酒やブランデー
  • 主に遭難者の体を温めるために使用
  • お酒と自分の体温で遭難者の命を守る賢い性格!

中身はラム酒やブランデー

セントバーナードがつけている樽の中には、遭難者を救助する際に必要な食料や医療品が入ってると思われてる方も多いのではないでしょうか。

実は、樽の中にはアルコールが入れられています。その種類は、ラム酒やブランデーなど度数の高いアルコールが選ばれて入れられています。

ラム酒やブランデーを、発見した遭難者に飲ませるため、セントバーナードは首に重い樽を常にぶら下げた状態で救助作業を行っています。

主に遭難者の体を温めるために使用

セントバーナードが活躍していたスイスでは、冬は気温がマイナス30度まで下がり、積雪も20mを超えます。雪山で遭難した際には、体温を保つことが命を守ることにつながります。

アルコールには、心拍数を上げ、血流を高め、手足の先まで体を温める効果があります。アルコールを摂取することにより、血流不足と冷えによる凍傷を防ぐことができます。

遭難者を発見しても、その時の状況や天候により、すぐに救助活動が行えるとは限りません。救助活動がはじまるまでに、発見した遭難者の命を繋ぐ手段が必要です。

命を繋ぐ手段として、セントバーナードはぶら下げた樽を遭難者に渡し、遭難者の体温を上げるための行動をはじめます。

お酒と自分の体温で遭難者の命を守る賢い性格!

セントバーナードは、遭難者を見つけるとまず樽に入っているアルコールを飲ませます。そこで終わらないのが、賢く優秀な救助犬のセントバーナード。

遭難者の顔を舐め、体に寄り添い、自分の体温をも使って遭難者の命を守ります。寄り添うことで、アルコールを摂取して温まった体温を保ち、さらなる凍傷の予防に努めます。

これは、優しく温厚で、注意深く人や環境を観察することができるセントバーナードだからこそのなせる業です。

遭難者が救助されるその瞬間まで、セントバーナードは生存の可能性を上げるための行動を行い続けます。

樽を自分のペットに付ける人も

セントバーナードといえば、のアイテムである樽を、救助犬でなくとも自宅のペットのセントバーナードに付けたいと考える方も多く見受けられます。

誇り高き歴史のあるセントバーナード。その証である樽は、セントバーナードを飼っている方にとって憧れのアイテムなのでしょう。

また、樽をぶら下げている姿がかわいらしい、という理由で購入を検討する方も増えています。

あの樽は購入できるの?

残念ながら、正式なセントバーナード用の樽は日本国内では販売されていません。購入を希望される方は、海外の取扱店やオークションサイトから購入する必要があります。

取り扱いの数はあまり多くなく、探す手間は多少かかりますが、価格としては1~2万円ほどで購入が可能です。

樽の購入が困難な方でも、ペットショップやインターネットなどで、樽をモチーフにしたチャームやアクセサリーであれば簡単に購入することができます。

また、似た形の小物入れやバッグに、おやつなどを入れてぶら下げているかわいらしいペットのセントバーナードも見かけることができます。
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初回公開日:2019年08月23日

記載されている内容は2019年08月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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