新時代の室内飼育魚：淡水サメ・エンゼルフィッシュ・クララの魅力と注意点

「普通のアクアリウムに飽きてきた」「個性的でかっこいい魚を飼いたい」と感じていませんか？熱帯魚の飼育は日々に癒やしを与えてくれる趣味ですが、慣れると新しい刺激が欲しくなるものです。しかし、珍しい魚は情報が少なく飼育が難しいイメージがあり、一歩踏み出せない方も多いでしょう。

この記事では、あなたの知的好奇心を満たす、個性的な室内飼育魚を特集します。サメのような迫力を持つ「淡水サメ」、優雅な「エンゼルフィッシュ」、陸を歩く「クララ」。これら一風変わった淡水魚の魅力から、必要な設備、日々のケア、注意点まで、初心者にも分かりやすく徹底解説します。

近年、アクアリウムでは定番のネオンテトラやグッピーだけでなく、個性的で珍しい淡水魚に注目が集まっています。その背景には、いくつかの理由があります。

淡水サメの力強いフォルムや、エンゼルフィッシュの優雅な泳ぎは、水槽の主役となり見る人を惹きつけます。「自分だけの特別なアクアリウムを作りたい」という欲求を満たしてくれます。

ユニークな見た目の魚は写真映えしやすく、SNSで「いいね！」を集めやすい対象です。自慢のペットを発信し、他のアクアリストと繋がる楽しみも生まれます。

クララが空気呼吸をする能力など、普通の魚にはない特性を知ることは、知的な探求心を刺激します。観賞するだけでなく、生き物の不思議に触れる奥深さが多くの人を惹きつけているのです。

「家でサメを飼う」と聞くと驚くかもしれませんが、淡水環境で飼育できる「淡水サメ」と呼ばれる魚たちが存在し、その迫力から人気を集めています。謎に満ちた淡水サメの正体と飼育方法を解説します。

まず知っておきたいのは、「淡水サメ」として販売される魚の多くは、生物学的には本物のサメ（軟骨魚類）ではないということです。そのほとんどは、サメに似た流線形の体を持つナマズやコイの仲間です。

最大の魅力は、シャープでかっこいい見た目です。水槽内を力強く泳ぐ姿はまさに水中のハンター。大型熱帯魚ならではの迫力を楽しめます。憧れの「サメ」との暮らしを実現させてくれる、ロマンあふれる観賞魚です。

淡水サメの飼育で最も重要なのは、成長後のサイズを見越した水槽準備です。種類によっては最終的に50cm～1m近くにまで成長するため、最低でも90cm、できれば120cm以上の大型水槽が必須です。

淡水サメの多くは肉食性、または雑食性です。栄養バランスの取れた大型魚用の人工飼料（キャットフィッシュ用など）を主食にしましょう。食欲増進や栄養補助として、冷凍アカムシやクリル、生き餌（メダカや小赤など）をたまに与えるのも効果的です。

餌の頻度は、幼魚期は毎日1回、成長するにつれて2～3日に1回に調整します。食べ残しは水質悪化の原因になるため、数分で食べきれる量を与えてください。

性格は種類によりますが、シルバーシャークなどは比較的温和です。ただし、「口に入るサイズの魚」との混泳は絶対に避けてください。小型魚は捕食されてしまいます。

混泳相手には、ポリプテルスなど同程度のサイズでおとなしい大型魚が候補ですが、個体差があるため相性は慎重に見極める必要があります。

また、淡水サメは非常に臆病な一面もあり、物音に驚いて水槽のガラス面に激突し、怪我をすることがあります。人の出入りが少ない静かな場所に水槽を設置するなどの配慮が重要です。

ひし形の体と優雅なヒレでゆったりと泳ぐエンゼルフィッシュは、「熱帯魚の女王」として長く愛されています。美しい姿から飼育が難しいと思われがちですが、ポイントを押さえれば初心者でも楽しめます。

最大の魅力は、その優雅で気品あふれる姿です。長く伸びたヒレが特徴的で、水槽内での存在感は抜群。見ているだけで癒やされます。

シクリッドの仲間で、長年の品種改良により多くのバリエーションが存在します。

エンゼルフィッシュは体高があるため、高さ45cm以上あるハイタイプの水槽が適しています。一般的な60cm規格水槽でも飼育可能ですが、成長するとヒレを含め15cm以上になるため、ゆとりある環境を用意しましょう。

最も大切なのは週に1回、1/3程度の定期的な水換えです。良好な水質を維持しましょう。ガラス面のコケもこまめに掃除してください。

餌は、栄養バランスに優れたフレークフードや顆粒タイプの人工飼料を主食とします。口が小さいため、粒の細かいものを選びましょう。時々、冷凍アカムシなどを与えると体色の向上に繋がります。

エンゼルフィッシュはシクリッドの仲間で縄張り意識が強く、特に繁殖期は気性が荒くなります。ネオンテトラのような小型魚は捕食される可能性があるため、混泳は避けましょう。

混泳相手としては、コリドラスやプレコなど底層を泳ぐ魚や、少し大きめのレインボーフィッシュなどが比較的相性が良いです。

飼育環境が整うとペアが形成され、繁殖に挑戦できます。ペアで卵を守る姿は感動的です。また、白点病にかかりやすいため、日頃からよく観察し、早期発見・早期治療を心がけましょう。

アクアリウムの世界には、「歩く魚」として知られるクララのようなユニークな魚もいます。その驚くべき生態と飼育のポイントを解説します。

クララ（Clarias batrachus）は、アフリカや東南アジアに生息するナマズの仲間です。最大の特徴は「ラビリンス器官」という補助呼吸器官で、空気中から直接酸素を取り込むことができます。

さらに、胸ビレを使い地面を這うように移動できるため、「ウォーキングキャットフィッシュ」の英名を持ちます。この強靭な生命力とユニークな生態が、一部のアクアリストを強く惹きつけています。

クララの飼育で何よりも重要なのが「飛び出し防止」です。わずかな隙間からでも脱走するため、水槽には重石を乗せるなど、絶対に隙間ができない頑丈な蓋を必ず用意してください。

成長が早く、最終的には50cm以上に達することもあるため、**最低でも60cm水槽から始め、成長に合わせて90cm以上の水槽へのサイズアップ**を計画しましょう。

クララは雑食性で何でもよく食べます。沈下性の人工飼料を中心に、冷凍アカムシや魚の切り身などをバランス良く与えましょう。

飼育する上で最も注意すべきは、やはり飛び出し事故です。蓋の管理を徹底し、また非常に大きくなるため終生飼育できるか購入前によく考える必要があります。

もう一つの重要な注意点が法律です。近縁種の「ヒレナマズ（Clarias gariepinus）」は特定外来生物に指定されており、許可なく飼育・運搬・販売が禁止されています。購入時は信頼できる専門店で、規制対象外のクララ（Clarias batrachus）であることを必ず確認してください。

A. 今回紹介した中では、エンゼルフィッシュが飼育情報も豊富でチャレンジしやすいです。基本的な熱帯魚飼育の知識は必要ですが、適切な設備を整えれば美しい姿を楽しめます。淡水サメやクララは大型化するため、経験を積んだ中級者以上向けの魚と言えます。

A. エンゼルフィッシュであれば若魚のペア程度なら飼育可能です。淡水サメやクララは幼魚期の一時的な飼育場所と考え、成長後の水槽サイズアップが必須です。もし60cm水槽で完結させたい場合は、アピストグラマやベタの仲間など、小型でユニークな熱帯魚も素晴らしい選択肢です。

A. 混泳成功のポイントは以下の3つです。

混泳させたい場合は、必ず事前にそれぞれの魚の相性をインターネットなどで徹底的に調べることが重要です。

A. 熱帯魚を専門に扱うアクアショップや専門店、オンラインショップなどを利用するのが確実です。購入する際は、実際に個体の状態を自分の目で確認できる実店舗がおすすめです。ヒレが綺麗か、体に傷や白点がないか、元気に泳いでいるかをチェックし、健康な個体を選びましょう。

この記事では、淡水サメ、エンゼルフィッシュ、クララという個性的な室内飼育魚たちをご紹介しました。サメのような迫力、女王のような優雅さ、歩く魚というユニークな生態は、私たちの日常に新鮮な驚きと癒やしをもたらしてくれます。

もちろん、飼育にはそれぞれに適した設備や知識が必要です。特に大型化する種類は、終生飼育する覚悟と計画が不可欠です。しかし、そのハードルを越えた先には、ありきたりなアクアリウムでは味わえない特別な感動が待っています。

この記事をきっかけに、あなたが新しいアクアリウムの世界へ一歩踏み出し、素晴らしいアクアライフを始めることを願っています。