ハムスターに肉球はあるの？手足の構造や生態を詳しく解説！

ハムスターは、キヌゲネズミ亜科に属する齧歯類24種の総称です。

野生のハムスターは、今では数が少なくなり、絶滅の危惧にさらされていますが、可愛らしい姿である上に、雑食性で飼育が簡単なことから、ペットとしてのは近年衰えることがありません。

視力はあまり良くなく、色も認識できないと言われています。そのため、聴力、嗅覚に優れ、自分の臭いを散布することで、縄張りを作ったり、仲間同士では超音波でコミュニケーションを取り合うと考えられています。

その他、ハムスターの主な習性・生態について見ていきましょう。

ハムスターは夜行性です。暗いところでも嗅覚が優れているので食べ物の在りかはわかるし、ひげで距離を測ったりして周りの状況がよくわかります。

夜でも部屋が明るいと、朝だと勘違いして寝ていることがありますが、人間が寝静まったら行動を起こします。

活動中のハムスターはとても元気に動き回ります。一晩中回し車を回していることもあるので、音が気になる人は、寝室にはハムスターを置かないようにしましょう。

こういったハムスターの習性を考えると、ハムスターを店に選びに行ったり、ケージの掃除をするのは、午前中よりは夕方から夜にかけての方が望ましいと言えるでしょう。

ハムスターは繁殖能力が高く、一度に10匹前後の子供を産みます。生後1か月もすれば繁殖が可能になる種類も多く、発情期が規則的で安定しています。

メスのハムスターの交配可能な期間はおよそ3年です。ハムスターは寿命自体が3年ほどなので、ほぼ生涯に渡って妊娠・出産が可能ということになります。

種の違う同士の交配は、基本的に不可能ですが、ジャンガリアンハムスターとキャンベルハムスターを交配させたものは一般のペットショップにも出回っていることがあります。

ハムスターで特徴的なもののひとつが、頬袋です。ハムスターは頬袋に詰めた食べ物をすべて食べるわけではなく、物を移動させて蓄えたりするために使います。

収納力に優れ、袋いっぱいに物を詰めると、平常時の何倍にも膨らみ、膨らみは背中まで続きます。

また、野生のハムスターには、泳ぐ能力があります。泳ぐとき、頬袋に空気を詰めて浮き輪代わりに使います。もともと砂漠地方に生息していたゴールデンハムスターには、この能力が残っているとされています。

ペットのハムスターには泳ぐ能力はなく、むしろ水を怖がるので、泳がせることはしないでください。

ハムスターには、人間の手に似た形の前足が2つあり、ハムスターをよく観察していると、この前足を使って食物を取ったり口に入れたり、実に器用に使っているのがわかります。

ハムスターの後ろ足は前足よりわずかに大きく、座っているときにバランスを取って支える働きがあるほか、繊細な形状により、後ろにも走ることができ、敵から逃げるのが得意です。

ハムスターの手足の構造について詳しく見ていきましょう。

ハムスターの前足には指が4本、後ろ足には5本あります。そしてそれぞれの指には鋭い爪が付いています。また、前足には、人間の親指に相当する突起した部分があります。

この爪と、突起した部分のおかげで、物を持ったり、高いところに引っ掛けて登ったりすることができます。

ハムスターの爪は、人間の爪と同じで、放っておけば長くなってしまいますが、ハムスターは野生の習性から、穴を掘ったりしているうちに自然に自分で研ぐことができます。

爪が伸びて危険な状態にならない限り、定期的に爪を切る必要はありません。

ハムスターの毛は柔らかくて長く、ふわふわした毛に覆われているため、手足が短く見えますが、実際には毛で隠れた部分があるので、それほど短いわけではありません。

時々、後ろ足を前に出して全身を支え、人間のように座った状態で物を食べたり、毛づくろいをするハムスターを見ることができますが、後ろ足を外側に大きく広げることができるからです。

手は人間のように物を掴んだり、顔を洗ったりできるなど繊細で、後ろ足は柔軟で強く、毛づくろいをしたり全身を支えたりしています。

肉球（にくきゅう）とは、動物の足裏部に見られる、盛り上がった、毛のない部分のことです。犬や猫と同じで、ハムスターの前足、後ろ足の4本ともに肉球はあります。

ただ、犬や猫のようにはっきりした肉球ではなく、手のひらの上部に4つの小さな塊、下部に2つのやや大きめのかたまりがある程度なので、「これが肉球とは思わなかった」という飼い主も少なくありません。

触っても犬猫の肉球のようなぷにぷにした弾力はありません。