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猫が吐く原因と危険サイン完全ガイド|嘔吐の色・回数でわかる受診目安と家庭でできる対策

更新日:2025年12月11日

1分でわかるこの記事の要約 猫の嘔吐は、心配のない生理的なものと病気が原因の危険なものに分類され、正確な見極めが重要です。 吐いた物の色や内容物、猫の元気や食欲、他の症状の有無で危険度を判断し、可能であれば写真を撮ってお […]
1分でわかるこの記事の要約
  • 猫の嘔吐は、心配のない生理的なものと病気が原因の危険なものに分類され、正確な見極めが重要です。
  • 吐いた物の色や内容物、猫の元気や食欲、他の症状の有無で危険度を判断し、可能であれば写真を撮っておきましょう。
  • 1日に複数回吐く、ぐったりしている、下痢を伴う場合は病気の可能性が高く、速やかに動物病院を受診すべきです。
  • 日常的なブラッシングによる毛玉対策、適切な食事、ストレス軽減、危険物の排除で嘔吐の頻度を減らせます。
愛猫が突然吐いてしまうと、「何か悪い病気だったらどうしよう」「病院へ行くべき?」と、飼い主なら誰でも心配になりますよね。猫は比較的吐きやすい動物ですが、その嘔吐が心配ない生理的なものか、病気のサインなのかを正しく見極めることが非常に重要です。 この記事では、獣医学的な観点から猫が吐く原因を網羅的に解説。嘔吐物の色や内容物から危険度を判断するチェックリスト、動物病院を受診すべきタイミング、吐きやすい猫のための日常ケアまで、愛猫の健康を守るための知識を詳しくご紹介します。

猫はなぜ吐く?生理的な嘔吐と病気による嘔吐の違い

猫の嘔吐は、大きく分けて「生理的な嘔吐」と「病気が原因の危険な嘔吐」の2種類に分類されます。まずは慌てずに、どちらのタイプに近いかを見極めましょう。

心配いらない猫の嘔吐【生理的な原因】4つ

猫の体は、異物や有害なものを体外へ排出しやすい構造をしています。そのため、以下の原因による嘔吐は、過度に心配する必要がないケースが多いです。吐いた後にケロッとしていて、元気や食欲も普段通りであれば、生理的な嘔吐の可能性が高いでしょう。

毛玉(ヘアボール)

  • 説明: グルーミングで飲み込んだ毛が胃の中で塊になり、それを吐き出す自然な生理現象です。特に換毛期や長毛種の猫によく見られます。細長い毛の塊が特徴です。

食べ過ぎ・早食い

  • 説明: 一度に大量のフードを食べたり、急いで食べたりすると、胃が対応できずに未消化のまま吐き戻すことがあります。多頭飼いで競争しながら食べる猫に多いです。

空腹

  • 説明: 食事の間隔が空きすぎると胃酸が過剰になり、透明な胃液や黄色い胆汁を吐くことがあります。朝方に吐く場合は、空腹が原因かもしれません。

フードが合わない

  • 説明: フードの急な変更や、体質に合わない成分(アレルギーなど)が原因で吐いてしまうことがあります。

こんな症状は要注意!病気のサインとなる「危険な嘔吐」

一方で、以下のような場合は病気が隠れている可能性があり、注意が必要です。生理的な嘔吐との最大の違いは、嘔吐以外にも不調のサインが見られる点です。

  • 嘔吐以外の症状がある 元気がない」「食欲不振」「下痢」「ぐったりしている」「体重減少といった症状を伴う場合は、単なる吐き戻しではなく、病気のサインです。
  • 嘔吐の頻度が高い 1日に何度も吐く、毎日・数日おきに繰り返し吐く場合は、消化器系の病気や慢性疾患が疑われます。
  • 吐こうとするが出ない(空嘔吐) 何度もえずくのに何も吐けないしぐさは、胃捻転や異物による腸閉塞など、緊急性の高い病気の可能性があります。
  • 子猫や老猫、持病のある猫の嘔吐 体力がなく脱水症状を起こしやすいため、一度の嘔吐でも注意が必要です。早めに動物病院を受診しましょう。

【写真で記録!】嘔吐物の色・内容物で原因を特定するチェックリスト

猫が吐いたものを観察すれば、原因を探る重要な手がかりになります。片付ける前に色や内容物を確認し、スマホで写真を撮っておくと、動物病院での説明に非常に役立ちます。

嘔吐物の色からわかる危険度

主な内容物 考えられる原因 危険度
透明・白い泡 胃液、唾液 空腹、ストレス、食道炎、乗り物酔い ★☆☆
黄色い液体・泡 胃液、胆汁 空腹(胆汁の逆流) ★★☆
茶色・フードの色 未消化のフード 早食い、食べ過ぎ、フードが合わない ★★☆
緑色 胆汁、異物 胆汁の逆流、中毒(植物など)の可能性 ★★★
赤色・ピンク色 血液 口腔内、食道、胃などからの出血 ★★★★★
コーヒーかす状 血液 胃や十二指腸など消化器からの出血 ★★★★★

透明・白い泡の嘔吐

主に胃液や唾液です。空腹時やストレスが原因で吐くことがあり、一度きりで元気なら様子見で良い場合が多いですが、続く場合は注意が必要です。

黄色い液体・泡の嘔吐

空腹時間が長く、十二指腸から逆流した胆汁の色です。夜間から朝方に多く見られます。繰り返す場合は、食事の回数を増やすなどの対策を検討しましょう。

茶色い嘔吐

食べたフードの色がそのまま出ているケースがほとんどです。早食いや食べ過ぎが主な原因ですが、血が混じった茶色(コーヒーかす状)の場合は消化器からの出血が疑われるため、注意深く観察してください。

赤・ピンク・コーヒーかす状の嘔吐(血が混じる)

緊急性が非常に高いサインです。 鮮血は口の中や食道、胃からの出血、黒っぽい血は胃や十二指腸など消化器の奥からの出血を示唆します。すぐに動物病院を受診してください。

緑色の嘔吐

胆汁の色が濃くなった場合が多いですが、猫にとって有毒な植物などを食べた際の中毒症状の可能性も考えられます。

嘔吐物の内容物でわかること

  • 毛玉(ヘアボール) 飲み込んだ毛の塊。長毛種やグルーミング好きな猫によく見られます。日頃のブラッシングで予防できます。
  • 未消化のキャットフード 早食いや食べ過ぎのサイン。早食い防止用の食器や、食事回数を増やす対策が有効です。
  • 異物(おもちゃ、紐、植物など) 非常に危険です。特に紐状のものは腸閉塞を引き起こすリスクが高く、命に関わります。異物を吐き出した場合でも、体内に残っている可能性があるため、必ず動物病院を受診してください。
  • 寄生虫 吐瀉物の中に細長い虫(回虫など)が混じっていることがあります。駆虫薬による治療が必要です。

動物病院へ行くべき?緊急性を判断する5つの基準

「この嘔吐は病院に行くべき?」と迷ったときは、以下の5つの基準をチェックしてください。1つでも当てはまれば、自己判断せず獣医師に相談しましょう。

  1. 嘔吐の頻度と回数 1日に3回以上吐いている、または2〜3日間嘔吐が続いている。
  2. 吐いた後の猫の様子 ぐったりして動かない、隠れて出てこないなど、明らかに元気がない。
  3. 嘔吐以外の症状の有無 下痢、震え、発熱、呼吸困難、腹痛など他の症状がある。
  4. 子猫や老猫、持病のある猫 体力がなく脱水を起こしやすいため、たとえ一度の嘔吐でも受診が推奨されます。
  5. 誤飲や中毒の可能性 おもちゃの破片や化学物質、観葉植物などを口にした可能性がある。

猫の嘔吐で考えられる主な病気

生理的な原因以外で嘔吐が続く場合、以下のような病気の可能性があります。

  • 消化器系の病気 胃腸炎、食道炎、異物の誤飲による腸閉塞、便秘、膵炎、巨大結腸症など。
  • 消化器以外の病気 慢性腎臓病、肝臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病、熱中症など。特に高齢猫の嘔吐は腎臓病のサインであることが非常に多いです。
  • 感染症・その他 ウイルスや細菌による感染症、寄生虫感染など。
  • ストレスによる心因性の嘔吐 引っ越しや新しいペットの存在など、環境の変化が原因で吐くこともあります。

吐きやすい猫のために!家庭でできる5つのケアと対策

日々のケアや習慣を見直すことで、嘔吐の頻度を減らせる可能性があります。

  1. フードの見直しと与え方の工夫 消化の良いフードや毛玉ケア用フードを選びましょう。一度に与える量を減らし、食事回数を1日3〜4回に分けると胃への負担が軽減されます。早食い防止食器の活用もおすすめです。
  2. こまめなブラッシングで毛玉対策 ブラッシングで抜け毛を取り除き、飲み込む毛の量を減らすことが毛玉対策の基本です。
  3. ストレスのない生活環境を整える 安心して隠れられる場所や、上下運動ができるキャットタワーを用意しましょう。飼い主との遊びの時間を確保することもストレス発散につながります。
  4. 誤飲・中毒の危険物を遠ざける 猫が口にしそうな小さな物(輪ゴム、紐など)は徹底的に片付けましょう。ユリ科の植物やタマネギなど、猫に有害な植物や食べ物を室内に置かないことも重要です。
  5. 定期的な健康診断 症状がなくても、年に1〜2回の健康診断は病気の早期発見に繋がります特にシニア期の猫には必須です。

猫が吐いた後の正しい対処法

愛猫が目の前で吐いてしまったら、飼い主は冷静に対応しましょう。

  1. 吐瀉物の確認と片付け 色や内容物を確認・撮影してから片付けます。その後、猫を静かな場所で休ませてあげましょう。
  2. 食事と水は一旦ストップ 吐いた直後は胃腸を休ませるため、2〜3時間ほど食事と水を控えます。(※子猫や持病のある猫は絶食が危険なため、獣医師に指示を仰いでください
  3. 少量から再開 嘔吐がなければ、まずは少量の新鮮な水を飲ませます。問題なければ、フードをふやかしたものや消化の良いウェットフードを少量から与え、徐々に普段の食事に戻していきます。

まとめ:愛猫の「いつもと違う」を見逃さないで

猫の嘔吐は、心配のない生理現象から命に関わる病気のサインまで様々です。最も大切なことは、飼い主が日頃から愛猫をよく観察し、「いつもと違う」という些細な変化に気づくことです。

吐いた後に元気で食欲もあるなら、まずは落ち着いて様子を見ても良いでしょう。しかし、嘔吐を繰り返す、ぐったりしている、下痢など他の症状があるといった場合は、迷わず動物病院を受診してください。この記事の判断基準を参考に、愛猫の健康で快適な毎日をサポートしてあげましょう。

この記事のまとめ
  • 猫の嘔吐は生理的なものから病気まで幅広い原因があり、飼い主が日常的に愛猫を観察し、変化に気づくことが最重要です。
  • 嘔吐物の状態や猫の元気・食欲、他の症状の有無をチェックし、危険度を正しく判断することが求められます。
  • 特に嘔吐を繰り返す、ぐったりしている、下痢などの異常が見られる場合は、迷わず動物病院を受診し、獣医師の診断を仰ぎましょう。
  • 日頃のブラッシングや適切な食事、ストレスを減らす環境作り、定期的な健康診断で愛猫の健康維持に努めましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: 猫が吐いた後、元気で食欲もあります。病院に連れて行くべきですか?

A1: 一度きりの嘔吐で、その後は普段通り元気で食欲もあるなら、毛玉や早食いなどの生理的な嘔吐の可能性が高いです。嘔吐を繰り返さなければ、急いで受診する必要はないことが多いでしょう。ただし、吐瀉物に血や異物が混じっていた場合や、子猫・老猫・持病のある猫の場合は、念のため獣医師に相談することをおすすめします。

Q2: 吐き戻し軽減フードは効果がありますか?

A2: 効果が期待できる場合があります。吐き戻し軽減フードは、消化しやすい原材料を使っていたり、毛玉の排出を助ける食物繊維が豊富だったりと工夫されています。早食いや毛玉が原因で吐きやすい猫には有効な選択肢です。ただし、病気が原因の嘔吐には効果がないため、改善しない場合は獣医師に相談しましょう。

Q3: 猫はストレスで吐くこともありますか?対策は?

A3: はい、猫はストレスが原因で吐くことがあります(心因性嘔吐)。対策は、ストレスの原因を特定し、取り除くことです。引っ越しなら安心できる隠れ家を用意する、同居猫との不仲なら食事やトイレの場所を分ける、などの工夫が必要です。飼い主が積極的に遊んであげる時間を作ることも、良いストレス発散になります。

初回公開日:2025年12月11日

記載されている内容は2025年12月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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