柴犬の飼い方｜しつけ方/トイレ/甘噛み/運動/屋外/屋内

三角の立ち耳、クルンと巻いた尾、引き締まった体など凛々しさを感じる風貌は根強いがあります。柴犬はクールで人に甘えることが少ない犬種ですが、大切な家族にだけは忠実で従順なところが柴犬ファンにとっての魅力でもあります。がんこな面も持ちクールで人にべたべた甘えることのないところからしつけがむずかしいといわれることもあります。

けれど柴犬の性質をよく理解して、その良さを発揮できるように接していくことですばらしい柴犬になります。

柴犬にとって理想の環境は

1.自分だけが休める場所がある
犬だけがゆっくり休める場所を必ず作る

2.十分な運動
柴ぬはもともと狩猟犬のため、活発で運動好き

3.良い飼い主（家族）に恵まれている
柴犬は敵意を持つ人に敏感。つなぎっぱなし、ほったらかしにしない

犬と人が気持ちよく暮らせるようマナーを教え、さまざまなことを慣らします。「スワレ」「マテ」などの指示に従うようにさせ、食事、トイレ、噛まない、物を壊さない、無駄吠えしない、呼んだら来るなどのことを自然にできるようにします。

柴犬はすべての犬と仲良くするタイプではなく、頑固な一面もあるのでしつけには根気が必要ですが、真剣に取り組めば必ず応えてくれます。

「飼い主が頼もしいリーダーとして行動する」ことが特に大切です。群れ社会の習性を受け継ぐ犬は家族を群れとみなして自分の順位をつけます。リーダーには服従し、下位の物には力を誇示するため、リーダーがいないと自分がリーダーになろうとしたり順位がわからず不安になります。

そのため上手にしつけるためには主従関係をはっきり認識させることが大切です。飼い主を強く頼もしいリーダーとして認めれば、犬は喜んで命令に従い、人間社会に順応し、ストレスを感じずに生きていけます。

個体差はありますが柴犬は清潔好きなのでトイレのしつけは楽なほうだといわれています。子犬のうちは体の機能が未熟なので、気長にしつけましょう。ハウスから犬を出す→トイレに連れて行く→排泄させる、という順番を習慣づけるのが覚えやすい方法です。

飼い主が先に食事をするのを見せておき、その後犬に与えるようにすると服従心が高まります。食事を与える前に「スワレ」「マテ」「ヨシ」のしつけを行い、飼い主の許可が出てから食べる習慣をつけましょう。犬が待つことを覚えるのは主従関係を徹底させるのに役立ちます。

子犬のころじゃれて軽くかんでくる（甘噛み）を「うちの子は痛くないように噛む」と放っておいた結果噛み癖がついてしまったということがよくあります。しつけの基本は子犬のころの甘噛みを許さないこと、そして噛んでいいものと悪いものの区別を徹底することです。

手などを噛んできたら仰向けにし、下あごを押さえ込むなどの対処法があります。ただし体罰は人への不信感を与えるので厳禁です。危険な場合は専門家に相談をしましょう。

本来狩猟犬であるため、タフな体力や足の速さ機敏な動き、野山をかけまわり小動物を追うのが大好きです。追う本能を生かしボール遊びなどをさせたり、物を持ってきてもらったり役割を与えるのもいいでしょう。山歩きなどのアウトドアを楽しめれば最高です。

そして飼い主との毎日の散歩は犬にとっての楽しみであり、外の世界やほかの犬や人との出会いを学び、社交性や協調性を身につけていきます。散歩は飼い主がリーダーシップを発揮する場です。時間やコースは飼い主が決め主導権を握ることが大切です。

快適に歩くためには飼い主の歩調に合わせ、横に寄り添ってあるくことができるようにしつけます。

・犬のペースに合わせた生活をしない
・まとわりついてきても無視する
・柴犬の習性・本能・気持ちを理解する
・家族全員でしつける
・気分で対応をかえない
・飼い主が頼もしいリーダーとして行動する
・ふざけてじゃれさせない
・一緒に食事をしない

柴犬の飼い主のなかには「お父さんのいうことしかきかない」「家族にもかみつく」といった悩みを抱えている人もいます。ウチに強さを秘めた柴犬には、リーダーシップをとるためのしつけが特に必要です。

屋外飼育ではつなぎっぱなしにしないことに注意しましょう。犬舎をできるだけ家の近くで家族から見える場所に置きふれあいの時間を持ちましょう。柴犬は一緒に遊んでくれる人が好きです。短い鎖につないだままだと警戒心が強まりやたら吠えるようになったり運動不足になりがちです。

犬舎は静かで日当たりがよく風通しが良い場所に置きましょう。夏はフィラリア予防のためにも入り口や窓をネットで覆ったり、蚊取り線香などを使って蚊を防ぐようにします。