亀の中でとても大きいと言われているオサガメとは？生態などを紹介

「オサガメって大きい亀なの？」
「オサガメってどんな生き物なんだろう？」
「オサガメはどんな所で繁殖するの？」
このようにオサガメに関して深く知りたい人は、たくさんの疑問があるのではないでしょうか。

本記事では、亀の中でとても大きいと言われているオサガメの基本的な知識に加え、普段どのようなものを食べて、どこで繁殖をしているのかを紹介しています。

この記事を読むことで、オサガメの生態や生息地、繁殖などについて知ることができます。その知識をもとにオサガメについて深く知ることができ、多くの疑問を解消できるでしょう。

オサガメについて疑問を持っている方はこの記事をチェックしてみましょう。

亀の中で一番大きいことで有名なオサガメは多くの方に知られています。カメは古くから確認されており、オサガメも1億年以上も前から地球上に生息していたことがわかっています。世界各地の文化や風習の中でもカメは崇拝され大切にされていました。

日本でもカメは長寿を意味し、子孫繁栄や幸福を意味します。オーストラリアの先住民アボリジニやケニアのバジュニ族などもカメは特別な存在として扱っています。

カメは今から約2億3000万年前の化石に残されています。その頃のカメは甲羅や骨格など現代のカメと同じような特徴があったとされています。長い歴史の中であまり進化をしていない生き物で、現在と同じような形をしていたのでしょう。

ウミガメは三畳紀末に沼や湿地帯に生息していたカメの子孫と言われおり、約1億1000万年前ごろに現在の姿になったと考えられています。その頃から大きく姿を変えていないカメは希少な存在だと言えるでしょう。

今でも太平洋の島ではタイマイは神聖な生き物として扱われています。ウミガメは家の守りとして使われたり、アクセサリーにして身に着けたりしていますね。私たちにとってカメはとても身近な存在で崇拝されていることがわかります。

ウミガメの中でも大きなオサガメは、不思議な生態があり他のウミガメとは違う生き方をしていると言われています。オサガメはどのような場所に生息をしており、どんな生態なのか気になります。オサガメを深く知ることで、身近に感じることができるでしょう。

ここでは、オサガメの生態や生息地、繁殖方法について解説します。この記事を読むことでオサガメに関して理解が深まり、知識を付けることができるでしょう。では、亀の中では大きいと言われているオサガメとはどんな生き物なのか調べてみましょう。

亀の中で大きいオサガメは、熱帯から温帯まで広い外洋を生息地としています。北緯71度から南緯47度まで回遊し、水温の低い高度地域でも生きていくことができます。主にインド洋や大西洋、太平洋、地中海などで見ることができるでしょう。

オサガメは他の爬虫類と違い、温度を水温より上に保つことができ、寒い地域でも見ることができます。カナダのブリティッシュ・コロンビア州や南アフリカの喜望峰など氷で覆われた海でも生きていくことができるのです。

オサガメは外洋を生息地にしていますが、繁殖期になると沿岸近くまで移動します。産卵する時だけ上陸し、通常は海の中を泳いでいます。日本では、北海道から南西諸島の沿岸域で確認されているのです。

鹿児島県の奄美大島にある嘉徳海岸は、オサガメが上陸した砂浜として知られています。嘉徳海岸は自然のまま残っている珍しい海岸で、オサガメの他にもアカウミガメやアオウミガメなども産卵地として訪れているのです。嘉徳海岸は世界で最北端のオサガメの産卵場所になっており、貴重な場所だと言えるでしょう。

オサガメは日本各地でも稀に見られますが、日本海沿岸では黒塩や対馬海流にのって北上すると考えられています。福井県では、季節風が強く吹く頃、寒気に耐えられず命を落とし、死体になって砂浜に打ち上げられることもあります。

オサガメは謎の多い生物なので、死体となったオサガメは解剖して研究に役立てられています。より詳しく生態がわかると保護活動にも役立つでしょう。

このように、亀の中で大きいオサガメは広く移動することが確認されています。多くのウミガメは大陸棚で一生を過ごすと言われていますが、オサガメの生息地はとても広く特徴的です。広範囲で暮らすオサガメを守り、環境保護に役立て個体数が増えてゆくと良いですね。

オサガメは基本的には広々とした外洋に生息しています。遊泳能力が高く、最大速度は約24km/時のスピードで海の中を泳ぎます。

オサガメはとても大きな種類で、大人になると甲羅の長さが1.5m以上、体重は300kg以上になります。世界最大のカメと言われており、その大きさは目を見張るほどです。

オサガメの甲羅は他のウミガメ類と異なり、硬い甲羅ではなく皮膚で覆われたような弾力があります。頭骨は緩く重なり合うような形をしており、四肢を構成する骨も中空のものが多いです。

体の中にある余分な塩分を排出する涙腺は大きく発達し、眼球を超える大きさになっています。

体内には発熱する器官があり、外気温よりも体温を高く維持することができると言われています。オサガメは体が大きく、体積に対する体の表面積の比率が小さいため体温を保持できるようになっています。外気温に左右されないのはこのためです。

熱帯地域で産卵をして、基本的には広々とした外洋に生息する特徴があります。外洋を泳ぐため、あまり見かけることはないでしょう。また、オサガメは深さ1,000mまで潜ることもあります。

日本では三陸海岸で稀に見ることができ、出会えた時は希少な体験になるでしょう。三陸で見ることのできるオサガメは、まだ未成熟の個体が多いです。なぜ未成熟のオサガメが三陸にいるのかはわかっていないため、調査が進められています。

オサガメについては謎が多いため、調査によってさまざまなことがわかってくるとより身近に感じられるでしょう。

オサガメは外洋を悠々と泳ぎながら、10度ほどの低温海域まで幅広い範囲を回遊することがわかっています。オサガメは、水温より体温が高いと言われている種類です。弾力性のある柔らかい甲羅も特徴的です。

カナダで捕獲した個体を、7.5度の海水が入った水槽に2日間入れたところ、陸に上がった時の体温が水温より18度も高かった記録が残されています。体内の熱を保つことで低温の海域でも快適に生活できるのでしょう。

また、亀の中で大きいオサガメの体温は自然の中でも計測されています。カナダ東部沖の約13～16度ある低水温の海を泳ぐオサガメの胃内温度を長期的に連続測定した結果、体温は水温よりも約10～12度高く保たれていたことがわかっています。

このことで、オサガメは高い内温性があり、低水温海域でも難なく過ごすことができるとわかりました。

オサガメは潜水能力も高く、水深1,000mまで潜れると言われています。

このように深く潜り込んでいくには訳があり、オサガメの餌と関連していると言われています。通常、深海に潜り込もうとすれば体に負担がかかりますが、オサガメの骨格は薄く弾力があります。

水圧を上手に分散しながら潜っていけることで、脳や内臓へのダメージはありません。環境に適応した甲羅を身に着けているのでしょう。

他のウミガメと比べて謎が多いオサガメですが、生きていく為に進化をしていき今の状態になったのかもしれませんね。亀の中で大きいオサガメを見ることがあったら、甲羅の部分をよくチェックしてみましょう。

オサガメは主にクラゲを食べて生きています。ほかにも甲殻類や棘皮動物、軟体動物、魚類、藻類など幅広く捕食します。主食としているクラゲは100g食べても22kcalと栄養価が低く、100kg位のオサガメになると、1日約100kg食べないと満足できないと考えられています。

クラゲは主に水温躍層に生息しており、亀の中で大きいオサガメはクラゲを捕食するために潜水します。潜水は朝方に深く潜り込み、夕方になると浅くなる傾向が確認されています。クラゲの生態にあわせて潜水をしているのでしょう。

オサガメは、深海の暗闇に潜り込みクラゲを捕食します。どのようにして捕まえているのかはまだわかっていません。また、オサガメは主食のクラゲを追って泳ぐと言われています。

カリブ海にあるトリニーダドトバゴ周辺では夏ごろにオサガメの姿が見られます。夏を過ぎるとカナダに向かい、キタユウレイクラゲなど大量発生したクラゲを捕食するのです。

オサガメは多くのクラゲを一気に食べられるように、食道は2ｍ以上あると言われています。甲羅の後半部分で折り返す形になっており、クラゲを効率よく摂取することができるのです。

食道の内側には最長5cmになる棘がびっしり並んでおり、食べ物を胃へ送り込みます。斜めに生えている棘は、海水と一緒に飲み込んだクラゲを逃がさず胃袋まで送ることができます。

また、食道はクラゲを一時的に貯蔵することも可能です。クラゲを見つけたら、どんどん口の中に入れていきます。食道に張りめぐらされた棘は口にもあり、食べたクラゲを食道へ送り込みます。この棘はゴムのように柔らかく、食べ物を丸ごと流し込めます。

オサガメはインドネシアとスリナム、スリラム、パプアニューギニアなどの熱帯地方で産卵をします。広く回遊して泳ぐので、高緯度まで移動することもあります。

かつてギアナの繁殖地だった砂浜が侵食されると、ギアナの別の砂浜であるスリナムで産卵する個体が増えたと言われています。常に最適に産卵できる場所を探しているのかもしれません。比較的、新しい産卵地になっているフロリダ半島でも、産卵数が増加している傾向にあります。

日本では2000年頃に奄美大島で産卵が確認されています。オサガメの雌は、長い距離を旅して産卵地へ移動します。餌場から約4,800㎞離れた営巣地に移動することもあります。

オサガメは、海で交尾をし、雌だけ亜熱帯地方の温かい砂浜に行き産卵をします。だいたい3～7月ごろに営巣が始まり、直径5～6cmのピンポン玉のような卵を約75～100個産みます。卵は55～70日で孵化し、13～14日程で成熟します。

孵化した子供は甲長5～6cmで、1年後には60cmまで大きく育ちます。孵化直後の子供は背甲や四肢が小型鱗で覆われており、成長すると消えて無くなります。

孵化した子供たちは、月の光を参照にして海へと向かいます。この時、ビルや建物、外灯、スポットライトなど光があると、間違った方向に向かってしまい命を落とすことになります。

オサガメは温度依存性決定で、性染色体をもっておらず、発生時の温度によって雌雄が決定します。産卵された卵は重なり、最後の方に産まれた卵は浅い位置になるため、温度で温まりやすく雌になることが多いと考えられています。

雌雄の決定は、巣の温度によって影響されるでしょう。雨や波など、さまざまな環境状態によっていつも同じ条件とは限りません。スリナムやギニアなど29℃近くある場所では、ほぼ同等の雌雄が生まれると言われています。