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ベンガルヤマネコはペットにできる?特徴や生息地もあわせて紹介

更新日:2024年07月19日

ベンガルヤマネコという動物をご存じでしょうか。本記事では、ベンガルヤマネコの生態や亜種について、ペットとして飼育できるか、どこに行けば見ることができるかなどを紹介しています。ベンガルヤマネコについて詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてください。

ベンガルヤマネコはペットにできる?特徴や生息地もあわせて紹介
ベンガルヤマネコとベンガルとの違いは、ペットとして飼えるかどうかです。ベンガルとは、野生のベンガルヤマネコとイエネコの交配種で、ネコ白血病の研究と、野生のベンガルヤマネコの保護を目的とした、比較的新しい猫種です。

ヒョウ柄が目を引くベンガルですが、見た目に反して人懐っこい性格でよく鳴きます。筋肉質で体格がよく、体のわりに頭部が小さいのが特徴です。

イエネコの中では中~大型種で体重は5~10kg、運動量が多く活発なので、おもちゃなどで刺激を多く与えると良いでしょう。

ベンガルはペット向きに交配された種のため、子供やほかのペットとも仲良くできると言われています。

ただし、野生ベンガルの交配から4~5代は離れていることが必須で、交配の過程では、アビシニアンやアメリカンショートヘア、シャムなどが使われたという説もあります。

ペットとして飼うことができないベンガルヤマネコ


ベンガルヤマネコは、ベンガルヤマネコ属として、動物の愛護及び管理に関する法律施行令で保護されているため、ペットとして飼育することはできません。また、ワシントン条約(CITES) による商取引の輸出入規制対象ともされています。

分布域が広く個体数も多いため、現在はベンガルヤマネコそのものは絶滅の恐れは少ない、と判断され、IUCN(国際自然保護連合)発行のレッドリストでは、低懸念種にランクされています。

しかし、亜種であるスナドリネコは、絶滅の危険が増大しているとされる絶滅危惧Ⅱ類に、国内に生息しているイリオモテヤマネコやツシマヤマネコは、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いとされる、絶滅危惧ⅠA類に分類されています。

なぜ、これほどまで絶滅の危険性が高まってしまったのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

出典:動物の愛護及び管理に関する法律施行令|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=350CO0000000107

出典:ワシントン条約(CITES)|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/download/fauna_revised_220810.pdf

出典:【哺乳類】環境省レッドリスト2020|環境省
参照:https://www.env.go.jp/content/900515981.pdf

絶滅危惧種となった理由

「絶滅危惧種」とは、絶滅の危機が生じている野生動物のことで、「レッドリスト」とは、IUCN(国際自然保護連合)でまとめたデータベースのことです。

個体数減少の理由として、ヒョウやシマハイエナ、オオカミ、ドールなど、野生の天敵による被害のほか、人間による被害が挙げられます。

人間による被害の内訳は、開発による森林伐採など生息地の破壊や、道路整備されたことによる車との衝突事故やケガ、にわとり小屋を野良猫などの被害から守るために設置されたとらばさみによるケガなどです。

また、ペットとして飼われていたであろう野犬や野良犬による咬傷のほか、野猫、イエネコからと思われるFIV感染症(ネコエイズ)に罹患したツシマヤマネコも1996年には発見されています。

上記のような被害により、個体数が減少したと言えるでしょう。

ベンガルヤマネコの亜種について



ベンガルヤマネコにはいくつかの亜種が存在しています。アジアに生息しているベンガルヤマネコ属として、インドネシアなどに生息しているマレーヤマネコやスナドリネコがいるとされています。

また、日本国内で有名なのは、長崎県対馬のツシマヤマネコ(別名アムールヤマネコ)、沖縄県西表島のイリオモテヤマネコでしょう。

以前は、ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコは、ベンガルヤマネコの亜種ではなく、独立種とする説がありました。

しかしながら、それぞれの個体群の遺伝因子を詳しく研究したところ、遺伝因子内に一致する箇所が発見されたため、現在はベンガルヤマネコの亜種として位置づけられています。

それでは、次に国内に生息しているツシマヤマネコとイリオモテヤマネコについて、より詳しく見てみましょう。

イリオモテヤマネコ

イリオモテヤマネコとは、1965年に八重山列島の西表島で発見された、ベンガルヤマネコの亜種です。西表島にのみ生息していて、体長50~60㎝程度、体重3~5㎏程度の個体とされています。

約100頭生息しているとされていますが、減少傾向にあり、1977年に国指定特別天然記念物に、1994年には国内希少野生動植物種に指定されました。

また、2007年には IUCN(国際自然保護連合)発行のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類からⅠA類に指定変更されるほど、絶滅の危険性が高まっています。

島全域に生息しているイリオモテヤマネコですが、主な生息地は島内の山麓から海岸にかけた低地部分です。低地部分は多様な環境が混在し水源も豊かなため、餌となる生き物が豊富にいる場所を好んで生息していると言えるでしょう。

出典:文化遺産オンライン|文化庁
参照:https://bunka.nii.ac.jp/heritages/search/freetext:%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%A2%E3%83%86%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B3/sorttype:_

出典:環境省レッドリスト2020|環境省
参照:https://www.env.go.jp/content/900515981.pdf

ツシマヤマネコ

ツシマヤマネコとは、日本では長崎県の対馬にのみ分布する、別名アムールヤマネコと呼ばれるベンガルヤマネコの亜種です。体長70~80㎝程度、体重3~5㎏程度の個体で、陸続きであった約10万年前に大陸から渡ってきたと考えられています。

ツシマヤマネコも、生息環境の悪化や交通事故などにより個体数が減少したため、1971年に国指定天然記念物に、1994年にはイリオモテヤマネコともに国内希少野生動植物種に指定されています。

また、IUCN(国際自然保護連合)発行のレッドリストでも絶滅危惧ⅠA類に分類され、保護及び増殖のための事業が実施されています。

主な生息地は、森林や田畑、水辺や湿地です。田畑には餌となるネズミ類やモグラ類などが、水辺や湿地にはカエルなどの両生類が豊富なため、好んで生息していると言えるでしょう。

出典:文化遺産オンライン|文化庁
参照:https://bunka.nii.ac.jp/heritages/search/title:%E3%83%84%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B3

出典:環境省レッドリスト2020|環境省
参照:https://www.env.go.jp/content/900515981.pdf

日本国内でベンガルヤマネコが見られる場所



国内では、鹿児島県鹿児島市にある平川動物園でベンガルヤマネコを見ることが可能です。以前は福岡県にある福岡市動物園でも飼育されていましたが、令和4年3月3日に死亡してしまったそうで、現在は平川動物園のみとなってしまいました。(令和4年8月現在)

平川動物園で飼育されているベンガルヤマネコは、展示場内を一通り歩いたあとは、木の枝の間でじっとしていることが多いと言われているので、見に行った際は木の枝の間を探してみると良いでしょう。

また、亜種であるツシマヤマネコは、現在も福岡市動物園で飼育されているほか、東京都の井の頭自然文化園や神奈川県のよこはま動物園ズーラシアや、長崎県にある対馬野生生物保護センターなど、各地で飼育されています。

ツシマヤマネコの方が飼育している動物園が多いため、ベンガルヤマネコより気軽に見に行けるでしょう。
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初回公開日:2022年09月14日

記載されている内容は2022年09月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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