イエロードッグプロジェクトとは？つけている理由や見かけた時の対処法

あなたは、「イエロードッグプロジェクト」という活動をご存知ですか。首輪やリードの先に、黄色いリボンやバンダナを付けている犬をみたことはあるでしょうか。

犬が人との距離を必要としている場合がある、ということを広める活動を行っています。

黄色いリボンをきっかけに、人と犬との距離感や、「何もしない」ことの必要性などを一緒に考えてみましょう。

この記事では、「イエロードッグプロジェクト」の活動内容と、黄色いリボンに込められた人と犬を繋ぐ思いやりの輪についてご紹介します。

「イエロードッグプロジェクト」は、スウェーデンが発祥の活動です。2012年6月に、スウェーデンの犬の心理学者やドッグトレーナーのグループが活動を開始しました。

元々は、オーストラリアの一部のドッグクラブが、刺激に敏感に反応する犬の目印として黄色いリボンを使ってました。それを参考にしてはじまった活動が「イエロードッグプロジェクト」です。

現在では、インターネットを通じて世界中に広まり、日本・アメリカ・カナダ・フランス・ドイツ・南アフリカ・スペインなど数々の国でその活動が進められています。

黄色いリボンは、人との距離を必要とするわんちゃんに付けられています。

わんちゃんを見かけて、「かわいいですね」「何歳ですか」など愛犬を連れて話しかける方も多いでしょう。しかし、黄色いリボンを付けているわんちゃんにはその行動がストレスになってしまう場合があります。

声高らかに注意をしなくても、気づいてほしい、分かってほしいと考える飼い主さんの想いが、つけられた黄色いリボンにはこめられています。

まずは、どんなわんちゃんに黄色いリボンがつけられているか、その理由を知るところからはじめましょう。なぜ黄色いリボンをつけている子をそっとしておかなければならないのでしょうか。

イエロードッグがリボンを付ける代表的な理由を4つ、ご紹介しておきます。

1つ目は、病気やケガなど、健康面が原因の場合です。

病気やケガを抱えているわんちゃんは、体に触れられると痛みを感じてしまったり、急に手を差し伸べるなどのちょっとした刺激が病状に影響を与えてしまう可能性があります。

また、病気やケガからのリハビリ中の場合も含まれます。

2つ目は、過去のトラウマを抱えているわんちゃんの場合です。

現在、世界的に保護犬の譲渡活動がすすめられています。保護犬のなかには、虐待や育児放棄により、人を怖がるようになってしまったわんちゃんも少なくありません。

そんなわんちゃんが、また人を信じられるように、毎日のお散歩を楽しく行えるよう、訓練をしている最中の場合があります。

3つ目は、しつけや訓練のため。トレーニングをはじめたばかりの頃は、まわりの色々な物に興味をひかれてしまったり、他のわんちゃんが気になったりと、集中力が散漫になりがちです。

しかし、最初のトレーニングをしっかり行わないと、飼い主の言うことを聞かず進みたい方向を自分で選ぼうとしたり、他のお散歩中のわんちゃんに向かって行ってしまう場合があります。

トレーニング中は、飼い主さんの目を見て、指示を聞き、信頼関係を築くための大切な時期といえます。

最後の理由は、ほかのわんちゃんが苦手な場合です。

人にも性格があるように、わんちゃんにもそれぞれ性格があります。わんちゃんの中には、他の犬に対して威嚇をしてしまったり、逃げようとしてパニックになってしまう子がいます。

黄色いリボンは、他の犬を近づけないで、とそっとわかってもらうためのサインでもあります。