チワワの先祖といわれるテチチとは？テチチの歴史とチワワの関係性

かつて南米にいたテチチという犬が、現在の愛玩犬のチワワのご先祖さまであるという話はご存知でしょうか。

テチチはかつて16世紀ごろまで南米大陸に存在していました。すでに絶滅してしまった小型犬の種類で、その外見が現在のチワワにとても良く似ている壁画が残っています。

そんな幻のテチチという犬こそが、大の犬種のチワワの先祖だという説があります。そんな幻の小型犬テチチとは、いったいどんな犬だったのでしょうか。

純粋なテチチは現在は絶滅してしまっています。

テチチは9世紀ごろから南米で飼育されているのが文献や壁画などから確認されている犬種です。魂を導くとされ、神聖視されていたとも、それゆえに生贄に使われていた、食用犬だったなど、いろいろな説がある犬です。

すでに絶滅しているためはっきりとした姿は明らかになっていませんが、テチチとみられる犬の置物や、メキシコのプエブラ州にある、チョルラピラミッドという場所から現在のチワワに良く似た姿の犬の壁画が発見されており、これがかつてのテチチの姿であると考えられています。

テチチはチワワと良く似た外見であったと言われています。

キツネによく似た骨格と顔つきであったと言われ、鼻先が長く、足が細長くしっぽも細くくるんと尾を巻いている外見が壁画からは見て取れます。毛の色は褐色のものや、青みがかったものがあったと伝えられています。

性格は絶滅しているためわかりませんが、家畜化されていたこと、現在のチワワがそうであることを考えて、活発で人懐っこかったのではないかと言われています。

残っている資料や壁画上でとても良く似ていると言われているテチチは、チワワの原種なのでしょうか。

メキシコにはチワワ州という州があり、そこで見つかったからチワワという犬種の名前になったのだという説もあります。チワワとはこのテチチの血を引く犬だったのでしょうか。

チワワの成立についてはいろいろな説がありますが、ひとまずテチチという犬がどんな犬だったのか、どんな経緯でチワワの原種であると言われるようになったのか、理由を挙げてみましょう。

先に挙げたように、テチチと考えられる犬の像や壁画からチワワとの類似性が指摘されています。

耳が立っていて、鼻先は長く、足が細長くしっぽは細いと、現在のチワワとそっくりな特徴を持っています。また、「チワワ」と命名された起源もメキシコにあるチワワ州でチワワの原種が見つかったからからだと言われています。

そのほかに、現在のチワワはかつて南米大陸にいた犬のDNAサンプルと同じ独自のDNAサンプルを持っているという研究結果があり、テチチが起源である可能が高まりました。

そんなテチチは、小型犬ながら食用犬として飼われていたと言われています。

古代の南米の人たちは、テチチを穀物などで育てて太らせて食用にしたと言われています。テチチはを捕らえられて家畜とされていました。当時の人たちにとっては一般的な食糧として食べていたらしく、いろいろな調理法があったとされています。

また、魂を運ぶものとして特定の毛の色のテチチを儀式で生贄にささげたともいわれています。しかし、遺跡からは食用にされた痕跡のある骨は出てきていないのも事実です。

チワワの原種はテチチではないという説もあります。

元々は中国に起源のある犬がスペイン人の貿易商によって南米に持ち込まれ、現地にいた犬と交配した子孫がチワワである、という説です。また、テチチ自体が一つの種ではなく、雑種の犬であるという説や、大型の食用犬であるコモン・インディアン・ドッグが先祖であるという説もあります。

しかし、先に挙げたようにDNA研究ではメキシコ起源の犬と同じDNAサンプルを持っているという結果が出ていることや、命名が原産国に由来することが多いためか、テチチ説が優勢です。