超古代犬種ヤクーチアンライカとはどんな犬？歴史と特徴について

「ヤクーチアンライカ」は、たくましいボディや凛々しい表情、綺麗なブルーの瞳など印象的な容姿をもつことから、一時期ネット上で注目を集めました。

名前にも不思議な響きがあり、何だか惹かれずにはいられないような魅力があります。
ヤクーチアンライカとは、一体どのような犬なのでしょうか。

ここではヤクーチアンライカの歴史や原産国についてご紹介します。

ヤクーチアンライカはサハ共和国で何百年も前から育てられてきた超古代犬種で、「ヤクーチアン・ライカ（ヤクート人の猟犬）」という意味があります。

非常に希少な犬種で、他の品種の犬から完全に隔離することで純血が保たれています。それほど厳重に血統を守っているにもかかわらず、国際蓄犬連盟（ＦＣＩ）には公認申請を行っていません。

また原産国でしか飼育はされておらず、ショードッグとして参加することもめったにありません。

ヤクーチアンライカの多くは実用犬として飼育され、飼い主や荷物を運搬するそりをけん引しています。また猟犬としても活躍し、熊をはじめとする様々な獲物を狩ることもあります。

ヤクーチアンライカの原産国はサハ共和国になります。

サハ共和国はロシア連邦に属する国で、ヤクート人が自称する「サハ」が国名となっています。首都はヤクーツクで、住民はヤクート人、ロシア人、他に北方少数民族を含め80の民族で構成されています。

ロシア連邦の東部に位置し、国の全域が永久凍土であることから、「世界一寒い国」として有名です。同国のオイミャコン村ではマイナス71.2度を記録したことがあり、これは人が定住している場所では世界最低気温といわれています。

冬は猛烈な寒さのサハ共和国ですが、夏は緯度からすると高温になり、内陸の盆地ではしばしば猛暑となります。

ヤクーチアンライカは画像で見る限りかなり大きく、強面に見えます。また毛色がバラバラなため、同じ犬種のはずなのに写真によって全然違う種類に見えることがあります。

またオオカミに似た風貌から「気性が荒そう」、「飼うのが難しそう」といった印象があります。

では実際のヤクーチアンライカはどのような特徴を持ち、どんな性格をしているのでしょうか。ここではヤクーチアンライカが持つ特徴や性格について詳しくご紹介します。

ヤクーチアンライカは「ライカ」という犬種の中の一つであり、スピッツタイプの大型犬です。体は強靭でたくましく、体長は約52～56ｃｍ、体重は約23～30ｋｇにもなります。瞳の色は青色のものがほとんどですが、茶色のものもいます。

被毛がとても厚く、綿のように密生した毛の上に長めの毛が粗く折り重なっています。そのためマイナス50℃もの極寒の地でも生き抜くことができます。

毛色はさまざまな色と模様がありますが、白黒か白一色のものが一般的です。中には茶色、灰色、斑点の入った白や3色の犬もいます。

視力・嗅覚・聴覚・持久力に優れ、積極的に獲物へ向かっていく勇敢さがあるなど、猟犬として理想的な特質を持っています。

ヤクーチアンライカは穏やかで、飼い主に忠実かつ従順な性格です。友好的でもあるため飼い主はもちろん、仲間の犬とも強い絆で結ばれます。しかし面識がないものに対しては用心深いという側面もあります。

ライカはよく吠える犬種として有名ですが、その中でも温和な気質のヤクーチアンは周囲に迷惑になるほど吠えることはありません。

頭が良くて集中力があります。また朝から晩までよく働く勤勉さを持っており、我慢強い性質から粗食にも耐えられます。これらの特性により、サハ共和国の厳しい自然環境の下でも実用犬として幅広く活躍することができます。

ヤクーチアンライカの印象的な見た目や意外に飼いやすい性格についてわかった方の中には、「自分も飼いたい」と思った方もおられると思います。しかし日本でヤクーチアンライカを飼育することはできるのでしょうか。

ここではヤクーチアンライカを日本で飼育するにはどのような環境が必要なのか、またどのような入手方法が考えられるのか、具体的にご紹介します。