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大鳥池のタキタロウの正体とは?過去の調査や目撃情報について解説

更新日:2024年08月12日

タキタロウという伝説の魚を知っていますか?実在の真偽やその正体を巡り、一時期大きな話題となりました。この記事ではタキタロウの正体について憶測されている説、伝説、過去の調査や目撃情報について解説します。ぜひご一読ください。

大鳥池のタキタロウの正体とは?過去の調査や目撃情報について解説
前述の通り、大鳥池は堰止湖ですが、約2万年前にせき止められて形成されたもの、と考えられています。当時はちょうど最後の氷河期であるウルム氷期にあたります。

氷河期に堰止湖によって陸に封じ込められた魚が、人間の手の及ばない大自然の中で独自の進化をとげ、一般的なサイズよりも大きく成長したと考えられています。

マス属の魚説

タキタロウは、ニジマスやヒメマスによく似ているため、マス属の魚ではないかという説があります。また、似た魚の近縁種同士の混血であるという説や、突然変異によって巨大化したという説、独自の進化をしたイワナの亜種という説もあります。

なお、亜種とは、同一種に属するが明らかに形態的な差異がある地理的な品種のものを「〇〇の亜種」のように表現します。

すでに絶滅している説

タキタロウは既に絶滅しているのではないか?という説もあります。

過去にはタキタロウは大鳥池に生息していたが、様々な理由により現在は絶滅してしまった、という説です。

これまで幾度も大規模な調査が行われ、また数多の人が捕獲を試みてきたにもかかわらず、いまだにタキタロウといえる魚は捕獲されていないし、写真などの記録もないことがその根拠となっています。

神聖な場所とされた大鳥池を守るための作り話説

タキタロウ伝説は作り話だという説もあります。古来、大鳥池は神聖な場所とされ、女人禁制だった時代もあります。そのような場所へ人々が軽率に近づかないように、怒らせると嵐が起きる、恐ろしいことが起きる、という伝説が作られたのかもしれません。

子供に言うことを聞かせたい時、「悪いことをすると鬼が来る」のようなことを子供に言ったり、または子供の時に大人に言われたりした経験がある人もいるのではないでしょうか。昔であればなおさら同様のことがあったと思われます。

時系列でみるタキタロウの伝説・調査・目撃例


タキタロウの伝説・調査・目撃例を時系列で解説します。もしかしたら、なんとなく少し遠い存在に感じているかもしれないタキタロウが、ぐんと身近に感じられることでしょう。

江戸末期にはすでにタキタロウについての伝説があった

前述の通り、タキタロウについての記述がある最も古い文献は、松森胤保の「両羽博物図譜」です。

ここでは、「岩名(イワナ)」の項目で、大物のものを「瀧太郎」というと記述されています。1.5mクラスのものが大鳥川から流れてくるとされています。

また、大鳥池のタキタロウが5回も洪水を起こし、ふもとの集落を襲ったという江戸時代の記録もあります。

大正時代に2匹の巨大魚が捕獲されたという言い伝えがある

1917年(大正19年)、大鳥池に水門を作るため、ダイナマイトで爆破作業をした際、2匹の大型魚が浮かんできました。その魚は、全長1.5m、体重40kgもあったとされています。

2名の作業員が持ち帰り4日かけて食べ、「赤身で脂が乗っており非常に美味しい」という味の特徴が伝えられています。

1982年7月に2メートルの巨大魚が目撃される

1982年7月、地元の旅館「朝日屋」主催で以東岳登山が行われました。朝日屋主人ら4人が、登山道から体長2m前後の巨大な魚が数十尾の群れで小魚の大群を追っているところを目撃しました。

実際に目撃した人の体験談によると、以東岳中腹で休憩していた時にふと大鳥池を見たら、西側にV字型の波が移動しているのが見え、双眼鏡で眺めると巨大魚の群れが泳いでいたとのことです。

このニュースは地元新聞の一面に掲載されるなど、大きく報じられました。そして、これをきっかけに、タキタロウが世間から大きく注目されるようになるのです。

1983年から3年に及び調査が実施される

1982年に巨大魚が目撃されたことから、大規模な調査団が組織され、3年にもわたって調査が実施されました。

メンバーは、地理や地質などの学術専門家、NHKの取材班及び朝日村関係者などです。当時では最先端技術だった音響探査機や魚群探査機が使われました。

1985年、大規模調査3年目にして、ついに体長約70cm、体重は約5kgの巨大魚を捕獲することに成功しました。その巨大魚は専門家へ鑑定が依頼されることになります。

日本中がその結果について固唾を飲んで見守る中、発表された結果は「アメマス系のニッコウイワナ」か「オショロコマに近いアメマス」とされました。専門家の間でも特定されるに至りませんでした。

ニッコウイワナもアメマスも、どちらもイワナ属であり、近縁の種なので回答に大きな差異はないと考えられます。ここから、タキタロウの正体が限定された環境において独自に進化したイワナの亜種ではないかとも考えられています。

ただし、この時の巨大魚とタキタロウとの関連についても特定はされていません。以前タキタロウを捕まえたことのあった村人が「顔が違う」と証言したからです。

2001年に体長が70cmを超える魚が捕獲される

2001年、体長が70cmを超える大型魚が捕獲されました。タキタロウである可能性も報道されましたが、それ以降はタキタロウの目撃などの情報はありませんでした。

そんな中、タキタロウの本格的な生態調査が1985年に終了して以来30年ぶりに行われることになります。

2014年に30年ぶりの本格調査が行われる

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初回公開日:2022年09月01日

記載されている内容は2022年11月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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