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生きてるシーラカンスに会える水族館はある?展示を行っている場所や生態も紹介

更新日:2024年08月10日

シーラカンスがどんな魚なのか知っていますか。生きる化石とも呼ばれているシーラカンスは、生きてる姿をみることができるのでしょうか。この記事では、シーラカンス発見の歴史や生態についてお話します。ご興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

生きてるシーラカンスに会える水族館はある?展示を行っている場所や生態も紹介

生きてるシーラカンスは世界的に見てもなかなかお目にかかれるものではありません。また、シーラカンスはその特殊な生態と大きさから、飼育・展示は乗り越えるべき問題が多いともいえます。

多くの海洋生物を展示している水族館でも、生きてるシーラカンスを見ることはできませんが、標本がある水族館がいくつかあります。生きてるものではありませんが、シーラカンスの標本はとても貴重です。

日本で、貴重な標本が展示されている水族館を、それぞれの水族館の特徴とあわせて紹介します。水族館ごとに展示の工夫があり、比べてみると面白いかもしれません。

沼津港深海水族館

静岡県にある、深海をテーマにした水族館です。水族館の目の前にある駿河湾は最深約2500メートルもあります。実際に、メガマウスなどの古代魚が生息しています。

沼津港深海水族館のシーラカンスミュージアムと名付けられた展示スペースでは、3体の剥製標本と、2体の冷凍標本が展示してあります。

海中で泳ぐ姿を捉えた映像や、CTスキャンを用いて立体映像の再現など、この水族館に行くと生きてるシーラカンスに会った気分になれるでしょう。

アクアマリンふくしま

福島の海の象徴である、黒潮と親潮が出会う潮目をテーマにしている水族館です。ここでは、2体のシーラカンスの標本を見ることができます。この2体は異なる種類のシーラカンスで、同時に見られる水族館はここだけです。

近年では、アフリカのシーラカンス保全プログラムの連携、インドネシアシーラカンス保全プログラムの確立などさまざまな活動が行われています。

ROVカメラという自走式の水中カメラを使って、シーラカンスだけでなく、福島の海の調査にも一役買っているようです。シーラカンスとともに福島の海について知ることができる水族館です。

市立しものせき水族館 海響館

ふぐの取扱量で有名な、山口県下関市にあります。下関の成り立ちが海と深く関わっていることから、海のいのち・海といのちをコンセプトに掲げる水族館です。

過去には、シーラカンスの日本上陸50周年を記念した企画展も行われました。展示に至るまでの裏話がホームページに掲載されており、興味深い内容です。

特徴的な展示も魅力のひとつです。潮の流れを再現した水槽など、見どころがたくさんあります。また、シロナガスクジラの全身骨格標本が展示されています。ここでしか見られない展示を楽しみましょう。

国立科学博物館

水族館ではありませんが、ここでもシーラカンスの化学標本を見ることができます。

1877年頃に創立された日本でも歴史ある博物館です。国立唯一の総合科学博物館として自然史や科学技術史に関する展示を見ることができます。展示だけでなく、調査研究や学習支援などの活動が行われており、さまざまな分野の興味深い内容を多く取り扱っています。

シーラカンスは地球館というスペースに展示されていますが、植物園などの付属施設がいくつかあるので興味のあるものを見て回るのもよさそうです。

濃い内容の展示を見て回るうちに、その時代に浸ることができます。水族館とは違った楽しみ方ができる場所です。

水族館で標本を見る際に知っておくといいシーラカンスの豆知識


生きてるシーラカンスに会うことは難しいですが、国内でも、水族館などでシーラカンスの標本が見られることが分かりました。では、実際に水族館でシーラカンスを見る前に、もう少しシーラカンスについて知っておきましょう。

実は、シーラカンスの日というものが存在します。1952年12月20日に捕獲されて初めて学術調査が行われました。以降、12月20日はシーラカンスの日とされています。

また、シーラカンスは世界一まずい魚であるという記録が残っています。身体のほとんどが、食べても消化できない成分でできているためです。実際にどんな味なのか、少し気になってしまいますね。

ほかにも、シーラカンスに関する豆知識がいくつかあります。

出典:12月20日【シーラカンスの日】|株式会社琉美不動産
参照:https://www.ryubi-estate.co.jp/blog/entry-330829/

シーラカンスと名前

シーラカンスは、シーラカンス目という分類の総称であるため、正式名称は別に存在します。

最初に発見された個体の学名は、ラティメリア・カルムナエです。のちに見つかった個体はラティメリア・メナドエンシスといい、現在確認されている生きてるシーラカンスはこの2種類です。

生きてるシーラカンスが多く発見されているコモロ諸島では、ゴンベッサと呼ばれています。

コモロ諸島では、1年に数匹釣りあげられており、まずくて食用にもならないことから、食えない魚・使えない魚という意味でした。しかし、現在はシーラカンスを釣ると高く買ってもらえるので、幸せを呼ぶ魚という意味でゴンベッサと呼ばれているそうです。

発見の歴史

生きてるシーラカンスが最初に発見されたのは、1938年頃です。

南アフリカのチャルムナ川の沖で、イーストロンドン博物館のコートネー・ラティマー女史が発見しました。これにちなんで、ラティメリア・カルムナエという学名がつけられています。

絶滅したと考えられていたシーラカンスが目の前で生きてる光景は、たいそう驚きだったことでしょう。

2匹目は、1952年頃にコモロ諸島でラティメリア・メナドエンシスが発見されました。1匹目の発見場所からは約3000キロメートルも離れています。この種は、発見場所にちなんで日本ではインドネシアシーラカンスとも呼ばれています。

まだ見つかっていない場所で、深い海を悠然と漂っているのかもしれませんね。

近年捕獲事例が増えたわけ

絶滅危惧種になっているにもかかわらず、シーラカンスが捕獲されるケースが増えており、再び絶滅の危機に直面しているといわれています。

マダガスカル周辺では数十年で100匹以上が捕獲された可能性があります。2010年頃には、なんと1週間で1ダースという報告もあったようです。なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。

このような事態には、サメの需要と関係があるとされています。ヒレや油など、サメの需要が世界中で高まっています。サメの漁に使われる刺し網は、深い海に適しており、そこにシーラカンスがかかってしまうようです。

また、マダガスカルにはシーラカンスの保護に関する積極的なプロセスがなかったことも原因と考えられています。

シーラカンスの発見には役立ってきましたが、貴重な種がこれからも残るように大切にしていきたいものです。

生きてるシーラカンスのかわりに標本のシーラカンスに会いに行こう


大昔、恐竜の時代に絶滅したと考えられていましたが、長い年月を経て変わらない姿で生きてるところを発見されたシーラカンス。現在どのくらいいるのか、個体数ははっきりと分かっていません。研究が進められていますが、まだまだ解明されていない部分が多いのも現状です。

足のようなヒレは、陸に上がろうとしたからなのか。なぜ深海に戻ったのか。これから先、どのような新しい発見があるのか興味が湧きます。

シーラカンスを知ることで、海の歴史や生命の神秘に触れることができます。まずは、標本のシーラカンスに会いに行ってみてはいかがでしょうか。わくわくする新しい発見があるかもしれません。

初回公開日:2022年09月22日

記載されている内容は2022年11月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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